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IMT-2000サービス特集(3) ―モバイル新世紀の先駆け

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IMT-2000サービス特集(3) ―モバイル新世紀の先駆け
IMT − 2000 サービス特集
(3)
−モバイル新世紀の先駆け「FOMA」誕生−
マルチアクセスサービス
IMT − 2000 サービス,FOMA の開始に伴い,“i モードを
見ながら”また,
“データのやり取りをしながら”音声通話
を可能とするマルチアクセスの提供を開始した.
本稿では,FOMA の特徴的サービスであるマルチアクセ
スのサービス概要および機能実現方法について解説する.
う じ の
た け し
氏野 武志
くすのせ
け ん や
楠瀬 賢也
そ
が
まこと
曽我
誠
い し だ
まさひで
よ し だ
なおまさ
吉田 直政
石田 真英
1. まえがき
FOMA(Freedom Of Mobile multimedia Access)における
特徴的サービスとして,回線交換呼とパケット交換呼の同
時通信を可能とするマルチアクセスサービスを 2001 年 5 月
の試験サービス開始時より提供している.本サービスによ
って,よりフレキシブルな通信手段を提供し,ユーザ利便
性向上および移動通信の利用領域拡大を図っている.
2. サービス
2.1
機能概要
マルチアクセスは,無線回線を複数同時に独立制御する.
つまり,各呼およびそれに対応する無線回線は個別に呼設
定および呼解放される.これまでディジタル自動車電話方
式(PDC : Personal Digital Cellular)においても提供してい
たキャッチホンや 3 者通話のように,1 つの無線回線に対し
て複数の呼を切り替えまたはミキシングして通信するもの
ではなく,個別の相手先に対して同時に異なったサービス
を設定・維持するという特徴がある(図 1)
.
マルチアクセスでは,音声通信中においても,移動機ま
たはパソコンからのユーザ操作によるパケット発信,およ
び i モードメール着信に代表されるパケット着信が可能と
なる.同様に,パケット通信中においても音声発信および
音声着信がユーザ操作で可能となる.また,パケット通信
中の音声着信に対しても,事前のサービス設定または着信
中の移動機からのユーザ操作で留守番電話センタへ接続し
たり,転送電話サービスを起動することが可能となる.
6
NTT DoCoMo テクニカルジャーナル Vol. 9 No.4
IMT−2000ネットワーク
IMTユーザ,PDCユーザ,
固定網ユーザなど
【参考】
ネットワーク
音声通信
パケット通信
GRIMM,一般ISPなど
ドコモユーザ
ミキシング
マルチアクセス
ミキシング(三者通話)
GRIMM:Gateway service Representative Internet Market Mobile access exchange(iモードサーバ)
IMT-2000:International Mobile Telecommunications-2000(第3世代移動通信)
ISP:Internet Service Provider(インターネットサービスプロバイダ)
PDC:Personal Digital Cellular(ディジタル自動車電話方式)
図1
表1
提供ユーザ
マルチアクセス組合せ
マルチアクセスの機能構成
マルチアクセス提供条件
FOMA契約者
(音声通話およびパケット通信が利用可能な料金プラン契約のユーザに対して
基本サービスとして提供)
回線交換(音声)1回線/パケット1回線(同一移動機が同時にActivate可能な
PDP Context数が1)の同時通信が可能
FOMA:Freedom Of Mobile multimedia Access
PDP:Packet Data Protocol
2.2
適用イメージ
マルチアクセスによって,ビジネスユースおよびパーソ
表 1 に示す.
ナルユースの両者に対して新たなサービス領域の開拓を目
3. ネットワーク
指している.具体的な利用形態例を以下に示す.
3.1
ネットワーク接続構成
∏ ビジネスユース適用例
マルチアクセスのネットワーク接続構成を図 2 に示す.
これまでは i モードなどを利用した情報検索を行うため
無線回線は,パケット通信と音声通信で独立に設定され
には通話を切断する必要があった.しかし,マルチアクセ
ており,個別の相手先に対して独立制御を行っている.
スにより音声通信を保持したままでのパケット通信が可能
となるため,音声通信と並行して社内 LAN(Local Area
3.2
接続手順
Network)へアクセスしての商品情報検索を行うことがで
∏ 音声通信中のパケット発信
き,これまで以上にリアルタイムな顧客対応が可能となる.
音声通信中にパケット発信を行った場合の接続手順を図
π パーソナルユース適用例
3 に示す.呼制御は,回線交換呼およびパケット交換呼が
これまで通話中にできなかったメールの送受信が,マル
それぞれ独立に行われるため,非通信時のパケット呼発信
チアクセスにより可能となる.したがって,音声通信をし
手順と同様の接続手順となる.
ながら地図などのデータ情報をメールに添付してのやり取
ただし,移動機(MS : Mobile Station)∼無線ネットワ
りが可能となり,これまでにないコミュニケーションが可
ーク制御局(RNC : Radio Network Controller)間の制御コ
能となる.
ネクションについては 1 移動機に対して 1 コネクションの
みが設定され,回線/パケットの区別なく使用される.し
2.3
提供条件
現時点でのドコモにおけるマルチアクセスの提供条件を
たがって,移動機からのパケット用サービス要求信号は,
すでに設定されている MS ∼ RNC 間の制御コネクション上
7
PSTN/ISDN
他PLMN
IMT−2000ネットワーク
MS
BTS
PC/PDA
RNC
L−MMS
G−MMS
パケット通信
サーバ
企業LAN
回線交換(音声)通信
WPCG
GRIMM
TCPGW
moperaサーバ
サーバ
MS
ExGW
BTS
RNC
L−MMS
NMSCP
企業LAN
ASCP
GW装置
ISP
ASCP:Advanced Service Control Point
(高度サービス制御ノード)
BTS:Base Tranceiver Station(基地局)
ExGW:packet Exchange GateWay
G-MMS:Gateway Mobile Multimedia switching System
GRIMM:Gateway service Representative Internet Market
Mobile access exchange(iモードサーバ)
GW:GateWay
IMT-2000:International Mobile Telecommunications-2000
(第3世代移動通信)
ISP:Internet Service Provider
(インターネットサービスプロバイダ)
LAN:Local Area Network
図2
MS#1
(マルチアクセス利用ユーザ)
RNC#1
サーバ
L-MMS:Local Mobile Multimedia switching System
mopera:Mobile OPEration Radio Assistant
MS:Mobile Station(移動機)
NMSCP:New Mobile Service Control Point
(大容量移動通信サービス制御装置)
PDA:Personal Digital Assistant(携帯情報端末)
PLMN:Public Land Mobile Network
PSTN:Public Switched Telephone Network
(公衆交換電話網)
RNC:Radio Network Controller
(無線ネットワーク制御局)
TCPGW:Transmission Control Protocol GateWay
WPCG:Wireless Protocol Conversion Gateway
ネットワーク接続構成
L−MMS#1
ARF
G−MMS
GW
サーバ
音声呼通信中
MS#2
RNC#2
MMS#2
サービス要求(Service Request)
*すでに設定されているDCCH上で送信
秘匿/認証手順 *認証は省略も可
発信接続要求(Activate PDP Context Request(APN,
QoSなど))
アドレス解決
呼設定要求
(Create PDP Context Request(APN,
QoSなど))
APNプロファイル分析
接続通知
呼設定応答
無線アクセス回線設定
発信接続応答(Activate PDP Context Accept)
接続通知応答
接続通知
接続通知応答
(Create PDP Context Response)
パケット用ATM−SVC設定
パケット通信中
音声呼通信中
APN:Access Point Name
ARF:Access link Relay Function
ATM:Asynchronous Transfer Mode(非同期転送モード)
DCCH:Dedicated Control CHannel
G-MMS:Gateway Mobile Multimedia switching System
GW:GateWay
図3
8
L-MMS:Local Mobile Multimedia switching System
MS:Mobile Station(移動局)
PDP:Packet Data Protocol
QoS:Quality of Service(サービス品質)
RNC:Radio Network Controller(無線ネットワーク制御局)
SVC:Switched VC
マルチアクセス接続シーケンス(音声通信中パケット発信処理)
マ
ル
チ
ア
ク
セ
ス
NTT DoCoMo テクニカルジャーナル Vol. 9 No.4
MS#1
RNC#1
L−MMS#1
NMSCP
G−MMS
音声呼通信中
MS#2
RNC#2
MMS#2
着信通知
着信情報読出要求(MAP send routing info for GPRS(IMSI))
着信情報読出応答(MAP send routing info for GPRS Ack(SGSN Address))
ARF
アドレス解決
着信要求
(PDU Notification Request(IMSI,
APN))
着信応答
(PDU Notification Request Ack(cause))
通信中判定
ページング要求
Yes
(Paging(検索要))
*通信中の呼がある場合
該当MSを検索
ページング要求(Paging on DCCH)
サービス要求(Service Request)
以降は発信時と同様
APN:Access Point Name
L-MMS:Local Mobile Multimedia switching System
ARF:Access link Relay Function
MAP:Mobile Application Part(移動管理用信号)
ATM:Asynchronous Transfer Mode(非同期転送モード)
MS:Mobile Station(移動局)
DCCH:Dedicated Control CHannel
PDU:Protocol Data Unit
G-MMS:Gateway Mobile Multimedia switching System
RNC:Radio Network Controller(無線ネットワーク制御局)
GPRS:General Packet Radio Service
SGSN:Serving GPRS Support Node
IMSI:International Mobile Subscriber Identity
図4
マルチアクセス接続シーケンス(音声通信中パケット着信処理)
で送信される.
π 音声通信中のパケット着信
∫ パケット通信中の音声発着信
パケット通信中に音声の発着信を行った場合,発信時に
音声通信中にパケット着信が行われた場合の接続手順を
は∏と同様に非通信時の音声呼発信と同様の接続手順が行
図 4 に示す.このケースでは移動機はすでに音声通信中で
われ,着信時にはπと同様の通信中判定および対応した
あるため,非通信時のようにページングチャネル(PCH :
Paging 要求処理が行われ,それ以外の手順については非通
Paging CHannel)上で Paging 信号を送信しても移動機は受
信時の音声着信と同様の処理が行われる.
信することができない.このため,RNC からの Paging 信号
については,RNC ∼ MS 間ですでに設定されている制御コ
ネクション上で Paging 信号を送信する必要がある.着 L −
4. あとがき
FOMA の特徴的サービスであるマルチアクセスについて
MMS(Local Mobile Multimedia switching System)では,
概説した.本サービスにより,音声通信とパケットデータ
G−MMS(Gateway Mobile Multimedia switching System)か
通信の併用という新たなサービス領域を開拓することが可
らの着信要求受信後,該当 MS がすでに回線呼の通信中か
能となった.今後は,回線交換非制限ディジタル呼とパケ
否かの判定を行い,通信中であった場合は RNC にて検索処
ット通信のマルチアクセス適用により,さらなる多様なマ
理を行う必要があることを Paging 要求にて RNC に通知し,
ルチメディアサービスへの対応を検討していくと同時に,
通信中でない場合は検索処理が必要でないことを通知する.
回線交換呼の複数同時接続に関しても検討していく予定で
上記以外の手順については,非通信時のパケット着信と
ある.
同様の手順となる.
9
用 語 一 覧
APN : Access Point Name
ARF : Access link Relay Function
ASCP : Advanced Service Control Point(高度サービス制御ノード)
ATM : Asynchronous Transfer Mode(非同期転送モード)
BTS : Base Tranceiver Station(基地局)
DCCH : Dedicated Control CHannel
ExGW : packet Exchange GateWay
FOMA : Freedom Of Mobile multimedia Access
G-MMS : Gateway Mobile Multimedia switching System
GPRS : General Packet Radio Service
GRIMM : Gateway service Representative Internet Market
Mobile access exchange(i モードサーバ)
GW : GateWay
IMSI : International Mobile Subscriber Identity
IMT-2000 : International Mobile Telecommunications-2000
(第 3 世代移動通信)
ISP : Internet Service Provider(インターネットサービスプロバイダ)
LAN : Local Area Network
L-MMS : Local Mobile Multimedia switching System
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MAP : Mobile Application Part(移動管理用信号)
mopera : Mobile OPEration Radio Assistant
MS : Mobile Station(移動機)
NMSCP : New Mobile Service Control Point
(大容量移動通信サービス制御装置)
PCH : Paging CHannel(ページングチャネル)
PDA : Personal Digital Assistant(携帯情報端末)
PDC : Personal Digital Cellular(ディジタル自動車電話方式)
PDP : Packet Data Protocol
PDU : Protocol Data Unit
PLMN : Public Land Mobile Network
PSTN : Public Switched Telephone Network(公衆交換電話網)
QoS : Quality of Service(サービス品質)
RNC : Radio Network Controller(無線ネットワーク制御局)
SGSN : Serving GPRS Support Node
SVC : Switched VC
TCPGW : Transmission Control Protocol GateWay
WPCG : Wireless Protocol Conversion Gateway
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