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2014
vol
47
新春号
上下水道事業におけるアセットマネジメント
一般社団法人 全国上下水道コンサルタント協会
一般社団法人
全国上下水道コンサルタント協会
倫 理 綱 領
会員は、上下水道のコンサルタントとしての使命と職責の自覚にたって、
技術に関する知識と経験を駆使して誠実に業務の執行に努め、社会及び顧客
の信頼を確保し、もって建設コンサルタント業の社会的地位の向上を図らな
ければならない。そのため、以下の事項を遵守するものとする。
1 . 品位の保持
会員は、常に建設コンサルタントとしての品位の保持に努めるとともに、
会員相互の名誉を重んじなければならない。
2 . 専門技術の権威保持
会員は、常に技術の向上を図り、顧客の信頼確保に努めるとともに、良
き技術的パートナーとして、技術に確信をもって業務にあたらなければ
ならない。
3 . 中立性・独立性の堅持
会員は、建設コンサルタントの良心と権威をもって業務の遂行にあたり、
中立性・独立性を堅持し、顧客以外の利害関係者との間で疑義が生ずる
ような行為をしてはならない。
4 . 報酬
会員は、業務の遂行にあたり、顧客の支払う適正な報酬以外にいかなる利
益をも受けてはならない。
5 . 秘密の保持
会員は、顧客の利益を擁護する立場を常に堅持し、業務上知り得た秘密を
他に漏らしてはならない。
6 . 法令等の遵守及び公正かつ自由な競争の維持
会員は、法令、本会の定款等を遵守し、公正かつ自由な競争の維持に努
めなければならない。
制定 平成12年5月22日
(総会)
上下水道事業におけるアセットマネジメント
CONTENTS
MESSAGE
田辺 信宏
2
水コンサルタントへの期待に対して継続的に応えるために 菅 伸彦
4
コンサルタントに期待する ─変化の時代の水先案内を─ 大垣眞一郎
下水道事業におけるアセットマネジメント
吉澤 正宏
水道における「アセットマネジメント」の普及促進 金縄 健一
7
9
12
堀江 信之
木村 康則
17
20
伊達市水道ビジョンとアセットマネジメント 山﨑 安紀
仙台市下水道事業のアセットマネジメントを俯瞰する 水谷 哲也
22
26
川口市水道事業におけるアセットマネジメントの取組み
名古屋市の下水道事業におけるアセットマネジメント
アセットマネジメント実践に基づく管路更新の取り組み
広島市における下水道施設の老朽化対策の取組について
鹿児島市水道事業におけるアセットマネジメント
アセットマネジメントに対する水コン協の取り組み
田中 光博
安井 保
山崎 勝博
倉本 喜文
穂園 和彦
池田 信己
30
33
36
40
43
46
岩見沢市水道の歴史遺産
奈良県の下水道歴史遺産
吉成 潔
横井 明弘
49
52
小嶋 宣英
菅田 和夫
高橋 徹
高津 章雄
向井 昌彦
篠永 典之
55
58
61
64
68
71
下水道施設の緊急点検・調査
樽井 史朗
74
北海道支部活動の紹介
中部支部活動報告
平野 道夫
安藤 敏博
76
78
櫻井 克信
加藤 雅夫
80
84
四季の会
87
「持続可能な下水道事業経営」を目指して
静岡市下水道事業におけるアセットマネジメントへの取り組みについて
2014
vol.
47
新春号
副会長挨拶
特 集
~簡易支援ツールについて~
下水道事業におけるアセットマネジメント
水道事業におけるアセットマネジメント
事例報告
~人と自然にやさしい水道~
~導入戦略は実現されたか?~
冬の贈り物 堀川納屋橋
撮影者 滝 宏志
中日本建設コンサルタント㈱
歴史遺産
(表題題字は水コン協初代会長
故岩井四郎氏筆)
会員寄稿
まちなか再生「秋田の行事」(たった一枚の絵を見にいく)
水 雑 感
ザンビアの水道施設改修
「時間設計」という概念について
話し方教室を受講して
温故知新 ─技術と経験を次世代へ─
解説
支部活動の紹介
協会活動報告
過去に発 刊された「水坤」の
目次は全 て水コン 協 のホーム
ページに掲載されています。ホー
ムページのアドレスは下記のとお
りです。
URL:http://www.suikon.or.jp
活動報告
支部における社会貢献活動
四季の会
俳句と遊ぶ
(39)
全国上下水道コンサルタント協会の変遷
全国上下水道コンサルタント協会の組織
地方支部事務局及び正会員名簿
上下水道コンサルタント技術者の倫理
89
90
91
105
1
「持続可能な下水道事業
静岡市下水道事業におけるアセット
が約2,400km、浄化センターが7箇所、ポンプ場
が 15 箇所となっています。
2.アセットマネジメント導入の背景
静岡市長 田辺信宏
現下の課題としては、事業開始から約 90 年が
経過しており、施設の老朽化が進んでいること
です。
S
E
M
今後、これら施設が一斉に更新ピークを迎え
1.はじめに
水道の普及促進に加え地震対策、浸水対策など
新年を迎え、心からお慶び申し上げるととも
喫緊の課題にも対応していかなければならず、
に、皆様にとって希望に満ちた幸多き年となり
そのためには、計画的かつ効率的な改築・更新
ますよう、お祈り申し上げます。
を行っていく必要があります。
そこで、本市では、下水道施設の適切な老朽
本市は平成 15 年 4 月、旧静岡・清水両市が合
化対策を実施するため、平成 19 年度にアセット
併し、平成 17 年4月、全国で 14 番目となる政令
マネジメント手法を用いた「再構築基本計画」を
指定都市へと移行しました。その後も蒲原町、由
策定し、その計画に基づき事業に取り組んでい
比町と合併し、現在、市域の面積は 1,411.93k㎡、
るところです。
人口は 719,188 人(平成 24 年度末)となっていま
計画の策定にあたっては、管渠に比べ、維持
す。
管理費、建設事業費ともに導入効果が高い浄化
本市では、大正13年に下水道事業に着手し、昭
センター及びポンプ場を対象とし、耐用年数の
和 35 年には、県下初の下水処理場となる高松浄
短い機械・電気設備の更新計画策定を優先し、順
化センターの供用を開始し、水洗化が可能とな
次、耐用年数が比較的長い土木・建築施設へと
りました。現在、全体計画8処理区 124.39k㎡の
範囲を広げていくこととしました。
うち7処理区 96.66k㎡で事業を実施しています。
平成 24 年度末には 86.68k㎡の整備が完了し、下
水道処理人口普及率は81.0%、下水道資産は管渠
2
ることになります。厳しい財政状況のなか、下
経営」を目指して
マネジメントへの取り組みについて
G
A
S
S
■3.アセットマネジメント手法導入による
効果について
E
て6年が経過したことから、平成25年度より、計
画の見直し作業を進めております。
今回の見直しでは、今までの浄化センター及
計画策定には、膨大な下水道資産がどのよう
びポンプ場を対象としていた計画に管渠を加え
な状態にあり、どのように変化し、どの時点で
ることで、下水道事業全体を考慮した計画とな
どのような更新等を実施すべきかについて、あ
り、より効率的・安定的な経営の推進を図るこ
らかじめ把握・検討しておくことが必要となり
とができ、安定した市民サービスを提供できる
ます。
と考えています。
これらを基に、従来の対処療法的な「事後保
全」から、事故や機能停止を未然に防ぐための
「予防保全」に切り替えることで、安全で安定的
5.おわりに
なサービスを確保することができることになり
以上、本市のアセットマネジメントの取組み
ます。
について紹介しましたが、先に述べたように、下
また、従来は各浄化センターごとにつくられ
水道分野のアセットマネジメントはまだ緒につ
ていた更新計画を、全浄化センターを一体的に
いたばかりであります。
計画することで、予算と人員の平準化を図るこ
しかしながら、国際的には、インフラ全体を
とが可能となりました。
対象としたアセットマネジメントの国際規格化
への動きが加速しており、国内でも、国土交通
4.今後の取組みについて
省が「下水道分野における ISO55001 適用ガイド
ライン検討委員会」を他の分野に先駆けて設置
アセットマネジメント計画は、一旦策定すれ
するなど、今後ますます重要視されると考えら
ばそれで完結するものではなく、点検結果等の
れます。
データを蓄積し、定期的に、検証・修正してい
このような動きがあるなか、本市としては、持
く必要があります。
続可能で安定的な下水道事業経営を実現するた
これにより、施設の劣化予測等の精度が向上
め、今後もアセットマネジメント手法を活用し、
し、より適正な計画を策定することが可能とな
施設の老朽化対策を効率的に進めていきたいと
っていきます。
考えております。
本市は、アセットマネジメント手法を導入し
3
副会長挨拶
水コンサルタントへの期待に対して
継続的に応えるために
副会長 菅 伸彦
(オリジナル設計㈱ 代表取締役社長)
■1.はじめに
向を分析していたことがあります。また、3年間
の米国滞在中に米国の社会情勢と日本社会を比較
2013 年6月に当協会副会長職の大役を拝命致
して考察することがありました。このような経験
しましたので、
微力ながら尽力して参る所存です。
を踏まえ、当業界の立場を一歩離れた視点でみて
私は、大学の文系学部を卒業後、証券会社へ入
みると、上下水道に関する情報について、一般市
社、リテール営業を経験後、現在の会社へ転職、
民が知りうる機会があまりにも少ないように感じ
その後、
主に下水道計画系の仕事に従事しました。
ています。新聞から得られる情報については、一
いささか変わった経歴を有しています。また、在
般紙では電力、ガスなどの公共料金や他の先進国
職中に米国の大学院に留学し、環境マネジメント
との上下水道料金の国際比較などのネガティブな
を学んだ後、企画部門に所属しながら、海外業務
内容が多く、経済系新聞や産業界のトピックスを
のプロジェクトリーダーを担当するなどして、所
主に扱う日経産業新聞などでは、海外展開に関る
属会社の社長に就任後、現在に至ります。水コン
ものやプラント・資材メーカーなどの新製品・技
協の活動には、ビジョン委員会、下水道雨水管理
術開発などに関するものが紹介される程度です。
計画策定マニュアルの策定などに参加してきまし
また、テレビで報道される内容は、インフラの老
た。
朽化問題の一端での取り扱いや水質事故が発生し
た時などで、マイナスイメージのニュースばかり
■2.上下水道事業における今後の広報
が流される印象を持っています。書籍に関しては、
上下水道に関する専門書や雑誌等は都市部の大型
現在、上下水道事業を営む自治体、
(公社)
日本
書店でしか扱われていません。インターネットに
水道協会、
(公社)
日本下水道協会をはじめとした
アクセスすれば、多くの情報を入手できますが関
多くの関係者の皆様から、建設の時代から維持管
心がある人は限られます。
理の時代へ移っても我々水コンサルタントに対し
一方、私が滞在していた米国のサンフランシス
て、多くの期待が寄せられています。これは、大
コベイエリアでは、水のみならず環境問題全般へ
変有難いことであります。しかし、今後、急激に
の住民の関心が高く、上下水道施設の更新・料金
進行する人口減少と高齢化社会の到来、事業体の
問題についてのテレビ報道、洪水対策費用捻出の
厳しい財政問題等、水コンサルタント企業の経営
ための Sales Tax 増税などケーブルテレビで生中
を取り巻く環境はより一層険しい状態が迫ってき
継するなど、ユーザーを巻き込んだ議論が活発に
ています。
行われていました。米国での上下水道事業に関す
私は、前職で政治・社会・経済・金融・国際情
る連邦政府からの補助金は、1980 年半ば以降減
勢等の動向を注視し、各業種や個別企業の将来動
少の一途を辿り、事業体は自主財源をどのように
4
捻出しどこに支出するのかを必然的に求められて
復に伴い、新卒採用を活発化させている中、若年
います。当然ながら、各議員は物言う有権者の代
層の理系離れは進み、工学部系学科のうち、土木
表としてその姿を生中継されているので、質疑の
系分野は応募倍率が低く、理系志望者の人気は先
やり取りは真剣です。
端科学系の分野が高い状況です。さらにこの不人
欧米から多くの技術・制度・手法などを取り入
気の解消策で「土木」という言葉を外して学科名
れてきた日本の歴史を振り返ると、上下水道事業
称を変えた大学が多数ありますが、それらの学科
の役割と費用について、今後、一層、一般の人に
では教授が、昨今の景気の先行き不透明感から学
分かりやすく伝えることが求められると思いま
生の進路指導にあたり、官公庁や民営化された公
す。水道・下水道はほとんどの国民がユーザーで
団系会社への就職を進めることが多いようです。
あり、事業体の活動やどのような人々がそれを支
また、財政健全化のために採用を控えてきた事業
えているのか、どの程度の費用が必要なのか、一
体が、採用年齢枠を広げるなど職員の中途採用を
般市民の方々に、今まで以上に分かりやすく伝わ
活発化させた結果、長年掛けて民間企業が育てた
るよう取り組むべきと考えています。
優秀なコンサルタント職員の流出が顕著となり、
日本のユーザーが要求する世界トップクラスの
経営に打撃を与えています。
上下水道インフラの維持、改築、更新、運営等に
現在、水コン協では「下水道事業支援手法に関
は、それ相応の費用が必要ですが、残念ながらユ
する研究会」を立ち上げ、水コンサルタントが関
ーザーに十分に説明し、理解されるまでに至って
与できる事業分野を検討中です。ここでは、事業
いないと感じています。日本のユーザーには様々
体の業務を「政策形成層」、「運営管理層」、「事実
なタイプの方がいますが、諸外国と違い、一旦そ
行為層」の3つに区分して、事業運営におけるコ
の必要性や考え方が浸透すれば日本のユーザーに
ンサルタントの対応業務を整理しています。現在、
は、求めるサービスレベルと相応の費用負担につ
水コンサルタントが行っている業務のほとんどは
いて理解されやすいのではないでしょうか。この
「事実行為層」に含まれる建設工事、維持管理業務、
ような状態を醸成してゆくために、当協会はもと
台帳整備、固定資産管理等に係るものですが、今
より、官・学・民の関係者が協力して、ユーザー
後は「運営管理層」に含まれる発注事務、予算決
への説明、広報に力を入れてゆくべきと考えてい
算事務、財源整理、広報事務等の運営支援委託も
ます。
視野に入れています。従来型の業務に新規分野が
加わり、かつ多岐に渡るため、有能で好奇心が旺
■3.水コンサルタントにおける人材確保・育成
盛でコミュニケーション能力の高い人材の確保・
上水道・水道用水供給事業の年齢別職員数(平
となっています。水コンサルタント業界に若くか
成 23 年度水道統計)によると 50 歳以上の熟練職
つ有能な人材が流入するよう、魅力ある職場を作
員が約4割、また、下水道事業でも 50 歳以上職
る努力も不可欠です。
育成が水コンサルタント業界にとって大きな課題
員の割合は同様な傾向となっており、今後さらな
る人員不足、技術・ノウハウの伝承が危ぶまれて
います。実際に、多くの事業体を訪問させていた
■4.おわりに
だいていますが、その傾向は顕著であると感じて
水コンサルタントの業務は、従来型の業務に加
います。
えて、改築・修繕、施設長寿命化計画、耐震補強、
政令市をはじめとした事業体の上下水道事業の
広域化、ゲリラ豪雨対策、創エネ・省エネ対策、
持続的な運営には、技術職員の確保と技術の伝承
アセットマネジメント関連業務等、その領域や内
が重要な課題とされています。この課題は、水コ
容も多様化しています。また、海外水ビジネス推
ンサルタントにとっても深刻です。アベノミクス
進協議会の設立以来高まりつつある水インフラ事
効果も手伝って輸出系企業を中心に企業業績の回
業の国際展開や ISO 国際標準化に関する動きも盛
5
んになっています。これらの動きに合わせて対応
で述べていますが、これは水コンサルタント業界
してゆくためには、コンサルタント職員が進取の
にも当てはまると考えています。先行きの見通し
精神を持ってアセットマネジメント分野をはじめ
難い社会・経済情勢のもと、協会としての方針と
とした新分野の研鑚に励み、水コン協及び会員企
活動を適宜軌道修正することにより柔軟に対応し
業はそれらをサポートして、その役割について付
て、従来からの技術の研鑚、広報活動、人材の確
加価値を伴ったものとして一般社会に認知しても
保・育成に努め、協会会員によるサービスの充実
らえるよう伝えていくべきと考えています。
による社会貢献と協会の発展に尽力していきま
「最後に生き残るのはもっとも強い生物ではな
す。
く変化に対応できる生物」とダーウィンが進化論
6
水坤 コンサルタントに期待する
─変化の時代の水先案内を─
寄稿
大垣眞一郎
公益財団法人水道技術研究センター/理事長 ゆく川のながれは絶えずして、しかももとの水
と変化させてきました。下水処理システムは、生
にあらず。
物化学的反応であり、処理水の環境影響評価は生
「水坤」誌ゆえ、水の流れをたとえにした有名な
態学の知識が必要であり、再利用は人の健康への
書き出しを引いてきたわけではありません。もち
リスク評価が必要です。また、飲料水水質基準と
ろんこの場で、無常を語りたいわけでもありませ
水環境の環境基準の強化、下水処理水の再利用技
ん。しかし、時代が変わる、あるいは、周辺の状
術の進展、地球規模気候変動への対応としての省
況が大きく変化する、このようなことを、ここ数
エネルギー設計、あるいは、農業用水と都市用水
年、強く実感させられたと感じておられる方も多
の合理的活用などが求められる時代となっていま
いのではないでしょうか。新しい年もまたさまざ
す。
まな変化が生じるでしょう。上下水道を巡る環境
地域の土木施設を計画・設計・管理・運営する
も日々変化しています。その変化は3つに分けら
産業から、水と衛生のサービス(利便の提供)を
れると思います。上下水道システム自体の性格が
する産業に変化してきているように思えます。統
変わってきていること、社会全体の構造的な変化
合的な地域システムとして水と衛生のサービスを
が生じていること、想定外の不連続な変化が今ま
提供する機能を持つインフラが、広く世界で求め
で以上に大きな社会的影響を与えていること、の
られるようになってきています。特に経済的に発
3つです。
展著しい地域では顕著です。
■変化その1:上下水道システムの変化
■変化その2:社会の構造的な変化
戦後、産官学のそれぞれの分担の下、上下水道
大きな構造的変化は、日本における人口増加の
技術、公害対策、環境保全など、水システムの社
終わりと減少の始まりでしょう。都市域への人口
会資本整備は効率的に精密に国内に整備されてき
の集中とそれ以外の地域の人口の過疎化が表面化
ました。その中には多くの革新的な技術開発、新
してきています。人口密度の小さな地域での社会
材料の活用を含み、国内に高度な都市システムを
インフラ整備が課題です。この人口減少は上下水
完成させました。東京をはじめとするメガシティ
道事業の経営にも大きな影を落としています。ま
ーにおける、世界最少の漏水率を誇る水道の配水
た、上下水道の資産の老朽化も構造変化の一つで
システムや、水洗便所用水や景観維持用水への下
す。効率的で経済的な維持管理が問われることに
水再生水の大規模な導入など、長年にわたる実績
なります。更新のための投資への理解を社会に求
を持ちます。
めなければなりません。世界に目を転じると、地
一方、技術としての歴史的展開の中では、水シ
球規模では人口増加はしばらくは続きます。アジ
ステムはその性格を、
土木施設としての性格から、
ア地域を中心に人口の都市集中も進みます。巨大
都市設備の総合的なシステム技術としての性格へ
都市群が生まれています。都市化地域では水イン
7
フラの整備が急務となっています。一方、未だ安
と見る目も当初はありました。しかし革新的な技
全な飲料水を飲めない、また、衛生的な屎尿処理
術として発展してきています。
システムを持たない膨大な人口が存在します。
とかく長期にわたる使用実績と高い信頼性を持
加えて、物や人の循環のグローバル化はますま
つ技術システムの場合、その専門分野全体でその
す拡大しています。グローバル化も構造的な変化
技術の伝統を共有しているため、その専門家の集
の一つです。世界のこの構造的変化を前にして、
団の内部であるほど、新しい視点を導入しにくく
日本の上下水道界も、国際貢献、援助、国際ビジ
なります。保守的になるのです。革新的技術に当
ネスのあり方を考え直し、新たな活動を始めてい
初は違和感を示すようになり、不連続な変化に対
ます。日本の人口減少の中で、世界に視野を広げ、
応できないことがあるのです。
事業展開と人材育成を図らなければなりません。
最近の情報通信技術(ICT)の進展は止まると
ころがないように見えます。上下水道界も積極的
■変化その3:不連続な変化
な導入が必要です。もちろん、社会インフラへの
ICT の導入は、サイバー攻撃等への備えを求めら
予測の難しい不連続な変化というものがありま
れます。将来、この種の犯罪も、想定外の不連続
す。言うまでもなく、東日本大震災のような大災
なリスクとして対応しなければなりません。
害は大きな不連続な変化です。火山の噴火、火災、
台風、渇水などさまざまな予測しがたい災害があ
ります。さらに巨大な地震・津波災害が今後も日
■変化の時代とコンサルタント
本列島を襲うおそれも予想されています。また、
上に述べた、上下水道界の技術システム自体の
地球規模気候変動に影響すると考えられている大
変化、社会の構造的変化、ならびに、不連続な変
気中の二酸化炭素濃度は増加を続けています。
化、の3つの変化は複雑に絡み合っています。こ
2013 年9月に発表された IPCC の第5次評価報告
の絡まりに対処するには、社会の動向の把握、科
では、今世紀はますます雨季と乾季の差が激しく
学技術の新しい知識の理解、歴史からの教訓の咀
なるであろうことを予測しています。異常気象に
嚼、あるいは、さまざまな分野の情報の解析など、
よる渇水や高温あるいは洪水に備えなければなり
総合的な能力を持った組織が必要です。複雑な変
ません。あるいは、水源地域の工場などでの事故
化の時代の中で、歴史と伝統を理解し、事実とデ
による不測の水質汚染などは、上下水道界にとっ
ータに基づき、社会を高度に深く分析して、最適
て直接的な大きな脅威です。
な技術と総合システムを提案できる水先案内人が
一方、良い不連続な変化もあります。新技術や
求められています。この水先案内の機能こそコン
新素材の開発により、飛躍的に水処理効率や運転
サルタントの職務ではないでしょうか。
エネルギー効率が良くなる、あるいは、測定でき
そのためには、人材の育成が肝要です。国内の
なかった水中微生物や化学物質が実測できるよう
新規投資が減る中、国内需要のみでは人材の育成
になるなど、革新的な技術が続いて生まれていま
には限界があると思われます。国内人材のグロー
す。振り返ると、膜分離技術もその一つでしょう。
バル化、海外人材の採用などを図らなければなら
上水道における膜処理技術導入の当初は、凝集操
ないでしょう。若い多様な人材から、新しい社会
作のない処理への不安感がありました。下水処理
システムが提案されるはずです。
における膜分離活性汚泥法も、膜による濾し取る
変化の時代の中、コンサルタントから新しい方
技術を微生物主体の有機物の塊である高濃度の活
向が指し示されることを期待します。
性汚泥に適用するという、ある種「無謀な」方法
8
水坤
寄稿
下水道事業における
アセットマネジメント
国土交通省/水管理・国土保全局/
下水道部/下水道事業課/企画専門官
■1.はじめに─人・モノ・カネの持続可能な
一体管理に向けて
吉澤正宏
つ効率的な老朽化対策を行うために重点的に取り
組むべき具体的施策について提言をとりまとめ
た。特に実際の点検・調査や改築・修繕といった
早くから下水道整備が進められた都市部の下水
実務面での課題や困難について、工夫や留意点を
道管路施設や、標準的な耐用年数が15年程度とさ
交えて出来るだけ具体的な対策を提示することを
れる機械・電気設備を中心に既に改築更新が行わ
目指した。主なポイントは次のとおりである。
れて、大都市の中には、改築更新事業の割合が相
○持続可能な事業運営の視点から、下水道施設全
当程度に大きくなっているところもある。全国的
体を対象に将来にわたる改築需要を勘案しつつ、
にも、高度経済成長期以降、急速に下水道整備が
維持管理、改築に係る中長期的な施設管理計画を
進められており、今後、老朽化した下水道施設ス
策定し、下水道システム全体の最適化を図るべき
トックが一気に拡大することが見込まれる。
また、
である。また、このような施設管理の考え方を下
地方公共団体の財政状況が逼迫化し、或いは組織
水道管理者が策定する下水道事業計画に位置付け
体制が縮小されるなどしており、本格的な維持管
ることを検討する。
理・更新の時代に向け、事業運営の仕組みの大き
ここで、下水道システム全体の最適化を踏まえ
な転換が求められる。
た施設管理計画については、
「ストックマネジメン
新しい時代の社会ニーズにも対応した下水道事
ト手法を踏まえた下水道長寿命化計画策定に関す
業の役割を踏まえ、下水道資産の適正な管理に必
る検討委員会」(H 24.12~H 25.5、委員長:滝沢
要な人材、予算を確保し、良好な下水道サービス
智東京大学大学院教授)が「ストックマネジメン
を継続的に提供するための、組織体制(人)
、施設
ト手法を踏まえた下水道長寿命化計画策定に関す
管理(モノ)
、経営(カネ)の一体的なマネジメン
る手引き(案)」をとりまとめている(H25.9)。現
トの仕組み、アセットマネジメントを普及、促進
在行われている下水道施設の長寿命化対策や更新
していかなければならない。国土交通省では、検
は、多くの場合、個々の施設に着目し、その老朽
討会等を設置して様々な角度から検討を進めてい
化の状況に応じて順次更新を実施していくような
るところであり、これらの検討結果や検討状況を
短期的な視点で行われており、中長期のスパンで
紹介し、本稿をまとめることとしたい。
下水道施設全体を最適化するアセットマネジメン
トの考え方が浸透しているとは言い難い状況であ
■2.事業全体のコストの最小化・平準化を
踏まえた施設管理~モノの視点を中心に
「下水道施設の老朽化対策に関する検討委員会」
るとの課題認識のもと、従前のストックマネジメ
ントの手引きと長寿命化支援制度の手引きを改
定、統合したものである。本手引きは、長寿命化
支援制度に基づく長寿命化計画の策定方法を含
(H 25.4~H 25.9、委員長:長岡裕東京都市大学教
め、点検・調査や改築・修繕といった施設管理全
授)では、下水道関係者が下水道施設の計画的か
体の基本的な考え方やこれらの計画の策定方法を
9
解説する内容となっている。一気にアセットマネ
道事業が建設中心から管理・運営の時代へ移行し
ジメントを実現することは困難であるが、本手引
ていく中、今後は、増大する老朽化施設の計画的・
きを活用し、施設情報の蓄積や実施体制の構築を
効率的な施設管理や人口減少等に伴う使用料収入
図りつつ、できることから順次実行し、その後
の減少等に対応した計画的・戦略的な経営が求め
PDCA を踏まえてアセットマネジメントのレベル
られるなど、事業運営を取り巻く状況は厳しさを
アップを図ることが重要である。
増すことが予想される。将来にわたって持続可能
○今後の施設整備や改築等に当たっては、点検・
な事業運営を行うためには、このような施設管理
調査等が容易にできるなどの維持管理性や改築工
や経営について、事業主体による適切な政策判断
事の施工性、或いは将来の維持管理、改築コスト
とそれを導くための政策形成、運営管理の実施体
の低減について十分に配慮すべきである。また、
制づくりが極めて重要になる。
このような構造面や計画面からの十分な配慮を促
進するため、施設設計基準等の見直しが必要であ
「下水道の事業運営のあり方に関する検討会」
(H 25.3~H 25.9、委員長:花木啓祐東京大学大学
る。
院教授)では、事業運営を取り巻く情勢の分析を
○省エネルギー化の推進や低炭素・循環型社会の
行うとともに、学識者、地方公共団体、下水道関
実現など、新しい時代のニーズに迅速に対応する
係法人等からの情報提供、意見等を踏まえ、下水
ため、改築にあたっては施設の機能向上を積極的
道の事業運営のあり方について検討を行い、報告
に図るとともに、関連設備を含めたシステム全体
書を取りまとめた(H 25.10)。
の計画的な改築も必要である。また、このような
この中では、基本方針として、下水道の業務の
取り組みを促進するため、適切な指標により取り
うち、市町村や都道府県の下水道管理者(事業主
組み状況を公表するとともに、目標水準を定めて
体)が本来実施すべき業務は、主に政策判断、政
支援を行う仕組みの構築について検討する。
策形成、運営管理であり、これらの業務が実施で
○施設の健全度や経営状況などの実態や、これら
きるような組織体制の確保が必要とされた。また、
を踏まえた対応方針とその効果を見える化、アカ
事業主体によっては、事業主体が本来実施すべき
ウンタビリティの向上を図り、必要な予算や人員
業務を職員のみで実施することが困難な場合もあ
の確保を含め、事業に対する理解や支持・支援が
り、その場合でも、政策判断に関する業務は事業
得られるよう努めるべきである。
主体が実施するとともに、政策形成、運営管理に
ついては、都道府県や日本下水道事業団、下水道
■3.持続可能な事業運営を実現する組織体制
~人の視点を中心に
公社等の公的機関や民間企業など、下水道事業に
携わる関係主体の補完を受けながら適切に実施す
る必要があるとされた。
高度経済成長期以降、急速に下水道整備が進む
また、今後の取組の方向性として、事業主体が
中、下水道事業に携わる地方公共団体の職員数も
実施すべき役割の明確化や指標による組織の評価
増加を続け、ピーク時となる平成9年度には全国
方法等の検討のほか、事業主体による組織体制の
で下水道職員数が約4万7千人に上った。しかし
確保、広域連携等の推進、公的機関や民間等によ
ながら、国や地方公共団体における厳しい財政状
る事業運営の補完の検討及び必要なルールづく
況の影響もあり、その後は下水道職員の急速な減
り、人材育成の充実等の方向性が示されるととも
少が続き、平成 23 年度には約3万1千人と、わず
に、今後、さらに議論を深めるべき事項について
か十数年で約2/3まで減少した。
下水道職員が5
も整理されたところである。
人に満たない市町村が全体の約4割を占めるな
次に、ISO55000シリーズについて紹介しておき
ど、人口規模の小さな市町村を中心に組織体制の
たい。インフラのアセットマネジメントシステム
脆弱化が進んでいる。
の国際規格であるISO55000シリーズが、早ければ
汚水処理人口普及率が約 88% まで向上し、下水
年度内の発行が見込まれている。本規格は、組織
10
の目標達成に向けてアセットマネジメントを適切
る試行認証プロセス(文書レビューや実際の認証
に動かすための組織内の手段、例えば組織構造や
審査)を通じ、規格の要求事項と組織の実践の間
組織内の各主体の役割や責任、業務のプロセス等
のギャップ分析による課題の洗い出しを行ってい
が組織内にしっかり備わっているか否かを外部の
るところである。
認証機関が評価・認証するための国際規格である。
アセットマネジメントを実現しようとする組織
が、何を考え、どういう仕組みを構築する必要が
あるかを考える上で、大いに参考になると考えら
■4.おわりに
─新下水道ビジョン 2100 の策定
れる。
国土交通省では、新下水道ビジョン2100の策定
国土交通省では、来るべき ISO の発行に備え、
に向け、
「下水道政策研究委員会」
(H 25.10~、委
他分野に先駆け「下水道分野における ISO55001
員長:花木啓祐東京大学大学院教授)をスタート
適用ガイドライン検討委員会」(H 25.8~、委員
させた。ここでの検討の方向性の一つの柱が、
「モ
長:河野広隆京都大学大学院教授)を設置した。
ノ」の視点のみならず、インフラを運営する「人」
本検討委員会では、認証取得による我が国の民間
「カネ」を含めた「インフラシステム」としての最
企業の国際競争力の確保と、国内地方公共団体の
適化である。本稿で紹介しきれなかったものも含
アセットマネジメント体制確立という国内外双方
め、各種検討会等での議論を引き継ぎ、今後、人・
の観点から、下水道分野におけるISO55001認証取
モノ・カネの持続可能な一体管理を実現、促進す
得 に 必 要 な 体 制 、取 組 、文 書 等 を 解 説 す る
るための中期目標と具体的な施策について検討を
「ISO55001適用ユーザーズガイド(仮称)
」を作成
進めていくこととしている。従来の「建設」を中
する予定としている。
心に作られた制度や設計基準、支援体制等を抜本
これまでに開催された2回の検討会では、公募
的に見直し、
「管理・運営」の時代にふさわしい形
プロセスを通じて試行認証事業体(仙台市、
(株)
に変えていかなければならない。
水ing)を選定するとともに、実際の認証機関によ
11
水坤
寄稿
水道における
「アセットマネジメント」
の普及促進
~簡易支援ツールについて~
金縄健一
厚生労働省/健康局/水道課/課長補佐 ■1 はじめに
に1億 2,806 万人を最大値として、以後減少傾向
に転じている。現在の年齢別の人口構成や出生率
厚生労働省では今年3月に新水道ビジョンを公
の状況を踏まえると、今後の人口の減少傾向は確
表し、水道水の安全の確保を「安全」、確実な給
定的である。人口については 2060 年には 8,600 万
水の確保を
「強靱」
、
供給体制の持続性の確保を
「持
人程度で3割程度減ると見込まれているのに対
続」と表現し、これら3つの観点から、50 年後、
し、図-2より給水量については 2060 年には原
100 年後の水道の理想像を具体的に示し、これを
単位の減少により現在よりも4割程度減少すると
関係者間で共有することとしている。「持続」を
推計されている。給水量の減少は、料金改定をし
確保するための当面の目標点の1つとして、全て
なければ料金収入の減少に直接的に繋がってく
の水道事業者が資産管理
(アセットマネジメント)
る。そのような状況の中、図-3に料金改定を行
を実施し、将来の更新計画や財政収支を明らかに
った水道事業者数を示すが、H22 年度に料金改定
することをあげているが、本稿ではその「アセッ
を実施した事業者数 133 の内、料金値下げの改定
トマネジメント」について説明する。
を 実 施 し た 事 業 者 数 は 54 で、割 合 に す る と 約
40% となることがわかる。
■2 水道事業を取り巻く現状
ピーク2000年
3,900万m3/日
100年間で
8520万人減
85万人/年
138年間で
9325万人増
68万人/年
120,000
100,000
60,000
2110年
4286万人
1872(明治5年)
3481万人
1900
1950
事業者数
1900年
4385万人
2110
2070
2060
2050
2040
2020
2010
2000
100%
90%
140
80%
70%
60%
100
50%
80
40%
60
30%
40
20%
20
2000
2050
2100
2150
図- 1 日本の総人口の推移
(出典:人口の推移:総務省統計局「国勢調査報告」、将来人口:
国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来人口推計(平成 24
年 1 月推計・参考推計)
」
各年 10 月)
12
180
160
120
40,000
0
1850
1990
図- 2 水道事業の将来の需要水量
(新水道ビジョン策定検討会第七回資料より)
ピーク2010年
1億2806万人
80,000
1980
100年後は・・・・・
1,100万m3/日
2009年の30%まで減少
5,000
2030
10,000
家庭用原単位の減少
の影響で、人口に比
較して大きく減少
0
10%
H13
H14
H15
H16
H17
H18
H19
H20
H21
H22
料金値下げを実施した事業者数の割合
140,000
15,000
0
2110年
1,100万m3/日
50年後は
50年後は・・・・・
2,200万m3/日
2009年の59%まで減少
20,000
1970
とに作成しているが、日本の総人口は平成 22 年
2060年
2,200万m3/日
25,000
1960
は、国立社会保障・人口問題研究所のデータをも
有収水量:1,000m 3/日
30,000
一点目は、人口の減少に関してである。図-1
20,000
推計値
実績値
高位(参考)
低位(参考)
2009年
3,700万m3/日
2100
る。
35,000
40,000
2090
45,000
2080
水道事業を取り巻く現状について、三点説明す
0%
料金改定実施事業者数
値下げ実施事業者数
割合
図- 3 料金改定を行った水道事業者数
(新水道ビジョン策定検討会第七回資料を基に作成)
二点目は、近年実施している施設の更新量につ
いてである。図-4は、水道の施設整備への投資
円である。図-4から、昭和 50 年前後と平成8
年前後に投資のピークがあり、特に昭和 50 年頃
【%】
額の推移を示したものであり、総資産額は 46.7 兆
までに整備された施設は、既に約 40 年が経過し
ており、今後大規模な更新時期を迎えることがわ
かる。図-5は、水道の改良事業費の推移を示し
H17
H18
H19
H20
H21
H22
図-6 管路の経年化率(出典 水道統計)
たもので、近年は増加していくことはなく、ほぼ
横ばいとなっていることがわかる。図-6は、水
道事業者が保有する管路施設のうち、法定耐用年
数である 40 年を経過した経年管の割合の推移を
示したものである。図-6より、平成 22 年度末
の管路経年化率は7.8%と現時点では低い値で
はあるものの、近年は増加傾向にあることが分か
6,000
管
路
更
新
延
長
る。図-7は、管路更新延長の推移を示したもの
(
である。図-7より、今後大規模な更新時期を迎
)
え、老朽管の割合が年々増加していくことが予想
される一方で、管路の更新延長は逆に年々減少傾
9
8
7
6
5
4
3
2
1
0
5,800
5,600
5,400
5,200
k 5,000
m
4,800
4,600
H18
H19
H20
H21
H22
図-7 管路の更新延長(出典 水道統計)
向にあることがわかる。
上水道及び用水供給
用水供給
表-1 職員数の推移
上水道
2,000,000
1,800,000
1,600,000
更新のピーク期
投 1,400,000
資
1,200,000
額
1,000,000
百
万 800,000
円
600,000
総資産額(H20末) 46.7兆円
職員数
H7
H22
増減割合
地方公務員全体
328 万人
281 万人
−14.3%
水道関係職員
67,867 人
50,233 人
−26.0%
三 点 目 は 、職 員 数 の 減 少 に つ い て で あ る。
( ピーク時は 約1.8兆円/年 )
400,000
表-1は、平成7年と平成 22 年の地方公務員全体
200,000
H20
H15
H10
H5
S63
S58
S53
S48
S43
S38
S33
S28
0
年度
図-4 水道事業における投資額の推移(平成 20 年
価格)(出典 水道統計)
と水道関係の職員数を示したものである。今後大
規模な更新時期を迎え、老朽管の割合が年々増加
していくことが予想される中、行政組織の合理化
のための人員削減の影響によって、地方公務員全
700,000
体の職員数は減少してきているが、水道関係につ
600,000
いてはその2倍近い割合で減少しており、水道事
業者においても相当数の職員が削減されている。
改 500,000
良
事
400,000
業
費
百 300,000
万
円
200,000
■3 水道におけるアセットマネジメント
中長期的財政収支見通しに基づいて施設の更
100,000
新、耐震化等を計画的に実行し、持続可能な水道
0
H18
H19
H20
H21
H22
図-5 水道の改良事業費(出典 水道統計)
を実現していくためには、各水道事業者等におい
て、長期的な視点に立ち水道施設のライフサイク
13
アセットマネジメント実践
「今後必要な施設整備費用」
と「財源見通し」の比較
耐震化を伴う
更新の前倒し等
更新需要に対
応できない?
金額
|
|
健全施設の
供用延長等
金額
施設の統廃合、ダウン
サイジング等により、更
新費用の削減の検討
金額
更新需要
投資可能額
|
持続可能な
事業運営へ
更新需要の平準化
料金改訂等により、
財源の確保の検討
40年後までに○○億円が必要
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
図-8 アセットマネジメントのイメージ
ル全体にわたって効率的かつ効果的に水道施設を
管理運営する「アセットマネジメント」の実践が
表- 2 アセットマネジメントの実施状況
(H22、H24)
必要不可欠である。図-8に、アセットマネジメ
ントのイメージを示す。まずは、「今後必要な施
設整備費用」と「財源見通し」を比較することか
ら始める。更新需要が投資可能額より大きいとい
うことは、必要な施設更新ができないということ
になる。次に、組織体制や予算からみて無理のな
い更新需要とするため、重要な施設については耐
た 24 年度に厚生労働省が実施した運営状況調査
震化とあわせて前倒しして更新し、健全な施設に
の結果を、表-2に示す。表より、調査対象とな
ついてはさらに更新を先延ばしするなどし、更新
った 1,496 事業者のうち、440 事業者がアセット
需要の平準化を行う。それでも、施設更新に必要
マネジメントを実施中又は実施済みであり、割合
な財源が確保されない場合には、更新費用を下げ
は約 30%となっていることが分かる。また、事
ること、つまり事業者内での施設の統廃合やダウ
業規模が大きくなるほど、実施割合が増加する傾
ンサイジング(規模縮小)が行えないか検討を行
向にあるものの、計画給水人口5万人未満の事業
う。それと同時に料金の改定等についても検討を
者については、約13%にとどまっている。さらに、
実施し、施設更新に必要な財源の確保を行ってい
平成 22 年度からの2年間での伸びが全体で4%
く。このような検討の過程がアセットマネジメン
弱であり、近年は実施状況についてはあまり大き
トということになる。
な進展がないのが実情である。
以上のことを踏まえ、厚生労働省では、全国の
この主な理由としては、①手引きは約 400 ペー
水道事業者等において長期的な視点に立った計画
ジと分厚く、大変詳細なものとなっているため、
的な施設更新・資金確保に関する取組が促進され
容易に取りかかるには活用しにくい面もあるこ
るよう、「水道事業におけるアセットマネジメン
と、②手引きでは固定資産台帳や管路マッピング
ト(資産管理)に関する手引き」
(以下、
「手引き」
データ等の基礎データが整備されていることを基
という。
)を平成 21 年7月7日に公表した。
本としているが、特に中小規模の水道事業者では
それらの整備ができていないところも少なくない
■4 アセットマネジメントの実施状況
こと、③手引きでは財政収支の各勘定科目の将来
翌 22 年度と、手引きの作成から3年が経過し
その予測が容易ではないこと等が考えられる。
14
値について予測値を入力するようになっており、
が昭和 48 年であれば 40 年分の建設改良費と、約
25 項目の最新年度の決算値と合わせて合計 65 個
程度のデータを入力するだけで、アセットマネジ
メントの検討に必要な図等が一通り出来上がるた
め、アセットマネジメントとはどういうものかに
ついても容易に理解することができる。
この段階での財政収支は、様々な仮定のもと各
勘定科目の将来値に初期値が設定されているた
め、次の段階として、勘定科目(項目)の将来値
図-9 簡易支援ツールの構成
を、各事業者の実情を反映した内容に可能な範囲
で改善する。例えば、既往債の元利償還計画やダ
ム負担金の支払い予定など、将来値が想定できる
そこで、これらを解決するため、平成 24 年度
ものを入力することで、より事業者の実情に近い
にアセットマネジメント実践のための「簡易支援
結果とすることができる。また、給水収益の初期
ツール」を作成し、平成25年6月5日に公表した。
設定は、国立社会保障・人口問題研究所の『日本
「簡易支援ツール」の中では、①手引きから必要
の将来推計人口(平成 24 年1月推計)』の人口減
最小限のことのみを整理しマニュアル(約 50 ペ
少率に基づき料金収入の減少を見込んでいるが、
ージ)としてまとめ、②過去の建設改良費から更
あくまで全国平均なので、国立社会保障・人口問
新費用を算出し、容易に入手できる資料から施設
題研究所による『日本の地域別将来推計人口(平
毎の更新費用を算出できるようにし、③入力した
成 25 年3月推計)』や独自の人口予測を利用し、
最新年度の決算値から様々な仮定のもとに勘定
事業の実態に合わせて変更することが望ましい。
科目の将来値を自動的に予測するよう設定した。
その後、財源確保策として、資金不足に陥らない
ための料金水準を、トライ・アンド・エラーで試
■5 簡易支援ツール
算する。
ここまでがステップ1であるが、中長期的視点
簡易支援ツールとは、手引き策定時に検討作業
にたった場合、施設の更新等にどのくらいの費用
を支援するために作成した「記入様式」と「支援
が必要なのか、その財源を確保するには現在の料
ファイル」という2つのエクセルファイルを、さ
金をどの程度の水準にしなければいけないのか等
らに検討作業を容易にするために、マクロ(自動
の規模感をつかむことが可能である。
計算)を組み込み1つにまとめたエクセルファイ
なお、ステップ1の検討は手引きの「タイプ
ルである。図-9に示すように、簡易支援ツール
1C」に相当する。
は大きく3つのステップに分かれており、3つの
ステップのポイントを次に説明する。
(b)ステップ2
ステップ1では将来の更新費用については建設
(a)ステップ1
改良費を用いて算出しているが、建設改良費を用
簡易支援ツールの最大の特徴は、最小限の手間
いた検討では、算定した更新需要について施設の
でアセットマネジメントが実施できるということ
種別(浄水施設、配水施設、管路など)がわから
である。建設改良費の経年実績と最新年度の決算
ないため、検討の精度を上げるには限界がある。
値のみをデータ入力するだけで、入力されたデー
検討の精度を上げるには、“ どれ ”(個別施設の特
タから将来値を予測するようツールの中で設定を
定)と“いつ”(整備時期)と“いくら”(更新費用)
しているため、更新需要や財政収支の見通しの結
の情報が必要である。そこで、現有の施設から個
果が自動で作成される。例えば、水道事業の開始
別施設と整備時期のリストを作成し、更新費用に
15
ついては施設の規模・能力等から費用関数※1 を
表-3 工種別の法定耐用年数の設定
工 種
用いて概算の更新工事費を算出する。また、管路
はマッピングデータが整備されていない場合を想
定し、事業者が持っている管種別管路延長から、
自動的な配分によって年次別の布設延長を設定
し、更新需要(更新対象の距離)を求める。管路
法定耐用年数
建 築
50 年
土 木
60 年、45 年 *
電 気
15 年
機 械
15 年
管 路
の布設時期については、管種別の一般的な普及時
40 年
* SUS 配水池に適用
期と、事業の開始年度及び実績最新年度から、管
種別布設延長を基本的には設定した管種別布設期
財政収支の見通し及び料金水準の検討は、ステ
間内で均等配分して、管種別の布設時期を自動的
ップ2と同様に行う。
に設定している。更新事業費は、施設と同様に費
ステップ3では、施設毎に更新基準を設定する
用関数より自動的に算定する。このように、施設
ため、別途ミクロマネジメントなどの詳細な検討
の能力等から更新費用を容易に算出することによ
を行って更新基準の精度を上げ、更新需要の平準
り、施設ごとに更新需要を算出し、更新需要の精
化を考慮した更新基準を設定することにより、最
度を向上させることができる。
終的には中長期的な視点に基づく財源の裏付けの
財政収支の見通しでは、ステップ1の設定を引
ある更新計画とすることができる。
き続き使用するため、特に変更すべきものはない
なお、ステップ3の検討は精度の上げ方次第で
が、更新需要の精度が高まったことを受け、勘定
手引きの「タイプ3C」、
「タイプ4D」に相当する。
科目の将来値の設定を変更したい場合は、変更す
る。さらに、財政収支の結果が思わしくない場合
は、財源確保策として料金水準の検討も行う。
■6 最後に
なお、ステップ2の検討は手引きの「タイプ
簡易支援ツールを作成した最大の目的は、まず
2C」に相当する。
はアセットマネジメントに着手してもらうことで
ある。そして、その作業を通してアセットマネジ
(c)ステップ3
メントの有用性を理解してもらい、概略的にでも
ステップ2までは、更新基準(整備後、次の更
いいので、今のままでいったら水道事業が将来ど
新を行うまでの年数)について、施設の工種(土
う推移していくのかを知ってもらうことである。
木、電気、機械等)ごとに法定耐用年数か、一律
そのような認識にたって、自らの水道事業を俯瞰
の倍数をかけたもの
(たとえば法定耐用年数の1.
したとき、施設の更新計画が妥当か?料金設定も
2倍など)としているため、個別施設毎に設定し
含めた資金調達は適正なものとなっているか?周
ていない。そのため、更新需要の平準化もできて
辺の水道事業者との広域化等は必要ないか?とい
いないことになる。なお、工種別の法定耐用年数
う課題が浮き彫りになり、将来に渡る水道事業の
については、表-3の通り設定している。また、
安定性、持続性を議論する一つのきっかけとなれ
既存施設の同規模での更新となっているため、施
ばと考えている。
設の統廃合、規模縮小が考慮できていない。そこ
まだアセットマネジメントに取り組んでいない
で、ステップ3では、ステップ2で設定した施設
水道事業者等におかれては、簡易支援ツールを活
等の更新基準を個別施設毎に変更し、事業者内で
用し、アセットマネジメントの実施をお願いした
の施設の統廃合、規模縮小の反映を実施する。た
い。
とえば、耐震診断結果が思わしくなかったA配水
池は法定耐用年数の 40 年で更新するが、良好で
あったB配水池は更新基準を 80 年として更新す
る、といったことを取込むことが可能である。
16
〈参考文献〉
※1 『水道事業の再構築に関する施設更新費用算定の手引き』
(平成 23 年 12 月、厚生労働省健康局水道課)
「水道事業の現在位置と将来」
※2 熊谷 和哉(2013)
(水道産業新聞社)
水坤
寄稿
下水道事業における
アセットマネジメント
一般社団法人日本下水道施設業協会/専務理事/
(ISO/PC251 アセットマネジメント国内審議委員)
■1.日本経済の衰退と下水道事業の課題
日本では長期にわたる人口減少と急速な超高齢
堀江信之
■3.解決の基本としてのアセットマネジメント
国際規格
化を背景に、国 ・ 地方とも財政はより厳しさを増
インフラ老朽 ・ 財政困難の先輩とも言える英米
し、各産業は次々とグローバル大淘汰時代に入っ
豪などでは、各国 ・ 各分野の様々な組織により多
ています。
様な運営形態が試みられてきました。日本のイン
下水道事業の課題は、未普及地域に加えて、ゲ
フラ運営が丁度この環境にある今、足掛け3年に
リラ豪雨や大規模地震対策、省エネ・リサイクル、
亘って20か国から各分野様々な立場の専門家80人
更に東日本大震災後は巨大津波と電力危機への対
が議論を続けてきたアセットマネジメント(AM)
応が緊急課題に加わりました。今後は老朽化が進
の国際規格 ISO55000 シリーズの最終案がまとま
む大量のインフラ資産の補修 ・ 更新も本格化しま
り、年明けにも発行の見通しです。官民問わずあ
す。
らゆるインフラ運営組織を対象とし、組織が施設
その一方では事業を支えるカネ ・ ヒトは、収入
・ 人材 ・ 資金 ・ 情報等の資産を最適に運営するため
が減少する中での大量起債償還、自らの手で作っ
に最小限何をしなければいけないか、そのために
て直してきたベテランの大量退職に伴う技術力の
どういう仕組みを組織全体として持っていなけれ
衰退と体制や人員の縮小などが進行しています。
ばいけないか、という国際規格が新たに誕生しま
産業と地域の再生、収入確保に向けては、世界
す。リスク管理 ・ 財務との調和をはじめこれから
を視野に入れ、急発展を続けるアジアなどで大き
本格的アセットマネジメント時代を迎える日本に
く稼ぐ新たな水インフラ企業を育成することも一
とって絶好の基本教科書であり、チェックリスト
つです。
ともなっています。海外進出を図るインフラビジ
ネス関係者の迅速な対応は勿論ですが、大きな資
■2.下水道事業の持続に向けて
産を扱う機関 ・ 企業ほど、国全体での仕組みづく
りと並行してともに対応が急がれます。
縮み続ける社会経済の中で運営改築時代を迎え
この規格は大きく3本の規格からなります。
て、拡大社会における新規建設時代の体制仕組み
ISO55000「概要 ・ 原則 ・ 定義」では、アセット
のまま縮むのは危険であり、そもそも発想からの
等を以下のように定義しています。
大転換が必要でした。将来も見据えて運営し続け
られる仕組み・体制に作り替え、更に変わり続け
「アセット」:組織において潜在的あるいは実際
られる仕組みにすることです。その際に重要なキ
に価値を有するもの。
ーワードは、
「視点を上げての客観的全体最適」で
解説:組織によって様々であるが、有形無形、 金
す。
銭非金銭を含む。
(施設を中心に議論され
たが、 資金、 人材、 情報などが入りうる)
17
「アセットマネジメント AM」: アセットから
手順、資源の配分、能力開発などが、管理メ
価値を実現化する組織の調整された活動。
カニズムとして、プロセスの性能指標、内部
解説:時間軸を超えて、コスト、 リスク、 便益
監査基準とスケジュールを定める。
のバランスを達成すること。組織目標や
利害関係者のニーズに沿った AM 目標 ・
方針 ・ 戦略的計画をしっかりとたて、技
術面と財務面から意思決定を行い、計画
を効率的に実行し、関連するリスクを管
理しながら、継続的に改善できるようモ
・外 注業務に関しても同様の管理を確実に行
う。
・何をモニタリングし、 計測し、その結果をい
つ解析、評価するか決定する。
・トップは、確実、継続的にこの規格に適合す
るようマネジメントレビューを行う。
ニターも行うこと。それには、リーダー
55002「ガイドライン」は、55001 を組織に導入
シップと職場文化が決定要因となる。
する時のガイドラインとして、55001 の各条文に
対応し何を行うかを解説したものです。たとえば、
「マネジメントシステム AMS」
:目標を達成す
組織が持つべきさまざまな情報の例が列記されて
るための方針・目標・プロセスを組織が確立するた
います。
(どのように行うかや、上下水道等の分野
めに作られた要素(仕組み)の組合せであり、組
特定の事項は記述していません)
織の各部門相互に作用する。
解説:単なる情報システムではなく、組織の構
造、 役割、 責任、 業務プロセス、 計画、
■4.日本における活用
運営等も含む。効果的な AMS のための
これから本格的アセットマネジメント時代を迎
最小限の要求事項が、ISO55001 である。
える日本のインフラ運営組織には、個別課題には
対応できても、事業環境の将来を見据えて委託先
55001 要求事項の全項目を満足する組織は、認
も含めて機敏に全体最適を実現し続ける仕組が備
証を受けることによって、インフラ運営を最適に
っていないところが多く、絶好の基本教科書であ
行うことができることを客観的に証明することも
り、チェックリストともなっています。英豪米メ
できます。
ンバーとの議論は、目から鱗も少なくありません。
一部を抜粋すると、以下のようなことを組織が
規格の発行に合わせて、国内での認証機関づくり
行うことを要求しています。
や内外共通原則に基づく JIS 化、インフラ会計の
・利害関係者と各者のニーズを明確にする。
仕組み、普及体制などが急がれます。
・組織のトップは、責任と権限を各役割者に確
4年前から別途 ISO/TC224「上下水道サービ
実に割当て、伝達する。
・アセットマネジメントの目標設定にあたり、
いた下水道分野では、試行認証作業などを行いな
組織は利害関係者の期待、財務・技術・組織面
がら下水道分野のガイドラインを年度内にまとめ
の要件を考慮する。
ることとして、「下水道分野における ISO55001 適
・目標の達成方法を計画するにあたり、ライフ
用ガイドライン検討委員会」を設置し、仙台市と
サイクルにわたる戦略的手法 ・必要行動
水 ing を事例として議論をすすめています。
・必要資源 ・責任者 ・期限ならびに結果
仙台市では、職員が中長期必要投資額の想定手
評価方法、財務とリスクへの影響、見直し時
法をオーストラリア出張で学んだ機会に、すぐア
期を明確にする。
セットマネジメントの重要性に気づき、2008年に
・ AMS の確立、実施、維持、継続的改善に必
専任室を設置、導入戦略を作成しました。例えば、
要な資源(注:金・人・モノ・情報)を明確
必要な情報は何で、どういう形で誰に伝えること
にし、供給する。
が最も効率的か、局内業務一つ一つを洗い直し、
・運営計画を実施する際に、役割と責任、実行
18
ス」でアセットマネジメントの議論を先行させて
局の目標から現場作業までを体系化、情報支援シ
ステムを構築しています。これによって、東日本
将来を見越してインフラ運営を客観最適に行え
大震災と巨大津波による甚大な被害に、他自治体
る組織に転換する上で、世界の AM のエッセンス
からの応援部隊が一体となって極めて迅速に対応
であるこの規格は極めて有益です。簡易版でのチ
でき、導入中であったアセットマネジメントが、
ェックをしながら、自らの組織の弱点を把握する
明確になった職員の役割意識なども通じて大きな
ことから始めてはいかがでしょうか。
効果を発揮しました。
䜲䞁䝣䝷㐠Ⴀ䛾ୡ⏺₻ὶ䛸つ᱁໬
1970ᖺ䡚
1980ᖺ௦
2000ᖺ௦
‘13.9 ᇼỤ
ⱥ⡿㇦➼䛷㈈ᨻ㞴➼䛛䜙ྛ䡮䢙䢈䢓ศ㔝䛷ከᵝ䛺ᨵ㠉
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ྛᅜ䛷ศ㔝ẖ䊻ᶓ᩿ᶆ‽໬䛾ື䛝(Asset Managementつ᱁)
PAS55 (ⱥ)䛾ୡ⏺ⓗᬑཬ䡠ୡ㖟䜒㏵ୖᅜ䛻AM⩏ົ䛵䛡
2011ᖺ䡚
ᅜ㝿つ᱁(䠥䠯O55000~2)᱌䛾సᡂጤဨ఍䠄 PC251䚸2013ᮎⓎ⾜ணᐃ䠅
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䛒䜟䛫䛶ᑂᰝဨつ᱁ISO17510-5䜒సᡂ䠄CASCO WG39䠅
インフラ運営の世界潮流と規格化
19
水坤
寄稿
水道事業における
アセットマネジメント
木村康則
公益社団法人日本水道協会/ 工務部長兼水道技術総合研究所長
■1.はじめに
や事業経営のあり方などについて様々な経営基盤
の強化策の実施や取り組みが求められ、こうした
日本の水道普及率は、現在 97.6%と、高水準と
状況を踏まえた料金改定が必要である。しかしな
なっており、過去の普及率を辿ってみると、1960
がら平成23年に行われた料金改定は、77事業体で
年からの20年で約40%も上昇している。この期間
実施されており、その4割弱に当たる28事業体で
は、高度経済成長による全国的に大幅な水需要増
値下げ改定が行われている。平成22年度のおいて
に対処するため拡張工事が多くの事業体で実施さ
も同様な値下げ改定を行っており、過去10年間の
れており、普及率の向上や施設拡張のため多くの
値下げ改定は増加傾向にある。今後の水道事業体
施設が整備された。
の料金改定の取り組みが心配されるところである。
現在、水道事業は高い普及率を達成する一方に
おいて、今後、多くの施設が一斉に更新時期を迎
■3.水道事業経営の持続
え大幅な更新需要の増加が見込まれている。
また、東日本大震災を契機にさらに、施設の耐
先の水道ビジョンにおいては、主要な取り組み
震化が求められているなか、
施設の耐震化状況は、
として水道事業の経営基盤の強化のための、適正
浄水施設が 19.7%、配水池で 41.3%、基幹管路で
な料金改定を含め広域化や公民連携の推進が挙げ
は 32.6%と遅れている現状にある。こうした課題
られていたが取り組みが遅れている状況にある。
の解決に必要な事業体の職員状況を見ると職員数
平成 25 年3月、厚生労働省では、50 年、100 年
の減少が進んでおり、特に、施設整備に必要な技
後を見据え「地域とともに、信頼を未来につなぐ
術系職員が確保されていない状況にある。
さらに、
日本の水道」を基本理念とした「新水道ビジョン」
50歳以上の経験豊富な職員が40%を占め、今後退
を公表した。
職を迎えることから、水道事業運営への影響が懸
このビジョンにおいても安全、強靭とともに水
念されている。
道事業経営の持続性についての水道事業の現状評
価と課題を挙げている。そのなかで、経営基盤の
■2.経営基盤強化への取り組み状況
強化につながる合理的な施設規模と料金設定や徹
底した資産管理による計画的な補修と更新などの
こうした中で、水道事業運営の基本となる給水
取り組みを挙げており、この取り組みを円滑に進
量は、経済の低迷や節水機器の普及などから平成
めていくためには、アセットマネジメントの活用
9年をピークに減少傾向にある。さらに、日本の
が必要だとしている。
将来人口は大幅な減少が推計されている。今後想
定される給水量減に伴う料金収入が減少する状況
においても、水道事業体は多くの課題を解決し次
■4.アセットマネジメントの活用
世代に引き継いで行かなければならない。そのた
「アセットマネジメント」は、持続可能な水道事
めには、水道事業の経営持続に不可欠な資金確保
業を実現するために水道施設のライフサイクル全
20
体に亘る長期的視点で事業を運営管理するために
課題対応に当たるためには、さらに詳細なミクロ
活用するもので、
「アセットマネジメント」は簡易
マネージメントな検討が必要になる。
または詳細に行う幾つかの手法が提案されている。
例えば、簡易支援ツールでの実施は、概ねの必要
な更新資金を推定し、その上で、今後の更新事業
■5.おわりに
の平準化の検討の基礎資料に活用できるほか、詳
今後、水道事業体においては、施設の更新需要
細に実施の場合は、経営基盤強化を図るための料
の大幅な増加が見込まれるなか、一層の施設の耐
金改定や事業運営の方向等、様々な取り組みの検
震化の取り組みが求められる。こうした施設整備
討のためのケーススタディとなるものと考える。
の円滑な推進とともに、事業経営の持続への取り
しかし、平成 24 年度の厚生労働省の調査では、
組みやダウンサイジングへの対応が想起される。
アセットマネジメントの実施状況は全体で約 30
アセットマネジメントは、実施することで、自ら
%、小規模事業体では 12%と、取り組みが進んで
の事業の状況を把握することが出来る。例えば、
いない状況にある。
施設更新に必要な資金の確保、広域化や公民連携
日本の上水道事業は、1,429事業あるが、このう
の検討等、課題解決に向けた様々な取り組みに有
ち給水人口5万人以下の事業体が約7割を占める
効なツールとして活用することが出来る。
など、経営規模が小さい。
日本水道協会では、水道事業体の抱える課題解
アセットマネジメントの取り組みが進まない理
決を支援するために様々な取り組みを進めてい
由の一つとして、小規模な事業体の職員の問題が
る。取り組みの一つとして、アセットマネジメン
挙げられる。上水道の1事業体平均職員数は32人
トに関する研修や相談受付などのほか、パイロッ
であるのに対し、前述の小規模事業体では約7人
ト案件として、アセットマネジメント検討支援を
である。
具体的に実施している。また、「水道施設更新指
「アセットマネジメント」については、既に、
「水
針」「水道施設耐震化の課題と方策」「水道広域化
道事業におけるアセットマネジメント
(資産管理)
検討の手引き」など、施設更新や耐震化及び広域
に関する手引き」及びその支援ファイルが用意さ
化の推進の参考とするための図書を発刊し事業体
れるなど取り組む環境は整備されている。しかし
への支援を行っており、最近では、ホームページ
ながら水道事業は、事業規模に関係なく、事業計
に「広域化及び公民連携情報プラットホーム」を
画等の企画立案業務から検針・料金徴収のほか、
掲載し情報の集積及び提供を行っている。
水源から蛇口までの水道施設の点検・維持補修な
しかしながら、中小事業体の業務環境を踏まえ
ど多くの日常業務があり、アセットマネジメント
ると、特に、技術的に煩雑な作業が伴う詳細なア
が重要との認識はあるものの取り組みが難しい状
セットマネジメントを進めるためには、コンサル
況に置かれていると思われる。
タンツの皆様の協力が必要なケースが今後、増え
こうした状況を踏まえアセットマネジメントの
ていくと予想される。また、アセットマネジメン
普及促進を進めるため、厚生労働省は「簡易支援
ト後の施設の更新・耐震化の取り組み、広域化や
ツール」を作成・公表した。
官民連携の推進はコンサルタンツの皆様が持つ技
簡易支援ツールは、まずアセットマネジメント
術力や知見及びこれまでに経験した具体的なノウ
の導入部として作業を通してその有用性と当該事
ハウが推進のための力となるものと考える。事業
業体の将来像を理解し、その問題点を認識するこ
体におけるアセットマネジメントの実施やその後
とを狙っている。そのため、判りやすい説明書の
の様々な施策の計画及び実施にコンサルタンツ業
作成や入力処理等の簡素化を図っている。また、
界の支援と協力を大いに期待するものである。日
簡易支援ツールには、検討を進める上で必要な各
本水道協会も全国上下水道コンサルタント協会及
種の図表が出力できるので、それらを用いて、事
び会員の皆様とともに水道事業体の様々な課題の
業体の抱える概ねの課題を認識した後、具体的な
解決に向けて出来る限り支援を行う考えである。
21
水坤
寄稿
■1.はじめに
~人と自然にやさしい水道~
伊達市水道ビジョンとアセットマネジメント
山﨑安紀
北海道伊達市/水道部/水道課/水道課長 ■2.伊達市の水道事業
伊達市は、北海道の南西部、札幌市と函館市の
○伊達市水道事業のはじまり
中間に位置し、北西には有珠山や昭和新山、南は
伊達市北黄金町にある「茶飲み場遺跡」、これは
噴火湾(内浦湾)に面し、工業都市の室蘭市や温
伊達家臣達や開拓に携わった人々が使用していた
泉観光地の登別市・洞爺湖町等と隣接しています。
湧水の跡です。この史跡に示されるように、伊達
伊達市の開拓は、明治3年(1870 年)に仙台藩
市は地下水や湧水に恵まれ、良質の水源が多いこ
一門亘理領主伊達邦成とその家臣達の集団移住で
とが特色です。しかし、昭和 19 年6月、昭和新山
開拓したことによります。また、大滝区(旧大滝
の噴火により上長和町では井戸水が枯渇し、長流
村)の開拓は明治 27 年(1894年)に青森県人の永
川の水を汲むようになったことから、昭和27年に
井五郎兵衛が優徳に住みついたことが始まりと伝
簡易水道の認可を得て、翌28 年4月より給水を開
えられ、明治 29 年(1986年)に鹿児島県人の橋口
始(給水人口 400 人、日最大給水量 60㎥)したの
文蔵により開拓されました。
が水道事業の始まりです。
伊達市の人口はおよそ 36,000 人で、病院、大型
○創設期
ショッピングセンター、福祉施設などの生活に必
市街地を給水区域とする上水道は気門別川沿い
要な施設がまちなかに集約された「コンパクトシ
の深井戸2か所を水源とし、昭和35年12月に認可
ティ」で、北海道内でも雪が少なく、四季を通じ
て気候が温暖なことから「北の湘南」と呼ばれて
います。
産業面では、農業は稲作・畑作・酪農・畜産な
どが展開し、
「伊達野菜」は特に有名です。水産業
では、ホタテ貝の養殖を中心に秋サケ漁などが盛
んです。大滝区は森林産業や農業が盛んであると
ともに、北湯沢温泉郷として名高く、毎年多くの
観光客が訪れています。
水道事業給水区域図
22
を得て、計画日最大給水量4,050㎥として施設を建
設し、昭和 38 年1月から供給を開始しました。
○第1次拡張事業から第3次拡張事業
昭和 46 年以降になると市総人口が3万人を超
え、当時の給水施設では対処できなくなったこと
から、昭和 49 年3月に第1次拡張事業に着手し、
気仙川を新たな水源とするほか、周辺地区の給水
区域拡大や有珠地区を除く上長和、稀府、黄金の
3か所の簡易水道を統合し、計画日最大給水量を
8,644㎥に増量しました。
■4.アセットマネジメントの詳細
第2次拡張および変更事業では、北海道電力㈱
伊達市水道事業で実施したアセットマネジメン
伊達発電所向けの大口給水対応や、取水地点の変
トの詳細は以下のとおりです。
更、給水区域を拡張し、計画日最大給水量を15,800
(1)資産の現状把握
㎥に増量しました。
現地調査結果と固定資産台帳との整合性を図
第3次拡張および変更事業では、給水区域の拡
り、資産単位又は工事単位で取得年度、帳簿価格
張、一部水源井戸を新設し、 給水区域49.3k㎡、計
等を整理しました。
画給水人口 36,700 人、計画日最大給水量 15,800㎥
管路についてはマッピングデータの出力より、
として現在に到ります。
用途、口径、管種、布設年度別の布設延長を整理
しました。
■3.水道ビジョンとアセットマネジメント
(2)マクロマネジメント実施のための記入様式
の作成
平成24年3月、伊達市水道事業の目ざすべき将
資産の現状調査を基に、タイプ3C(標準型)
来像や目標を設定し、実現方針を示す「伊達市水
のマクロマネジメント手法を行えるよう、手引書
道ビジョン」を策定しました。水道ビジョンの前
の記入様式に従って帳票を作成しました。
提となる資産の現状把握、更新需要の算定、財政
(3)資産の将来見通しの把握
見通しの検討は、厚生労働省策定の「水道事業に
更新事業を実施しなかった場合、および法定耐
おけるアセットアネジメント(資産管理)に関す
用年数を基準として更新事業を行った場合の資産
る手引き」に準拠して実施しました。
の健全度推移を把握しました。
資産の健全度(構造物及び設備)
2,000,000
1,800,000
1,600,000
資
産
額
1,400,000
千
円
800,000
1,200,000
1,000,000
600,000
400,000
200,000
0
2013年 2018年 2023年 2028年 2033年 2038年 2043年 2048年 2053年
西暦年度
健全資産
経年化資産
老朽化資産
23
更新需要(構造物及び設備)
800,000
更
新
工
事
費
千
円
700,000
600,000
500,000
400,000
300,000
200,000
100,000
0
2011年 2014年 2019年 2024年 2029年 2034年 2039年 2044年 2049年
~2013年 ~2018年 ~2023年 ~2028年 ~2033年 ~2038年 ~2043年 ~2048年 ~2053年
西暦年度
建築
土木
電気
機械
計装
配管
付帯
更新事業を実施しなかった場合には、構造物お
鋼管などは 60 年、塩ビ管(TS)、鋳鉄管などは 30
よび設備の健全資産(法定耐用年数以内)の占め
年などの耐用年数に設定しました。
る割合が2033年には半分以下となり、管路につい
③更新優先度を考慮した更新需要
ては更に早く資産の老朽化が進行する事が明らか
更新優先度を考慮することにより検討期間(約
となりました。
40年)の事業費を20%削減することができました
(4)更新需要の算定
が、今回の条件ではピーク時の更新需要を平準化
資産の種類ごとに、法定耐用年数による更新需
することができず、耐震性や老朽度、重要度など
要を算定したほか、更新需要の平準化を目的とし
の評価基準による更なる平準化策が必要と判断さ
更新優先度を考慮した更新需要を算定しました。
れました。
①構造物及び設備の更新優先度
(5)財政収支見通し
施設区分・設備区分毎に実際の使用状況を反映
更新優先度を考慮し、事業費を平準化して更新
した耐用年数を設定し、法定耐用年数よりも長く
事業を実施した場合の財政収支の見通しを検討し
使用できる資産を更新優先度が低く、法定耐用年
た結果、料金を据え置きとした場合にも、2038 年
数程度で更新する資産を更新優先度が高いものと
頃から収益的収支において単年度の欠損金が発生
評価し、更新サイクルを見直しました。
するが、累積欠損金は発生せず、 更新事業の実施
②管路の更新優先度
可能性を財政収支の観点から確認することができ
管種別に耐用年数を見直し、
ダクタイル鋳鉄管、
ました。
24
ACP
CIP
DIP(A・T)
20,000
DIP(K)
DIP(耐震)
VP(RR)
30年以上経過
40年以上経過
VP(TS)
SP
SUS
20年以上経過
PP(GNG)
PP(HPE)
PP(PP)
10年以上経過
18,000
16,000
布設延長(m)
14,000
12,000
10,000
8,000
6,000
4,000
2,000
2008
2010
2006
2004
2002
2000
1998
1996
1994
1992
1988
1990
1986
1982
1984
1978
1980
1974
1976
1972
1968
1970
1964
1966
1960
1962
0
布設年度・管種別管路延長
2.9%
16.6%
財政収支の長期見通しにより、現状の収益的収支
5.8%
8.2%
~1965
1966~1970
1971~1975
9.0%
1976~1980
5.9%
23.1%
8.6%
9.9%
10.0%
現状程度の更新事業を継続的に実施することで、
資産の健全性を確保できる事が確認されました。
1981~1985
しかしながら、更新事業の投資を平準化するこ
1986~1990
とで、一時的に老朽化施設・設備が増加し、地震・
1991~1995
1996~2000
集中豪雨などの災害に対するリスクが増加する恐
2001~2005
れがあるため、安定給水に支障がないよう、事故
2006~2010
布設年度別管路布設割合
■5.今後の課題
の剰余金を繰越利益剰余金として確保しながら、
時等に影響の大きい施設、断水のリスクの高い施
設(予備・バックアップのない施設)などを優先的
に更新するなどの選択・代替策が必要となります。
このため、伊達市水道事業では引き続き「上水
道施設更新基本計画」策定を進めており、老朽化
伊達市水道事業は、昭和35 年の創設以来、3回
管路更新計画、施設の耐震診断を踏まえた優先順
の拡張事業を実施し、市民のライフラインとして
位の再検討、緊急時給水拠点の検討を行ない、限
安全で安定した水道水の供給に努めてきました。
られた予算額で最大効果を発揮できるよう務めて
今回実施したアセットマネジメント手法を用いた
いく所存です。
25
水坤
寄稿
■1.はじめに
仙台市下水道事業の
アセットマネジメントを俯瞰する
~導入戦略は実現されたか?~
水谷哲也
仙台市/建設局/下水道経営部/
経営企画課/経営戦略室/室長 容が実現されたのかについて振り返ってみたい。
ところで、以前の「水坤」をお持ちの方は 2010 年
仙台市下水道事業では平成25年度よりアセット
の新春号を参照していただきたい。本稿の内容は
マネジメント(AM)システムの本格的な運用を
当時の仙台市で進行中であった取組みと比較して
開始した。平成18年度よりアセットマネジメント
ご覧戴くとわかりやすい。
導入のためのワーキンググループ(WG)を開始
してからは7年、平成 20 年度に資産管理戦略室
(現経営戦略室)を設置しAM導入戦略を策定して
■2.導入戦略について
からは5年かかって、ようやく AM システムの全
仙台市では AM を実施するに当たり導入戦略を
貌が姿を現したことになる。この間、15 の個別戦
策定した。この導入戦略の策定に当たっては支援
略(システムに関する戦略を除く)について分科
業者について公募型プロポーザルを行い、千代田
会を立ち上げ、多いときは 100 人近い職員が AM
アドバンスト・ソリューションズ(当時、現千代
システムの検討に携わった。
田化工建設)を選定した。策定された導入戦略(下
本格運用とは言っても開始されたばかりであ
表)は、目標管理、リスクマネジメント、そして
り、今後整備の必要な業務プロセスやシステムも
業務プロセスの整備など包括的な内容となった。
多いが、この機会に導入戦略で実現を目指した内
これらの個別戦略は平成21年度より開始された
戦略テーマ
個別戦略
1-1 下水道事業のサービスレベルを設定しそれを含む経営管理指標を体系的に整備する
1. 計画・予算
1-2 管路・施設共通のリスク評価項目とその採点方法を整備し、維持管理単位ごとのリスク評価の仕組みを整備する
1-3 RCM手法に基づく維持・更新コストのシミュレーション・モデルを活用した予算計画・執行管理プロセスを整備する
1-4 投資評価基準を整備し、投資の意思決定プロセスと進捗モニタリングプロセスを設計する
2-1 既存の組織を成功事例に基づいて再編するとともに、部署間の所掌区分の再定義を行う
2-2 管路管理課と下水道管理センターを中心とする管路およびその付帯施設の維持管理・苦情処理プロセスを整備する
2. 業務・組織
2-3 設備管理センターと南蒲生浄化センターを中心とする処理場やポンプ場施設の運転・維持管理の業務プロセスを整備する
2-4 組織階層ごとに責任者・担当者の役割・責任を再定義し、それらの業績を管理・評価する仕組みを整備する
2-5サービスレベルアグリーメント(SLA)の手法を取り入れ、性能発注の基準を整備する
2-6 アセットマネジメント定着化のための教育・訓練プログラムを体系的に整備し実施する
3-1プロセスベンチマーキングを実施し、業務プロセスや技術・手法に関する優良事例を把握する
3-2 アセットマネジメントの必須要素であるリスクの考え方を導入するため、管路の網羅的な現状把握調査を実施する
3. 調査・開発 3-3 施設の管理に係わる情報管理基準の作成と既存情報の収集・整理を行う
3-4 RCMなどのリスクに基づく管理手法や状態監視技術などの施設の信頼性向上手法の検討を行い、施設管理方針の確立を図る
3-5 苦情の効果的な処理に必要な管路付帯施設の情報整備を行う
表ー1 仙台市下水道事業 AM 導入戦略
26
が、職員に参加意識を持ってもらうために、個別
「管路」「設備」「地震」「浸水」の4つのリスクを
戦略ごとに分科会を設置し、リーダーについても
特定し、それぞれの施設や地域ごとに評価を完了
戦略室以外の職員にも担当してもらった。さらに
している。
AM に関する意思決定の場として次長や部長、一
戦略1‒3はコストシミュレーションに関するシス
部の課長からなる AM 導入運営委員会を設置し、
テムを整備するもので、これについては現在保全
AM 導入がスタートした。
カレンダーという名称のシステムが導入され、毎
年の予算策定と長期費用予測に利用されている。
■3.個別戦略の経過と実現状況
戦略 1‒4 は投資判断のための基準を設定し、併
戦略のうち、最初に掲げたのは計画や予算に関
ある。これについてはリスクとコストを用いて投
するものである。
資案件ごとに評価を実施する仕組みを策定した。
戦略 1‒1 はサービスレベルの設定と経営管理指
併せて計画策定のための業務プロセスを整備し、
標を策定するものである。当時仙台市では新たな
今年度からそのプロセスに従って予算策定を開始
ビジョンの必要性に迫られていたため、バランス
している。
スコアカード手法を活用して下水道のビジョンと
次に計画や予算を作成し、管理するために必要
上位指標を策定した。その後その上位指標を支え
な業務や組織についての戦略である。
る業務指標について、部署ごとにヒアリングを実
戦略 2‒1 は AM に資する組織の改変と役割の再
施し、現在では32の上位指標と93の業務指標の体
定義である。AM 導入において担当組織を明確化
系が整備されている。しかし未だ目標設定にはい
する効果は大きい。戦略とは前後するが、仙台市
たっていないため、今後設定する必要がある。ま
では経営企画課の設置、資産管理戦略室の設置、
た指標値については毎年市長に報告することとし
下水道経営部の設置、保全計画係の設置などを相
せて投資案件を評価する仕組みを整備する戦略で
ている。
戦略 1‒2 はリスクマネジメントに関する内容で
ある。リスクについては検討を重ね、現時点では
リスク
市民の観点
評価
市民の観点
下水道サービ
スの維持向上
ビジョン
戦略テーマ
流下機能の
維持
最上位指標
汚水溢水
事故回数
単位
回
戦略
災害時
機能維持
上位指標
耐震化率
単位
%
保全
カレンダー
施策
BCP
訓練の実施
耐震化の推
進
災害時
の燃料確保
保全
の立
業務指標
BCP
訓練回数
耐震化工事
進捗率
燃料備蓄率
保全
策定
単位
回
%
%
全課
管路・施設
建設課
設管C
図ー1 仙台市 AM システムにおける指標体系
投資判断
%
設管
図ー2 リスク評価から投資判断への流れ
27
業務フロー図
用を開始しているところである。
戦略 2‒4 は職員の責任分担を再定義し、評価す
管路維持台帳システム画面
調査結果を入力して・・・
る仕組みをつくるものである。この戦略について
は当初自治体で行うことの困難さが懸念された
次は班長に回して・・・
動させた。今年度からは AM において必要な職員
お、調査が終わったな。
どれどれ・・・
確認が終わったら
次はGIS入力に送付!
が、昨年度より戦略 1‒1 で定めた業務指標と全庁
的に実施している課長職以上の業績評価制度を連
入力完了後ボタンをプッシュ!
未決箱
(業務フロー待ち受け画面)
図ー3 管路維持台帳と業務フローシステム
の力量を明確化したが、担当者の役割の明確化に
ついては、なお今後の課題である。
戦略 2‒5 については性能発注の基準を定めるも
のであるが、維持管理業務の委託の是非を判断す
るため、
下水道事業におけるコア業務の再定義を試
みた。実際には仙台市において未だ性能発注は実
現していない。これは既に処理場等の維持管理業
務について複数年契約を実施しており、
性能発注へ
の移行のメリットが少なかったことに起因する。
戦略 2‒6 について AM に関する研修体系を整備
するもので、これについてはコミュニケーション
プランと下水道CPD制度を設けることで、研修の
体系化及び促進の仕組みが整ったといえる。
図ー4 仙台市中心部における陥没履歴と多発区域
(黒い地区が 7 年間に 10 件以上の陥没が発生)
最後に AM を支える調査と開発についてであ
る。
戦略 3‒1 はオーストラリアとのプロセスベンチ
次いで行い、導入戦略や AM を実施する体制を整
マーキングに関するもので、これについては実際
えた。
にベンチマーキングを行い、平成21年当時の下水
戦略 2‒2 は管路系の維持管理プロセスを整備す
道事業の AM のレベルを把握した。この結果は今
るもので、AM 導入において現在のところ最も効
年度行った AM システムの成熟度評価に際しても
果を発揮している部分である。
まず戦略策定直後、
利用した。
AM 導入の効果を職員に実感してもらうため、管
戦略 3‒2 は管きょの網羅的カメラ調査に関する
路の維持管理を担当する下水道管理センター(当
ものである。これは3年間で270kmのサンプリン
時)において改善試行を実施した。これは作業負
グ調査を行うことにより、管きょの劣化傾向を把
荷の大きいセンターの業務プロセスを整備し、情
握しリスク策定の基礎資料とするもので、震災に
報収集と業務改善を同時に実現しようというもの
である。センターの業務改善はこの試行を皮切り
備、仕事の着実な遂行を支援する業務フローシス
テムの導入と続き、下水道管理センターは仙台市
下水道事業 AM のトップランナーに躍り出た。
戦略 2‒3 はポンプ場・処理場の業務プロセスを
整備するもので、こちらは東日本大震災で南蒲生
浄化センターが大きな被害を受けたこともあり業
務プロセスの適用が1年遅れたが、今年度から運
28
30
A判定有スパン率(%)
に維持情報を記録するための管路維持台帳の整
20
10
0
設置年度(西暦)
図ー5 網羅的カメラ調査により判明した陶管の劣化傾向
■4.今後の展開
ここまで AM システムを整備しても、なお仙台
市下水道事業の AM は緒に就いたばかりであると
いえる。この仕組みを使って、何度も何度もPDCA
サイクルをまわすことによりより一層 AM の成果
が現れてくるからである。そうであっても全国の
図-6 振動法による状態監視保全
自治体の皆さんには AM システムの導入を逡巡し
ないで欲しい。導入の過程で下水道事業における
さまざまな課題が明らかになり、問題が解決され
より1年間遅れたものの今年度で調査を完了す
るからである。我々にはこれらの成果を皆さんと
る。判明した管種別の劣化傾向を用いて、リスク
共有する準備はできている。本稿を読まれて何か
評価が行われている。
の戦略に興味をもたれた人は、是非仙台市にお問
戦略 3‒3 では施設管理のための情報管理基準を
い合わせいただきたい。そして是非足を運んでシ
定めた。ポンプ等の設備の健全度等を部位ごとに
ステムを見ていただきたい。AM はそのような情
把握するために、設備台帳の分類を行ったほか、
報交換を経て、さらに向上が期待されるからであ
各種点検項目の再整備等を行った。
る。
戦略 3‒4 は設備の保全手法を定めるために信頼
仙台市では AM システムをさらに向上させる仕
性重視保全(RCM)の実施手法を確立し、併せて
組みとして、AM 内部監査を導入しようと格闘し
状態監視の手法を定めるものである。この中では
ており、それはISO55001の試行認証へとつながっ
RCM手法の手引きを策定し、職員による保全手法
ていく。また AM から得られたデータを使って新
の選択を可能にしたほか、振動や AE を用いた状
たな維持管理の取組みを準備するとともに、平成
態監視の共同研究を行ってこれらの技術の適用方
28年度からの開始を予定する新たなマスタープラ
針を確立した。
ンと中期経営計画により一層効率的、効果的な下
戦略3‒5は戦略2‒2に関連して管路情報整備の基
水道事業の執行を目指している。そして、下水道
準を策定するもので、ここで定められた基準によ
の「トップランナー」を目指し取組みを継続して
り管路維持台帳の入力項目が決定され、この項目
いるのである。
に基づいて入力された情報により苦情の原因分析
等が可能になっている。
ここまでざっと個別戦略を見てきたが、振り返
ってみても大半の戦略が目標を達成したことがわ
かっていただけたと思う。
〈参考文献〉
1)渋谷 昭三:仙台市下水道事業におけるアセットマネジメ
ントの取組み,水坤 vol.39(2010)
2)小松 孝輝:仙台市におけるアセットマネジメントとICT
導入,下水道協会誌 vol.50, No.613(2013)
29
水坤
寄稿
■1.はじめに
川口市水道事業における
アセットマネジメントの取組み
田中光博
川口市水道局/水道部長 理想の姿と、これを実現するための道筋を明らか
にするため、「アクアプラン川口 21〜川口市地域
川口市は埼玉県の南端に位置しています。荒川
水道ビジョン〜」という中・長期経営計画を策定
を隔てて東京都に接し、江戸時代から鋳物や植木
しました。
などの産業が発展し、その後、都市化が進みまし
この計画の中で、安全・安心の実現には、現有
た。平成 23 年 10 月 11 日、鳩ヶ谷市と合併し、人
資産の効率的な活用が必要であるため資産を整
口約 58 万人となり、首都東京と隣接していると
理・管理することを目的の1つとした資産有効活
いう利便性を活かしながら、固有の伝統ある “ も
用事業を立ち上げ、拡張期に建設された浄配水場
のづくりのまち ” として、活力あるまちづくり・
施設を中心とした資産台帳の整備を推進し、今後
人づくりを目指しています。
の更新時期に備えました。しかし、施設の膨大な
川口市水道事業は、昭和 27 年に給水を開始し、
工事・修繕情報を整理し管理・運用するにはシス
以来、7期にわたる拡張事業と鳩ヶ谷市との合併
テムによるデータの一元化が必要となり、アセッ
を経て、現在に至っています。水道施設は、38
トマネジメントシステム(以下「AM システム」
箇 所 の 取 水 井 、8 箇 所 の 浄 配 水 場 、総 延 長
という。)の導入の必要性が喫緊の検討課題とな
1,414km の管路施設で構成されています。
りました。
拡張事業がほぼ完了し、拡張の時代から維持管
合併による事業統合を経て、給水人口・面積の
理の時代へ移行し、現在、水需要の低下から給水
増、新たな課題の抽出による解決策の必要性、そ
収益の減少につながり、経営状況はより厳しくな
して、東日本大震災による水道事業に対するさま
るなか、水道水を担うサービス企業体として改革
ざまな深刻な問題の対応策などから、平成 24 年
を図り、安定した持続可能な企業として「経営の
度に新たな中・長期経営計画「アクアプラン川口
時代」を歩んでいます。
21〜第2次川口市地域水道ビジョン〜」を策定し
ました。その中で、「中長期的な視野に立ち、ア
■2.アセットマネジメントの導入
セットマネジメントを活用し、効率的かつ効果的
平成 16 年に厚生労働省は、自ら「世界のトッ
な水道事業を実現します。」と事業目的を掲げ、
プランナーを目指してチャレンジし続ける水道」
AM システム導入が決定されました。平成 24 年
を基本理念として取り組みを発表した「水道ビジ
度に AM システム導入のための調査を実施し、平
ョン」に基づき、「安心」「安定」
「持続」
「環境」
「国
成 25 年度より AM システムを活用してアセット
際」を政策目標に、水道事業の課題を分析し、地
マネジメントの取組みに着手しています。
域の事情に即した事業体としての将来像を掲げる
ために、
長期構想を計画することを推奨しました。
本市では、平成 20 年に川口市水道事業が目指す
30
に水道施設を管理運営することにより、持続可能
マクロマネジメント
ミクロマネジメント
図-1 川口市水道事業のアセットマネジメントの全体象
■3.アセットマネジメントの概要
■4.設備保全の取組み方針
本市水道事業のアセットマネジメントの全体像
一般に、設備の保全は状態監視保全、時間計画
を図−1に示します。アセットマネジメントはミ
保全、事後保全の3方法があり、表−1に示すよ
クロマネジメントとマクロマネジメントに分類さ
うに設備の種別ごとに設定しています。本市水道
れます。
事業のアセットマネジメントの設備の保全方法は、
ミクロマネジメントは、適正な施設管理のため
事後保全を除いた状態監視保全、時間計画保全の
に蓄積された情報や、各施設の補修・修繕計画の
予防保全でAMシステムを活用していきます。
作成及び変更の見直しの情報を用いて短期的な計
状態監視保全の具体的な進め方としては、主と
画等を検討します。具体的には、浄配水場や場外
して日常の工事や修繕・点検活動から得られる各
ポンプ場、取水井の設備データはAMシステムに、
種計測データを蓄積・活用することにより、設備
場外管路のデータはマッピングシステムに、日常
の健全度判定や劣化予測等に活用する方法を採用
点検及び修繕の結果など、それぞれのシステムに
しています。
登録し、
それらの情報を活用して短期計画を立案、
実行していくことです。
表-1 設備保全の方法
また、マクロマネジメントは、ミクロマネジメ
予防保全
状態監視保全
時間
修理時の 定期的な
種別
事後保全
計画
計測値か 診断から
保全
ら健全度 健全度判
定
判定
ポンプ
ろ過機 弁・ゲート
機械
電動機
濃縮機
その他
電気
全機器
土木・建築
全施設
管路
全施設
ントの結果を用いて劣化予測やリスク等を勘案
し、中長期の視点で更新計画や財政計画を作成し
ます。この計画をアクアプランに反映させ、必要
に応じて計画全体の見直しを行います。これによ
り、施設の効率的かつ適正で円滑なミクロマネジ
メントを図っていきます。
31
図-2 修繕データを活用した劣化予測(例)
図-2に修繕データを活用した劣化予測の例を
新を実施していけることが確認できました。
示します。今後、継続的にデータを蓄積していき、
健全度判定や劣化予測の精度を向上させて、計画
の検討を行っていきます。
■6.今後の取組み予定
アセットマネジメントの取組みは、まだ始まっ
■5.中長期更新需要の見通し
たばかりです。修繕や点検データの蓄積を継続し、
図-3に AM システム入力時の初期設定値を用
理に努めていきます。また、将来的に管路の更新
いた、浄配水場施設の 100 年間の更新需要を試算
需要が増大することや、耐震化の更なる推進が必
した結果を示します。本検討では、実情更新年数
要なことから、更新事業の実施体制について検討
で更新した場合の更新需要は、法定耐用年数の
していく必要があると考えています。
内容の充実を図り、より効率的で効果的な維持管
1.5 倍で更新した場合と同程度であることが確認
できました。
また、管路については、法定耐用年数どおりの
■7.おわりに
更新は困難な状況下、現状の更新計画を進捗ベー
「安全・安心と真心を いつでもお客様のもと
スで考慮した将来需要を設定し、施設更新需要を
へ」これが私たちの企業ビジョンです。このビジ
合わせ財政収支の見通しを検討しました。その試
ョンのもと「アクアプラン川口 21~第 2 次川口市
算結果では、しばらくの間、現在の料金水準で更
地域水道ビジョン~」によりさまざまな事業を実
施していきます。
100
140,000
120,000
100,000
80,000
60,000
40,000
20,000
0
冒頭で申し上げましたが、今、「経営の時代」
を歩んでいるなか、将来的に必要な能力規模を想
定した施設の維持管理更新計画の作成は必須であ
り、安易な料金改定に頼らないためにも長期財政
計画に基づく投資の平準化・最適化による財務体
質の強化は緊要です。そのためにアセットマネジ
メントを導入し、活用していくことが安全・安心
図-3 100 年間の更新需要の試算結果
な水道水を、未来にわたり安定してお届けするこ
とに繋がることと確信しています。
32
水坤
寄稿
名古屋市の下水道事業における
アセットマネジメント
名古屋市上下水道局/技術本部
計画部/技術システム課長 ■1.はじめに
安井 保
■2.アセットマネジメントの取り組み
名古屋市の下水道は、大正元年に供用を開始し
名古屋市では、水道施設も含めた上下水道施設
平成 24 年に 100 周年を迎えました。人口普及率は
のアセットマネジメントを体系的に実施し、より
平成 24 年度末で 99.1%に達しており、創設期から
効果的なものとするため、
「名古屋市上下水道局ア
稼動しているものを含め膨大な施設を有していま
セットマネジメント推進委員会」を設置して審議
す。現在では、下水道管路約 7,700km、水処理セ
を行ってきました。そして、以下の基本理念に基
ンター15箇所、汚泥処理場3箇所、ポンプ所41箇
づいて、アセットマネジメントを上下水道事業の
所を有しており、その多くが昭和40年代から50年
一環として実施するための基本的な事項を取りま
代にかけて集中的に建設され経年化が進んでいる
とめ、平成 21 年3月に「アセットマネジメント基
ため、今後一斉に更新時期を迎えることになりま
本方針(上下水道施設編)」を策定しました。
す。
名古屋市では、従来から施設の劣化状況を把握
(1)基本的な考え方
することにより適切な維持管理を行い長寿命化を
「アセットマネジメント基本方針(上下水道施設
図るなど、アセットマネジメントの考え方に沿っ
編)」に基づいて事業を実施するにあたって、現
て事業に取り組んできました。しかし、近年、下
在、名古屋市が抱える課題を考慮し、以下の考え
水道使用料が減収傾向にある一方で、更新事業の
方を基本としてコストの平準化・抑制に取り組ん
ほか浸水対策、合流式下水道の改善、高度処理の
でいきます。
導入等の事業へ多くの投資をしていかなければな
らないという課題を抱えています。こうした厳し
◆アセットマネジメントによる上下水道施設管
い経営環境においても、安心・安全で安定した下
理を実施するため、中長期的な期間を対象と
水道事業を持続するためには、これまで以上に経
した「施設管理計画」を策定し、PDCA サイ
営基盤の強化が求められています。
クルを実践・継続する。
基本理念
◆
上下水道施設の長寿命化を含めた効率的な維持管理及び更新を行うことによ
り、コストの平準化・抑制を図る。
◆
上下水道施設の計画的な維持管理及び更新によって、市民へ安心・安全はじ
め適正な「お客さまサービス」を提供する。
◆ 上下水道施設の維持管理及び更新にあたっては、「環境首都なごや」及び「災
害に強いまち」を目指すとともに、社会的重要度の高いライフラインとして、
今後のまちづくりと一体的に取り組む。
33
◆上下水道施設の長寿命化を図るため、
「目標耐
定しました。また、未設定のものについても、早
用年数」を設定し、適切な維持 管理を計画
期の設定に向けて検証を進めています。
的に実施することで、
「目標耐用年数」までの
③ データベースシステムの整備
使用を目指す。
データベースシステムは、管路と土木・建築施
◆アセットマネジメントをより効果的に実施す
設、電気・機械設備に分け整備しています。管路
るため、維持管理情報の一元 管理及び劣化
については、既存の「下水道台帳管理システム」
状況の評価や予測等の機能を備えたデータベ
を必要に応じて機能拡張しています。土木・建築
ースシステムを整備し、活用する。
施設、電気・機械設備については、従来の電気・
◆耐震化、雨水排水能力の増強や省エネ機器の
機械設備を対象としたデータベースシステムを基
導入等の機能高度化を行う整備は、必要性や
に、土木・建築施設を対象として追加するととも
緊急性を考慮し、目標耐用年数に拠らずに実
に、水道部門と統合させ「施設総合管理システム」
施する。
として再構築しました。
(2)具体的な取り組み
① 部門別「施設管理計画」の策定
■3.データベースシステムの活用
「施設管理計画」として、
「点検・調査計画」
、
「維
アセットマネジメントの実施にあたっては、施
持補修計画」
、
「改築更新計画」を策定することと
設の状況を点検・調査により客観的に把握・評価
し、上水道・下水道別で「土木・建築施設」
、
「電
し、適切に維持補修や改築更新に反映させていく
気・機械設備」
、
「管路」の部門に分け、それぞれ
ことが重要となります。さらに、中長期的な施設
の特性に応じた計画を策定しています。
の状態(損傷・劣化度等)の予測による余寿命や
② 「目標耐用年数」の設定
ライフサイクルコスト(以下「LCC」という)を
ほとんどの施設について、従来から目標とする
評価することにより、更なる長寿命化やより費用
耐用年数を定めていました。この耐用年数を過去
対効果の高い改築更新を実現していくことが可能
の調査研究やこれまでの使用実績等から見直し、
となります。そのためには、データベースシステ
可能な限り伸ばし、新たに「目標耐用年数」を設
ムを整備し、活用していくことが有効となります。
図-1 「施設総合管理システム」のシステム構成図
34
図-2 健全度予測、LCC 計算結果例
(1)「下水道台帳管理システム」
データベースシステムを効果的に活用していくた
管路を対象としたデータベースシステムである
めには、運用していく中で出てきた課題を整理し、
「下水道台帳管理システム」では、施設諸元、更新
機能の検証・見直しや集計等の新たな機能の追加
履歴等の情報とともに調査による健全度判定の結
も検討していく必要があります。
果を一元管理し、維持管理や補修・改築の業務に
一方、これらビッグデータをCIM導入へのステ
活用しています。
ップとして、情報の受け渡しではなく情報を共有
し、ワークフローによる意思決定をサポートして
(2)「施設総合管理システム」
いきたいと考えています。
土木・建築施設、電気・機械設備を対象とした
データベースシステムである「施設総合管理シス
テム」では、施設諸元、補修・更新履歴、故障履
■4.おわりに
歴等の情報を一元管理し、維持管理業務に活用し
名古屋市の下水道は、施設の老朽化対策の他に
ています。また、アセットマネジメントを支援す
耐震化、浸水対策、合流式下水道の改善、高度処
る機能として、点検・調査結果を入力し健全度を
理等の機能高度化も合わせて実施していかなけれ
評価(数値化)する機能並びに健全度の推移を予
ばなりません。これらの事業の実施についてもア
測する劣化予測の機能及びLCC算定の機能をシス
セットマネジメントの面から妥当性、費用対効果
テム化し運用を開始したところです。
(図-1、2
等の検証を行い、経済性とともに安全性・環境負
参照)
荷等他の要素を含め総合的に判断する必要がある
今後、これらの機能を持つデータベースシステ
と考えています。これまで名古屋市が築いてきた
ムを、
「目標耐用年数」の検証・見直しや「施設管
膨大な下水道施設を後世に確実に引き継いでいく
理計画」の見直し等に活用していきたいと考えて
ため、アセットマネジメントを活用し「安心・安
います。そのためには、点検・調査結果や補修・
全で安定した下水道事業」の実現を目指していき
更新履歴等の維持管理情報を蓄積しデータベース
ます。
を充実させていくことが不可欠となります。
また、
35
水坤
寄稿
アセットマネジメント実践に
基づく管路更新の取り組み
山崎勝博
西宮市水道局/配水課/計画チーム長 ■1.はじめに
す。平成 24 年度末の給水人口は 484,403 人で、一
日最大配水量は 167,340㎥となっています。
西宮市では、平成21年度に厚生労働省の支援フ
ァイル(JW-AMS)を用いてアセットマネジメン
■3.アセットマネジメントの実践
トを実施しました。今回は、この中から「管路」
のアセットマネジメント実践と、その後の配水管
3-1 資産の現状把握
更新の取り組みについて報告します。
本市は、平成20年度にマッピングシステムを導
入し、平成21年度より本格的に実施運用を行って
いたことから、管路の資産状況については、シス
■2.西宮市の概要
テムから個々の管路データを抽出し、布設年度別
西宮市は、兵庫県の南東部にあり、大阪湾北部
管路延長のグラフを作成し管路資産の状況を把握
沿岸に臨み、阪神地域の中央部に位置しており、
する事が出来ました。
市域面積は 100.18㎢で、北部の山岳部と南部の平
管路の総延長は約1,200㎞あり、布設年度別管路
野部に分かれています。本市の現状ですが、給水
延長のグラフでは、1984(昭和 59)年の 45.8㎞を
人口は微増し続けているにもかかわらず、節水器
頂点にピラミッド形となっています。この中で法
具の普及や業務用大口使用者の地下水利用などに
定耐用年数を過ぎた管路延長は、全体の 15.7% に
より配水量・給水収益とも逓減状態を示していま
あたる約 187㎞(年代不明含む)となっています。
35,655
30,974
図1
2009
2007
2005
2003
2001
1999
1997
1995
1993
1991
1989
1987
1985
1983
1981
1979
1977
268
13,916
14,483
17,705
11,046
13,024
12,864
9,343
13,350
11,363
8,442
18,906
27,133
23,251
22,974
34,016
26,715
38,289
25,022
25,344
15,663
1975
1969
西暦年度
36
35,886
40,573
32,623
27,613
27,564
21,563
27,838
27,450
1973
19,942
12,899
12,711
1967
1963
1961
1959
1957
5,000
1955
0
0
623
781
836
930
1,073
1,670
5,550
7,067
1,885
2,282
8,009
7,417
1951
10,000
1953
0
1949
15,000
1965
20,000
0
23,145
19,471
30,000
延
長 25,000
m
28,985
25,750
35,000
1971
31,527
40,000
35,229
36,729
39,731
45,000
39,627
43,993
42,888
45,824
4 0 年を 経 過 し た管
50,000
3-2 資産の将来見通しの把握
います。
(1)今後もし更新を行わなかった場合の資産の
健全度(劣化状況)
3-3 重要度・優先度を考慮した更新需要の算定
(1)更新基準の設定
管路の健全度
1,400
法定耐用年数で更新すると、図3のように膨大
1,200
な更新費用が必要となります。
1,000
管 800
路
延
長 600
km
400
そこで、法定耐用年数を超えても現実には多く
の管路が支障なく運用できていることから、破損
200
0
2010年
2015年
2020年
2025年
健全管路
2030年
2035年
西暦年度
経年化管路
2040年
2045年
2050年
等により大きな被害が想定される基幹管路とそれ
以外の管路を区分し、表1の様に耐用年数を延ば
老朽化管路
した更新基準の設定を行いました。
図2
ただし、老朽鋳鉄管や塩化ビニル管等の更新時
2025 年度には、健全管路は半分以下になり、
期については別途考慮する必要があります。
2050年度には、全ての管路が経年化管路および老
表1
朽化管路となることがわかりました。
更新基準
取・導水管及び送水管を幹線
φ 250 以上の配水管を配水本管
(2)法定耐用年数で更新した場合の更新需要
φ 200 以下の配水管を配水支管
幹線・配水本管(年)
60
配水支管(年)
80
管路更新工事費
25,000
更 20,000
新
需 15,000
要
百 10,000
万
円 5,000
(2)重要度・優先度を考慮した更新需要(2050
0
年度まで)
図4-2に示すとおり更新基準に基づいて更新
西暦年度
取・導水管
送水管
配水本管
需要費を検討した結果、2050 年までは、これまで
配水支管
図3
行ってきた年平均約7億円程度の投資で済む結果
2008年〜2010年は、過去に更新時期が来ている
となりましたが、図4-2青丸の期間 2046 年~
更新需要を含んでいるため、需要が大きくなって
2050 年のグラフが伸び傾向を示していることか
います。また、耐用年数が 40 年であることから、
ら、さらに2100年までの更新需要について検討し
2046年~2050年には再度更新需要が大きくなって
ました。
図4−1
図4−2
管路更新工事費
管路更新工事費
25,000
25,000
更 20,000
新
需 15,000
要
更 20,000
新
需 15,000
要
百 10,000
万
円 5,000
百 10,000
万
円 5,000
0
0
西暦年度
西暦年度
取・導水管
送水管
配水本管
配水支管
取・導水管
送水管
配水本管
配水支管
37
(3)重要度・優先度を考慮した更新需要(2100
この様な結果から、布設年度の古い老朽鋳鉄管
年度まで)
やしばしば漏水の発生している塩化ビニル管等を
結果は、2051年以降に全管路の80%を占める配
下図のようなイメージで更新基準より前倒しする
水支管の更新が本格化し、ピークとなる2066年~
こととし、管路更新費の平準化を図りました。
2070 年に必要となる更新需要費は約 150 億円/5
(4)重要度・優先度を考慮した管路の健全度(劣
年となり財政を圧迫することや、2100年までに必
化状況)
要となる更新需要費を平準化すれば更新需要費は
約 13 億円/年となることが明らかになりました。
前倒し平準化により、年間15億円で管路を更新
以上のことから、図5の更新基準に基づき更新
すると、2040年度で健全管路が40%まで減少しま
を続けると後年度に財政を圧迫することから、年
すが、以降は改善されて行きます。
間どの程度の額を管路更新費に投資できるか、財
この現象は配水支管の更新需要を80年と設定し
政上のシミュレーションを繰り返し行い、年間約
たため、経年劣化の基準となる60年以内に更新さ
15億円を管路更新費に投資することが可能との結
れない配水支管が存在し老朽化管路と診断されて
論を得ました。
いるためです。
管路更新工事費
25,000
更 20,000
新
需 15,000
要
百 10,000
万
円 5,000
年
年
20
91
20
96
年
年
~
~
20
95
21
00
年
年
~
年
~
20
86
年
~
20
81
年
年
20
76
20
90
年
20
85
年
20
80
年
20
75
~
20
70
~
年
20
66
20
71
年
年
~
~
20
65
20
60
年
年
年
年
20
50
20
55
20
56
20
61
20
41
20
46
20
51
年
年
~
~
年
年
20
45
20
40
~
~
年
年
~
20
36
20
31
20
26
年
年
年
~
20
35
20
30
年
年
年
年
20
25
~
20
20
~
年
20
21
20
16
20
08
20
11
年
年
~
~
20
10
20
15
年
年
0
西暦年度
取・導水管
送水管
配水本管
配水支管
その他1
その他2
その他3
図5
25,000
2009年度~2045年度は年間15億円の
更 20,000
新
需 15,000
要
範囲で前倒しでの更新を行う。
百 10,000
万
円 5,000
15億円/年のライン
前倒し更新
00
21
~
~
年
年
96
91
20
20
~
年
年
年
95
20
90
20
20
~
86
20
~
年
81
20
年
年
年
85
年
80
20
75
年
76
20
年
66
71
20
20
~
~
20
20
20
~
年
年
年
65
70
年
年
~
年
61
56
20
20
年
20
20
~
51
20
46
20
年
~
~
60
55
年
年
20
20
45
50
年
年
年
40
20
~
36
31
41
20
年
年
年
30
20
~
20
~
26
年
20
20
25
20
~
20
年
35
年
年
年
年
20
15
年
21
16
20
年
11
~
~
20
20
10
20
08
年
~
20
20
20
年
0
西暦年度
取・導水管
送水管
配水本管
配水支管
図6
図7−1
図7−2
管路の健全度
管路の健全度
1,400
1,400
1,200
1,200
1,000
1,000
管 800
路
延
長 600
km
400
管 800
路
延
長 600
km
400
200
200
0
0
西暦年度
西暦年度
健全管路
38
経年化管路
老朽化管路
健全管路
経年化管路
老朽化管路
図8
年間15億円で管路を更新して行けば80年を超え
ものの平準化した年間約15㎞(約15億円)を施工
る老朽化管路は出現する事はありません。
しています。今後もこの約 15㎞(約 15 億円)を目
標とし管路の更新を行っていく予定としていま
■4.アセットマネジメントの実践より
す。
アセットマネジメントの実践を行えたのは、マ
管約42㎞や塩化ビニル管約120㎞が存在しており、
ッピングシステムの導入が有り埋設管路の資産の
特に老朽鋳鉄管については、平成30年を目処に解
現状が詳細に把握できたことが大きな要因と考え
消に向けて取り組んでいます。
本市においては、漏水の危険性が高い老朽鋳鉄
ています。
また、このアセットマネジメントを実践するこ
とにより将来の管路更新需要や現状の更新計画で
6.おわりに
は将来に多大な負担を残すことも明確となり、今
今回、本市で実践したアセットマネジメントを
後の管路更新の方針も見えてきました。
紹介させていただきましたが、アセットマネジメ
給水収益が今後向上しない現状において、管路
ントを実践することにより、管路の資産状況が正
の更新需要費を正確に把握し、財政に負担となら
確に把握することができました。
ない計画を策定するうえで、アセットマネジメン
また、今後の更新計画にも役立つことはもちろ
トは大変重要なものだと実感しています。
ん、更新事業費が財政に与える影響など、見える
形での確認ができました。
■5.アセットマネジメント実践後の取り組み状況
今後は、平成30年度を目処に更新実績の評価を
アセットマネジメントの実践後、約4年が経過
により、さらに効率的で経済的な管路整備計画に
しましたが、上記グラフのように多少前後はある
役立てて活きたいと考えています。
行い、アセットマネジメントの見直しを行うこと
39
水坤
寄稿
広島市における下水道施設の
老朽化対策の取組について
倉本喜文
広島市下水道局/施設部/
計画調整課/計画調整課長
■ 1.はじめに
とが想定され、陥没により市民を危険にさらすだ
けでなく、汚水の流出による環境上の問題が発生
広島市の下水道事業は明治41年に着手しました
するなど、老朽化により将来にわたって安定した
が、昭和20年8月6日の原爆投下で下水道施設も
下水道のサービスを継続することができなくなる
壊滅的な打撃を受け、緊急な整備を要する戦災復
恐れがあります。
興区域の中心市街地を対象として昭和26年度から
また、水資源再生センター(処理場)、ポンプ場
再スタートとなりました。その後、計画区域を拡
等においては、平成 24 年度末で、図-2のとおり
大し整備を進めてきた結果、平成15年度末には市
水資源再生センター5箇所、ポンプ場 60 箇所、農
街化区域内(約 15,700ha)の汚水処理施設の整備
業集落排水処理施設12箇所の施設を保有していま
が概ね完了しました。
すが、早くから整備した中心市街地の水資源再生
管路整備延長は図-1に示すように推移してお
センターやポンプ場は整備後、相当の期間を経過
り、総延長は平成 24 年度末で約 5,800km ですが、
し、老朽化しています。
中心市街地の管路は整備後相当の期間を経過し、
今後とも年々下水管路や水資源再生センターな
約170kmが供用開始から50年を経過しており、10
どの下水道施設が老朽化していく中、将来にわた
年後には約 480km となる見込みです。
って安定した下水道のサービスを提供するため、
こうしたことから、これまで年間数件の道路陥
引き続き計画的な改築を行い、適切な維持管理に
没が発生していますが、今後は急激に増加するこ
取り組む必要があります。
図-1 年度別管路整備延長と総延長の推移
注)延長は公共下水道、特定環境保全公共下水道及び農業集落排水の合計
40
図-2 年度別施設整備数(平成 24 年度末)
(箇所)
18
水資源再生センター
16
16
ポンプ場
農業集落排水処理施設
14
14
12
10
9
9
8
8
注)延長は公共下水道、特定環境保全公共下水道及び農業集落排水の合計
7
6
5
4
2
2
2
2
1
1
1
0
S25~S34
S35~S44
S45~S54
■2.下水道施設の老朽化対策
S55~H1
H2~H11
H12~
H22~
っています。
平成18年度には下水道地震対策緊急整備計画を
(1)管路の老朽化対策
策定し、さらに平成21年度に現在の区域まで拡大
管路の老朽化対策については、図-3に示すと
して下水道総合地震対策計画を策定しており、改
おり、整備された年代の古いものが集中する中心
築にあわせて耐震化も行っています。
市街地(合流式下水道整備区域約2,400ha、青色の
また、この中心市街地に隣接する地区(分流式
区域)を対象として、平成13年度に着手しており、
下水道整備区域約2,000ha、赤色の区域)において
テレビカメラや目視による調査を行い、調査結果
も、平成16年度から中心市街地と同様の改築を行
に基づいて改築の必要性や優先度の判定を行い、
っており、平成24年度に策定した下水道長寿命化
老朽化の著しいものから順次改築を行っていま
計画に基づき、現在、計画的に改築を実施してい
す。工法については、主に既設管内に可とう性の
ます。
ある樹脂製管材を挿入する管更生工法で改築を行
今後は、両地区の対象区域の全ての管路の調査
図-3 管路改築計画区域図
41
を平成 26 年度末までに実施することにしており、
どの支出と、下水道使用料、一般会計からの繰入
調査結果を踏まえた更なる改築計画を平成27年度
金などの収入の見通しを示した財政収支計画を策
に確定したうえで、逐次改築に取り組むこととし
定しています。
ています。
現行の財政収支計画(平成 24 年度~平成 27 年
また、平成 27 年度以降においても、下水管路は
度)では、経営目標を設定し可能な限り経費の削
年数の経過とともに確実に老朽化することから、
減に努めた上で、支出と収入とのバランスを取っ
中心市街地及びその隣接する地区にとどまらず、
て、計画的な事業運営に取り組んでいます。
その他の地区も含む全市域を対象にした点検・調
しかしながら、今後は老朽化対策だけでなく浸
査や計画的かつ予防保全的な改築事業の推進を図
水対策や地震対策などの経費は増加が見込まれて
ることにより、
適切な施設の維持管理に努めます。
おり、一方で下水道使用料は節水意識の高まりな
どから減収が見込まれ厳しい財政状況が続くと考
(2)水資源再生センター及びポンプ場の老朽化対策
えており、さらなる下水道事業の経営基盤の強化
水資源再生センター及びポンプ場における老朽
が必要であり、そのため下水道施設のアセットマ
化対策については、
これまでも必要に応じて機械、
ネジメントの導入は重要な課題であると考えてい
電気設備の補修等を実施しており、平成21年度よ
ます。
り下水道長寿命化計画を施設ごとに策定して改築
を進めています。
平成24年度に策定した現在の下水道長寿命化計
■4.おわりに
画は、
設備の更新及び長寿命化の内容を盛り込み、
現在の老朽化対策は、個々の下水道施設に着目
対象施設を56施設へと拡充させ、ポンプや発電機
し、長寿命化を図るミクロマネジメントであり、
等の設備の補修や取替え、沈砂池等の構造物の防
膨大な下水道ストックを適正に管理するために
食など、計画的な改築に取り組んでいます。
は、すべての施設を対象として、日常の維持管理
本市では、健全度の評価については、膨大な数
から改築までを一体的に捉えたストックマネジメ
の設備を全て調査するには時間と費用を要するこ
ントの導入が不可欠です。
とや、適正な維持管理を行うことで標準的な耐用
このため、本市では、既存の下水道台帳システ
年数を越えて延命化が図れている実績から、標準
ムで管理している下水道施設の竣工情報等に加え
的耐用年数の 1.5 倍を超過した設備に絞って実施
て、点検・調査や改築履歴等のデータ蓄積を進め
しています。
ており、長期的な改築事業量の算出や平準化をシ
ミュレーションする際のデータベースとする考え
■3.財政収支計画に基づく計画的な事業運営
です。
本市では、効率的かつ効果的に下水道事業の運
長期的な財政管理を踏まえて施設管理を実施する
営を行うため、4か年を計画期間として、下水道
アセットマネジメントへと発展させていきたいと
施設の整備計画を示すとともに、経営的な側面に
考えています。 おいては、建設費、維持管理費、企業債償還金な
42
さらに今後は、ストックマネジメントから、中
水坤
寄稿
鹿児島市水道事業における
アセットマネジメント
鹿児島市水道局/水道部長 穂園和彦
す。さらに簡易水道事業の統合により施設が飛躍的
■はじめに
に増加したことも相まって、水道施設の数が非常に
鹿児島市は、九州の南端、鹿児島県本土のほぼ中
多いことが本市の特徴と言えます。このため、日常
央部に位置し、波静かな錦江湾にそびえる雄大な桜
の効率的な施設管理がとりわけ重要と認識して取
島を望む風光明媚な国際観光都市です。平成 16 年
り組んでいます。
11月1日には隣接5町と合併し、人口60万余人を擁
する新生鹿児島市として、また、南九州の政治・経
済・文化の中核都市として発展を続けています。
鹿児島市の水道事業は、大正8年に近代水道とし
鹿児島市の水道施設の概要(平成 24 年度末)
施設種別
浄水場・水源地
配水池
施設数
114 箇所
125 箇所(125 場 161 池)※
て通水したのが始まりです。その後、市勢の発展に
ポンプ所
58 箇所
併せて11回にわたる拡張事業を行うとともに、平成
管 路
3,266km
17年4月1日には、旧5町が運営していた26箇所の
※ 100㎥未満を除く
簡易水道事業を統合しました。
現在の計画は以下のとおりであり、安定した給水
ア.維持管理体制
を行なっている状況です。
水道施設の維持管理は、市域を4ブロックに区分
鹿児島市水道事業の計画
目標年度
(1)水源地等の水道施設
平成 33 年度
行政区域内人口
(人)
604,900
給 水 人 口
(人)
586,200
一日最大給水量
(㎥/ 日)
220,800
施 設 能 力
(㎥/ 日)
307,720
第 11 回水道拡張事業計画(変更Ⅱ)
し、河頭浄水場(20名)
、滝之神浄水場(19名)
、平
川浄水場(10名)
、施設管理係(17名)の3浄水場・
1係で行っています。なお、故障発生時等に速やか
に対応できるように、水道施設の遠方監視を行って
います。水質に関する維持管理は、本市全域を水質
係(17 名)で行っています。
イ.点検等
■施設管理の現状
本市は市勢の発展に応じて地下水、湧水水源を段
日常の維持管理業務(施設の運転管理や保守管
理)において、定期・不定期の保守点検を実施し、
施設の現状把握や機能保持に努めています。
階的に開発してきています。また、これらの水源開
これらの業務は、年次計画書を作成し実施するな
発が限界に達したため、甲突川、稲荷川、さらには
ど計画的かつ予防保全的な事業執行に努めていま
市域外の万之瀬川などの河川を水源としてきてお
す。
り、現在では非常に多くの水源を保有しています。
定期点検のなかでの施設点検については、施設の
また、市街地と郊外の団地などとの標高差が大きい
特性や重要度に応じて点検頻度を定めており、以下
ため、配水池及びポンプ施設も数多く保有していま
の頻度で点検を行っています。
43
頻度
えることとなるため、日常的に巡視点検を行うとと
1回/1週
もに、定期的に点検・調査を実施し、管路施設の現
施設項目
消毒設備がある施設
ポンプ・電動弁・ボールタップ設備
1回/2週
がある施設
配水池及び監視制御がある施設
1回/1ヵ月
休止施設
1回/3ヵ月
状把握や機能保持に努めています。
これらの業務は、年次計画書を作成し実施するな
ど計画的かつ予防保全的な事業執行に努めていま
す。
計装・電動弁・発電機等の機器の点検について
管路施設の定期点検・調査の項目と、項目ごとの
は、機器の特性や運転状況に応じて点検頻度を定め
点検・調査頻度を以下に示します。
ており、以下の頻度で点検を行っています。
調査項目
点検項目
計装点検
(流量計・水位計・水質分析計)
頻度
1回/1年(機器
によっては隔年)
無停電電源装置・直流電源装置点検 1回/3年
電動弁点検・発電機点検・取水井洗浄 1回/5年
ろ過池更生
頻度
地下漏水調査
1巡/5年
水管橋管体目視調査
1回/3年
バタフライ弁室等劣化目視調査
1回/3年
減圧弁点検
1回/3ヵ月
1回/10 年
ウ.修繕
これらの保守点検を効果的に実施し、施設の長寿
管路施設の修繕については、漏水及び他工事によ
命化につなげていきたいと考えています。
る破損等の修繕のほかに、点検結果を基に計画的な
ウ.修繕
修繕を行っています。
施設・設備の修繕については、長年の使用によっ
・水管橋塗装
て様々な不具合が発生するため、周期を決めて行う
・バタフライ弁室等取替え
予防保全的修繕を行っています。
・減圧弁分解清掃
・ポンプ等のオーバーホール(分解・整備)
エ.管路更新
・無停電電源装置の蓄電池取替
管路のうち配水支管については、平成23年度に改
・機器、建物等の塗装
定した「老朽水道管更新 10 か年計画」に基づき計
予防保全的修繕を行っても異常・故障が発生した
画的に更新を行っています。
場合については、事後修繕を行っています。
法定耐用年数を経過した鋳鉄管、硬質塩化ビニル
エ.施設更新
管及び鋼管を老朽管として位置づけ、これらのう
水道施設のうち耐用年数が比較的短い機械設
ち、布設年度、漏水履歴などを基に老朽度を定量評
備・電気設備については、これまでの運転管理・保
価し、優先度の高い管路から更新することとしてい
全管理の実績や知見に基づいて本市独自の更新目
ます。
標耐用年数を設定しています。この更新目標耐用年
管路のうち基幹管路については、平成22年度に策
数を基本としながら重要度・優先度評価を加えて更
定した「水道管路耐震化 10 か年計画」に基づき耐
新時期を設定し、計画的に更新を行っています。
震化と併せて更新しています。
オ.情報管理
(2)管路施設
平成21年度から地理情報システム(GIS)におい
ア.維持管理体制
て、管路情報(布設位置、布設年度、管種、口径)
管路施設の維持管理は、市域を南北に区分し、水
などを一元管理できるよう作業を進めており、平成
道管路課の南部維持係(19名)及び北部維持係(20
26 年度に全市域の整備が完了する予定です。今後、
名)が分担して行っています。
システムの基礎データを充実させ、漏水履歴などの
イ.点検等
維持管理情報を付加することでアセットマネジメン
管路施設の異常・故障は直ちに需要者に影響を与
トなどへ活用できるものと考えています。
44
■アセットマネジメントの試行
る水道」の実現方策のひとつとして「アセットマネ
ジメントの導入」を掲げ、さらに平成24年3月に策
本市は平成 20 年度の厚生労働省への報告におい
定した「鹿児島市上下水道事業経営計画」において
てアセットマネジメントの実践を求められたことを
基本目標「安全で良質な水の安定供給」の実現方策
きっかけに3回の試行を重ねてきました。
のひとつとして「ストックマネジメントシステムの
3回目の試行は平成21年に公表された「水道事業
導入」を掲げ、具体的な取り組みを進めています。
におけるアセットマネジメントに関する手引き」に
平成 24 年度の準備・検討期間を経て、平成 25 年
基づきJW-AMSを活用して実施しました。
度に基本計画等を作成し、平成26年度からストック
試行に当たっては、膨大なデータの収集・整理が
マネジメントシステムの構築を行う計画です。本シ
必要ですが、本市の場合は固定資産台帳が電子化さ
ステムの導入により膨大な施設の状況把握と予防
れ詳細に整備されていたため、比較的順調に作業を
保全的な維持管理を行い、継続的かつ効果的な施設
進めることができました。
管理を目指します。
この試行成果の一部は中期財政計画における更
「アセット」ではなく「ストック」としたのは、ア
新事業計画に反映されています。
セットマネジメントを最終目標に置きながら資産管
理の基本的な部分から取り組んでいく方針を反映
■課題と対応策
させたものです。
なお、下水道部においても同時に公共下水道事業
前述のとおり、これまでも安定給水を確保するた
のストックマネジメントシステム導入の取組みを進
めに適切な施設管理に努めてきましたが、アセット
めており、両事業における施設管理の目的や技術的
マネジメントの試行経験等を通して様々な課題が
要素は同じであることから、総務部・下水道部と連
明らかとなっています。この中で最も大きな課題と
携して基盤システムやインターフェース等について
しては、資産情報(施設台帳、点検記録簿、修繕履
は可能な限り共通化を図る方針です。
歴等)の管理媒体が紙ベースであり、様式も統一さ
れていないことなどから十分に蓄積・活用できてい
ないことが挙げられます。
■おわりに
そしてこの課題を解決するための最も有効な対
本市水道事業は、今後予想される人口減少に伴い
応策は資産情報をデータベース化し一元管理する
水需要は減少傾向にあり、一方、老朽化し更新が必
ことであると考えています。これによる情報の共有
要な施設は増加傾向にあります。このように経営環
化、利用の高度化、検索の高度化など導入効果は計
境の厳しさが増すなかで、健全な水道を維持し次世
り知れず、本市は施設数が多いことからさらに効果
代に引き継ぐためには、アセットマネジメントの実
的であると考えています。
践は必要不可欠です。
本市のアセットマネジメントについては、今後の
■ストックマネジメントシステムの導入
平成 21 年4月に策定した「鹿児島市水道ビジョ
事業運営に効果的に活用できるよう、継続的な改善
に取組み、充実させて参りたいと考えているところ
です。
ン」において基本目標「いつまでも安定して供給す
45
水坤
寄稿
■1.はじめに
アセットマネジメントに対する
水コン協の取り組み
池田信己
技術・研修委員会委員長/オリジナル設計㈱ 道事業とアセットマネジメント」
2010 年6月:下水道におけるストックマネジメン
我が国における上下水道施設のストックは、約
ト手法の構築に向けた基礎調査に関する(財)下水
120 兆円に達しており、今後これらの膨大な資産
道新技術推進機構との共同研究(米EPAで推奨の
を適切・効率的に管理・運営することが、事業の
AM の基本プロセスの研究)
持続において大変重要な課題となって来ている。
2012 年4月:「持続可能な下水道をめざして」の
アセットマネジメント(以下 AM と略す)の現
パンフレット発行 行法令上の事業主体は、水道においては、主に、
2012 年9月:関西支部 夏期講座 「持続可能な
事業管理者、下水道では首長等であり、コンサル
下水道を目指して」他2篇
タントは、種々の形態で、水道事業体や下水道部
2012 年、2013 年:下水道展にて AM パネルの展示
局等の AM(事業)支援業務を行うことになる。
及び説明
以下に水コン協としての AM に関しての(1)
2013 年度:下水道分野における ISO55001 適用ガ
水コン協としての取り組み事例(研究・啓発活動)
イドライン検討委員会(国)に参画
(2)水コン協会員会社のAM関連業務への取り組
以上のように、基礎となる海外の AM マニュア
み(3)これからの AM への取り組み姿勢につい
ルの研究、講演会、ワークショップ、パネルディ
て、を記述する。
スカッションの開催、パンフレット作成、下水道
展展示などの幅広い取り組みを行っている。なお、
■2.水コン協としての取り組み事例
(研究・啓発活動)
最近の主な取り組み事例を列挙する。
2006 年:IIMM(International Infrastructure
Management MANUAL)の翻訳
これらの活動に関して、技術・研修委員会の中に
ある AM 小委員会によるところが大きい。
■3.水コン協各社の AM 関連業務の取り組み
AM 関連業務の領域は広いが(1)指針・手引
(IIMM は、イギリス、アメリカ、南アフリカ、ニ
き策定等への参画(2)AM を実践する仕組みづ
ュージーランド、オーストラリアの各国が協力し
くり等のアドバイザリ業務(3)更新需要の把握、
て作成した、LCC最小化したサービスを地域社会
財政計画の立案等(4)地方公営企業会計移行支
に提供するためのもの)
援業務 (5)データベース構築業務に分けて説明
2007 年1月:第 14 回パネルディスカッション する。
「上下水道におけるアセットマネジメント」
2008 年2月:第2回 ワークショップ 「下水道
(1)指針・手引策定等への参画
事業とアセットマネジメント」
水コン協受託業務(支援業務)
2010 年1月:第3回 ワークショップ 「上下水
2009 年6月:下水道長寿命化支援制度に関する
46
手引き(案)の改訂
② 下水道事業における長寿命化計画の策定業務
2011 年9月:下水道施設のストックマネジメン
下水道長寿命化支援制度に関する手引き(案)
ト手法の手引き(案)の策定
(国土交通省 H21.6)に則り、業務を行っている。
2012年~2014年:下水道維持管理指針(下水協)
管渠施設は、布設替えや更生工法の判断、処理場・
の改定
ポンプ場施設は、機器ごとの交換や主に更新需要
2013 年6月:下水道管路施設の点検・調査マニ
の年次計画立案を行い、一年間の財政シーリング
ュアル(下水協)の策定
枠に応じて改築更新計画を立案している。耐震化
会員会社支援業務
は整合性をとるものの、別途業務となっている。
2011 年7月:水道事業におけるアセットマネジ
2013 年9月には、「ストックマネジメント手法
メント(資産管理)に関する手引き
を踏まえた下水道長寿命化計画策定に関する手引
2013 年9月:ストックマネジメント手法を踏ま
き(案)」が発刊されたが、今までは、下水道施設
えた下水道長寿命化計画策定に関する手引き
の一部分で長寿命化計画が策定されていたが、今
(案)
後、施設全体または事業全体を見ながら、改築、
2013 年6月:簡易支援ツールを使用したアセッ
更新計画を立案することになった。また、長寿命
トマネジメントの実施マニュアル(水道)
化計画の拡張として、目標設定を行い、リスクを
等
踏まえたストックマネジメント策定業務の受託も
始まっている。
(2)AM を実践する仕組みづくり等のアドバイ
ザリ業務
(4)地方公営企業会計移行支援業務(簡易水道・
下水道の一部)
一部の会社では、AM を実践する仕組みづくり
として、導入戦略、AM 組織の提案、目標やリス
AM を導入する目的の一つに、経営の健全化が
クの考え方、更新需要の把握方法、AM システム
考えられる。
の導入、職員の意識改革方策などを、先進事例を
企業会計に移行することにより、資産の状況や
踏まえて、レポートにまとめる業務を受託してい
年間の会計収支が明確となり、将来の改築・修繕
る。
計画を踏まえた経営判断ができるようになるた
あくまでも、導入検討の段階であり、今後、実
め、本業務は AM を行う上で、移行していない事
際の AM を実践して、検証することで、精度が高
業体にとっては、必要な業務と考えられる。
まっていくと思われる。
導入準備から資産データの整理、資産評価、法
その他にも、AM 業務と切り離して、自治体や
適用基本方針の検討、事務手続き支援システム構
事業体の経営診断、
経営計画業務も少数であるが、
築、維持業務まで、幅広く支援している。
受託している。
(5)データベース構築業務
(3)更新需要の把握、財政計画の立案等
データベース構築は AM を行う上で、必須項目
① 水道事業の AM 策定業務
であり、できるだけ電子化されていることがのぞ
水道事業の AM として、その手引きまたは簡易
ましい。水道台帳、下水道台帳、設備台帳、資産
支援版に則り、これからの水道事業体の更新需要
台帳、運転管理台帳、保守・点検台帳などの作成・
と財政計画の関係を明らかにし、収益的収支、資
電子化業務を受託している。
本的収支の見通しの検討、水道料金の改定の必要
様々な属性データ(位置情報、地質、事業所排
性の検討等を支援する業務を受託している。
なお、
水等)を入れ込むニーズにも対応が可能となって
更新需要の中に、施設の耐震化需要も入れ込むこ
来ている。今後は、システム化を行い AM 支援に
とになっている。
役立てることが課題である。
47
■4.これからの AM への取り組み姿勢について
(主に筆者の私的意見)
(1)官民連携や民営化の動きの中で
術グループ)3では4つのガイドライン(上水道
管路、上水道施設、下水道管路、下水道施設)の
うち、上水道管についてのガイドラインを作成中
である。今後、これらのガイドライン作成にあた
今後、上下水道事業に携さわる事業体や自治体
り、AM 小委員会を中心として水コン協メンバー
の職員が大幅に減少するに伴い、水コンサルタン
も積極的に協力するつもりである。
トも事業運営(マネジメント)により参画してい
また、ISO50001要求事項は認証業務であること
くことが考えられる。
から、一自治体や一包括民間委託業者を対象に、
指定管理者制度や包括民間委託については、維
その認証の試行が始まっており、JIS 化に進めば、
持管理の範囲であり、運転管理・保守点検・小規
コンサルタントも自治体の認証業務の支援や外部
模修繕等に限られ、ダウンサイジング計画や長寿
審査の一員、運営業者(SPC)の一員となるなど
命化計画に伴う、改築・更新事業は含まれていな
の今後各方面で業務が生まれるのではないかと期
い。それを含めた委託となると、例えば、有力な
待している。また、
(1)で記述した事業スキーム
コンセッション方式の事業スキームとなる。
のは、
にも影響することが考えられる。
コンサルタントもSPCの一員として事業運営に参
加することもできるが、いまだ、資金調達方法、
会計手法、法人税対策など課題も多い。しかし、
■5.おわりに
事業の様々なリスクを感知することができるコン
いままでは、AM 定義については各分野・組織
サルタントが、これからの、ダウンサイジングを
体でまちまちであり、その範囲(活動や手法・1
含めた改築・更新費の抑制、コストとのバランス
施設か事業体か)についても不明確であった。前
等について、提案ができる立場でもあり、運営業
述のように、2013 年度中に ISO5000X シリーズの
務について、民民連携を視野にいれて、研究を深
規格が発効予定であり、アセット、アセットマネ
めていく必要がある。
ジメント、アセットマネジメントシステム、アセ
ットポートフォリオの定義等も明確になる。
(2)国際標準化とコンサルタント業務
水コン協は、国際標準化を意識しながら、これ
インフラ全体に適用される AM 規格 ISO5500X
までの蓄積を活かして多様性がある AM の様々な
シリーズの規格は、今年度中に発効予定である。
側面での関与、及び上下水道界の AM の普及に貢
また、これと並行して、TC224WG6 の TG(技
献していきたいと考えている。
48
れ
き
し
歴史遺産
い
さ
ん
岩見沢市水道の歴史遺産
岩見沢市水道部長
吉成 潔
■はじめに
岩見沢市は、札幌から約 40km 北東の石狩平野
東端部に位置し、平成 18 年3月に隣接する北村、
栗沢町と合併して、現在は行政面積 481.1k㎡、人
口 87,781 人のまちとなっています。石狩川流域の
豊潤な土壌を活かした農業が主要産業で、水稲と
白菜は全道一の生産量を誇っており、玉ねぎも主
鉄道の休泊所としての駅ができたのが岩見沢の始
要農産物のひとつとなっています。また、市内に
まりでした。
は6高校1大学があり緑豊かな文化都市としての
明治16年に移住士族取扱規則が交付され、翌17
一面も兼ね備え、道央の空知地域の行政・産業経
年(1884 年)に岩見澤村が設村告示され、山口県
済・教育文化の中核都市として今日に至っていま
などから 80 戸 459 人が、更に翌年には鳥取県から
す。冬季の降雪量は7mを超え、ここ数年は大雪
197 戸 1,044 人の士族が移住してきました。屯田兵
が続き、平成24年2月に2.08mの積雪量を観測し、
の開拓が多い北海道において、岩見沢は士族移住
観測史上最高の記録となりました。
者達が刀を鍬に持ち替え、冬の寒さや雪の厳しさ
に耐え、石狩川の度重なる氾濫にもめげず、開拓
されたまちなのです。
余談ですが、菊池寛(文芸春秋)と明治の文壇
を二分したと言われる中村武羅夫(むらお:新潮
社)は岩見沢出身で、父親が鳥取藩の士族移住者
明治の開拓時代、この辺りはうっそうとした原
生林でしたが、石炭が発見されたことにより、そ
の輸送のため明治 15 年 11 月 13 日に日本で3番目
の鉄道が、小樽から幌内(三笠市)まで敷かれ、
駅構内 大正初期
49
でした。開拓当時、父親は初めて見る汽車の音と
迫力に圧倒され、機関車「比羅夫号」の名とその
■水を求めて
「ブルンブルン」という走行音から、生まれたばか
明治 17 年、岩見沢村が設置されると同時に、良
りの息子に武羅夫(ブラフ)と名付けたといわれ
質な飲料水を求めて、札幌県勧業課(現北海道庁)
ています。
派出所が、20円50銭をかけて4箇所の抜打井戸を
鉄路は南北に延び、岩見沢駅は、函館本線、室
開さくしました。しかし、多少の湧水はあったも
蘭本線、幌内線、万字線と2本線2支線の中継駅
のの、常時使える湧水箇所を当てることができま
として、また東京以北最大の操車場が建設され、
せんでした。更に明治19年には同派出所が工事費
人も物も岩見沢を経由して運ばれ、人口はどんど
1万円をかけ、市来知川上流を堰き止め、元町ま
ん増え続け今日の本市繁栄に大きく寄与し、鉄道
で開拓水道として素焼土管により布設しました
とともに発展してきたまちでした。岩見沢市は、
が、漏水が多くその対策が取れずに失敗に終わり
人が住むより先に鉄路の敷かれたまちであり、駅
ました。これは、北海道における水道の事始めで
舎はまちのシンボルとして市民に親しまれてきま
最古の施設であり、失敗ではあったものの、近代
したが、3代目駅舎が平成12年に焼失し、新しい
水道としては、明治6年の横浜水道施設竣工に次
駅舎が待ち望まれていました。平成21年に完成し
ぐものでした。
た4代目駅舎は、一般公募により決定され、鉄道
明治33年1級町村制による岩見沢村となり人口
と伴に歩んできた過去のまちの歴史をデザインの
も 12,518 人と増えたものの、まちの中心部を流れ
一部に取り入れ、行政機能を兼ね備えた複合駅舎
る幾春別川は上流の洗炭で真っ黒に汚れ、井戸を
として生まれ変わり、2009年のグッドデザイン大
掘っても金気が多く、開拓当時から飲料水に悩ま
賞ほか2010年日本建築学会賞等数多くの賞を受賞
され続け、住民からは長年にわたり水道敷設が強
しました。
く望まれていました。
その後、岩見沢町となった明治 39 年に、1級河
川市来知川源流の、一の沢渓流を水源とし事業認
可(給水人口 15,000 人、1 日給水量 1,250㎥)を得
て着工し、明治 41 年 10 月 10 日に竣工。当時の町
予算の5倍に当たる20万5千円を投じた待望の大
事業は、近代水道施設として北海道では函館に次
いで2番目(全国13番目)に供給を開始しました。
一の沢水源池には、六角形のレンガ造りの取水
塔が設けられ、取水塔を持つ施設としては道内最
初で、昭和 60 年に「近代水道百選」にも選定され
ました。
新駅舎
50
取水塔と記念碑
その後、岩見沢市は3度の拡張事業を重ね、現
■拡張に次ぐ拡張
在の認可は給水人口 115,690 人、1 日最大給水量
水道施設が完成してからの岩見沢市の発展は目
50,500㎥となっています。平成18年3月の合併後、
覚ましく、当初は清浄であったため浄化せずに供
平成21年には事業統合して料金を統一し、配水池
給していましたが、水需要の増大に伴い大雨時の
11 池、送配水本管 1,142km 等、多くの水道諸施設
濁水でも対応できるよう施設の改良が迫られまし
を抱え、施設の統廃合を進め、効率よい事業運営
た。大正 14 年の浄水場完成後も人口が増え続け、
を目指しています。
昭和に入り急増する人口と生活環境の変化に伴い
水不足となり、自然流下による水量では対応しき
れず、昭和 24 年に給水人口 23,000 人を見込み、拡
■おわりに
張事業を実施して増量ポンプによる送水量アップ
水道は、「普及拡張の時代から維持管理の時代」
を図るも、一の沢水源池だけでは限りがあり対処
といわれて久しいですが、岩見沢市も、老朽管の
しきれず、その後は度重なる給水制限が続き、水
更新事業を進め、施設の耐震化を推進するととも
が出る時間より断水時間の方が長いというような
に、効率的な給配水を目指した管網の再構築を図
深刻な水不足の事態に陥りました。
り、安心で安定した水道事業を常に心がけていき
昭和28年、幾春別川上流に桂沢ダム(昭和32年
たいと考えております。
完成:北海道初の多目的ダム。総事業費 49 億円、
岩見沢市は、鉄道の発達と共にまちも発展して
高さ63.6m、堤頂長334.25m、有効貯水量81,800,000
来ましたが、1 世紀以上にも渡るこの水道の歴史
㎥)の建設が開始されると同時に、新たな水源を
が、その発展を支えてきた最大の要因であり、水
そこに求めて、給水人口 42,700 人を見込む第2次
道施設整備が遅れていたとしたら、今日の岩見沢
拡張事業がスタートしました。これにより給水区
は無かったといっても過言ではないでしょう。
域を拡大し、昭和30年広域的浄水供給の先鞭的事
そして今年、岩見沢市は、開基 130 年、市制施
業体として、桂沢上水道組合(現桂沢水道企業団:
行 70 周年の節目の年を迎えました。
岩見沢市、三笠市、美唄市、1日最大給水量82,500
北村は明治33年、栗沢町は明治25年に、それぞ
㎥)を設立し、昭和 32年の桂沢ダム竣工と同時に
れ岩見沢から分村しており、明治中期までは一つ
浄水場及び送水管の布設も同年内に完了し、翌昭
の地域でしたが、その後 100 年あまりの時を経て
和33年1月1日からは、新年の新しく豊潤な水が
またひとつになり、新たな岩見沢市として未来に
届けられ、
長年にわたる水不足が解消されました。
向けて歩み始めています。
桂沢ダム
桂沢湖
51
れ
き
し
歴史遺産
い
さ
ん
奈良県の下水道歴史遺産
奈良県県土マネジメント部流域下水道センター/
業務課課長(浄化センター所長)
横井明弘
技術士(上下水道部門)
■古代の奈良県の下水道歴史遺産
(藤原京)
日本で初めて下水道が整備されたのは奈良で
す。694 年に建設された藤原京に日本で初めての
下水道遺跡があります。藤原京は日本で初めて都
市計画を考えて作られた都市です。条坊制の区割
りされた藤原京では、道路に下水道の役割を持っ
耳成山、東は香具山、西は畝傍山に囲まれた低地
た側溝が発見されています。これが日本で最初の
にあります。藤原宮跡の周りは水田になっており、
下水道と考えられます。左京九条四坊では、道路
溜池が多く存在します。飛鳥川が藤原京の南東か
側溝から流水を引いた弧状溝型水洗式トイレが発
ら北西に、藤原宮をかすめて南から北へと流れて
見されています。トイレットペーパーの役割をし
います。飛鳥川は1級河川ですが、平常時の水量
たとされる籌木(ちゅうぎ)と呼ばれる木の棒も
は少なく小川とも言えるような河川です。これら
発見されています。藤原京は16年間、京(みやこ)
のことから下水道がうまく機能しなかった。これ
として利用されました。710 年には平城京に遷都
も平城遷都の理由のひとつだといわれています。
されています。
藤原京は飛鳥とともに世界遺産登録を目指して
藤原京は平坦な土地に建設されました。天皇が
います。藤原京は 530m を基準とする十条十坊か
政務を行なう大極殿や役所のある藤原宮は、北は
らなる 28㎢の大きな都城でした。藤原宮遺跡から
写真ー1 藤原京右京九条四坊「水洗式トイレ」
(橿原市教育委員会提供)
写真ー2 籌木(ちゅうぎ)
(奈良文化財研究所提供)
52
写真ー4 平城京に南面している大極殿
(橿原市教育委員会提供)
資料館、東院庭園、遺構展示館、遣唐使船が復元
展示された平城京歴史館があります。近鉄西大寺
写真ー3 藤原京条坊復元図
(奈良文化財研究所提供)
駅より、歩いて 10 分で平城宮跡に到着します。
■現代の奈良県の下水道歴史遺産
は、耳成山、天香具山、畝傍山の大和三山を古代
現代の奈良県の下水道遺産として、昭和49年に
の人が見たのと同じ景色で望めます。近くには、
通水した浄化センターを挙げたいと思います。建
奈良文化財研究所の藤原京跡資料研究室、藤原京
設当初に多くの人に考えられた事が、現在ではど
の模型展示のある橿原市の藤原京資料室もありま
のように私達に遺産として受け継がれているかを
す。現在も発掘調査が続けられています。
述べたいと思います。
(平城京)
(ネーミング)
平城京では、
「天子は南面す」との中国の古代の
奈良県では、昭和46年に大和盆地全体で下水道
思想にならい、京の北側に大極殿や役所が置かれ
の都市計画決定を行ないました。当時の知事の「農
ました。平城京でも弧状溝型水洗式トイレが発見
村にも下水道を。」との考えを基に、流域下水道を
されています。大和盆地の北端で、大和川の北側
制度化されたことを受け、全国的にもいち早く、
に位置する平城京では、佐保川、秋篠川、菰川が
流域下水道を中心に下水道の整備をしてきまし
北から南に流れています。平城京建設の時、条坊
た。その中核となる施設が奈良県浄化センターで
制にあわせて、秋篠川、菰川は付け替えられてい
す。浄化センターのネーミングは、当時の知事が
ます。大極殿や役所のある平城京が下水道で悩ま
下水道のイメージアップのため、日本で初めて「終
される問題はなかったと考えられます。
末処理場」ではなく、
「浄化センター」と命名した
平城京の最南端中央には、都城への出入り口に
そうです。当時、下水道法では浄化センターとい
あたる羅城門が当時、設置されていました。現在
う用語はないので、県の中では「浄化センター」、
は、奈良市が公園として整備していますが、その
国への書類は「終末処理場」と使い分けたそうで
隣接した場所に、流域下水道のポンプ場が設置さ
す。現在、全国で浄化センターといえば、下水処
れています。
理場の代名詞のようになったことを当時の人たち
平城宮跡では大極殿が再建され、内部からは南
はどう思うでしょうか?
に再建された朱雀門が望めます。また、平城京跡
53
写真-5 昭和 49 年通水浄化センター玄関銘板
(親しまれる処理場)
写真-6 浄化センター全景(展望台より)
見学者用も兼ねて研修室が設けられました。各市
浄化センターは現在、59haの敷地に33万㎥の処
町村の技術者において下水処理の技術研修を行な
理能力を持っています。緑に囲まれた処理場を目
う施設の役割も期待されていました。現在では、
指し、当時植栽され、小さかった浄化センター周
奈良盆地の中央にあり、200 名近い収容人員があ
辺の樹木も大きく育っています。平成26年度の開
ることから、浄化センターでは下水道のみならず、
場を目指し、新しいプールも建設中です。さらに
市町村や県の技術者のための県土マネジメント技
樹木で包まれた浄化センターの外周は、散歩やラ
術研修が頻繁に行なわれています。
ンニングを楽しむ住民の方が朝早くから夜暗くな
るまで利用されています。
(精神的遺産)
最後に私が先輩から受け継いだ言葉の遺産を記
(円形の最終沈殿池)
述したいと思います。浄化センターでは反応槽に
当時から現在まで、変わらない施設の特徴のひ
も脱臭設備をつけるほど、脱臭には注力していま
とつは、最終沈殿池に管理しやすい円形の沈殿池
すが、残念ながら、地元住民の方からの臭気苦情
を採用していることです。確かに面積は多く必要
も皆無ではありません。地元住民の方のお話を伺
ですし、水質的には汚泥界面の管理に気を使いま
い、原因究明、対策にあたるたびに、私は一人の
すが、機器の寿命という観点からは、当初の想像
先輩の方の言葉を思い出します。
「職員は転勤した
以上の長寿命でした。
り、退職したりして、いつかは浄化センターを去
見学者用の展望室から見る円形最終沈殿池が並
る時がくるが、地元住民の方がこの地を去ること
ぶ様子は壮観です。
はない。ずっと、地元で住み続けられる。」精神的
な遺産として、この言葉を後輩たちにも伝えてい
(技術者の養成)
奈良県の下水道技術の中心となる施設として、
54
きたいと思います。
水坤
寄稿
まちなか再生「秋田の行事」
(たった一枚の絵を見にいく) 小嶋宣英
オリジナル設計株式会社/北日本支店長 ■ 1.はじめに
ち」は薄く広がり、以前のような「にぎわい」が
なくなりました。
女優・吉永小百合さんがテレビの CM で言って
いました。
大人になったらしたいこと
世界的画家、藤田嗣治(つぐはる)の巨大絵
画を見に秋田へ
■3-1.市街地再開発事業のきっかけ
特に中心市街地を代表する中央街区にあった秋
田赤十字病院が狭小で老朽化が激しいことから郊
たった一枚の絵を見にいく
外へ移転したことは中心市街地の衰退に拍車をか
旅に出る理由は簡単で良いと思います
けることとなりました。移転したことにより日赤
秋田で巨大絵画を見る
跡地を含めた大規模未利用地や老朽化した建物の
存在など中央街区は中心市街地とはおもえない状
好評を博した NHK 連続テレビ小説「あまちゃ
況になりました。
ん」の最終回が放映された9月28日、秋田市に新
たな美術館がオープンしました。新秋田県立美術
館です。この中に、その「巨大絵画」があります。
■3-2.「まちなか」再生計画の変遷
このため、商業の活性化、都市居住の推進、県
「まちなか」
の衰退が言われて久しいこの頃です
民・市民による賑わいと多世代交流の増進をはか
が、私の住む秋田市の市街地再開発事業を核とし
ることを目的に市街地再開発事業が計画されまし
て、地域特有の資源を活用した「まちなか」再生
た。当初は芸術・文化ホールを核とした「ハレの
への取り組みとその資源である「秋田の行事」等
場」を創出する内容でしたが検証の結果撤回され、
を紹介いたします。
見直し計画としてホテル、高層住宅、健康施設、
駐車場棟、シンボル広場、歴史文化施設からなる
■2.
「まちなか」の衰退
計画が発表されました。しかし、秋田市内でホテ
秋田市は佐竹氏久保田藩の城下町として栄え、
儀なくされたのでした。
現在では人口32万人の県都となっております。私
このような状況の中、市では独自の公共公益施
が高校生のころ、昭和40年代前半は地元の百貨店
設構想を進め、県でも秋田県立美術館(平野政吉
や商業施設・公共公益施設が駅を中心に多数立地
美術館)の移転再整備構想を進めておりました。
しており、土曜・日曜には道行く人と肩と肩が触
これらのことを踏まえ商業モール、公共公益施
れ合う程人混みがありました。しかし、モータリ
設、健康施設、広場、居住施設、駐車場棟からな
ゼーションの発達や市民の持ち家志向の高まりな
る1.7ha規模の計画がまとまりました。ここで公共
どから住宅地、商業施設等が郊外に移転し、「ま
施設として県立美術館の移転再整備を県が表明
ル建設・開業が相次ぎ、さらに計画の見直しを余
55
し、事業を進めることとなりました。
ごく短時間で一気呵成にこの絵を描きあげた画
家の情熱は秋田の魅力をたっぷりと伝えておりま
■4.
「秋田の行事」
移転再整備することになる旧県立美術館には展
示品の目玉として「秋田の行事」という巨大壁画
す。
■5.「秋田の行事」の移設
があります。幅 20.5 メートル、高さ 3.65 メートル
新県立美術館のオープンにあたり大壁画「秋田
の大壁画はエコール・ド・パリの寵児ともてはや
の行事」の移設作業が注目を浴びました。大壁画
された藤田嗣治が秋田市の美術収集家平野政吉邸
を構成する5枚のキャンバス、キャンバス1枚の
の米蔵で描いた作品です。
大きさは縦約 3・65 メートル、横約4・1メート
その絵には、中央に秋田の夏を彩る竿灯祭り、
ル。高さ約5メートルの足場に上るなどして取り
その右には新年の訪れを告げる太平山三吉神社の
外した後、防水防湿シートや緩衝剤が入っている
梵天祭り、さらにその右には日吉八幡神社の秋祭
木箱に収納・梱包し旧美術館から搬出、1枚1枚
りの情景が描かれております。この絵の前に立つ
新県立美術館にトラックで運ばれました。キャン
だけで、喧嘩ぼんでんと呼ばれ、境内をわれ先に
バスをクレーンで移動する作業もコンピューター
と駆け上がる男衆の熱気や倒れる竿灯を必死に支
でシュミレーションするなど周到な準備をしたそ
える若衆の真剣な眼差しなどが感じられ、その迫
うです。新美術館と旧美術館とは距離にしてわず
力と壮大さに祭りの群れの中に引き込まれていく
か300メートルほどですが、交通整理をはじめ、い
感覚に陥ります。向かって左手には雪景色の中で
ろんな作業などで総勢約100人が動員されました。
営まれる秋田の冬の生活が描かれております。私
にとっては子供のころ履いた雪げた、雪遊びの箱
ぞりや馬そりなどが懐かしく、小さいころの家族
■6.新県立美術館
のことなども思い出されます。
「秋田の行事」は新美術館に移りました。旧美術
この壁画は1937年2月21日から3月7日までの
館の展示室は自然の光がいっぱい入ってきました
15日間で描かれたもので、そのエピソードについ
が、新美術館の展示室は発光ダイオード(LED)
て美術評論家は「多くのデッサンが残っており、
の人工の光なので、いつでもとてもクリアな色で
準備は怠りなかった」
「大勢の人がそれぞれ違った
鑑賞できます。
動きをしているのに全体としてまとまりがある」
また、この新県立美術館は世界を舞台に美術館
と述べております。
を多く手掛けてきた建築家・安藤忠雄氏の作品で
展示室鑑賞状況
56
水庭の風景(奥の丸屋根が旧美術館)
す。コンクリート打ち放しの壁面や大壁画ギャラ
リーから続くミュージアムラウンジ、
その先の
「水
庭」が目を引く斬新な構造となっております。
「水庭」は空中に張り出した水盤であり、その先
に対峙する緑に囲まれた千秋公園のお堀がつなが
っているようにも見えます。そんな錯覚にとらわ
れるような水と緑の美しさの中、
「秋田の行事」は
来館者の心に深く印象づけられると思います。
■7.これから・・・
新県立美術館は平成 24 年6月の竣工でしたが、
施設内の空調を安定させるための「ねかせ期間」
が必要で本格オープンは平成25年9月になったも
のであります。この間、暫定オープンとして「展
示品のない美術館」でしたが、予想を超える約 28
万人が来館しました。これは建物自体の魅力が一
因と言えます。報道では、本格オープン後訪れた
びっくり。迫力があって素晴らしい絵。またこの
絵に会いに来たい」
「2階のミュージアムラウンジ
からの水庭の眺めに感動した」
と話していました。
新県立美術館はオープン後「秋田の行事」を鑑
秋田の行事
人は「秋田の行事を初めて見て、まずは大きさに
賞する来館者で連日にぎわい、上々の滑り出しを
見せております。
まちなか再生、舞台は整いました。あとは地域
の人たちが主体となってどのように進化させてい
くのか、大いに協力していきたいと思います。
会員の皆様も是非一度、巨大絵画を見に秋田へ
お越しください。お待ちしております。最後にも
う一度、吉永小百合さんの「せりふ」を述べます。
たった1枚の絵を見にいく
旅に出る理由は簡単で良いと思います
57
水坤
寄稿
水雑感
■ 1.はじめに
「水」とは何か?と問われたとき、50 年近くに
なろうとする水道コンサルタント業の習性もあっ
て、最初に水道における水質や水理的な事などが
思い浮かび、何とか説明できるという思い込みも
あるのですが、これが、漠然と「水」となると、
的確な答えに困惑することになります。
それは、日本人の「水」に対する感じ方が千差
万別で、
水のもつ意味合いが余りにも広義に亘り、
水そのものが不思議なものと云わざるを得ないか
らだと思います。
「すい」或いは「みず」を広辞苑で調べると、水
のつく熟語、格言、慣用句、名詞などの何と数の
多いことか、また、水に関連した書籍の多種多様
さを見るに及んで、尚更に、知識の曖昧さを思い
知ることになるのですが、敢えて、水へのこだわ
りを脈絡のないままに、
「水」のよもやま話とする
次第です。
■ 2.水雑感
(1)いまだ謎多き水分子の世界
「万物は水である」という説を唱えた、人類史上
最初の哲学者とされる古代ギリシャのタレスが自
然科学的な法則に目を向けた思想から「水」を探
求したのが、BC600 年頃とされている。
科学が発達した現代のミクロな目で見た「水」
とは、分子式H2Oで表される水素と酸素の化合物
であることが、フランスのラボアジエによって発
見されたのは1785年、アメリカのコーリが水素と
酸素以外に2倍の質量をもった重水素を含んでい
58
菅田和夫
株式会社環境技研コンサルタント/専務取締役 ることを発見したのが 1934 年、その後、水素には
2つの、酸素には3つの同位体が存在し、これら
の同位体を組み合わせると、18 種類のいわゆる
「水」が存在するという構造が解明されたのは、日
本近代水道の創設期より後のことである。しかも、
水が可変性と物を溶かし易いという性質をもつが
故に、様々な物質を含む水が絶えず形を変え、水
質的にも変化していることを考えると、実に多種
多様な水が運動性をもって存在していることにな
り、現代の物理学者にとっても、いまだ謎多き
「水」と言うことになるらしい。
(2)水の味について
近年、おいしい水への関心が高まり、おいしさ
の基準はミネラルの含有度合や温度だけではな
く、水分子集団が均一で小さいほどおいしく感じ
るという、水の分子構造とおいしさを関連づける
「クラスター理論」が1990年代に注目されたが、こ
の理論に水ビジネス業界が飛び付き、ミネラルウ
ォーターブームを呼ぶことになり、おいしさを超
えて水に百薬の長としての効能を求める水療法、
水健康法、マイナスイオン効果、水美容法などの
流行は、日本人が繊細な和食文化を持つ反面で、
医学的根拠もなく、
「水は何となく体に良い」とい
う曖昧な感覚に拠るところなのかも知れない。
* * * * *
水の良し悪しが味にも影響すると言われる豆腐
は、凝集剤にニガリを使う凝集・沈澱による作り
方が鎌倉時代に中国から伝わったという説が有る
くらいに古い、また、江戸時代の初め頃、摂津の
鴻池の酒蔵で、使用人が鬱憤晴らしのつもりで濁
酒の中に灰を放り込んだところ、次の日には、清
らかに澄んだ酒になっていたという伝説は、偶然
裏に試行錯誤を繰り返し、探究された自信が
ながらも凝集・沈澱処理されていたと言うことで
あっての事だと思われる。
あろうし、
濁酒をろ過して清酒とする方法などは、
水徳五訓の一、
「淡々と無味なれど、真味なる
現在の浄水処理方法と共通するところが面白い。
ものは水なり。」と言うことの実践かも知れな
* * * * *
い。
当社のある千葉県は、利根川の水運を利用した
醸造業が古くから有名であるが、某老舗の醤油メ
(3)水に因む印象的な言葉と音楽
ーカーからの相談で、醤油をベースとした麺つゆ
◦「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの
の評判が高く、
品質を変えずに増産を図りたいが、
水にあらず。よどみに浮かぶうたかたは、かつ
生命線でもある深井戸地下水源の経年化による揚
消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしな
水量減少に不安があり、利根川表流水を水源とす
し。」… 鴨 長明「方丈記」の冒頭
る水道事業からの給水を受けたいというものであ
◦「パンタ・レイ」
(すべては流れる。)… 古代
った。
ギリシャの哲学者:ヘラクレイトス「万物流転
この際に、醸造元の匠より伺った「水」につい
説」
ての蘊蓄ある話が興味深かったので紹介したい。
水の流れについて考えたとき、仏教的な無常
◦麺つゆのベースとなる醤油は、関東の濃口、
観は、洋の東西を問わずに、人間に共通した哲
関西の薄口と言われるが、麺つゆに関しては逆
学的なことのようである。しかし、日常的に使
に、関東は3倍濃縮、関西では5倍濃縮の製造
う「水に流す」という言葉は、過去のことはと
が主流で、同じ容量でも販売価格の差がつけに
やかく言わずに、自分の都合で物事を白紙に戻
くいために、醤油製造元にとっては、醤油量の
すと言う意味で、つい無意識に使っている気が
少ない3倍濃縮の方が有利とのこと、因みに、
する。
蕎麦を好む地方と饂飩や素麺を好む地方の食習
◦「水五訓」、「水徳五訓」… 年代、作者不詳
慣の違いでは?との小生の愚問に対し、消費量
各々の内容については、業界関係誌などで
の地域差は多少あるかもしれないが、今では、
度々目にするので省略したいが、一説には、作
全国どこでも蕎麦用、饂飩や素麺用、鍋用のつ
者が「太田道灌」とも「黒田官兵衛孝高(仏門
ゆなどが市販されていて、消費者の好みで主役
に入り如水と号す)
」とも言われる所以は、二人
の食材に合わせた使い分けができるので、スコ
に共通して、智将・軍師としての人望が篤く、築
ッチをオンザロックか水割りかの飲み方とは違
城の名人として伝わるのは、水に関して精通し
い、麺つゆ自体の味や風味は、ダシ(醤油、鰹、
た知識を持っていたことに他ならないと思う。
昆布、ミリン等)をとる際の「水」によって、
濃淡が決まる。
「人生訓」として肝に銘じ置きたい格言である。
* * * * *
これは、
「名水ある処、名品有り」と言われて
◦「モルダウ」… ベドルジハ・スメタナ作曲の
いる酒や豆腐造りにも共通するもので、水は素
交響詩「わが祖国(ボヘミア地方)」
材の旨味を邪魔しない引き立て役であり、水の
◦「ドナウ河のさざ波」… ヨシフ・イヴァノヴ
味を表に出さない陰の主役であるとも言える。
ィチ作曲のワルツ「ルーマニア」
伝統の味を変えないことがブランドたる所以
◦「ブンガワン・ソロ」… グサン・マルトハル
であるとすれば、水は変われども「水の個性」
トノ作詞作曲「インドネシア」
に合わせた麺つゆを造ることもプロの技と工夫
悠久とした大河のたたずまいが思い浮かび、
であると、水道水とのブレンドにも拒否は示さ
穏やかな気持ちになれる名曲で、
「ドナウ河のさ
れず、小生の「水を生かすための水加減ですね」
ざ波」を名古屋駅で名鉄特急の発車曲として聞
と言う僭越な投げかけに、確信あり気な相槌を
いた時には、大いに感激した思い出がある。
頂いた。
59
■ 3.おわりに
設の更新を兼ねた耐震化対策、省エネ化など、水
道施設の再構築に求められる技術的な課題は多
水道における浄水処理技術は、従来の化学的な
く、ライフワークとするのに十分な水道コンサル
水質の捉え方に加えて、高度浄水処理や膜ろ過に
タント業務の役割を、次世代の技術者に継承して
代表される物理的な処理技術も進歩しているが、
行くことこそ、大切だと考えている。
その一方で、水質汚染リスク対策や老朽化した施
60
水坤
寄稿
ザンビアの水道施設改修
株式会社三祐コンサルタンツ/海外事業部 高橋 徹
■ ザンビア国について
呼ばれています。ンドラ市は現在コッパーベルト
本稿では、日本の無償資金協力で実施したザン
社に勤める英国人が居住していたため、市街部で
ビア国ンドラ市での水道施設改修事業を紹介いた
は1960年代から上下水道両面の整備が行われ、同
します。
年代の日本の地方都市に比べても衛生的な生活で
ザンビア国はアフリカ南部にある内陸国で、日
あったことが想像されます。ザンビア国が独立し
本から行くには香港や南アフリカのヨハネスブル
たのは1964年のことで、東京五輪の開会式では英
グなどを経由して飛行機で二日かかります。標高
領北ローデシアとして入場、閉会式にはザンビア
千mを越す地域が多いためアフリカの中でも一年
共和国として参加したそうです。今日、日本から
を通じて比較的過ごしやすく、総じて夏の避暑地
輸出された真新しい中古車が走る近代的なンドラ
のような気候です。南半球に位置しているので12
市内ですが、東京五輪の頃から50年近く経過した
月、1月は夏季にあたります。隣国ジンバブエと
上下水道施設の老朽化は著しく各所で更新の問題
の国境にはビクトリアフォールズ(リビングスト
に直面しています。
ンの滝)という、北米ナイアガラの滝、南米イグ
中でも水道の幹線配水管に用いられている大口
アスの滝と並び有名な大瀑布があります。
径コンクリート管の継手部からの漏水は顕著で、
州の州都で人口は約50万人、独立以前から採掘会
路面にあふれ出した水が交通の障害となっていま
す。改修前は配水量の半分程度が漏水していると
推定されていました。補修しても別の継手から新
たな漏水が生じるため、同じ管種全体の更新が必
要とされています。
今回の計画では、漏水の程度と路線の重要性、
ザンビア
ザンビア国の位置
■ ンドラ市の水道施設改修
ザンビア国は鉱物資源に恵まれた国で、特に銅
鉱床が集まっている北部地域はコッパーベルトと
上下水道公社による配水管の保守作業
61
流入水
流出渠
流入弁
上 澄 水 トラ フ × 4 本
上 澄 水 ト ラフ × 4 本
排泥弁
流入弁
スラッジ ブ ラン ケット ゾ ー ン
濃縮汚泥
流量測定場所
流入渠
平面図
処理水
断面図
沈殿池の機能と形状
劣化して運転不能となったポンプ
更新費用等を勘案して約 13km の更新区間を選定
しました。また改修対象の浄水場ではポンプ機器
に劣化が見られるなど処理水量が当初(81,800㎥/
日)の3分の2程度になっていたため、各設備の
更新範囲を検討して元からの能力に復旧させる計
画としました。
穴の開いた沈殿池の集水トラフ
沈殿池はピラミッドを逆さまにしたような四角
錐型で、流入した水が水槽の底から上昇してくる
■ 既設浄水場の特徴
間にスラッジブランケットゾーンを形成する方式
となっています。機械設備はなくシンプルな機構
対象地域の浄水場の多くでは、急速濾過池にア
ですが、強い日射を受けるせいか水面で上澄水を
カズールフィルターが使われています。この方式
集めるトラフが劣化していたためこれを更新する
には各濾過池の浄水渠側にサイフォンが設置され
ことにしました。
ているのが特徴で、
濾過池内のフロートに連動し、
濾過池水位に応じて濾過流量を自動調節する仕組
みとなっています。改修対象の浄水場ではフロー
■ 水質の問題
トの故障により各池の濾過流量に差異が生じてお
ンドラ市の上下水道システムの特徴として、水
り、手動弁を設置して堰の流れの高さを見ながら
資源の循環があります。ンドラ市は鉱工業のほか
制御する方式を提案しました。
織物などの産業が盛んな町で、工場からの排水は
ハ ゚ ー シ ャリ ゼ ー ショ ン ホ ゙ ッ ク ス
処理または希釈されて水道水源であるカフブ川に
流入しています。ンドラ市南部地域の上流には工
空気
業地区や農場の耕作地、ゴルフ場、北部・南部の
空気
ろ過池水位
手動弁
フロ ー ト
ろ過砂
サイフォン
空気
下水処理場があり、下流地点にある浄水場で水道
原水を取水して浄水処理してから需要家の集まる
地域へポンプで揚水しており、広域的に見ると排
水を含む水源を再利用する形態となっています。
改修対象となった南部の浄水場では下水処理場
の排水を栄養分として貯水池で成長した藻類が流
ストレーナ
ろ過水
入するので、職員がさらし粉を溶かして流入渠に
入れる殺藻処理をしており、この部分には塩素水
急速濾過池の改修
62
の配管を設けることにしました。
井戸水源
ンドラ市北部
浄水場
下水処理場
カフブ川
工業地区
貯水池
ンドラ市南部
改修対象の浄水場
ンドラ市の上下水道システム概念図
水質分析機器の操作に関するトレーニング
また、浄水場の原水や浄水は上下水道公社の分
析所で水質測定をしており、重金属の分析に使わ
れている古い原子吸光光度計については既に保守
部品の販売が終了していることから機器を更新す
る計画としました。
今後長期的には、浄水処理と送水に費用を要す
るこの浄水場の運転を継続するのか、需要家の近
くに新たな井戸水源を開発するのか、比較が必要
になってくることが考えられます。
■ ソフト分野の活動
給水所設営箇所での衛生啓発活動
水質分析機器の訓練は技術の進んだ南アフリカ
から技師を派遣して行いました。自国では金の含
改修工事後は上下水道公社職員による施設の維
有をまず調べるそうですがザンビアでは銅を測定
持管理作業が不可欠となるため、浄水処理・水質
することに納得していました。
分析・配管流量測定・給水所運営の各分野に分け
ンドラ市の給水量原単位は配水ブロック別に
て講習や訓練を行いました。
高・中・低所得地区(各戸給水)と郊外地区の4
浄水場では凝集剤が高価で原水の濁度が高くな
段階に分かれており、外郭部では公共給水所での
る季節にだけ注入することになっており、操作に
売水が主体となっています。これまでは給水所の
不慣れな職員もいることから凝集沈殿による浄水
水圧が低く、配管からの漏水を汲んで生活用水と
処理の必要性を説明しました。
している家庭が殆どであったため、新たに給水所
を設ける箇所で衛生啓発活動を行い多くの利用者
が参加しました。
■ おわりに
近隣の浄水場では改修後数年で故障する機器が
見られます。日本の事業でも調達条件によって各
国の製品が含まれることから、更新範囲の設定、
調達・据付時の品質管理、実施機関職員への保守
操作訓練・予防保全の啓発等、コンサルタントが
凝集剤を用いた浄水処理工程の説明
果たす役割の重要性を改めて認識しました。
63
水坤 「時間設計」という概念について
寄稿
高津章雄
神戸山手大学/教授 株式会社昭和設計/取締役 ■はじめに
私は株式会社昭和設計の建築設計部門を中心に
33 年勤めてまいりました。また、御縁があって3
年半前より神戸山手大学で教鞭をとり、現在は2
足のわらじをはく状態となっております。建築設
計においても、大学でも主にデザイン部門におり
本誌を購読されている皆さまとは違った分野で街
づくりや地域づくりに関わってまいりました。
また、仕事をしながら母校である神戸大学の後
期博士課程に在籍させていただき学位をいただき
ました。その折考えていたこと、今までの仕事を
通じて学んだこと、それらの活動をまとめる形で
最近論文をまとめましたのでその一端をご紹介し
たいと思います。
■1.
二つの脳の働きと時間・空間認識
図1 大脳半球の専門化(Ando and Hosaka, 1983)
左脳;時間設計に関与す
る時間把握の脳
右脳;空間設計に関与す
る空間把握の脳
我々人間をとりまく環境は空間と時間により成
間、②後続残響時間、③音圧レベル、④IACC(両
り立っています。従って、我々を取り巻く環境の
耳間相関関数の最大値)という4つのファクター
中で住宅や建築物を計画・設計する場合えてして
が重要ですが、この中の時間的ファクターである
空間のみのデザインに陥りがちですが、これは片
①反射音遅れ時間、②後続残響時間を変化させた
手おちとなります。周囲の環境を我々の脳が認識
時、頭頂部緩(SVR)、脳波(EEG)、及び脳磁波
するとき、大脳の右半球、左半球両脳の刺激によ
(MEG)の測定により左脳が活発に反応し、同様
って捉えていることが分かってきています。これ
に 空 間 的 フ ァ ク タ ー で あ る ③ 音 圧 レ ベ ル、④
まで左脳は言語、論理、計算、時系列処理、右脳
IACC(両耳間相関関数の最大値)を変化させた
は非言語、
パターン処理などと言われてきました。
時、頭頂部緩(SVR)、脳波(EEG)、及び脳磁波
しかし、左半球は時間の脳、右半球は空間の脳と
(MEG)の測定により右脳が活発に反応すること
分類されることによって、明快に心理的反応を捉
が証明されています。
えられることが分かってきました。このことを表
このように、空間と時間で構成される環境は、
す音響上の知見として以下のことが証明されてい
各々を司る左右の大脳半球両方により認識されて
ます。良好な音場を構成するのは①反射音遅れ時
いるのです。
64
また、人が「好ましい」と感じるためには空間
接的刺激は少なくなります。ms、秒、分は脳への
を司る右脳と時間を司る左脳に同時に有効な刺激
直接的刺激ですが、時、日、週、月、年…による
(情報)を与える必要があります。このことは大脳
卓越周期における刺激は論理的把握となっていき
右半球で認識される空間設計のみに陥りがちであ
ます。このことは ms, 秒、分の卓越周期において
った建築や都市の計画、設計において機能だけは
両脳への刺激がより重要であることを意味してい
なく「好ましさ」も環境の中に求めようとするな
ると考えられます。
らば、大脳左半球で認識される時間設計が不可欠
人間の生活に関わる卓越周期として、左右の大
であることを示唆しています。
脳半球の働きから「好ましさ」について明らかに
することができた音響学上の知見、心理学上の知
■2.人間の生活に関わる卓越周期
見、生物時間学上の知見、歴史・文化に対する知
識から以下のように整理を試みました。
空間を設計・計画する場合には、原寸、1/5~
1/10、1/30~1/50、1/100~1/300、1/500~
■3.卓越周期
1/1000、1/1000~の各スケールで設計・計画す
る対象が違うように(表1)
、時間においても人間
Ⅰ)脳の構造による卓越周期
の生活に特に影響を与える周期として、短いもの
① 神経細胞の発火点 --- 約1ミリセカント
(1ms)周期
はミリセカントから長いものは1000年の時間域を
挙げることができます。この人間の生活に特に影
人の生理に対して神経細胞の最小発火点となる
響を与える時間域を卓越周期と呼ぶことにしま
パルスの周期です。聴覚器官、視覚器官をはじめ
す。この卓越周期を明らかにすることにより、空
とする五感への直接刺激を電気信号に変換する周
間と同様に各時間域において計画すべきもの、設
期であり、痛い、まぶしい、音が大きい・小さい、
計すべきものの対象を明確にすることが可能にな
熱い、冷たいうんぬんといった生命維持の反応に
るわけです。
結びついています。
この各卓越周期における脳への刺激が大切です
② 心理的現在 --- 30ms~数秒周期
が、一方で時間の周期が長くなるほど、脳への直
本来経時的に起こっている事象でも知覚的には
計画・設計
範囲
単位
1 / 100,000
1 / 1,000,000
国土・地方
土・地方計画
1 / 10,000
素材
ものの納まり
原寸図
ディテール
ものの納まり
部分詳細図
平面詳細図、断面詳細図
矩計図
平面図、立面図、断面図
配置図
建築計画
都市計画・開発計画
1 / 1,000
アーバン・デザイン
1 / 100
建築設計・デザイン
1 / 1
1 / 10
建築設計・計画
対象図面・図書
計画・設計対象
近隣計画、地区計画
景 観計画
位置図
景観マスタープラン
市・ 町・ 村計画
都市計画
県・ 地方計画
マスタープラン、年次計画書等
都市計画図、用途地域図等
条例
マスタープラン、条例
国土計画
国土計画
白書、大綱、法律
白書、大綱、法律
表1 空間設計における縮尺と設計・計画対象
65
「瞬間」として認識されています。これを心理学上
く 25 時間サイクルであると言われています。
は「心理的現在」と呼び、30ms~数秒の時間的な
幅を持っているといわれています。上述の音響上
の時間的要素である「第一反射音遅れ時間」
、
「後
Ⅲ)インフラディアンリズム(infradian‒rhythm)
における卓越周期
続残響時間」もこの時間域に属しています。
1日周期以上の卓越周期をインフラディアンリ
ズムといいますが、それは下記にあげる3つがあ
Ⅱ)サーカリズム(circa‒rhythm)による卓越周期
ると言われています。
① 睡眠周期 --- 約 90 分周期
① 1週間周期
生理的にはレム睡眠・ノンレム睡眠の周期が約
② 1ヶ月周期(circalunar‒rhythm)
90分ですが、一般的に人が仕事や学習に集中でき
③ 1年周期(circannual‒rhythm)
るのは90分であるとも言われています。最近よく
つかわれる業務や研究における「ON」タイムの継
Ⅳ)人のライフステージにおける卓越周期
続時間でもあります。
人の一生のうちにいくつかの卓越周期と呼べる
② サーカディアンリズム(circadian‒rhythm)
ものがあります。いずれも経験的なもので実証さ
--- 一日周期
れてはおらず、仮説の段階ではありますが時間設
自然界で一日の変化の中の最大のものは地球の
計における卓越周期として以下のものを提起して
自転による夜と昼の変化です。また、潮の満ち引
います。
きも一日の中での周期を感じることができるもの
① 3年周期
のひとつです。人におけるリズムとしては起床、
② 10 年周期
数回の食事、排泄、労働(勉学)
、就寝といった万
③ 30 年周期
人に共通のサイクルがありますが、24時間ではな
心理的
現在
感情的現在
(仮説)
ジ的
イメージ的
イメ
現在
(仮説)
睡眠周期
1ms
脳への刺激
30ms
~
a few s
1min
~
3min
10 i
10min
~
15min
70min
~
90min
サーカディアン
サ
カデ
リズム
25h
週間リズム
(仮称)
1week
サーカルナ
リズム
1month
サーカニュアル
リズム
1year
ライフステ ジ
ライフステージ
3年周期
3
3years
ライフステージ
10年周期
10
yaears
ライフステージ
ラ
30年周期
30
yaears
カルチャー
ステージ
100年周期
カルチャー
ジ
ステージ
ステ
1000年周期
100
years
century
1000
years
milleniu
自然
音(聴覚)
光(視覚)
人体(生理)
人間・文化
ニューロン最小発火時期
(絶対不応期)
第1のいのち
せせらぎの音・光
脳波、呼吸、心拍
波の音、虫の音
音楽のテンポ
そよ風、木の葉の揺れ
景観
歩行
運動
永遠・
永遠・永続に対する日
る日本的・輪廻的時
的時
神経的瞬間
(仮称)
脳への刺激
イメージ
周期
する西洋的
永遠・永続に対する西
永遠・
卓越周期
街並み
群としての印象
(イメージ)
太陽・月の高度
影の移動・伸長
天候の変化
太陽、月の動き
夜・昼
潮の満ち引き
REM睡眠周期
月の満ち欠け
月の満ち欠け
挨拶、お祈り
日常ルーティン
非日常性
TV番組
授業、他
余暇、リフレッシュ
生理現象(女性)
生理現象(女性)
みやまコンセール
オルビスホール
ベルフォーレ津山
各都市における沿道景観計画
本福寺水御堂
≪非日常性への要求 1 ≫
≪非日常性への要求 1 ≫
音楽ホール、劇場、美術館、
GMC等
≪非日常性への要求 2 ≫
リゾート地、観光地
テーマパーク等
庭、借景
庭、借景
床の間、月見台
浄土寺浄土堂
神戸ファッションプラザ
非日常という刺激を求める
伝統的な村落、都市
テーマパーク
単調な週の繰り返しを脱するための、
バカンス・休暇という刺激を求める
大覚寺(大沢池を利用した月見)
大覚寺(大沢池を利用した月見)
桂離宮
生産行為の進捗、出来高確認
生産行為の進捗、出来高確認
街並み 集落景観計画
街並み・集落景観計画
散歩道(哲学の道)、豊島美術館
回遊式庭園(桂離宮、鹿苑寺等)
金毘羅山参道
住吉の長屋
五感への刺激の総和
感情の総和
「ON」タイムの設計は機能主義とともに発展
「OFF」タイム設計は発展途上
[日本における祭礼]
祭礼、記念日等による経年の確認
正月、節分、桃の節句、花見、端午の
節句、七夕、お盆、紅葉狩り等々
千葉市立打瀬小学校
長期計画における軌道修正のインターバル
スケルトン・インフィルの住宅
建築物のリニューアル・改修
地区景観形成、再開発、開発計画
伊勢神宮
人と未来防災館
タイムカプセル
ファッションにおける回帰
兵庫県立考古博物館
歴史認識の確立
地球環境(温暖化、生物多様化等)キリスト教大聖堂、モスク
仏教大寺院(法隆寺など)
への配慮
文明、風土
環境配慮建築物
表2 卓越周期と時間設計・計画対象
66
備 考
種の保存に関わる本能的領域
建築基準法等の法律と建築家の職能による
性能の担保
τe
音環境、視環境
音響空間(ホール等)、庭・造園
暖炉・ストーブの炎、建物の質感
温・湿度環境
動線計画、立面計画
歩行者空間(Active Scape)
タウンスケ プ
タウンスケープ
アプローチ空間
庭・造園
機能計画
平面計画、断面計画
四季、日の出・日の入 農耕、祭礼、出産周期 ランドスケープ・造園
時刻、南中高度の変化 年度による区切り
妊娠中の音環境
動・植物の成長変化
第1・第2のいのち
成長期における肉体的 脳細胞の発育
成長 精神的成長
成長・精神的成長
(第3のいのちの目覚め)
第1・第2のいのち
行政・会社組織の中期計画
太陽黒点
保育・学童期。思春期 景観(Static Scape)
青年期、子育て期等々 土木計画・インフラ計画
第2のいのち
再開発・面開発
世代交代
都市計画
国土計画
第2のいのち
寿命
文化、風景
住宅、建築物、都市
第3のいのち
時間設計例
計画・設計対象
安全性・安心感
建築物における基本的性能
歴史編纂
個人によって創造された文化の蓄積
Ⅴ)カルチャーステージ
② イメージ的現在 --- 10~15 分
100 年周期、1000 年周期というものがあるのか
街歩きをしている中で、これも経験的にではあ
ないのかは議論の分かれるところでしょう。この
りますが10分から15分以上同じような街並みが続
時間域において環境を計画或いは設計する者とし
くとそれが美しい街並みであっても、雑多な街並
て視点を据えざるを得ない、また意識の外におい
みでは余計、退屈してくることを感じられたこと
てはならないものがあります。それは地球環境へ
はないでしょうか。これも仮説ですが、前節で述
の配慮です。100年後の人へ、1000年後の人へ、変
べた感情的現在が積み重なって(インテグレイト
化が許されるものは何か、変化してはいけないも
とされて)群として一つのイメージ(概念)にな
のは何かを問いかけることが必要であると考えて
るのではないかと考えています。仮説ではありま
います。 すが、その群としてのまとまりが仮にイメージ的
現在とする10分~15分の時間域にあるのではない
Ⅵ)ミッシングリンク(missing-link)の卓越周期
かと推察しています。これは街を歩いていても 10
今まで科学的に明らかにされている大脳構造か
~15 分の歩行距離、600 m~1,000 mの範囲が一つ
らの卓越周期とサーカリズムによる卓越周期、文
のエリアとして把握しやすいことに表れていると
化的な卓越周期について述べてきましたが、忘れ
思います。また、記録映画などで一つのテーマで
てはならないもう一つか二つの卓越周期があるこ
あれば一般的に15分が限界だと言われることにも
とを経験上感じているので、その周期についての
表れています。
仮説を提案しています。
① 感情的現在(feeling-present)
--- 1~3分
脳への直接刺激がある程度インテグレイとされ
■おわりに
て一つの感情として認識されるという仮定のもと
昨今、水工施設においても長寿命化の業務が一
に、その感情を醸成する時間が1分から3分の間
般的に行われるようになってきています。建築の
なのではないかと推論しています。歩行に伴う視
世界ではともすると空間設計だけに目が行きがち
覚上の変化といった運動に伴う能動的な周囲の変
で、時間軸に沿って計画や設計に取り組むことは
化、音楽を聴くことに伴う聴覚上の変化といった
体系的に整理されていなかったと思います。社会
ように人の主体的行動に伴う周囲・環境の変化を
が成熟化する中で、土木設計の中でもこういった
捉えイメージ化するのがこの時間域であるという
時間軸を意識した「時間設計」が必要になってく
仮説を提案しています。
るのではないでしょうか。
67
水坤
寄稿
話し方教室を受講して
向井昌彦
㈱日水コン/広島支所/支所長 ■はじめに
私は、平成25年度から一般社団法人上下水道コ
ンサルタント協会中国四国支部の幹事を拝命いた
しました。この度、広報誌「水坤」への寄稿依頼
をいただき快諾したものの、過去題材で苦労され
た投稿者の方と同様、何を書けば良いか全く決ま
らず、いたずらに締切が迫ってきました。考えた
あげく、今年4月から半年受講しました「話し方
教室」について書くことにしました。
■話し方教室の概要
図-1 RCC 文化センター
ナ時代の話し方に関する体験 ・ 感動なども記され
話し方教室の場所は、広島市中区橋本町5−11
ています。内容の骨格となる目次は次の通りです。
の RCC 文化センター、期間と時刻は、平成 25 年
第1章.まず、声を出すことから
4月~9月(第2・第4木曜日 全12回)
19:00
第2章.スマートな話し方に欠かせない技法
~21:00、そして講師は、元 RCC アナウンサーの
第3章.相手を思いやる言い方
鈴木信宏 氏です。
第4章.わかりやすく話す
〔鈴木先生のプロフィール:1946 年東京生まれ。
第5章.変化をつけた話し方
1970 年スポーツアナウンサーとして中国放送
第6章.「聞く」「聴く」「訊く」
(RCC)入社。カープ戦の実況は800試合以上。2006
第7章.事実と意見を考えた報告
年定年退職後も、カープへの熱い思いを胸に、執
第8章.言葉に頼らない話術
筆などで活動。著書に「カープとともに真っ赤に
第9章.アドリブ入門「自己紹介はスピーチの
燃えたマイク人生」がある〕
基本」
以下、講義の内容について紹介します。
■話し方教室の内容
【第1回】
教材は、鈴木先生が教育現場やカルチャー教室
第1回の受講者は7名(男性5名、女性2名)
での講師・講演などの体験から、受講生の求める
で、最初に講義のガイダンスとして、第1~3回
もの、共通する悩み、日頃の話し方から感じた問
は発声練習と「話し方読本」第1~4章のレクチ
題点などを中心にまとめられた「話し方読本」で、
ャー、第4回以降からは、
「話し方読本」第5章以
本文には、具体的な例として中国放送スポーツア
降のレクチャーとテーマに基づくスピーチの実践
68
をする旨の説明がありました。次に、簡単な自己
【第4~7回】
紹介と講座を受ける目的を聞かれ、7名ともその
今回からテーマに基づく実践が行われます。第
表現は異なるものの、基礎から習いたい、話し方
4章のレクチャー後、「広島で一番自慢したいこ
が上手になりたい、あがり症防止といった理由が
と」をテーマに与えられ、約 15 分メモを含む準備
多く、職業は、学生や会社員、中には社長の方も
をしての発表です。発表はテープレコーダー(え
おられました。その後、早速講義が始まり、第1
っ、今どき?)に録音して、全員発表後、録音を
~2章のレクチャーを受けた後、表-1を用いた
聞きながら先生が批評されたのですが、
「①話が思
発声の練習を行いました。ポイントとなる「口の
いつくままで整理されていない。②結論を先に出
あけ方」
「腹式呼吸」の説明を受け、発声しました
したほうが分かりやすい。③無駄なことは省く。
が、特に私は「ただ大声を出すだけではダメだめ
④メモを見てメモに集中すると一本調子になる。
です」と指摘され、結構難しいものだと感じまし
⑤何を言いたいか結論・本論・理由を図式化する」
た。先生から「この発声練習を行えば必ず滑舌は
とかなり色々なことの指摘がありました。また、
良くなります。帰ってやってください」と言われ
スピーチにおいての間は、7秒くらい問題ないと
たものの、社会人の娘がいる家で行うには相当に
言われ実践しましたが、話すことに集中する中で
無理があるため、車で遠方出張の時に練習しまし
の7秒間は、とても長く感じられてなりません。
た。余談ですが、この表の中にカ゚ケ゚キ゚ク゚ケ゚
第5回以降は、
「話し方読本」の第4~6章のレク
コ゚カ゚コ゚の字があります。
多分説明はあったと思
チャーと「趣味」
「結婚式のスピーチ」をテーマに
いますが忘れました。どう読むのでしょう?
発表を行いました。先生から、全員へ「①センテ
アエイウエオアオ
カケキクケコカコ
サセシスセソサソ
タテチクテトタト
ナネニヌネノナノ
ハヘヒフヘホハホ
マメミムメモマモ
ヤエイユエヨヤヨ
レリルレロラロ
ザゼジズゼゾザゾ
ダデヂヅデドダド
あの~ は言わない」の指摘がありました。
【第8~11 回】
ワエイウエオワオ
ガゲギグゲゴガゴ
ンスを短く、②余計部分はそぎ落とす。③え~、
バベビブベボバボ
第8~11 回は、「話し方読本」の第7~9章の
カ゚ケ゚キ゚ク゚ケ゚コ゚カ゚コ゚
パペピプペポパポ
レクチャー、おとぎ話の朗読による効用の習得及
カ゚ゲキ゚グケ゚ゴカ゚ゴ
ガケ゚ギク゚ゲコ゚ガコ゚
び「夏」「最近思うこと」「自己紹介」をテーマに
表− 1 発声訓練表
した発表です。おとぎ話はおむすびころりんや桃
太郎が題材となり、
「①場面転換に間を入れる。②
【第2~3回】
相手に語りかける。③幼児に話すように」などに
前回の発声練習(表-1)に加え、劇団四季が
気をつけて朗読するよう指導を受け、その後、テ
実践している発声練習を行いました。それは、
「ん」
ーマの発表におとぎ話の話し方を入れるように言
を除き母音に置き換えて発声するといった方法
われましたが、話すことが精一杯で、抑揚をつけ
で、本日は、晴天です(ほんじつは、せいてんで
ることができず、非常に難度が高いものと痛感し
す)
は おんいうあ、
えいえんえう となります。
ました。そのため同じテーマを2回行うことにな
先生お勧めの練習で、なるほど母音を意識すれば
りましたが、指摘事項を加味しての2回目なので
結構はっきりした発声になることが理解できまし
皆上手にできたとの批評でした。同じことを2回
た。次に、第3~4章のレクチャーでは、
「①話す
行って良くなるということは、換言すれば如何に
前には何度もリハーサルを行うことが必要。事前
準備や稽古が大事という証でもあると思いまし
に十分な準備をすれば自身を持って話すことがで
た。
きる。②スピーチをする時には、大雑把な話の流
第9回では、割り箸を活用した発声練習が主で、
れ・時間配分・キーワード・要点・数値・引用す
講義時間の半分を使用しての実施です。割ってい
る名言等の簡単なメモをとっておけば、
いざという
ない割り箸2本をたてにして、太い方を奥歯には
ときに慌てずにすむ」との説明が有りました。
さみ「あ~、あ~、あ~」と声を出しました。口
69
の中の空間が自然と大きくなるのが実感できてリ
だなと感じました。また、先生から指摘された「①
ラックスした声が出ました。他に、割り箸1本を
いくら良いことを言っても声が出ていないと説得
立にして前歯に加え「あ、え、え、お、う」と声
力に欠け、相手に与える印象が弱い。②何とかな
を出す練習も行いましたが、この方法で口の周り
るは何ともならない。準備が大事。③センテンス
が良く動くことが分かりました。
は短く。④スピーチは長くて3~5分。それ以上
だと相手に伝わらない」は仕事においても同様だ
【第 12 回】
なと感銘を受けました。
第12 回、今日が最後の講義です。最終的には3
何事も経験しないと分かりません。今後も、機
名での受講で寂しい感じでしたが、人数が少ない
会を見て何らかの講座にチャレンジしたいと思い
分、多くの発表を行うことができました。反面、
ます。
大勢の前で話すというよりは、ほとんど家庭的な
雰囲気で講義が進行しました。最後のテーマとし
て「自分を一番アピールしたいこと」が与えられ、
先生からは、最初に比べれば格段に良くなってい
ると高い評価を頂き、
「この講座を受けた感想・意
見」について発表し、6ヶ月間の講義を終了しま
した。
■おわりに
講座の内容そのものは、
一部の発声練習を除き、
真新しいことはありませんが、実際に行ってみた
ら、予想していたより奥が深く、結構難しいもの
70
図ー2 教室の風景
水坤
寄稿
温故知新
─技術と経験を次世代へ─
篠永典之
日本上下水道設計株式会社/西部支社/
九州総合事務所/執行役員/所長 ■1.久しぶりの郷土に戻って
北九州市の下水道普及率は 99.8%と概成してい
平成25年4月の異動で福岡市に赴任した。卒業
が憩い・集えるように護岸整備されている。実家
以来、およそ四半世紀ぶりに九州での生活が始ま
から福岡市に帰る途中、洞海湾沿いを歩いてみ
った。
た。確実に海や空、まちは良くなった。先人達の
私の出身地の北九州市は昭和 38 年に市政をス
ご苦労が目に浮かぶ。報恩謝徳の思いである。
る。洞海湾の周辺にはマンション郡が並び、市民
タートし、今年で50周年を迎えた。私と同じ歳で
ある。幼い頃の郷土は、
「(工場からの)七色の煙」
「死の海 洞海湾」と言われる公害のまちであっ
た。小学生の頃には、まだ各教室に空気清浄機が
■2.石造アーチ橋をたずねて
九州と一口に言っても、
九州北部と九州南部では
設置されていたが、トイレは水洗化され下水道を
気候や自然、歴史、文化など多彩である。ご存知
使えるようになっていた。
のとおり、九州にはすぐれた景勝地や温泉、食文
最 近 の ニ ュ ー ス で、大 陸 か ら 飛 来 し て く る
化、祭りなど個性的な文化が色濃く残っている。
PM2.5が話題になるとその当時を想い出す。現在、
平成24年10月からJR九州の「ななつ星in九州」
が運行を開始した。九州管内の観光地などを1泊
2日(車中泊)もしくは3泊4日(2日車中泊、
1泊旅館)で巡るゆったりとした旅が売りだ。列
車名に“in 九州”が付いているところにも九州の
魅力を思う存分に味わって欲しいという思いが
北九州市 HP より
ななつ星 in 九州の車輌と客室(JR 九州)
71
感じられる。
九州は、
「石の文化」の宝庫であり、特に石橋が
■3.九州北部の渇水と造水
多い。長崎市の眼鏡橋や熊本県山都町の通潤橋な
気象予報区で分類すると、九州北部は福岡、佐
どは全国的にも有名であるが、私は重厚で趣があ
賀、長崎、熊本、大分の5県をいう。北部地方で
るものの、いかにも緻密に考えて造られている石
は、後背地に阿蘇山を抱え地下水が豊富な熊本県
造アーチ橋に惹かれる。石造アーチ橋は明治初期
のように水源に恵まれた地域もあるが、福岡県や
まで九州各地で造られていた。その架橋技術は、
大分県国東半島、離島部を抱える長崎県などは水
主に長崎ルートと琉球ルートで伝来したらしい
源確保に苦慮しているところが多い。
が、その技術は門弟以外秘伝であったという。ち
北九州市と福岡都市圏が災害や渇水などの緊
なみに通潤橋を造ったのは、後に神田川の万世橋
急時に水道水を融通するための「北部福岡緊急連
や江戸城外堀の旧二重橋を手がけた岩永三五郎
絡管(福北導水)」が平成 23 年4月1日に運用開
の師にあたる藤原林七である。林七は元長崎奉行
始した。
所の役人であったが、眼鏡橋の架橋技術に関心を
福岡都市圏では、昭和 53 年、平成6年に、かつ
持ち、出島のオランダ人からアーチ橋の建築技術
てない少雨により大渇水が発生しており、近年も
である円周率の計算方法を学んだと言われてい
人口増加等による度重なる渇水対策がとられて
る。林七は鹿児島市の甲突川五石橋(玉江橋、新
いた。また、平成17年3月に発生した福岡県西方
上霊台橋、西田橋、高麗橋、武之橋)なども手が
沖地震を機に緊急時に新たな水の導水が希求さ
けた名工である。
れていた。
大分県や熊本県など九州一円に見られる石造
アーチ橋とそれが溶け込む風景の探索は、「なな
つ星 in 九州」とは異なった九州を垣間見れる旅で
ある。 福岡大渇水と平成大渇水(福岡市データ)
給水制限期間
日数
最大断
水時間
備考
【福岡大渇水】
S53.5.20 ~ S54.3.24
287 日間 19 時間
6/1~ 6/10
1 日 5 時間給水
9/1~10/31
1 日 6 時間給水
【平成大渇水】
H6.08.04 ~H7.5.31
295 日間 12 時間
S58 筑後川より
送水開始
資料:平成 6 年渇水と対策の記録 福岡市水道局
緊急連絡管は北九州市の本城浄水場から福岡
市東区の下原配水場まで総延長約47キロ。緊急時
に約 250 万人の飲料水に相当する1日5万立方メ
ートルの水道水の送水が可能である。さらに北九
通潤橋(山都町 HP)
州市が連絡管を維持するために流す水を活用し、
1日最大2万立方メートルを福岡県宗像、福津、
古賀の3市と新宮町に供給する。地震や渇水など
の緊急時のライフラインと水の安定供給を併せ
持つ画期的な施設である。
福岡市では福岡都市圏の新たな水源対策とし
て、平成17年6月から施設規模日量5万立方メー
トルの海水淡水化施設(通称:まみずピア)を供
用開始している。また、北九州市においても独立
行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
甲突川五橋/西田橋(資料:写真で見る九州の旅)
72
(NEDO)に協力し、「省水型・環境調和型水循環
術者の退職などに伴う技術・経験不足など、事業
北九州市
遠賀川河口堰
本郷浄水場
(北九州市)
芦屋町
猪熊取水場
垂見調整池
水巻町
岡垣町
遠賀町
運営も厳しくなることが予想される。調達方式に
ついては、設計・施工一括発注方式やPPP/PFIな
ど、民間の技術力や資金、ノウハウを活用する方
宗像市
式の導入が進められており、コンサルタントの立
福津市
ち位置もこれまでとは異なってくる。
新入社員のコンサルタントへの入社動機は、①
古賀市
知的好奇心、②専門技術の活用、③社会貢献が多
新宮町
福岡市
い。また、若手技術者は、単純に地位やお金では
なく、魅力ある仕事、やりがい、明るい将来を求
めている。
「維持管理、再構築の増加」「調達方式の変化」
「グローバル化」など、上下水道事業を取り巻く環
境が大きな転換期を迎えている中、上下水道コン
サルタントがこれまでに蓄積した技術力を継承
しつつ、新たな事業形態や国際展開に対応してい
本城送水ポンプ施設 資料:福岡県の水道
くためには、
「技術力」と「組織力」、
「マネジメン
ト力」の強化を図らなければならない。併せて、
次世代の上下水道を担う後輩技術者を「育成」し、
「技術の継承」を行わなければならない。後輩技術
プロジェクト」の一環として海水淡水化と再生水
者の育成は、会社や組織のみならず、上下水道業
利用を図る施設(ウォータープラザ)を平成23年
界全体の活性化につながる。「井戸を掘るなら水
4月から稼動している。
の出るまで」、根気強く取組んでいきたい。
福岡市と北九州市は、平成24年4月に国交省が
発足した WES Hub に登録し、水・環境インフラ
の技術と政策を海外へ提供するための先進6都
市に参画した。両市はアジアに近い地の利と、こ
れまでの海外支援経験、保有技術の活用を目指し
ている。
■4.技術と経験を次世代へ
上下水道コンサルタントの業務は、従来型の業
務に加えて、改築・修繕、施設長寿命化(延命化)
計画、耐震補強、広域化、ゲリラ豪雨対策、創エ
ネ・省エネ対策、アセットマネジメント業務等、
その領域も内容も多様化している。また、インフ
ラ事業の国際展開の時代を迎え、海外における日
本企業の水ビジネスの動きや ISO 国際標準化も活
発になっている。
一方、自治体においても、今後は人口減少に伴
う料金収入の減少、事業経営の悪化、ベテラン技
北九州市 HP より
73
解説
下水道施設の緊急点検・調査
国土交通省/水管理・国土保全局 下水道部/下水道事業課/環境調整係長 樽井史朗
■1.はじめに
用環境も厳しい環境が多く、経過年数のみならず、
管種や管径、布設状況などによって劣化状況も
平成24年12月の中央道笹子トンネル事故等を踏
様々である。
まえ、国土交通省では、国民生活や経済の基盤で
したがって、管きょの劣化による事故発生や機
あるインフラの機能が適確に維持されるよう、国
能停止を未然に防止するためには、点検・調査に
土交通大臣を議長とする「社会資本の老朽化対策
より管きょの状況を適切に把握し、適確に改築・
会議」を設置し、平成 25 年を「社会資本メンテナ
修繕することが重要である。また、下水道管渠の
ンス元年」として、3月に「社会資本の維持管理・
維持管理費は全国で年間約 1,200 億円となってお
更新に関し当面講ずべき措置」をとりまとめ、国
り、管渠延長は 10 年前と比較すると約 1.3 倍とな
土交通省が所管する社会資本の総点検等を行って
っているが、管渠1m当たりの年間維持管理費は
いるところである。
10年前と比較すると約3割減となっている。今後、
下水道施設においては、標準耐用年数とされる
限られた予算の中、膨大な下水道管きょストック
50 年以上を経過した下水道管きょ約 8,700km のう
の状況を適切に把握するためには、これまで以上
ち、健全度の把握されていない約 3,000km につい
に効率的に点検・調査を実施する必要があり、こ
て、平成25年度末までに総点検を完了させること
れはアセットマネジメントの第一歩となるもので
としている。これについては、H24補正予算、H25
ある。
当初予算において、
交付対象範囲を拡大しており、
点検・調査の結果に基づき、必要な対策を講じる
とともに、点検・調査データをデータベース化し
■3.効率的な点検・調査に向けた取組み
て、計画的に改築・修繕を実施いただきたいと考
国土交通省では、効率的・効果的な点検調査技
えている。
術の導入、普及に向けて、平成 25 年度より下水道
革新的技術実証事業(B-DASH プロジェクト)の
■2.下水道施設の点検・調査
一つとして、管渠マネジメントシステム技術の実
下水道施設は、現時点では他の社会資本に対し
に対して、いかに迅速かつ低コストに点検・調査
て比較的新しい施設が多いものの、下水道整備は
を実施することができるかがポイントであり、本
高度経済成長期に急激に進んでおり、今後急速に
事業では、詳細調査箇所を絞り込むためのスクリ
老朽化した管路ストックが増加する。これが適正
ーニング技術を中心とした技術の実証を行い、得
に維持管理されないと、場合によっては道路陥没
られた知見や成果については、ガイドラインを策
の発生等により、市民生活に大きな支障を引き起
定し広く周知することとしている。
こしてしまうこともある。
また、
「防災のための下水道管理手法調査」とし
下水道管きょは、そのほとんどが地下に埋設さ
て、施設の健全度や維持管理状況の把握、大規模
れているため、通常目視できる施設と比べ、劣化
データの分析による効率的な老朽化対策の実施等
の状況等を把握することが困難である。さらに使
に資する、一元的な下水道ナショナルデータベー
74
証に取り組んでいる(図−1)。老朽化管渠の増大
スの構築などに取り組んでいるところである。
を実施していただいている。汚水中継ポンプの圧
(公社)
日本下水道協会においても、管路施設の
送管吐出先等については、供用開始からの経過年
計画的な点検・調査のための実務的なマニュアル
数が比較的短いながらも腐食が相当程度進んでい
として『下水道管路施設の点検・調査マニュアル
る事例も多く、緊急点検と必要な対策の実施のほ
(案)』を本年6月に策定するとともに、
『下水道維
か、点検計画の策定等適正な管理を求めたもので
持管理指針』の改定等を進めている。
ある。
総点検や緊急点検は、点検・調査の不十分な状
■4.おわりに
況をこの機会に速やかに解消していただくための
緊急的な対応であるため、引き続き、ストック全
硫化水素によるコンクリート腐食が原因と考え
てを対象としたマネジメントを行うための点検・
られる道路陥没等の報告が多く寄せられているこ
調査、改築・修繕を計画的に実施する仕組みを構
とから、本年8月に事務連絡を発出し、硫化水素
築し、持続可能な下水道事業の実現に向けた取組
による腐食の発生しやすい箇所における緊急点検
みを推進していく必要がある。
長寿命化等の実施
調査計画 策定/見直し
従来手法
データの反映
従来のTVカメラ調査
では200~300m/日
調査判定、計画策定支援ツール等の実証
管更生工法等により改良
○不具合自動検出や画像フィルタによる高度な画像認識技術の実証
○履歴管理データベースシステム、タブレットを用いた現場情報提供,
入力システム 等のシステム効率化に資する技術の実証
○資産管理、緊急度判定等が可能な管路情報管理システム の実証
スクリーニング調査
簡易調査約1000m/日
(開発目標)
長寿命化計画策定
データの反映
詳細調査
スクリーニング調査
○従来より早く、安価に調査できる技術を実証
○モデル処理区の広い範囲を効率的に調査することにより、事故
の未然防止とともに詳細調査の実施箇所の絞り込みが可能
広角カメラによる調査
管口カメラ+電気伝導度計による調査
○従来のTVカメラのみでは十分に確認できない
劣化状況を判断できる技術を実証
(管外側の劣化、管断面の扁平等)
振動による定量的な劣化判定
レーザーによる変形調査
図-1 管渠マネジメントシステム技術の実証イメージ
75
支部活動の紹介
北海道支部活動の紹介
北海道支部長 平野道夫(㈱ドーコン代表取締役社長)
■1 北海道支部の現状
・北海道の水道事業 :給水人口普及率は97.9
%(H 23 年度)で全国平均と同程度。
・北海道の下水道事業:下水道処理人口普及
率は 89.7%(H 23 年度)で全国第 6 位。
■3 平成 25 年度北海道支部活動のご紹介
①北海道支部の運営:運営委員会、全体会議、
新年交礼会等の開催
②本部・支部の連携:各委員の選出と本部会
議への参加、協会刊行物の発送・PR
③技術力向上と啓発:技術委員会、研修・講
北海道の上下水道事業は、高普及化が進み、ほ
ぼ概成状況にあります。現在、支部会員数は正会
員7社、支店等会員が9社であります。
習会等(3回)の開催、独禁法遵守等
④社会貢献活動PR:水循環パネル、パンフの
貸出し、各機関との連携
今年発表された「国立社会保障・人口問題研究
所」の人口推計結果によると、北海道は現在の約
北海道支部では、本部との連携のもと、各委員
550 万人から 2040 年に約 420 万人と人口減少が続
の選出と本部会議への参加、支部会員への普及・
くとされており、北海道の上下水道事業は、今後、
啓発、技術力向上といった活動を実施しておりま
経営悪化が懸念され、老朽化施設の更新・長寿命
すが、この内から、研修・講習会の開催及び社会
化等が益々遅れ気味となると想定されます。
貢献活動について紹介します。
■2 協会支部活動の理念
1)研修・講習会の開催
北海道支部では、昨年度から会員会社の若手技
術者の交流と育成を目的とする研修会を試行して
・事業パートナーとして地域へ貢献し、
「人と
技術」の「伝承と育成」を図る
今後の上下水道事業における経営悪化や地域間
格差拡大に伴い、どうすれば健全な経営と持続可
能な事業へ転換できるのか模索が必要となるとと
もに、多くの自治体・コンサルタントで「人と技
術」の「伝承と育成」が困難になると予想されま
す。時代を先取りした技術と情報を発信し、地域
を支援し続けることが、地域住民・発注者に信頼
され、経営基盤の確立に繋がるものと確信し、支
部・本部との連携を強化すべきと考えます。
6月 28 日支部技術研修会の様子
76
います。会員3社から選出した講師が各々の技術
2)社会貢献活動
テーマと課題・話題について報告後、フリーで意見
北海道支部では、かねてより「水循環パネルお
交換を行っておりますが、概ね、好評のようです。
よびパンフ」の貸出し事業を実施しておりますが、
また、会員だけでなく広く自治体・大学やメー
今年度は、これまで「水道週間」や「下水道の日」
カー等に呼びかける参加者一般公募型技術講習会
を中心に 7ヶ所で貸出しました。パネルは小学校
および一般公募本部提案型講習会を開催していま
の高学年を対象に作成しており、自治体や学校で
す。北海道の協力により各自治体・事業体に情報
の環境教育に役立てていただいておりますが、意
を提供することができ、その結果、今年度も一般
外に主婦やお年寄りにも好評とのことです。自治
参加者が多く盛況となり、協会・会員と自治体の
体によってはクイズや質問コーナーを設けてお
情報共有化と技術力向上に少なからず貢献できた
り、
「パネルやパンフ」を地域との交流に活用して
と考えております。加えて、こういった活動を契
いただいております。
機に上・下水道協会の北海道支部との連携も活発
化しています。
■4 今後の北海道支部活動の課題
特に、厳しい人口減少が予想されている北海道
では、使用料収入減少、財政事情の悪化に伴い経
営健全化や事業統合・一元管理が切実な課題にな
っていくと思います。それに伴い、上下水道事業
のあり様や自治体およびコンサルタントの果たす
べき役割も変化すると考えます。
しかし、
「上下水道事業及び水」の果たすべき根
本的役割は変わらないと考えており、地域のニー
ズ・時代のニーズを事業化するためにも、我々支
部会員の技術力向上は不可欠で、
「人と技術」を繋
6月8日函館市企業局庁舎ロビーにて
「水道週間パネル展」の様子
いでいくことが絶対的に必要と考えます。
77
支部活動の紹介
中部支部活動報告
全国上下水道コンサルタント協会/中部支部長
安藤敏博
(中日本建設コンサルタント㈱代表取締役社長)
中部支部では「質の高い社会資本整備に貢献す
るため、高い倫理観を保持し自己研鑽に努めるこ
と」を目標に、業界の発展に寄与すると共に社会
全体から存在意義を認めてもらうための活動を活
発に展開しています。具体的には、会員会社の技
術力向上のための講習会開催、広報活動及び社会
貢献活動の積極的推進です。平成25年度の主な活
動概要は以下のとおりです。
4月 23 日 全体協議会(名鉄ニューグランド開
催:20 社参加)
作業場所地図
6月 13 日 技術講習会(中日本建設コンサルタン
ト開催:約 50 名参加)
7月 12 日 技術見学会並びに親睦旅行会
理が十分に出来ないのが実情です。水源地域の荒
(岐阜県中津川市内の小水力発電施設
廃は原水水質の悪化を招き、また山林における雨
と馬籠:約 40 名参加)
8月 9日 下水道事業研修会:愛知・岐阜・三
水の貯水機能も損なわれる事から、豪雨時におけ
る流出量も増大し洪水を引き起こす可能性も大き
重・静岡県との意見交換会
くなっています。このような背景の中、下流都市
(アクトシティ浜松開催:約50名参加)
と上流地域が一体となって流域管理を行う事が重
9月 28 日 長野県木曽町にて水源涵養事業(約30
要な施策と考られます。将来的には、道州制の導
名参加)
10 月 11 日 本部提案型技術講習会(ウインク愛知
開催:約 80 名参加)
10 月 31 日 第 18 回ボーリング大会(名鉄ボウル
開催:約 40 名参加)
入とか水に関わる法律の整備等により、その対策
が図られる事は十分考えられます。その第一歩と
して「水源涵養事業」がNPO法人を主体として進
められています。
水コン協中部支部は、平成 17 年、社団法人全国
11 月 13 日 コンプライアンス講習会(メルパルク
上下水道コンサルタント協会中部支部発足20周年
名古屋開催:約 250 名)
記念事業を行いました。そのときの記念事業のひ
これらのうち、普及啓発活動として社会貢献活
とつとして、NPO 法人「緑の挑戦者」と木曽町
動のひとつと位置付けている「水源涵養事業」に
(当時は木祖村)の共催の水源涵養事業に協力団体
ついてその内容を報告致します。
の一つとして参画し、以後継続的に実施していま
す。
名古屋市など中部の主要都市の水道水源は、木
平成25年度の水源涵養事業への水コン協中部支
曽川上流である長野県木曽町等の広大な山林で
部からの参加者は全部で11社28名でした。毎年家
す。一方現在、国内産木材需要の低迷、山間地域
族(奥さん同伴)で来ていただいている方もいま
の人口減による過疎化により水源地域の山林の管
した。大半の参加者はバスですが、名古屋駅発6
78
時50分と早いために間に合わず、当日自家用車で
たりで、悪戦苦闘の連続でした。それより大きい
来た人、また前日から現地近くで宿泊のうえ参加
木は、森林組合の人がチェーンソーで切り、それ
する人等さまざまでした。尚、我々以外の協力団
を我々が片付け作業を行いました。昼は持参のお
体は、木曽森林組合、正沢林業
(株)
、木曽森林環
にぎりと木曽町の人達で作っていただいたトン汁
境保全センター、木曽福島林業組合、の4団体で
のふるまいですが、疲れた体にこれが最高。みん
す。初めにNPO法人緑の挑戦者の伊藤代表ならび
なでおかわりもさせてもらいました。帰りは、ま
に木曽町の田中町長の挨拶。その後参加人数約50
ずバス内での懇親会。更にその後、中津川市内の
名を7班に分け、木曽森林組合の指導員の方の指
天然温泉、旧中仙道沿いの「ケアリゾート湯舟沢」
示に従って作業に入りました。作業内容は、木曽
へ行きましたが、これもまた最高でした。そうこ
町町営林内の桧以外の雑木伐採と桧へのテープ巻
うしながら夕方7時過ぎに名古屋駅着でそれぞれ
きです。このテープは生物分解性テープで、後々
帰宅の途につきました。今回は、本部の櫻井専務
には自然に帰る素材でできています。テープ巻き
理事にも参加頂きました。
の意味は、熊による桧の被害を防ぐためです。熊
は桧の幹に爪を立て、皮をめくって樹液をなめる
われわれコンサル業務に携わる者にとって「額
そうです。一度これをされるとその桧は枯れてし
に汗して働く」機会はめったにありません。今回
まいます。しかし、テープが巻いてあると、熊は
の水源涵養事業の社会的意義・効果の程は知れま
その桧には爪を立てることはないとの事です。何
せんが、少なくとも参加をした者にとって皆、純
故なのか理由はわかりません。全員、ヘルメット
粋に充実感を持っていただいたものと思っていま
と腰に下げるのこぎりを貸与され、各自持参の手
す。肉体労働は人間の原点かもしれません。年齢
袋をつけて作業に入りました。作業は、午前に1
のせいで年毎に疲労感は増し、翌日の日曜日はリ
時間半、午後に1時間半です。決められた作業範
ハビリの休養日になりましたが、今後とも可能な
囲の中の直径数センチ以下の雑木をのこぎりで伐
限り参加をさせてもらいリフレッシュを図りたい
採するのですが、山の斜面で足場は悪く、また棘
と思っております。
のある木に刺されたり、また蔓がからみあってい
79
水コン協 活動報告
(平成25年7月~25年11月末)
一般社団法人全国上下水道コンサルタント協会
専 務 理 事 櫻 井 克 信
本協会の活動に対しまして、
常日頃からご理解、
ご協力をいただいておりますことを深く感謝申し
上げます。
平成 25 年7月から平成 25 年 11 月末までの本協
会の活動状況は下記の通りです。今後とも、ご指
導、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
Ⅰ「下水道展 ʻ13 東京」への参加
下水道界最大のイベントである 「下水道展 ‘13
東京」 は、7月 30 日㈫から8月2日㈮の4日間に
わたり江東区有明の東京ビッグサイトで開催され
なお、展示したパネルは、水コン協 HP 「下水
ました。水コン協も連続3度目となる出展参加を
道展特設ページ」 に収録されていますので、是非
いたしました。下水道事業における水コン協並び
ご覧ください。
に会員各社の役割や活動内容について、動画と11
枚のパネルにより、PR に努めました。
Ⅱ 災害時支援活動に対する感謝状の授与
水コン協ブースをお訪ねいただいた人数は、4
平成 25 年 10 月 23 日㈬に福島県郡山市で開催さ
日間で約 650 名となりました。その中には、水ビ
れた第83回総会において、東日本大震災における
ジネスにかかわる企業の動向をゼミのテーマとし
水コン協の水道事業に関わる災害時支援活動に対
た早稲田大学商学部の学生2人もおられ、熱心に
して(公社)日本水道協会会長から感謝状をいただ
質問されておられましたので、後日当協会会議で
きました。
意見交換の機会を設けることとしました。意見交
これは平成 23 年3月 11 日に発生した東日本大
換会には、ゼミの皆様10人の方々が来所され、竹
震災において水コン協が実施した、1)災害義援金
村前当協会上水道委員長とともに質疑を行いまし
の拠出、2)現地調査団への参加協力、3)被災地
た。その後、ゼミに提出されたレポートをお送り
の復旧・復興計画策定の支援活動、4)原子力損害
いただきましたが、関係企業のヒアリング等も実
賠償紛争審査会専門委員派遣などの諸活動が評価
施され、現状を踏まえた緻密な分析がお行われて
されたものです。
おりました。
後日談ですが、このゼミ参加者内、2人は水事
Ⅲ 事業の概要
業関連会社に就職が決まったとの報告をいただき
凡例:○数字は本部事業、【 】は、担当支部名
ました。水コン協の主要な出展目的のひとつは、
1 調査研究
大学生に水コンサルタントを認識いただき、会員
1)調査研究(独自)
企業の求人活動の一翼を担うことですので、少し
①主要刊行物リスト更新
手ごたえを感じたところです。
②上水道技術座談会
80
HP 更新
10 月 30 日㈬ テーマ:
「新水道ビジョンとコンサルタントの役
割」
訂の方向性中間報告/水道施設設計指針
改定版の総論編
会場:水コン協 会議室
【東北】技術講習会
7月3日㈬ 50 名
「水道公論」
、協会 HP に掲載予定
フォレスト仙台
③上下水道事業支援手法研究会
内容:東日本大震災水道施設被害状況、復興計
第1回研究会
10 月 31 日㈭ 画と今後の課題/下水道雨水管理計画策
④パネルディスカッション
11 月 27 日㈬ 定マニュアル
テーマ:
「上下水道コンサルタントの将来展望」
【東北】技術講習会・実務者研修会 9月 27 日㈮
会場:国立オリンピック記念青少年総合センター
ハーネル仙台
国際棟「第一ミーティングルーム」
内容:実務者研修会(GX 管、DXR シールド工
⑤アセットマネジメント
73 名
法、配水用ポリエチレン管、アーバンノ
11 月7日㈭ 第2回委員会
ーディック工法)/技術講習会(「ISOに
準拠したアセットマネジメントシステム
2)受託調査研究
とは」およびパネルディスカッション)
①管路更生工法検討調査専門委員会に関わる補助
(公社)
日本下水道協会
業務その2
②水道事業の業務評価手法の確立に要する検討補
助業務委託
水道技術研究センター
(公財)
③広域水管理に関する研究におけるデータの収集
と一部作図委託業務
北海道大学
④横浜市ポンプ排水区における浸水予測のための
下水道モデルデータ作成業務
東京大学
【関東】第2回技術講習会
10 月2日㈬ 50 名
けんぽプラザ
内容:東日本大震災水道施設被害状況、復興計
画と今後の課題/浄水処理システムの設
計と最近の話題
【中部】技術講習会
10 月 11 日㈮ 82 名
ウィンク愛知
内容:水道施設設計指針改定版総論編について
/下水道施設の耐震指針及びマニュアル
2 提案活動
改定の方向性報告
① 「設計等業務委託積算歩掛(案)
(水道)
(平成
9月 HP 掲載
25 年度改定版)
」
②下水道施設(ポンプ場、終末処理場)機械・電
気設備 長寿命化計画策定業務標準歩掛表(案)
」
10 月 HP 掲載
【関西】夏期講座
9月 10 日㈫ 149 名
昭和設計大阪ビル
内容:南海トラフの巨大地震による津波対応と津
波規模の推定/下水処理場等の津波対策
【関西】技術講習会
11 月 27 日㈬ 96 名
昭和設計大阪ビル
3 育 成
内容:下水道施設の耐震指針及びマニュアル改
1)講習会
①第 23 回技術研究発表会
訂の方向性中間報告/設計の瑕疵による
7月5日㈮ 120 名
国立オリンピック記念青少年総合センター
内容:技術報告集(第 27 号)
【北海道】技術講習会
8月5日㈪ 96 名
事故と事例とその対応について
【九州】技術講習会
10 月 11 日㈮ 43 名
八重洲博多ビル
内容:下水道雨水管理計画策定マニュアル/下
北海道建設会館
水道施設を対象としたアセットマネジメ
内容:管路施設・処理施設の腐食対策/ダクタ
ント/瑕疵事例に学ぶ品質確保方策
イル耐震管の挙動実績
【北海道】技術講習会
10 月 25 日㈮ 74 名
2)委員の派遣(平成 25 年7月以降新規)
北海道建設会館
①国土交通省
内容:下水道施設の耐震指針及びアニュアル改
下水熱利用推進協議会・下水熱等未利用熱ポテ
81
ンシャルマップ分科会
1名
①「水坤」vol.46(平成 25 年7月)
②国土交通省・日本下水道協会共催
「人口減少時代を迎える上下水道」
ストックを活用した都市震災対策機能向上検討
発行部数 5,200 部
委員会
1名
同 WG
1名
配布先:会員、地方公共団体、大学、その他
2)市民広報
【北海道】「私たちの大切な水」 パンフ配布
3)講師の派遣
①日本下水道事業団 研修センター
岩見沢市年記念イベント
8月3日㈯
「アセットマネジメントと下水道長寿命化計画
小樽市「下水道の日」
9月 10 日㈫
(第1回)
」
7月3日㈫ 1名
7月4日㈭~5㈮ 3名
「O&M 総合マネジメント」
8月 20 日㈫ 1名
「総合的な雨水対策」 10 月8日㈫、10 日㈭2名
「アセットマネジメントと下水道長寿命化計画
(第2回)
」
10 月 30 日㈬ 1名
北海道地方下水道協会「下水道関係実務研修会」
11 月 13 日㈬
11 月6日㈬~8日㈮ 4名
9月 28 日㈯
【中部】水源涵養 於:長野県木曽町
【中国・四国】「下水道ふれあいフェア」のブース
9月8日㈰
への出展
「安心長持ち下水道管路の維持管理」
広島市西部水資源再生センター
9月 10 日㈫ 7名
「浸入水対策の実務」
11 月 12 日㈫ 1名
7月 23 日㈫ 1名
5 災害時支援
【北海道】北海道大学工学部
「水道・下水道システムにおける設計製図」
8回、延べ8名
10 月 25 日㈮ 2名
【関西】
(公財)
兵庫県まちづくり技術センター
「下水道長寿命化計画・推進工法・更生工法」
①災害時連絡訓練
7月 17 日・18 日 全支部
②復興まちづくりと創意形シンポジウム(共催)
都道府県会館(東京都千代田区)
7月 12 日㈮
【関西】大阪府下水道事業促進協議会
「下水道長寿命化計画」
広島県立産業会館 大分県中津市内耶馬渓ダム河畔
「水道施設の耐震化プロセスと考え方」
10 月~翌年2月
11 月 22 日㈮、23 日㈯
【九州】水源涵養林の植樹活動 11月9日㈯ 25名
【北海道】北海道庁
【中国・四国】建設技術フォーラム 2013in広島へ
の協賛
③京都府下水道協会
28 名
9月 28 日㈯
②(公財)
とちぎ建設技術センター
56 名
【東北】広瀬川1万人プロジェクト
「処理場設備の設計(機械設備)
」
9月 17 日~24 日
新ひだか町町民広報活動
」
「処理場設備の設計(電気設備)
北海道庁「下水道の日」
9月9日~11日 パネル
11 月 22 日㈮ 4名
【北海道・東北】ブロック下水道災害時支援連絡会議
岩手県 エスポアールいわて
【関西】ブロック支援連絡会議
8月5日㈪
9月3日㈫
滋賀県大津市内
【中国・四国】ブロック支援連絡会議7月 23 日㈫
4)継続的専門能力研鑽制度(CPD)制度の運営
山口県庁
【九州】ブロック支援連絡会議
(平成 25 年7月以降)
認定プログラム
29 件
CPD 記録証明書の発行
13 件
長崎県長崎市内(出島交流館)
4 普及啓発
1)広報誌及び出版
82
11 月7日㈭・8日㈮
6 資質向上
【北海道】独禁法研修会 3協会共催
94 名
ホテル札幌ガーデンパレス
11 月 27 日 ㈬
内容:固定床型アナモックスプロセスによる高
【東北】現場見学会 10 月 10 日㈭・11 日㈮ 75 名
効率窒素除去技術に関する技術実証プラ
南蒲生浄化センター/福島県内施設
ント及び下水汚泥の固形燃料化施設の視
内容:施設現状及び建設現場見学
察等
【東北】独占禁止法研修会(6団体共催)
11 月 29 日㈮ 164 名
9月 11 日㈬
【関東】水道関係者技術研修会
JFE エンジニアリング(株)
鶴見製作所
33 名
内容:水道用鋼管の造管・塗装工場見学及び関
7 要望(PR)
①下水道展 ‘13 東京
東京ビックサイト
②日本下水道事業団との意見交換会議
連最新技術動向等座学
7月 30 日~8月2日
10 月 17 日㈭、11 月 20 日㈬
【北海道】支部会員名簿を事業体への配布
8月
国立オリンピック記念青少年総合センター47 名
【東北】支部会員名簿を事業体への配布
8月
内容:職場教育の充実と会社を発展させる労務
【関東】日水協関東地方支部総会 PR 活動
【関東】コンプライアンス勉強会
11 月1日㈮
千葉市
管理
8月9日㈮ 49 名
【中部】下水道研修会
アクトシティ浜松コンングレスセンター
内容:中部4県の下水道整備の今後の見通し及
び各自治体からのコンサルタントに対す
7月9日㈫
9月~10 月
【関東】要望と提案活動
1都7県 65 事業体
【中部】要望と提案を 280 事業体に配布
8月~10 月
【関西】2府4県意見交換会
近畿2府4県と政令指定都市
る要望
【中部】技術見学会
7月 12 日㈮ 44 名
内容:小水力発電施設と岐阜県中津川市の環境
【関西】2府4県下水道懇談会
メルパルック大阪
【中国・四国】要望と提案活動
政策
【中部】独占禁止法遵守研修(5協会共催) 41 名
メルパルク(名古屋市)
【関西】施設見学会
10 月 23 日㈬
8月~9月
中国・四国管内
11 月 13 日㈬
【九州】
日本水道協会九州地方支部水道関係技術研
8月7日㈬
11 月 14 日㈭
究会 ホテルオートリ(薩摩川内市)
会員名簿、事業活動パンフ等の配布
堺市三宝下水処理場
内容:JS 主催の膜分離活性汚泥法
【関西】工場見学会
11 月 11 日㈪ 28 名
8 厚 生
① 水コンサルタント賠償責任保険事業
積水化学工業
(株)
【北海道】ゴルフ大会
9月 25 日㈬ 10 名
【東北】ボウリング大会
7月 12 日㈮ 34 名
【東北】ゴルフ大会
10 月 22 日㈫ 14 名
【関東】ボウリング大会
10 月 25 日㈮ 64 名
【中部】親睦旅行
7月 12 日㈮ 44 名
中国電力
(株)島根原子力発電所
【中部】ボウリング大会
10 月 31 日㈭ 39 名
内容:地震・津波対策現場及び施設等
【関西】ボウリング大会
7月 18 日㈭ 35 名
内容:工場見学と更生工法説明
【中国・四国】建設関連5団体共催協会講習会
広島県民文化センター
10 月 23 日㈬ 158 名
内容:独占禁止法の遵守その他
【中国・四国】施設見学会
10 月 30 日㈬ 21 名
【九州】独禁法研修会(5団体共催)
10 月 21 日㈪ 189 名(水コン協 11 名)
内容:独占禁止法の概要と最近の違反事例及び
建設関連業の現状について
【九州】技術講習会
11 月 19 日㈫・20 日㈬ 5 名
Ⅲ.会議の開催
1.業務執行理事会
1)第 4 回業務執行理事会
9月5日㈭
平成 25 年度事業執行状況
熊本市上下水道局東部・南部浄化センター
83
支部における
社会貢献活動
一般社団法人全国上下水道コンサルタント協会
事務局調査課長 加 藤 雅 夫
一般社団法人全国上下水道コンサルタント協会
(水コン協)の各支部では、それぞれの地域で開催
2)「広瀬川1万人プロジェクト
~第 16 回広瀬川流域一斉清掃~」東北支部
される水環境や上下水道にかかわるイベン等へ、
広瀬川1万人プロジェクトとは、仙台市民の1
社会に貢献できる活動として積極的に参加してい
%にあたる1万人の参加をキーワードとして、多
ます。
くの市民に広瀬川に触れる機会を提供し、広瀬川
平成 25 年に各支部が実施した社会貢献活動を、
への関心を高めてもらうことを目的とした流域一
以下にご報告致します。
斉清掃のプロジェクトです。
平成 25 年9月 28 日(土)の 10 時から 12 時にか
1)「水循環パネルの貸し出し事業」
北海道支部
けて実施致しましたが、今回の参加者数は全14会
北海道支部では支部で作製した水循環パネル
場で 1,532 名、集めたゴミは 487 袋になりました。
を、例年様々な会場へ貸し出しています。平成 25
前回までの延べ参加者数が9千人を超えていまし
年は9月17日から24日にかけて新ひだか町にお貸
たから、今回で延べ参加者数が目標としていた
しし、新ひだか町公民館で展示して頂きました。
1万人をめでたく突破致しました。
公民館を訪れた多くの方々に、水循環に対する理
水コン協東北支部としては6回目の参加となり
解を深めて頂きました。
ます。当日は会員10社から総勢56名が参加し、大
なお、水循環パネルの原稿は北海道支部のホー
橋左岸会場で清掃作業に汗を流しました。作業が
ムページの下記アドレスに収納されていますの
終了してすっかり綺麗になった河川敷を眺めなが
で、是非ご覧ください。
ら、環境保全の大切さを改めて強く感じました。
http://www.suikon.or.jp/hokkaido/kyodo/
kyodo.pdf
写真-2 広 瀬川で清掃作業をする東北支部の参
加者
写真-1 新ひだか町公民館にて
84
3)「身近な水環境の全国一斉調査」
関東支部
の雑木の伐採です。テープは熊がヒノキに爪を立
「身近な水環境の全国一斉調査」は(公財)
河川
てるのを排除するために巻くものです。約3時間
環境管理財団が主催して行う水環境の調査活動
の作業でしたが、山の斜面は足場が悪く皆悪戦苦
で、平成24年度までに全国で延べ約6万5千人が
闘しながら汗を流しました。水源涵養の大切さと、
参加しています。第10回目となる平成25年度「身
森林管理をされている皆様のご苦労を体感致しま
近な水環境の全国一斉調査」は平成25年6月2日
した。 (日)に実施され、水コン協からは会員会社 10 社
の社員とその家族及び協会役員の合計 101 名(大
人 74 名、子供 27 名)が参加致しました。
調査地点はそれぞれの参加者が生活している身
近に流れている河川・湖沼等の48地点で、CODの
測定と水辺の環境や動植物についての観察を致し
ました。この一斉調査についてのアンケート調査
を行っていますが、家族で参加された方から、普
段川で遊ばないので子供がとても喜んだし、環境
にもとても興味を持ってくれたとの感想が記され
ていました。 写真-4 水源涵養活動参加者
5)「第 10 回猪名川クリーン作戦」
関西支部
関西支部では昨年に時期続き、平成25年2月2
日(土)に開催された「第 10 回猪名川クリーン作
戦」に関西支部会員とその家族 26 名が参加し、猪
名川河川敷のゴミ拾いと河川水質調査を実施致し
ました。
当日は天候にも恵まれ2月初旬とは思えないほ
どの暖かさの中、気持ちよく体を動かし、猪名川
の環境改善への貢献と水環境への理解を深め、大
写真-3 東京都昭島市内の玉川上水美堀橋で水質調
査をした友納さん(㈱エイト日本技術開発)
変有意義な一日を過ごすことができました。
4)森造り協力事業(水源涵養)への参加
中部支部
平成25年9月28日(土)に長野県木曽町で行わ
れた「森造り協力事業(水源涵養)
」に中部支部も
参加致しました。この事業はNPO法人「緑の挑戦
者」と木曽町の共催で行なわれている事業ですが、
水コン協中部支部としては平成17年から参加して
います。今年は会員会社11社の職員及び家族合わ
せて 28 名の参加となりました。
作業は木曽町の町営林で木曽森林組合の指導員
のもと、ヒノキの幹へのテープ巻きとヒノキ以外
写真-5 猪名川クリーン作戦参加者
85
6)広島市「下水道ふれあいフェア」
参加致しました。作業をとおして環境保全の重要
性を大いに認識できたと感じています。 中国・四国支部
広島市と(一財)
広島市都市整備公社が毎年「下
水道の日」にちなんで開催している「下水道ふれ
あいフェア」が、平成 25 年 9 月 8 日(日)に広島
市西部水資源再生センターで開催されました。水
コン協中国・四国支部もブースを出展し、中国地
方各地のミネラルウオーターの配布や上下水道に
関するパンフレットの配布をしました。
下水道への理解や下水道事業への意識の高揚に
大いに役立ったと考えています。 写真ー7 「ラブアース・クリーンアップ 2012in ふくつ」
の作業風景
8)第 16 回「耶馬の森林」植樹の集い 九州支部
「耶馬の森」育成協議会が主催する第 16 回「耶
馬の森林」植樹の集いが、平成25年11月9日(土)
に大分県耶馬渓ダム河畔で開催されました。
急な山の斜面に水源涵養のための植樹を行うこ
とを通じて、水源保全に貢献し、合わせてその重
要性を認識するものです。
全参加人員数は 581 名で、水コン協九州支部か
写真-6 下水道ふれあいフェアの中国・四国支部ブ
ース
らは25名が参加致しました。植樹の作業をとおし
て水源保全の重要性を大いに再確認致しました。
7)
「ラブアース・クリーンアップ2013 inふくつ」
九州支部
ラブアース・クリーンアップ福岡地区実行委員
会が主催する「ラブアース・クリーンアップ 2013
inふくつ」が平成25年6月16日(日)に開催され
ました。
会場は福間・津屋崎海岸一帯で、海岸に散乱し
ているゴミの清掃作業を通じて環境保全の重要性
についての意識の向上を図るものです。全参加人
員数は 1,130 名で、水コン協九州支部からは 83 名
86
写真-8 「耶馬の森林」植樹の作業風景
俳句とあそぶ(39)
例 会 佳 句
喉元すぎれば熱さを忘れるという諺がある。冬になって寒くなると、夏の暑さなど
すぐ忘れがちだが、昨年夏の猛暑は大変だったことを思い出す。連日、気温 35℃以上
の猛暑日が続き、心身ともグッタリ。冷房なしでは過ごせず、体調を維持するのが大
変だった人が多かったのではないか。熱中症で死亡する人も出た。また記録的な豪雨
で各地で洪水被害が続出した。秋になっても30°
以上の真夏日があり、気候がどうなっ
てしまったのかという思いになる。
地球の温暖化がかなり進行しているようだ。気温が高くなると海水の蒸発量がふえ
て降雨量が多くなり、ゲリラ的な豪雨が頻発するという。これからは夏の猛暑は当た
り前なのだろうか。温暖化が進むと、今でも違和感のある俳句の歳時記と実際の季節
感との差がさらに広がるのでないかと心配している。
(ゴシックは会員互選の上位句)
(四季の会 世話人)
残り香を慕ふ形見の秋扇
信号機待つ間の孤独秋の暮
宮城 鈴
木 わ か ば
東京 蓑田 ?
立ち止まり立ち止まり来るはぐれ鹿
俳諧の淡き交はり秋扇
大阪 加
藤
あ
虫の音や文机といふよりどころ
久方に結ぶネクタイ金木犀
白檀の香り残して秋扇
街灯の壊れしままや秋の暮
神奈川 森
京 子
千葉 加
藤
浩
や
雲
幼の手繋ぎ直して大花野
宿の下駄借りて踊りの輪に入る
鹿鳴いてどっと潮寄す神の島
秋の夜の音を散らして救急車
神奈川 中
本 萬 里
東京 蓑
田
倜
今日もまた愚痴の聞き役秋扇
新涼や散歩の距離のやや伸びて
知床に星降る夜や鹿の声
逃避行ははに感謝の敗戦日
神奈川 加
藤 雅
東京 川
上
旦
月
87
水道・下水道人俳句
四季の会
禅談も交じり今宵のむかご飯
廃屋に月を研ぎゐし尾花かな
神奈川 中
本 郷 顔
東京 蓑田 ?
たっぷりとペットボトルに秋の水
秋扇広げて無為の境地なる
千葉 安
緑
秋扇落語の仕草まねてみる
古都さぐる旅の案内鹿の道
椋鳥の群れる大樹や駅近し
達筆の名句広げて秋扇
千葉 門
脇 耕 水
兵庫 高
森
功
碁に勝てば袋より出し秋扇
角切りや坊主頭の鹿悲し
百日紅一際目立つ和菓子店
洪水の茶色に染まる秋の海
徳島 田
中 比 古 久
東京 北
雪隠に誰か忘れし秋扇
親を呼ぶ若草山の鹿の声
東京 中
西 麦 人
水道・下水道人の俳句の会 「四季の会」入会歓迎
申込先 〒 102 - 0074 東京都千代田区九段南 4 − 8 − 9
日本水道会館内 日本水道新聞社気付 「四季の会」世話係 まで 88
彦
誥
南
泉
一
風
一般社団法人
全国上下水道コンサルタント協会の変遷
国民生活の向上、産業の拡大成長に不可欠の上下水道整備充実は、
国及び地方公共団体において、重要施策としてかかげられ、その推
進が積極的に行われている。
昭和 30 年
このすう勢に対応し、昭和 30 年代から上下水道関係コンサルタン
ト会社が創設され、各地方公共団体における施設整備の増大する需
要にこたえてきた。その後人材養成等各社の共通的な課題を解決す
昭和 46 年
るため、地区単位でグループ活動を行う気運が高まり、昭和 46 年に
中部地区に水コンサルタント協議会が創設されたのを皮切りに、各
地区に協議会が誕生し、地区行政支局からの密接な指導のもとに当
面の諸問題を解決し、かつ、各社が健全な発展を図ることができる
よう努力してきた。これらの地区協議会は、夫々の地区の独立団体
であり、その活動も地域的に限られ、必要な技術情報等の交換につ
昭和 49 年
いても円滑を欠く状況にあったため、昭和 49 年全国上下水道コンサ
ルタント協議会連合会を発足させ、業界の総力を結集して、国及び
地方公共団体への要望活動、他分野のコンサルタントとの協力関
係の緊密化など対外活動も合わせて積極的に活動を行ってきた。し
かし、この連合会も地区協議会を母体としていたため、その地域性
昭和 56 年
の障壁を払拭する必要が求められ、昭和 56 年に全国上下水道コンサ
ルタント協会(水コン協)が設立され、会員資格を限定し、全国組
織としての形態を備えるに至った。
国の経済が安定成長期に入るにつれ、量的拡大から質的充実へと
政策の転換が図られ、国民的意識の多様化、技術革新のテンポの高
まりもあり、上下水道関係事業の推進にあたって環境問題をはじめ
とする各種の分野にまたがる課題が増加し、これらの解決方策の検
討にあたり新技術の研究開発、知識情報の共同他、人材の育成確保
等が上下水道コンサルタント業界にも強く求められるようになった。
このように広範多岐にわたり行政及び上下水道コンサルタント業
界に求められている時代の要請にこたえていくためには、個々の努
力では、すでに限界が見え、中心となって実行していく組織が必要
昭和 60 年
となり、昭和 60 年 4 月 1 日に、上下水道コンサルタント関係業者が
一体となって上下水道に関する技術の改善向上等につとめ、上下水
道コンサルタント業の健全な発展を図り、もって上下水道事業の推
進に貢献することにより広く社会公共の福祉の増進に寄与すること
を目的とし、厚生省並びに建設省の許可を得て、社団法人「全国上
下水道コンサルタント協会」(水コン協)が設立されました。
平成 23 年
平成 23 年 11 月1日には、公益法人制度改革の下、「一般社団法人」
現 在
へ移行し、現在に至っております。
89
一般社団法人
全国上下水道コンサルタント協会組織
総 会
業務執行理事会
理事会
支 部
委員会
北海道支部
東北支部
関東支部
中部支部
関西支部
中国・四国支部
九州支部
事務局
総務委員会
倫理委員会
対外活動委員会
災害時支援委員会
上水道委員会
下水道委員会
技術・研修委員会
ビジョン委員会
受託調査研究委員会
水坤編集部会
CPD部会
事務局 〒116-0013 東京都荒川区西日暮里5丁目 26 番8号 スズヨシビル 7 階
電話(03)6806-5751 FAX(03)6806-5753
E-mail:[email protected] URL http://www.suikon.or.jp
90
一般社団法人 全国上下水道コンサルタント協会地方支部事務局
支部名
北
海
道
支
所在地
部
東
北
支
部
関
東
支
部
中
部
支
部
関
西
支
部
中 国・四 国 支 部
九
州
支
部
〒 004 - 8585 札幌市厚別区厚別中央1条 5-4-1
㈱ドーコン内
〒 980 - 0012 仙台市青葉区錦町1-7-25
㈱復建技術コンサルタント内
〒 116 - 0013 東京都荒川区西日暮里 5-26-8
スズヨシビル 7F
〒 460 - 0003 名古屋市中区錦1-8-6 ストークビル名古屋
中日本建設コンサルタント㈱内
〒 532 - 0003 大阪市淀川区宮原 5-1-3
新大阪生島ビル
〒 733 - 0035 広島市西区南観音 7-13-14
㈱大広エンジニアリング内
電 話・FAX
電 話(011)801 - 1511
FAX(011)801 - 1512
電 話(022)213 - 3552
FAX(022)265 - 9309
電 話(03)6806 - 5751
FAX(03)6806 - 5753
電 話(052)232 - 6036
FAX(052)221 - 7854
電 話(06)6391 - 1812
FAX(06)6391 - 9120
電 話(082)291 - 1313
FAX(082)291 - 3020
〒 805 - 0061 北九州市八幡東区西本町 2-5-5
電 話(093)661 - 4970
㈱松尾設計内
FAX(093)661 - 8962
91
一般社団法人 全国上下水道コンサルタント協会正会員名簿
北海道支部
会社名
㈱
開
発
代表者
工
営
事業所所在地
電 話
社 植田 健二
060 - 0004 札幌市中央区北 4 条西 5 丁目1 番地
(アスティ45ビル)
011 - 207 - 3666
060 - 0062 札幌市中央区南 2 条西10 丁目1 番 4
(第 2 サントービル)
011 - 261 - 9680
グ
ロ
ー
バ
ル
設
計
㈱ 古高 雄二
㈱
帝
国
設
計
事
務
所 菅原 義昭 065 - 0025 札幌市東区北 25 条東 12 丁目1 番 12 号 011 - 753 - 4768
㈱ ド ー コ ン 平野 道夫 004 - 8585 札幌市厚別区厚別中央 1条 5 丁目4 - 1 011 - 801 - 1511
㈱
東
ド
日
本
ー
設
計
ト 藤原 直徳
065 - 0013 札幌市東区北13 条東 7 丁目5 番 1 号
(相沢ビル)
011 - 723 - 4224
㈱ 石川 孝二
064 - 0820 札幌市中央区大通西 25 - 4 - 18
(東日ビル)
011 - 641 - 8600
㈱ ホ ク ス イ 設 計 コ ン サ ル 高野 義昭 060 - 0806 札幌市北区北 6 条西 9 - 2
011 - 737 - 6232
東北支部
会社名
㈱
三
協
代表者
技
事業所所在地
術 高橋 郁 980 - 0803 仙台市青葉区国分町 3 - 8 - 14
電 話
022 - 224 - 5503
㈱ 復 建 技 術 コ ン サ ル タ ン ト 藤島 芳男 980 - 0012 仙台市青葉区錦町1 - 7 - 25
022 - 262 - 1234
㈱
018 - 862 - 7331
三
木
設
計
事
務
所 伊藤 善通 010 - 0933 秋田市川元松丘町 2 - 14
関東支部
会社名
代表者
事業所所在地
電 話
㈱エヌ・エス・シー・エンジニアリング 小菅 剛 179 - 0072 練馬区光が丘1 - 6 - 1 - 304
03 - 5968 - 3810
㈱
027 - 233 - 0561
オ
ウ
ギ
工
設 霜触 和也 371 - 0007 前橋市上泉町 268
㈱ オ リ エ ン タ ル コ ン サ ル タ ン ツ 野崎 秀則
151 - 0071 渋谷区本町 3 - 12 - 1
(住友不動産西新宿ビル 6 号館)
03 - 6311 - 7551
オ
151 - 0062 渋谷区元代々木町 30 - 13
(グラスシティ元代々木)
03 - 6757 - 8800
リ
ジ
ナ
ル
設
計
㈱ 菅 伸彦
㈱ 環 境 技 研 コ ン サ ル タ ン ト 中川 昌人 260 - 0001 千葉市中央区都町 3 - 14 - 4
043 - 226 - 4501
共 和 コ ン サ ル タ ン ト ㈱ 小山 一裕 330 - 8525 さいたま市浦和区岸町 7 - 10 - 5
048 - 829 - 2401
92
関東支部
会社名
代表者
事業所所在地
㈱
工
藤
設
計 阿久津廣行 320 - 0851 宇都宮市鶴田町 578 - 6
㈱
建
設
技
術
研
究
所 村田 和夫
国
際
航
業
103 - 8430 中央区日本橋浜町 3 - 21 - 1
(日本橋浜町 Fタワー)
㈱ 中原 修 102 - 0085 千代田区六番町 2 番地
㈱ コ ー セ ツ コ ン サ ル タ ン ト 角田 五郎
221 - 0835 横浜市神奈川区鶴屋町 3 - 32 - 13
(第二安田ビル)
サ ン コ ー コ ン サ ル タ ン ト ㈱ 跡部 俊郎 136 - 8522 江東区亀戸1 - 8 - 9
セ ン ト ラ ル コ ン サ ル タ ン ト ㈱ 馬場 直俊
104 - 0053 中央区晴海 2 - 5 - 24
(晴海センタービル)
大 日 本 コ ン サ ル タ ン ト ㈱ 高久 晃 170 - 0003 豊島区駒込 3 - 23 - 1
㈱ ダ イ ヤ コ ン サ ル タ ン ト 浅野 忠男
中
㈱
央
開
デ
ー
発
タ
101 - 0032 千代田区岩本町1 - 7 - 4
(東急岩本町ビル)
㈱ 瀬古 一郎 169 - 8912 新宿区西早稲田3 - 13 - 5
設
計 広島 基
103 - 0023 中央区日本橋本町 2 - 8 - 12
(データ日本橋本町ビル)
㈱ 東 京 建 設 コ ン サ ル タ ン ト 大村 善雄 171 - 0004 豊島区北大塚 1 - 15 - 6
電 話
028 - 648 - 1751
03 - 3668 - 0451
03 - 3262 - 6221
045 - 323 - 0136
03 - 3683 - 7111
03 - 3532 - 8031
03 - 5394 - 7611
03 - 5835 - 1711
03 - 3208 - 3111
03 - 5641 - 1391
03 - 5980 - 2636
100 - 0013 千代田区霞が関 3 - 7 - 1
(霞が関東急ビル)
03 - 3580 - 2751
㈱ 東 光 コ ン サ ル タ ン ツ 堀 尚義
111 - 0041 台東区元浅草 4 - 9 - 13
(イマス元浅草ビル)
03 - 5830 - 5600
㈱ 東 洋 コ ン サ ル タ ン ト 小林 幸男
171 - 0033 豊島区高田3 - 18 - 11
(シルヴァ高田馬場ビル)
03 - 5992 - 1161
㈱
㈱
都
東
東
京
洋
市
設
計
設
開
計
発
事
事
設
務
務
計
所 亀田 宏
所 青柳 司郎 113 - 0033 文京区本郷 3 - 6 - 6(本郷 OGIビル)
03 - 3816 - 4051
㈱ 狩野 和栄 371 - 0843 前橋市新前橋町14 - 26
027 - 251 - 3919
027 - 290 - 3500
㈱
利
根
設
計
事
務
所 設楽 茂由 379 - 2147 前橋市亀里町 274 - 3
㈱
日
水
コ
ン 野村 喜一
日
本
工
営
163 - 1122 新宿区西新宿 6 - 22 - 1
(新宿スクエアタワー)
㈱ 廣瀬 典昭 102 - 8539 千代田区麹町 5 - 4
日 本 シ ビ ッ ク コ ン サ ル タ ン ト ㈱ 大塚 孝義
116 - 0013 荒川区西日暮里 2 - 26 - 2
(日暮里 UCビル)
03 - 5323 - 6200
03 - 3238 - 8358
03 - 5604 - 7505
日 本 上 下 水 道 設 計 ㈱ 木下 哲 162 - 0067 新宿区富久町 6 - 8(NJS 富久)
03 - 5269 - 4321
㈱ 日 本 水 工 コ ン サ ル タ ン ト 大野 聡 330 - 0063 さいたま市浦和区高砂 3 - 10 - 4
048 - 836 - 3600
93
関東支部
会社名
日
㈱
日
本
水
日
本
本
工
水
都
代表者
設
道
市
計
設
計
設
計
㈱ 國本 博信
フ
陸
ジ
冨
測
地
工
中
洋
情
設
(フォアフロントタワー)
計
03 - 3534 - 5511
03 - 3292 - 8431
㈱ 渡邉 愼ニ 305 - 0023 茨城県つくば市上ノ室 2042 - 1
029 - 863 - 0831
206 - 8550 東京都多摩市関戸1 - 7 - 5
(せいせきC 館)
㈱ 清水 昶 310 - 0804 水戸市白梅 2 - 4 - 11
報
電 話
社 秋山 治茂 101 - 0054 千代田区神田錦町 3 - 18
パ シ フ ィ ッ ク コ ン サ ル タ ン ツ ㈱ 長谷川伸一
常
事業所所在地
104 - 0054 中央区勝どき3 - 12 - 1
㈱ 田村 典行
108 - 0022 港区海岸 3 - 20 - 20
(ヨコソーレインボータワー10F)
042 - 372 - 0111
029 - 221 - 6011
03 - 6891 - 6600
㈱ 武部 茂 103 - 0007 中央区日本橋浜町 2 - 30 - 1(IKビル) 03 - 3667 - 5510
㈱ 山 下 水 道 設 計 事 務 所 山下 康邦
103 - 0012 中央区日本橋堀留町1 - 11 - 8
(フォレシティ小伝馬町 702)
㈱ 吉 沢 水 道 コ ン サ ル タ ン ト 山本 博 260 - 0855 千葉市中央区市場町 6 - 18
03 - 5641 - 4100
043 - 227 - 1064
中部支部
会社名
代表者
事業所所在地
電 話
㈱ 大 場 上 下 水 道 設 計 大野 英也 435 - 0054 浜松市中区早出町1134
053 - 466 - 2100
㈱
ク 井上 雅博 515 - 0055 三重県松阪市田村町 341 - 1
0598 - 23 - 1155
所 小林 貞昭 444 - 0009 愛知県岡崎市小呂町 3 丁目28 - 1
0564 - 27 - 1021
㈱
カ
小
ギ
林
設
テ
計
ッ
事
務
㈱ 三 祐 コ ン サ ル タ ン ツ 久野 格彦
㈱
サ
ン
ワ
コ
461 - 0002 名古屋市東区代官町 35 - 16
(第一富士ビル)
ン 若林喜久男 918 - 8525 福井市花堂北1 - 7 - 25
052 - 933 - 7801
0776 - 36 - 2790
㈱ 新 光 コ ン サ ル タ ン ト 山岸 洋二 950 - 0965 新潟市中央区新光町1 - 1
025 - 285 - 5755
新
026 - 266 - 9600
日
本
設
計
㈱ 吉澤 隆美 380 - 0917 長野市稲葉 2561 番地
㈱ 太 陽 建 設 コ ン サ ル タ ン ト 富田 和政 500 - 8868 岐阜市光明町 3 - 1
玉 野 総 合 コ ン サ ル タ ン ト ㈱ 関根 博道
㈱
俵
設
461 - 0005 名古屋市東区東桜 2 - 17 - 14
(新栄町ビル)
計 俵 一由 921 - 8154 金沢市高尾南 3 - 37
中 央 コ ン サ ル タ ン ツ ㈱ 藤本 博史 451 - 0042 名古屋市西区那古野 2 - 11 - 23
94
058 - 253 - 6000
052 - 979 - 9111
076 - 298 - 1126
052 - 551 - 2541
中部支部
会社名
代表者
事業所所在地
電 話
㈱ 中 央 設 計 技 術 研 究 所 中辻 英二 920 - 0031 金沢市広岡 2 - 13 - 37(ST 金沢ビル) 076 - 263 - 6464
中 日 コ ン サ ル タ ン ト ㈱ 鈴木 義光 444 - 0067 愛知県岡崎市錦町10 - 18
㈱ 中 部 綜 合 コ ン サ ル タ ン ト 豊田 哲也
中
部
復
建
430 - 0946 浜松市元城町 218 - 29
(フラワービル)
㈱ 今村 鐘年 466 - 0059 名古屋市昭和区福江 1 - 1805
㈱ 東 洋 設 計 谷内 正博 920 - 0016 金沢市諸江町中丁 214
中 日 本 建 設 コ ン サ ル タ ン ト ㈱ 安藤 敏博
460 - 0003 名古屋市中区錦1 - 8 - 6
(ストークビル名古屋)
若 鈴 コ ン サ ル タ ン ツ ㈱ 前田 元弘 452 - 0807 名古屋市西区歌里町 349
0564 - 21 - 5312
053 - 458 - 7080
052 - 882 - 6611
076 - 233 - 1124
052 - 232 - 6032
052 - 501 - 1361
関西支部
会社名
㈱
ア
ス
代表者
コ 番上 正人
㈱ 大 阪 水 道 工 業 会 研 究 所 中村 篤二
事業所所在地
550 - 0006 大阪市西区江之子島1 - 10 - 1
(ASCOビル)
06 - 6444 - 1121
530 - 0041 大阪市北区天神橋 3 - 6 - 26
(扇町パークビル)
06 - 6358 - 5430
関 西 技 術 コ ン サ ル タ ン ト ㈱ 梅垣 亨 567 - 0881 大阪府茨木市上中条 2 - 10 - 27
㈱
寛
協
設
計
和
事
設
務
計
電 話
0726 - 26 - 0205
530 - 0047 大阪市北区西天満 5 - 2 - 18
(三共ビル東館)
06 - 6364 - 9282
㈱ 久後 雅治 567 - 0877 大阪府茨木市丑寅 2 - 1 - 34
0726 - 27 - 9351
所 難波 修一
㈱ 極 東 技 工 コ ン サ ル タ ン ト 村岡 基
564 - 0044 大阪府吹田市南金田 2 - 3 - 26
(ファー・イースト21)
06 - 6384 - 7771
近 畿 技 術 コ ン サ ル タ ン ツ ㈱ 西川 孝雄
540 - 0012 大阪市中央区谷町 2-6-4
(谷町ビル)
06 - 6946 - 5771
㈱ ク リ ア ス 森 一英 612 - 8429 京都市伏見区竹田西段川原町 69 番地 075 - 643 - 1911
㈱ 三 水 コ ン サ ル タ ン ト 山﨑 義広
530 - 0005 大阪市北区中之島 6 - 2 - 40
(中之島インテス)
㈱ シ ー ド コ ン サ ル タ ン ト 市田富久夫 630 - 8114 奈良市芝辻町 2 - 10 - 6
06 - 6447 - 8181
0742 - 33 - 2755
㈱ 昭 和 設 計 沼田 亘
531 - 0072 大阪市北区豊崎 4 - 12 - 10
(SHOWA SEKKEI 大阪ビル)
06 - 7174 - 8787
㈱ 新 大 阪 エ ン ジ ニ ア リ ン グ 永井 敦志
532 - 0011 大阪市淀川区西中島 4 - 2 - 21
(ミツフ新御堂筋ビル)
06 - 6305 - 2531
㈱
相
互
設
計
事
務
所 花川 泰博 673 - 0404 兵庫県三木市大村1114
0794 - 83 - 6362
95
関西支部
会社名
代表者
事業所所在地
電 話
㈱ 浪 速 技 研 コ ン サ ル タ ン ト 青木 寛章 567 - 0041 大阪府茨木市下穂積1 - 2 - 29
0726 - 23 - 3695
㈱ 西 日 本 技 術 コ ン サ ル タ ン ト 奥山 一典 525 - 0066 滋賀県草津市矢橋町 649 番地
0775 - 62 - 4943
㈱ 日 建 技 術 コ ン サ ル タ ン ト 山口 伸明 542 - 0012 大阪市中央区谷町 6 - 4 - 3
06 - 6766 - 3900
㈱ 日 産 技 術 コ ン サ ル タ ン ト 平井八十平
540 - 0008 大阪市中央区大手前 1 - 2 - 15
(大手前センタービル)
06 - 6944 - 0224
日 本 技 術 サ ー ビ ス ㈱ 北村 賢弘 658 - 0052 神戸市東灘区住吉東町 3 - 11 - 2
078 - 841 - 4585
㈱
06 - 6374 - 4901
ニ
ュ
ー
ジ
ェ
ッ
ク 松本 正毅 531 - 0074 大阪市北区本庄東 2 丁目3 番 20 号
㈱ 吹 上 技 研 コ ン サ ル タ ン ト 吹上 宏 610 - 1146 京都市西京区大原野西境谷町 2 - 14 - 2 075 - 332 - 6111
㈱ 不 二 設 計 コ ン サ ル タ ン ト 植田 一男 582 - 0016 大阪府柏原市安堂町1 - 29(大清ビル)072 - 973 - 0721
中国・四国支部
朝
日
設
計
㈱ 山地 芳和 761 - 8031 高松市郷東町 792 - 17
087 - 881 - 0505
㈱ 荒 谷 建 設 コ ン サ ル タ ン ト 荒谷 壽一 730 - 0831 広島市中区江波西1 - 25 - 5
082 - 292 - 5481
㈱
086 - 254 - 2111
ウ
エ
ス
コ 山地 弘 700 - 0033 岡山市北区島田本町 2 - 5 - 35
㈱ エ イ ト 日 本 技 術 開 発 小谷 裕司 700 - 8617 岡山市津島京町 3 - 1 - 21
086 - 252 - 8917
㈱
環
境
科
学
設
計 小笠原啓二 713 - 8121 岡山県倉敷市玉島阿賀崎 2775 - 3
086 - 525 - 1983
サ
ン
エ
ー
設
計
㈱ 松本 茂樹 760 - 0079 高松市松縄町1142 - 8
087 - 868 - 5100
㈱ 親 和 技 術 コ ン サ ル タ ン ト 武智 秀樹 791 - 1101 松山市久米窪田町 870 - 5
089 - 975 - 4851
㈱ 大 広 エ ン ジ ニ ア リ ン グ 正木 普 733 - 0035 広島市西区南観音 7 - 13 - 14
082 - 291 - 1313
㈱ 巽 設 計 コ ン サ ル タ ン ト 有澤 久 743 - 0021 山口県光市光ケ丘 5 - 1
0833 - 71 - 2683
中
0836 - 21 - 2141
国
水
工
㈱ 原谷 篤夫 755 - 0055 山口県宇部市居能町1 - 5 - 33
中 電 技 術 コ ン サ ル タ ン ト ㈱ 沖田 俊治 734 - 8510 広島市南区出汐 2 - 3 - 30
082 - 255 - 5501
冨
0888 - 37 - 1701
96
士
設
計
㈱ 産田 佳男 780 - 8015 高知市百石町1 - 12 - 15
中国・四国支部
会社名
代表者
事業所所在地
電 話
富
士
総
合
設
計
㈱ 末繁 久哉 755 - 0027 山口県宇部市港町 2 - 3 - 10
0836 - 21 - 2232
復
建
調
査
設
計
㈱ 小田 秀樹 732 - 0052 広島市東区光町 2 - 10 - 11
082 - 506 - 1811
㈱ 菱 和 設 計 コ ン サ ル タ ン ト 今村 太紀 791 - 8005 松山市東長戸1丁目1 番 26 号
089 - 923 - 0035
九州支部
会社名
代表者
事業所所在地
電 話
朝 倉 コ ン サ ル タ ン ト ㈱ 倉掛 和俊 815 - 0082 福岡市南区大楠1 - 4-22
092 - 406 - 8910
ア ジ ア エ ン ヂ ニ ア リ ン グ ㈱ 大曲 光成 815 - 0031 福岡市南区清水 1 - 14 - 8
092 - 553 - 2800
九
㈱ 片渕 克弘 849 - 0937 佐賀市鍋島 5 - 7 - 24
0952 - 32 - 1105
州
水
工
設
計
九
和
設
計
㈱ 山田 清 806 - 0068 北九州市八幡西区別所町 2 - 38
093 - 641 - 3773
共
立
設
計
㈱ 古木 一司 860 - 0833 熊本市中央区平成 3 - 8 - 1
096 - 334 - 5400
㈱ 吾 水 総 合 コ ン サ ル タ ン ト 島 健二 806 - 0065 北九州市八幡西区養福寺町 7 - 9
093 - 621 - 3366
第
㈱ 植田 薫 815 - 0031 福岡市南区清水 4 - 2 - 8
092 - 557 - 1300
計 糸永 卓見 802 - 0023 北九州市小倉北区下富野 1 - 6 - 21
093 - 551 - 1413
計 中尾 史朗 839 - 0841 福岡県久留米市御井旗崎1 - 3 - 4
0942 - 41 - 1717
㈱
㈱
一
太
タ
復
イ
平
建
ヨ
設
ー
設
㈱ ダ イ ワ コ ン サ ル タ ン ト 厚地 学 880 - 0943 宮崎市生目台西 3 - 7 - 3
0985 - 50 - 5430
㈱ 都 市 開 発 コ ン サ ル タ ン ト 水野 宏 804 - 0012 北九州市戸畑区中原東 1 - 7 - 11
093 - 871 - 5621
㈱ 松 尾 設 計 松尾 禎泰 805 - 0061 北九州市八幡東区西本町 2 - 5 - 5
093 - 661 - 4970
㈱ 宮 崎 水 道 コ ン サ ル タ ン ト 徳見 孝 880 - 0951 宮崎市大塚町池ノ内1127 - 48
0985 - 47 - 6495
97
一般社団法人 全国上下水道コンサルタント協会会員
社 是:技 術・人 格・社会貢献
私達は自然と共生し、地域との輪を大切にします。
株式
会社
復建技術コンサルタント
代表取締役社長
代表取締役専務
遠藤
佐藤
ISO9001・ISO14001・ISO27001
本
敏雄
泰法
認証登録
社/〒980-0012 仙台市青葉区錦町1丁目7番25号
TEL(022)262-1234(大代表) FAX(022)265-9309
URL http://www.fgc.jp/
支 店/青森、盛岡、秋田、山形、福島、東京
営業所/札幌、埼玉、北陸、名古屋
事務所/三陸、気仙沼、広島
技術士 152名
技術士補 64名
RCCM 88名
ISO 9001認定登録
(会社)
ISO 14001認定登録
(本社・豊橋・岐阜・三重・静岡事務所)
調査・計画・設計から
施工監理まで
一貫した業務を行っています
(一社)全国上下水道コンサルタント協会会員
代表取締役社長
安 藤 敏 博
品質方針/顧客に信頼と満足を提供 品質目標/顧客第一、品質向上、社内協調
本 社/名古屋市中区錦1-8-6(ストークビル名古屋)
☎ 052-232-6032㈹
東京支社/東京都千代田区五番町14(国際中正会館ビル5階) ☎ 03-6261-3710㈹
大阪支社/大阪市中央区内本町1-3-5(クロス・ロード内本町ビル) ☎ 06-4794-7001㈹
事務所/札幌・東北・仙台・茨城・取手・北関東・千葉・鎌ヶ谷・神奈川・新潟・佐渡・静岡・長野・飯田・豊橋・岐阜・三重
伊賀・富山・福井・嶺南・京都・奈良・滋賀・岡山・広島・和歌山・鳥取・島根・山口・松山・徳島・九州・熊本
上水道・下水道・工業用水道
廃棄物処理・廃水処理
道路・河川・鉄道等公共事業全般
業務内容
T E N C E
S
I
C O E X
reation
(一社)全国上下水道コンサルタント協会会員
代表取締役社長
松尾禎泰
本 社 〒805-0031 福岡県北九州市八幡東区西本町 2-5-5 TEL:093-661-4970 FAX:093-661-8962
東京本部 〒135-0047 東京都江東区富岡 1-26-18 TEL:03-5621-6790 FAX:03-5621-6793
広島支店 〒730-0041 広島県広島市中区小町 4-16 TEL:082-242-2610 FAX:082-245-4592
一般社団法人 全国上下水道コンサルタント協会
「上下水道コンサルタント技術者の倫理」
制定
平成 21 年 4 月 17 日(理事会議決)
前 文
一般社団法人 全国上下水道コンサルタント協会(以下「当協会」という。)は、水道及び下水道に関す
る技術の改善向上、調査、研究並びに情報の収集を行うことにより、広く社会公共の福祉の増進に寄与す
ることを目的として設立された団体です。
我々、上下水道コンサルタント技術者(以下「技術者」という。)は、直接の顧客である行政機関等に
対し適切な提案と解決策を提示することを業務としていますが、公共事業の最終受益者は市民であり、そ
の市民の利益に自らの業務が密接に関係することを強く認識することが求められます。また、水という人
間の生活の根幹に関わる公共事業に携わる者としての使命感や責任感とともに、崇高な倫理観と他から影
響を受けない独立した強い自律心を併せ持つ必要があります。
そこで、当協会では、技術者に必要な倫理規範を以下のとおり定め制定いたしました。
(基本理念)
上下水道は、市民の日々の暮らしを支える重要な社会資本であり、且つライフラインの一つである。
我々は我々の業務が、その重要な公共施設の建設・運営・維持管理に貢献しており、その成果は技術
者として大きな誇りである。
また、我々の業務は、社会公共の福祉に対し重大な影響を与えることも同時に自覚しなくてはなら
ない。我々技術者は、その誇りと自らが行う業務の重大性を常に認識し、以下の事項を技術者倫理の
基本とし、日々の業務を遂行する。
(品位と自律の保持)
1.我々は、自らの技術が、広く社会公共の福祉の増進に寄与することを強く認識し、常に品位を
保ち、業務遂行においては、強い使命感と責任感を持つとともに、いかなる時も自律した行動をとる。
(専門技術の提供)
2.我々は、自らの専門とする技術分野に係る業務のみを遂行し、専門外の分野または確信がもて
ない業務については、これに携わらない。
専門分野における提言は、自らが持つ知識・経験及びそれに裏付けられる科学的な根拠並びに倫
理性を持って行い、現在のみならず将来を見据えた適正技術を提供する。
(依頼者への利益確保)
3.依頼者に対しては、直接的な依頼内容のみならず、隠れたニーズにも的確に応えられる良きパ
ートナーとしての信頼関係を築き、誠実な態度と専門家としての的確な提案をもって、依頼者に対
し最大の利益が確保できるよう努力する。
(公正・中立の堅持)
4.我々は、業務遂行にあたって、公正・中立を堅持するため以下の事項を順守する。
・各種法令を順守し公正で正当な競争を行う。
・技術者の報酬は、依頼者からのみ受け取り、その他の利害関係者より直接・間接を問わず不
当な対価及び設計等の支援は一切受けない。
105
また、逆に自らが利害関係者となった場合においても、不当な対価を与えることや設計支
援等は一切行わない。
・提 案する内容は、依頼者の最大の利益と社会公共の福祉の増進に寄与するものに限定する。
よって、一部の利害関係者に有利であったり、または不利であったり、あるいは自らの利益
のために行うことは一切行わない。
(技術者の信念)
5.我々は、業務遂行をする過程において、関係者との間に意見の違いや自らが提案する技術的な
内容に利害関係が生じる場合は、技術者としての信念と専門的な見地をもって、その解決に当たる。
(誤りの表明)
6.我々は、自らの提案や技術的な証明に誤りや瑕疵があった場合には、正直にその事実を認め、
真実を歪めたり改竄したり放置することをしない。
(秘密の保持)
7.我々は、業務上知り得た依頼者や他の者の秘密や個人情報等を第三者に漏らしたり、または盗
用することをしない。
(利害相反の回避)
8.我々は、自らが提案する工法や指定する製品又は成果物が、今後関連する周辺事業に影響を与
えることを知りながら、その後その関連事業に自らが利害関係者として参画することは回避する。
(誹謗・中傷等の禁止)
9.我々は、正当な理由なく他の専門家または同業者の成果・論文及び名声等を誹謗、中傷、批判
を行わない。
(知的財産権の尊重)
10.我々は、我々が携わった成果物のほとんどは、人間の創造的活動により生み出されたものであ
ることを自覚し、他者が創造した著作物、工法、手法並びにデザイン等の知的財産に関する権利を
侵害しない。
また、我々は、我々が作成した成果物の中に他者の著作物を引用する必要がある場合は、事前に
著作者に許可を得るとともに著作者の氏名を記載する。また、依頼者から提供された資料等は、依
頼者の許可なく複製することをしない。
(自己研鑽)
11.我々は、専門家としての自己価値や依頼者の信頼を高めるため、常に技術力の向上を意識し、
継続的に自己研鑽に励む。
(技術の発展と伝播)
12.我々自身が蓄積した経験と知見は、学会などの公式な場所で進んで発表し、さらなる技術の向
上と発展並びに後進の育成に積極的に関与し、広くその技術の伝播に努める。
(他者との協力)
13.我々は、依頼を受けた業務に役立つと思われる場合には、自ら進んで他の専門家と協力するこ
とに努める。その場合、他の専門家の意見・立場を常に尊重し、相互に信頼し合いながら業務を遂
行する。
(社会貢献)
14.我々は、専門家としての活動、また職業人としての活動に止まらず、自らも地域社会の一員で
あることを常に認識し、積極的に地域の行事、文化活動、ボランティア活動などに参加し、広く地
域社会の発展や福祉の増進に努める。
106
編集
後記
新年明けましておめでとうございます。
年頭にあたり、昨年を振り返り大きく印象に残った出来事を3点挙げて
みました。
第1は、安倍政権の経済政策アベノミクスにより日本社会全体が明るい
雰囲気になってきたこと、そして 2020 年のオリンピック・パラリンピッ
クの開催地に東京が決定したことで一層明るさを増したことです。
第2は、東北楽天イーグルスが創設9年目にして仙台に日本シリーズ優
勝をもたらしたことです。球団創設以来のファンの一人としては、弱小球
団にあって毎年少しずつ強くなってきた選手の快挙に、たくさんの感動と
勇気を頂きました。優勝を心からお祝い申し上げます。
第3は、夏の猛暑で毎晩熱帯夜が続いたこと、度重なる秋の台風による
局地的豪雨が各地に甚大な災害をもたらしたことです。異常気象が常態化
してきているようで大変不安に感じています。
上下水道に携わるものとしては、夏の渇水対策や雨水対策など国民の安
全・安心に係る重要な施策については他の事業と連携を図り、効率的に着
実に進めていく必要性を強く感じています。そのようなことから、今回の
水坤新春号では『上下水道事業におけるアセットマネジメント』をテーマ
としました。
今年も
『水坤』
をどうぞよろしくお願いいたします。
(S.K)
平 成 26 年 1 月 1 日発行(Vol .47)
水坤編集部会
岩 田 敏 彦
小 暮 進
出来山 敏 久
(一般社団法人 全国上下水道コンサルタント協会誌)
編集
発行
発行
発行
発行
発行
発行
発行
:
:
:
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:
水坤編集部会
一般社団法人
全国上下水道 コンサルタント協会(水コン協)
〒116-0013
東京都荒川区西日暮里5-26-8 スズヨシビル
TEL : 03(6806)5751 FAX 03(6806)5753
E-mail : [email protected]
URL:http://www.suikon.or.jp
清 野 昌 晴
浜 田 宗 治
事務局
加 藤 雅 夫
デザイン レイアウト:株式会社
キタジマ
豊かな地球 水のあるくらし ーー私たちの原点です
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