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Ⅴ.ブランドマネジメント

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Ⅴ.ブランドマネジメント
研究開発および知的財産報告書 2008
Ⅴ.ブランドマネジメント
1.1.
1. ブランドマネジメント
日立は、創業の精神である「和」「誠」「開拓者精
神」を日立ブランドの基本概念として、一つひとつの
仕事と向き合い、お客様の信頼をかち得てきました。
近年になり、経営環境が連結経営、グローバル化、
無形資産重視へと変化するなかで、日立グループ
共通の資産である日立ブランドを、競争力を支える
重要な経営資源と位置づけ、さらにその強化を図る
ため、2000 年 4 月より積極的にブランドマネジメント
を推進しています。
日立のブランドプラットフォームとコーポレー
トステートメント
日立ブランドは、日立グループの経営理念や社会
的使命あるいは具体的企業行動などを、すべてのス
テークホルダーの皆様に的確に伝えるための重要
な約束です。日立ブランドのもとで活動する日立社
員の一人ひとりが、どのように考え、何を約束し、ど
のように実行していくかを明文化した綱領が「日立ブ
ランドプラットフォーム」で、「ブランドビジョン(理念)」
「ブランドミッション(使命)」「ブランドバリュー(価
値)」の 3 つの柱から構成されています(図 5.1)。
「社会が変わる、日立が変える」
「社会が変わる、日立が変える」
ブランドビジョン (理念)
日立ブランドの目指す
方向性およびそのゴール。
ブランドミッション (使命)
ビジョンを達成するために
とるべき行動。
ブランドバリュー (価値)
日立ブランドが
ステークホルダーに
約束・提供する価値。
私たちの理念は、
私たちの理念は、
知識と情報技術を中心とした先端技術によって、
知識と情報技術を中心とした先端技術によって、
常に、新たな価値と可能性をもった
常に、新たな価値と可能性をもった
製品、システム、サービスを提供し続け、
製品、システム、サービスを提供し続け、
豊かな人間生活とよりよい社会の実現を目指すことです。
豊かな人間生活とよりよい社会の実現を目指すことです。
私たちの使命は、
私たちの使命は、
社会とお客様の求めるものを敏感に察知し、
社会とお客様の求めるものを敏感に察知し、
自らの目標を定め、それを達成することです。
自らの目標を定め、それを達成することです。
従来の概念にとらわれず、
従来の概念にとらわれず、
新しい技術の開発・応用をします。
新しい技術の開発・応用をします。
特に、情報・サービス分野に注力します。
特に、情報・サービス分野に注力します。
未知の事業分野にも果敢に挑みます。
未知の事業分野にも果敢に挑みます。
よき企業市民として、環境保全と経済的成長が
よき企業市民として、環境保全と経済的成長が
両立する活動を行います。
両立する活動を行います。
私たちが、提供し、守り、高めていく価値は、
私たちが、提供し、守り、高めていく価値は、
お客様と社会の信頼に必ず応え、責任を全うすることです。
お客様と社会の信頼に必ず応え、責任を全うすることです。
複雑で多岐にわたるシステムにも知識と技術で対応します。
複雑で多岐にわたるシステムにも知識と技術で対応します。
部分的に見た際に最も優れているだけでなく、
部分的に見た際に最も優れているだけでなく、
社会やシステム全体を視野においたときに、
社会やシステム全体を視野においたときに、
また、将来を見こしたときに、
また、将来を見こしたときに、
最も適した方法、本質的な解決策を用います。
最も適した方法、本質的な解決策を用います。
社会が変わるとき、変えるのは日立でありたい。
社会が変わるとき、変えるのは日立でありたい。
日立は、社会とともにこれからも変わっていきます。
日立は、社会とともにこれからも変わっていきます。
図 5.1 日立ブランドプラットフォーム
-20-
研究開発および知的財産報告書 2008
また、コーポレートステートメント「Inspire the Next」
1.3.
ブランド価値向上のための諸施策
は、「ブランドプラットフォーム」のエッセンスを一言
ブランド価値の向上は、社員一人ひとりの行動によ
に集約し表現したもので、“次なる時代に息吹を与え
って実現されることから、研修や教育ツール等を通し
続ける”という意味が込められています。「Inspire the
て、日立グループ社員のブランドに対する意識向上
Next」の「Next」の後に何も置かないことで、その後
を図る取り組みをグローバルに行っています。また、
に続く言葉として、時代、社会、アイディア、製品、シ
企業のブランドイメージは、ステークホルダーの皆様
ステム、ソリューションなどが自由に思い浮かべられ
の多様な体験の蓄積によって、形成されます。その
ます。この「Next」に続く言葉をそれぞれのステーク
ため、多様なコンタクトポイントにおいて、日立のブラ
ホルダーの皆様とともに考え、共有していくことも、コ
ンドメッセージと整合した一貫性のあるブランド体験
ーポレートステートメントのねらいのひとつです。
を提供することが重要です。ブランドマネジメントで
1.2.
は、主に次のような施策を行っています。
日立ブランドの基本デザイン要素
日立グループの企業イメージやブランドイメージを
1.3.1. Web マネジメントの推進
統一的かつ継続的に伝えるため、視覚表現統一基
準を制定しています。その核となる日立ブランドの基
本要素には以下のものがあります。
•
日立マーク:
社章(「家紋」)として使用される日立を象徴するマ
ーク。
インターネットの日立 Web サイトには、ステークホ
ルダーの皆様に提供する多くの情報を掲載していま
す。お問い合わせ窓口や販売、顧客サポートなどの
機能もあり、Web サイトは日立ブランドに関する包括
的なブランド体験の場になっています。Web サイトの
さらなる品質向上を図るため、サイトガバナンスの体
制構築や視覚表現・使い勝手に関するガイドライン
の制定等を行い、事業機会の創出につながる Web
•
日立ロゴ:
マネジメントを推進しています(図 5.2)。
日立ブランドの象徴として最も中心的に使用される
ロゴ。日立の提供する製品・サービスなどで使用し、
ブランド価値を蓄積するもの。
•
CS(Corporate Statement)ロゴ:
日立ロゴとコーポレートステートメントを組み合わ
せ、独自のブランド価値と、変革への意志と誓いを
図 5.2 日立 Web サイトトップページ
内外に発信するもの。右上の赤いライン(Inspire
Flash)は、日立がさらに伸びていく姿勢と、新しい
1.3.2. 環境キャンペーン活動 他
時代に進む意思の強さ、次なる時代に息吹を与え
続ける熱い思いを象徴している。
国内外において各種の広告・宣伝活動を展開して
いる他、日立ブランドの認知と理解を向上させるため
のキャンペーンを継続的に行っています。2007 年
12 月には、「地球温暖化の防止」「資源の循環的な
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研究開発および知的財産報告書 2008
利用」「生態系の保全」を 3 つの柱とする「環境ビジョ
限り減らし、訴追を免れようとする傾向がみられます。
ン 2025」を発表したことから、日立グループの幅広い
通常の行政処罰では、抑止効果が弱く、再犯につな
環境イノベーション製品のPRや環境キャンペーンの
がることもあるため、日立では他社と連携を図りつつ、
実施、環境ブランド Web サイト立ち上げ等の取り組
複数ブランドを侵害する業者を共同で摘発し、刑事
みを行っています(図 5.3)。
訴追を実現するよう対策しています。
また、香港で不正に登記された「日立」
1.3.3. 若年層のブランドイメージ向上
「HITACHI」を商号に含む会社については、訴訟を
中学生や高校生向けの科学技術教育活動を行う
通じて裁判所からは登記抹消命令を得ているにも関
他、採用活動の一環として、大学生を中心とした若
わらず、香港の会社登記制度上は一旦登記された
手層が持つブランドイメージ向上のため、セミナー
会社を抹消する手続が大変困難であるという法律上
等を実施しています。優秀な人材の獲得や、将来の
の問題点が確認されました。そこで、他社と連携して
ステークホルダーとの良好な関係構築を推進してい
経済産業省に働きかけ、これを受けて日本政府は香
ます。
港政庁との政府間協議を 2005 年 11 月以降、数回行
い、法制度・運用の改正を求めた結果、具体的な法
2. 模倣品対策
改正の計画が提示されるに至りました。
家電品、電子部品、自動車部品、建機部品、電動
さらに、模倣品の国際的な流通の増加にともなっ
工具等の模倣品対策を中国、アジア、中近東、アフ
て、輸出先と輸出国(主に中国)との両面での対策、
リカ等で積極的に行っています。特に事件の多発し
具体的には中東と中国での並行調査、中東諸国で
ている中国では現地法人と協力し、摘発等の効果的
の税関による取締り、各国市場での摘発を行い、ま
な対策を鋭意推進し、真正品の売上回復につながる
たそこから得た情報に基づき侵害ネットワークを解明
等の成果を上げています。
する方針を取っています。そのために、関係当局と
国際知的財産保護フォーラムの訪中ミッションを
の連携や情報交換を積極的に行っています。最近
支援する等して業界団体を通じての中国当局へのロ
ではインターネットを舞台とする侵害事件も増加して
ビイング活動も進めています。中国国内では 2004 年
おり、新規法制度・ルールに照らした対策を積極的
12 月の知的財産権侵害事件の刑事訴追基準の緩
に進めています。
和にともなって、侵害者が摘発時の押収数をできる
水篇
土壌篇
空気篇
図 5.3 国内向け「つくろう。キャンペーン」環境シリーズ新聞広告
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