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機能性糖鎖複合材料創製技術開発(糖鎖エンジニアリングプロジェクト)

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機能性糖鎖複合材料創製技術開発(糖鎖エンジニアリングプロジェクト)
平成17年3月16日
独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
理事長 牧野 力 殿
独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
研究評価委員会 委員長代理 曽我 直弘
NEDO技術委員・技術委員会等規程第31条の規定に基づき、別添のとおり
評価結果について報告します。
「機能性糖鎖複合材料創製技術開発」
事後評価報告書
平成17年3月
独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
研究評価委員会
目
次
はじめに
分科会委員名簿
審議経過
評価概要
研究評価委員会におけるコメント
研究評価委員会委員名簿
第1章 評 価
1.プロジェクト全体に関する評価結果
1.1 総論
1.2 各論
2.個別テーマに関する評価結果
2.1 糖鎖及びグリコクラスターの効率的合成技術の開発
糖鎖及びグリコクラスターの効率的合成技術の開発
2.2 機能性グリコクラスター複合材料創製技術の開発
3.評点結果
第2章 評価対象プロジェクト
1.事業原簿
2.分科会における説明資料
参考資料1 評価の実施方法
1
2
3
4
7
8
1-1
2-1
2-2
参考資料 1-1
はじめに
独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構においては、被評価プロジェク
ト毎に当該技術の外部の専門家、有識者等によって構成される研究評価分科会を研究
評価委員会によって設置し、同分科会にて被評価対象プロジェクトの研究評価を行い、
評価報告書案を策定の上、研究評価委員会において確定している。
本書は、「機能性糖鎖複合材料創製技術開発」の事後評価報告書であり、第1回研
究評価委員会において設置された「機能性糖鎖複合材料創製技術開発」(事後評価)
研究評価分科会において評価報告書案を策定し、第5回研究評価委員会(平成17年
3月16日)に諮り、確定されたものである。
平成17年3月
独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
研究評価委員会
1
「機能性糖鎖複合材料創製技術開発」
事後評価分科会委員名簿
(平成16年12月現在)
氏名
分科会
会長
分科会
会長代理
はしもと
ひろのぶ
橋本 弘信
はたなか
けんいち
畑中 研一
いけきた
まさひこ
池北 雅彦
たかはし
分科会
委員
たかし
高橋 孝志
なかじま
もとお
中島 元夫
よこやま
いさお
横山 勇生
所属
東京工業大学
大学院生命理工学研究科
教授
東京大学
国際・産学共同研究センター
東京理科大学
理工学部 応用生物科学科
教授
東京工業大学
大学院理工学研究科
教授
応用化学専攻
教授
ノバルティス ファーマ株式会社
筑波研究所 研究本部 主幹研究員
日経BP社
日経バイオビジネス
編集長
敬称略、五十音順
2
審議経過
第1回 分科会(平成16年12月9日)
公開セッション
1.分科会の設置、資料の確認
2.分科会の公開について
3.評価の実施方法について
4.評価報告書の構成について
5.プロジェクトの概要説明
6.プロジェクトの詳細説明
7.全体に関する質疑
8.今後の予定
第5回
研究評価委員会(平成17年3月16日)
3
評価概要
1.総
論
1)総合評価
効率的かつ革新的な糖鎖合成技術と実用的な機能性糖鎖創製技術の早期確立が望
まれる中、いち早く糖鎖工学に必要な技術開発を網羅的に取り込んだプロジェクトで
あり、実用化を見据えた基盤技術開発を行ってきた点は高く評価できる。
また、プロジェクトリーダーによる統括的な研究開発マネジメントが功を奏した産
学官連携プロジェクトとして評価できる。最終段階での目標の達成度は非常に高く、
実用化、事業化の目処がつきつつあるものも少なくなく、成果の波及効果も大きい。
しかし、企業化レベルでの採算を考慮したアプローチの不足がみられ、実用化や事
業化を進める上で直面する問題も多いと考えられることから、企業サイドのアドバイ
スを開発の初期段階から積極的に取り入れるべきではなかったかと思われる。また、
成果の特許化をさらに進めるとともに、実用化、事業化の見通しがたっていない研究
成果は、共同研究企業やライセンス先の確保により、実用化に向けた研究が継続され
ることが望まれる。
今後、糖鎖化合物を医薬品や材料として世に出していく場合、酵素合成法による天
然型糖鎖に加え、非天然型糖鎖や糖鎖と有機低分子のハイブリッド化も必要になると
思われるので、化学合成法を用いる糖鎖自動合成装置の開発など、より革新的で効率
的な糖鎖合成技術の開発を期待する。
2)今後に対する提言
本プロジェクトの成果を生かすべく、得られた成果をデータベース化し公開すると
ともに、幾つかのテーマに絞り込んで事業化を目指すことを期待する。その際、本プ
ロジェクトを基にした北海道大学発ベンチャーを立ち上げることも考えてほしい。
今後、より有用な糖鎖ライブラリーの構築や糖鎖チップの開発を進めるためには、
関連の基盤技術開発を継続するとともに、今回開発した方法以外の合成法との相互乗
り入れを進め、合成できる糖鎖の種類と量を増やすことが求められる。また、米国に
おいてケミカルバイオロジーがポストゲノムプロジェクトとして注目されているこ
とを考えると、糖鎖ライブラリーも含め、化合物ライブラリーの創製・管理・支援シ
ステムを考える必要があると思われる。
2.各 論
1)事業の位置付け・必要性について
糖鎖工学の基盤が現時点では脆弱であり、長期的な視野のもとにリスクを覚悟して
開発研究を行う必要性があることは明白で、産学官の連携が重要であり、NEDO が
実施するプロジェクトとして適切である。また、糖鎖の重要性に対する認識は国際的
にも高まっており、いち早く画期的な製品や製品化につながる基盤技術の開発が必要
で、この分野で世界をリードする我が国において国を挙げてのプロジェクトであるこ
4
とは評価できる。
なお、本プロジェクトで得られた成果を埋もれさせることのないよう、現在進行中
のプロジェクトへの活用や新たなプロジェクトの提案を望む。
2)研究開発マネジメントについて
基礎技術と応用技術のバランスがとれた研究テーマが設定され、世界的な動向を十
分に視野に入れて、我が国の糖鎖工学の優位性を維持発展するための戦略的な目標設
定がなされている。プロジェクトリーダーは各研究テーマを十分に理解し、リーダー
シップを発揮してプロジェクトを進めた点は評価でき、実用化の受け皿となる企業も
共同研究で参加し、実用化が期待できる体制となっている。また、糖鎖自動合成装置
の開発について、目標を早期に達成したため、別途独立した事業として立ち上げたこ
とは、時宜を得たものであった。
しかし、研究テーマが多岐に亘っている中、テーマ相互の相乗的効果についての期
待度が低く、再委託先の研究の役割も不明確であった。また、競合物質や競合技術に
ついての情報収集と比較検証が十分でなかった。
3)研究開発成果について
全体的には目標値を達成している。特に酵素合成技術は世界最高水準にあり、本研
究での複合材料創製技術にも効果的に使用されている。本プロジェクトの成果は、新
たな医薬品、化粧品と機能性食品の産業の創生につながり、糖鎖を利用した新薬開
発・医療関連素材開発を目指す企業での研究にも波及効果が期待できる。また、論文
の数、質ともに満足すべきものであり、開発初期段階での新聞等での紹介記事も多く、
本プロジェクトの社会的認知度は相応であった。
しかし、国際特許出願件数は十分でない。米国とヨーロッパにおける特許をできる
だけ早く取得することは、機能性糖鎖複合材料創製技術の優位性を獲得していくため
に必須であり、素早い対応が望まれる。さらに、得られた特許、データ等の管理・実
施対策が今後求められる。
4)実用化、事業化の見通しについて
全体としては、実用化に向けてかなりの技術革新がなされたと評価でき、実用化に
向けての問題点はかなり解決されている。企業との連携が功を奏しており、人材育成
のほか、関連分野への波及効果も十分期待される。
今後、事業化に向けて、コスト、技術移転までの期間、特許の取り扱いも含めたシ
ナリオづくりが求められる。糖鎖合成装置については、利用する酵素の特許について
の検討とコストの低減をさらに進めることが必要である。なお、非天然型糖鎖等の合
成には化学合成も必要であり、化学自動合成装置を併用することによって実用化がよ
り現実的になると思われる。他方、機能性複合糖鎖付加物質の創製研究については、
実用化のハードルが高いものが多く、プロジェクトの計画段階で十分に検討する必要
があった。今後、企業で続行されている開発研究において、これらの問題点がクリア
5
されることを期待する。
6
研究評価委員会におけるコメント
第5回研究評価委員会(平成17年3月16日開催)に諮り、了承された。研究評
価委員からのコメントは特になし。
7
研究評価委員会委員名簿
平成17年3月16日現在
委員長代理 曽我
委員
直弘
独立行政法人
伊東
弘一
大阪府立大学大学院
稲葉
陽二
日本大学
内山
明彦
早稲田大学
大西
優
株式会社
尾形
仁士
三菱電機株式会社
黒川
淳一
横浜国立大学大学院
小柳
光正
東北大学大学院
冨田
房男
放送大学
西村
吉雄
東京工業大学
監事
架谷
昌信
愛知工業大学
工学部
平澤
泠
東京大学
産業技術総合研究所
法学部
工学研究科
理事
教授
教授
理工学部
カネカ
教授
常務取締役
上席常務執行役
工学研究院
開発本部長
工学研究科
教授
教授
北海道学習センター
所長
機械学科
教授
名誉教授
(合計
12 名)
(敬称略、五十音順)
8
第1章
評価
この章では、分科会の総意である評価結果を枠内に掲載している。なお、枠の下
の○、●、• が付された箇条書きは、評価委員のコメントを原文のまま、参考とし
て掲載したものである。
1.プロジェクト全体に関する評価結果
1.1 総論
(1)総合評価
効率的かつ革新的な糖鎖合成技術と実用的な機能性糖鎖創製技術の早期確立が
望まれる中、いち早く糖鎖工学に必要な技術開発を網羅的に取り込んだプロジェ
クトであり、実用化を見据えた基盤技術開発を行ってきた点は高く評価できる。
また、プロジェクトリーダーによる統括的な研究開発マネジメントが功を奏し
た産学官連携プロジェクトとして評価できる。最終段階での目標の達成度は非常
に高く、実用化、事業化の目処がつきつつあるものも少なくなく、成果の波及効
果も大きい。
しかし、企業化レベルでの採算を考慮したアプローチの不足がみられ、実用化
や事業化を進める上で直面する問題も多いと考えられることから、企業サイドの
アドバイスを開発の初期段階から積極的に取り入れるべきではなかったかと思わ
れる。また、成果の特許化をさらに進めるとともに、実用化、事業化の見通しが
たっていない研究成果は、共同研究企業やライセンス先の確保により、実用化に
向けた研究が継続されることが望まれる。
今後、糖鎖化合物を医薬品や材料として世に出していく場合、酵素合成法によ
る天然型糖鎖に加え、非天然型糖鎖や糖鎖と有機低分子のハイブリッド化も必要
になると思われるので、化学合成法を用いる糖鎖自動合成装置の開発など、より
革新的で効率的な糖鎖合成技術の開発を期待する。
<肯定的意見>
○ 糖鎖の重要性に注目し、いち早く糖鎖工学に必要な技術開発を網羅的に取り
込んだプロジェクトであり、焦点が定まっていない印象はあるが、機能性糖
鎖複合材料の工業的な成熟度を考慮すると適切であり、十分評価できるもの
となっている。
○ 全体として「糖鎖工学」を大きく発展させたと評価できるし、糖鎖を用いた
製品開発を目標とした基盤技術を開発したと判断できる。本プロジェクト以
外の糖鎖工学関連プロジェクトが基礎研究に終始しているのに対して、本プ
ロジェクトは出口(実用化)を見据えた基盤技術開発を行っている点が高く
評価できる。
○ 「機能性糖鎖複合材料創製技術開発」のプロジェクトは、個別に行うには限
界も多く、国の事業として行うのが妥当であり、独自の発想に基づいた優れ
た成果も得られ達成度も高く、十分評価しえる実績が得られている。
○ 本プロジェクトは北海道大学を拠点とする産官学連帯(集中型研究)プロジ
ェクトとして研究開発がおこなったものであり、西村教授をプロジェクトリ
ーダーとして、綿密な研究開発計画に基づき、大学教官と参加企業からの研
1-1
究者・一般博士研究員がチームワークを取りながら、実際の研究・運営が効
率良く推進され、最終段階での成果として研究目的の達成度は非常に高く、
研究成果の波及効果も大きく、国のプロジェクトとして十分に評価できる。
本プロジェクトは「酵素反応を用いる糖鎖合成技術」を基盤技術とし、応用
研究として「糖鎖自動合成装置の開発」や「機能性グリコクラスター複合材
料の創製技術の開発」を行ったものであり、基礎技術と応用技術のバランス
がとれているプロジェクトといえる。特に「糖鎖自動合成装置の開発」は、
日本が世界に誇るロボット産業がバイオ部門にも芽生え始めたことを意味す
るものであり、産業界への波及効果も大きいと思われる。また、
「機能性グリ
コクラスター複合材料の創製技術の開発」で生み出された一部はすでに実用
化研究に入っており、今後の発展が糖鎖クラスターを用いる材料関係の市場
拡大に影響を与えると思われる。
○ ポストプロテオミクスと目されるグライコミクスの分野で、糖質科学に力を
注いできた我が国が世界的リーダーシップをとるためには、効率的かつ革新
的な糖鎖合成技術と実用的な機能性糖鎖創製技術の早期確立が望まれる。事
実、糖鎖合成の複雑なステップは多くの有用な糖鎖機能研究の足かせとなり、
糖鎖関連化合物を医薬品応用への道から遠ざけてきた。現時点においては、
効率的かつ革新的な糖鎖合成技術と機能性糖鎖創製技術の開発は、僅かな研
究費で運営される大学の研究室や投資利益回収が必須な企業における個々の
研究に任せられるべきものではなく、国家レベルで集中的に研究費を投入し
てプロジェクトを推進するべきものである。本プロジェクトはこの必要性に
沿って立案されており、プロジェクトリーダーによる統括的な研究開発マネ
ジメントが功を奏したプロジェクトとして高く評価される。プロジェクト実
施期間中に得られた成果は、全体的に満足できるものであり、全てではない
が、実用化や事業化の見通しも明るい。特に、糖鎖自動合成機の開発プロジ
ェクトは目的達成が早期になされたため、独立のプロジェクトとして立ち上
げられた事は、時期を得た判断で大変重要であり、グライコミクスの分野で
我が国が世界をリードするために妥当な戦略である。
○ わが国が比較的優位性のある糖鎖関連のプロジェクトで、しかもニーズの高
い研究テーマが選ばれており、重要度の高いプロジェクトである。糖鎖自動
合成技術、グリコクラスター複合材料創製技術など、目標はほぼ達成されて
おり、実用化、事業化のメドがつきつつあるものも少なくない。受け皿とな
る企業もあり、社会的な還元も期待できる。また、その分野も研究用のツー
ルから医薬品、化粧品、医療用具など幅広いことも評価できる。
<問題点・改善すべき点>
● 本プロジェクトの問題点というものではないが、得られた成果についてデー
タベース化し公開することによって、本プロジェクトの成果がさらに生かさ
1-2
れるものと考えられる。
● 酵素合成法は天然型糖鎖の合成には威力を発揮する。今後、糖鎖化合物を医
薬品や材料として世に出していく場合、非天然型糖鎖や糖鎖と有機低分子の
ハイブリド化が必要になると思われる。そのような意味でも化学合成を用い
る糖鎖自動合成機の開発も必要となるであろう。
● 糖鎖付加産物の医薬品や日常品への応用技術の成果には目覚しいものがある。
しかし、やはり企業化レベルでの採算を考慮したアプローチが足りない。先
導研究であるから現状では許されるものの、今後の実用化や事業化で直面す
る問題も多いと思われる。特許取得などの問題もあるとは思われるが、協力
企業サイドのアドバイスを初期段階から積極的に取り入れるべきではないか。
糖鎖自動合成装置には、産生と精製の容易さから微生物由来の糖転移酵素が
使用されているが、特異性の点からすれば高等動物の酵素を利用することが
望ましい。また将来の合成糖鎖の医薬品応用を考慮すれば、今後 GMP に対
応できるような装置としてデザインされることが期待される。
● 特許面でのカバーが十分か、少し不安な面があると思われる。
<その他の意見>
• プロジェクトの柱の1つであった、糖鎖自動合成技術開発が他のプロジェク
トに移行する形で途中から消滅している点は、幾分問題であろう。
• 実用化、事業化の見通しがたっていない研究成果は、できるだけライセンス
や共同研究先企業の募集により、実用化に向けた研究が継続されるようにし
ていただきたい。
• 糖鎖合成は、水酸基の保護などの複雑なステップが多く入ることやその合成
産物の光学異性体に基づく多様性と、経口投与医薬品としてのデザインの難
しさ、構造自身に新鮮味がないなど、比較的プリミティブでネガティブな理
由から昨今の若手合成研究者があまり興味を示さない仕事である。特に、コ
ンビナトリアルケミストリーやハイスループットスクリーニングなどが通常
の創薬手法として定着してきた企業の研究所では、古い合成法に頼る糖鎖を
含む低分子化合物の合成を避ける傾向がある。糖転移酵素を用いた糖鎖自動
合成装置は非天然糖を付加することができないので、これ以外にも、現状か
ら脱却できるような革新的で効率的な固相法による糖鎖合成技術の開発が望
まれる。
1-3
(2)今後に対する提言
本プロジェクトの成果を生かすべく、得られた成果をデータベース化し公開す
るとともに、幾つかのテーマに絞り込んで事業化を目指すことを期待する。その
際、本プロジェクトを基にした北海道大学発ベンチャーを立ち上げることも考え
てほしい。
今後、より有用な糖鎖ライブラリーの構築や糖鎖チップの開発を進めるために
は、関連の基盤技術開発を継続するとともに、今回開発した方法以外の合成法と
の相互乗り入れを進め、合成できる糖鎖の種類と量を増やすことが求められる。
また、米国においてケミカルバイオロジーがポストゲノムプロジェクトとして注
目されていることを考えると、糖鎖ライブラリーも含め、化合物ライブラリーの
創製・管理・支援システムを考える必要があると思われる。
<今後に対する提言>
• 研究代表者である北大西村教授の手腕が存分に発揮されていると思われるが、
研究されている分野が広すぎる感がある。今後、次段階のプロジェクトを行
う場合には、幾つかのテーマに絞った形で事業化を目指す方が良い結果に繋
がると思われる。但し、本プロジェクトにおける研究成果は、数多くのテー
マを個別に評価してもかなり高く評価できるので、本提言は、あくまでもよ
り一層の発展を望んでのことである。
• ①本プロジェクトの成果を踏まえ、最終の製品化に結びつけるための産学連
携機構、およびプロジェクトを充実するとよいのではないか。②得られた成
果についてデータベース化し公開することによって、本プロジェクトの成果
がさらに生かされるものと考えられる。
• 「機能性グリコクラスター複合材料の創製技術の開発」で生み出された諸成
果を実用化するには、参加企業に移行するばかりでなく、是非とも本プロジ
ェクトを基にした北海道大学発ベンチャー企業を立ち上げ、高度な知識を有
する「博士研究員の新しい仕事場」を提供することも考えていただきたい。
NEDO への提言として、大学発ベンチャー等を支援する方法の一つとして、
プロジェクト終了後に不必要になった機器などを低価格で大学発ベンチャー
へ移行できる政策も考えて頂きたい。現在、 NEDO から大学への機器類の移
管は容易になったが、大学ではスペースの問題もあり、最終的には鉄くずと
して処分する場合が多いようである。従来、NEDO バイオ関連プロジェクト
としては、生物系研究者で行うゲノムやタンパク質分野への支援が多かった
が、今回のプロジェクトは酵素関連ではあるが、合成関連のプロジェクトで
あったことは、将来の生産性を考えた場合、大変意義あるものと思われる。
最近の米国の国策である NIH ロードマップによると、ポストゲノムのプロジ
ェクトとしてケミカルバイオロジー(有機化合物を起爆剤として生物・疾病
1-4
を解明する基礎学問)が注目されている。これらを支援する政策として化合
物ライブラリー構築を追求する研究センター(ボストン、ピツバーグ)とス
クリーニングセンター (NIH)が設立され、バイオ関係の研究を支援してい
る。このような意味でも今回の糖鎖ライブラリーも含め、化合物ライブラリ
ーの創製・管理・支援システムを考える必要があると思われる。
• 機能性糖鎖複合材料創製技術開発のプロジェクトと糖鎖遺伝子研究の成果を
合体させて、糖転移酵素遺伝子産物を効果的に利用した最先端糖鎖全自動合
成装置の開発プロジェクトへと展開することが期待される。機能性糖鎖複合
材料創製技術や糖鎖構造解析、糖鎖遺伝子研究の成果をまとめて、天然およ
び合成糖鎖の構造に関するグライコミクスデータベースを構築し、糖鎖の由
来、所在や疾病との関わり、タンパク質や脂質、核酸との相互作用などを検
索できる web のサイトを作成する事を、国家プロジェクトとして立案される
よう期待する。
• このプロジェクトの成果を受けて、糖鎖の解析技術(臨床応用も含む)など今後
必要とされる糖鎖関連の基盤技術を継続して開発するプロジェクトを計画し
ていただきたい。
• 成果のあがった課題についてさらに絞り込んで、単発的ではなく、新たな産
業分野の創生が期待できるようなプロジェクトへの展開を期待する。
<その他の意見>
• 合成できる糖鎖の種類と量を増やすことが、この分野の更なる発展に繋がる
と考えられるので、今後は、今回開発した方法以外の合成法との相互乗り入
れの必要性が感じられる。このことが、より有用な糖鎖ライブラリーの構築
や糖鎖チップの開発に繋がっていくと考えられる。
• プロジェクトリーダー型の NEDO プロジェクトは横の連携が旨く取れている
と思われ、それぞれのプログラムからしっかりとした独自の成果が上がって
いる。今後もこの方式のプロジェクトの立案採用が望ましい。
1-5
1.2 各論
(1)事業の位置付け・必要性
糖鎖工学の基盤が現時点では脆弱であり、長期的な視野のもとにリスクを覚悟
して開発研究を行う必要性があることは明白で、産学官の連携が重要であり、
NEDO が実施するプロジェクトとして適切である。また、糖鎖の重要性に対する
認識は国際的にも高まっており、いち早く画期的な製品や製品化につながる基盤
技術の開発が必要で、この分野で世界をリードする我が国において国を挙げての
プロジェクトであることは評価できる。
なお、本プロジェクトで得られた成果を埋もれさせることのないよう、現在進
行中のプロジェクトへの活用や新たなプロジェクトの提案を望む。
<肯定的意見>
○ ポストゲノム時代にあって、本プロジェクトの目的である、広範な影響を及
ぼす糖鎖分子に関する基盤技術を確立することは、この分野で世界をリード
する我が国において国家プロジェクトとして行われる価値が十分に認められ
る事業である。
○ 生体の4大構成因子として、核酸、タンパク質、脂質、糖質が挙げられるが、
糖鎖の研究は前者3つに比べ、あまり進んでないのが現実である。ヒト・ゲ
ノム解析が一段落し、タンパク質の機能解明が究極の課題として取り上げら
れているが、遺伝子制御ができない糖質関連物質に関する研究も緊急の課題
である。そのような意味でも本研究プロジェクトを国家プロジェクトとする
ことは意義が大きい。また、糖鎖を事業化するにはかなりの技術革新が必要
とされるため、投資対効果などを考えると一般の製薬業界では開発研究を躊
躇するところが多い。日本が科学立国を目指し、この分野の研究を推進する
事は、世界的な観点からしても是非とも必要である。
○ 世界をリードする糖鎖合成技術の開発とその応用の実証は、国家プロジェク
トとして経済産業省が支援し、将来的には大幅な省エネルギーを成し遂げる
技術として NEDO が関与するべきプロジェクトとして妥当である。本研究を
実施した研究施設は北海道大と産総研を中心に、地域的な特性を生かした主
幹構成がなされたが、一方では参加企業や再委託機関には全国的な連携も考
慮され、全体としてはバランスよく公共の利益を反映したものと評価される。
○ 糖鎖の研究は、バイオ研究の中でわが国が優位性を持っている数少ない分野
である。また、糖鎖の重要性に対する認識は国際的にも高まっており、いち
早く画期的な製品や製品化につながる基盤技術の開発が必要となる。そのた
めには、産官学の糖鎖関連の研究を連携させることが重要であり、NEDO が
実施するプロジェクトとして適切である。
○ 糖鎖工学の基盤が現時点では脆弱であり、長期的な視野のもとに幾分のリス
1-6
クを覚悟して開発研究を行う必要性があることは明白で、糖質研究を支える
我国研究者の高度な研究能力などを考慮すると、事業目的の設定は適切であ
る。
○ 本研究事業は、発展性のある分野ではあるが、リスクの高い「糖鎖工学」と
いう分野の基盤技術を築くことが大きな目的の一つであり、NEDO の事業と
して妥当であると考えられる。また、糖鎖研究は我が国が世界をリードする
立場にあり、国を挙げてのプロジェクトであることは評価できる。
<問題点・改善すべき点>
● 初期の計画試験研究段階からの参加企業とは別に、中間評価以後の実用化段
階に至って参加企業が増えたと認識するが、その個別企業の参加受け入れの
選択または受託の許諾の経緯に関しては、透明性に欠ける。事業原簿に説明
があっても良いのではないか。
● 長期的な展開が可能なプロジェクトを提案できるように努力して欲しい。
<その他の意見>
• 本プロジェクトで得られた成果を現在進行中のプロジェクトにぜひ生かして
ほしい。
• 当該技術を利用した産物の実用化と事業化に至っては、医薬品や化粧品、健
康食品等が対象になるので、これ以上の NEDO の関与は不必要であると考え
るが、技術が未完であるならば、NEDO によるさらなるプロジェクト展開へ
の支援を期待する。
1-7
(2)研究開発マネジメント
基礎技術と応用技術のバランスがとれた研究テーマが設定され、世界的な動向
を十分に視野に入れて、我が国の糖鎖工学の優位性を維持発展するための戦略的
な目標設定がなされている。プロジェクトリーダーは各研究テーマを十分に理解
し、リーダーシップを発揮してプロジェクトを進めた点は評価でき、実用化の受
け皿となる企業も共同研究で参加し、実用化が期待できる体制となっている。ま
た、糖鎖自動合成装置の開発について、目標を早期に達成したため、別途独立し
た事業として立ち上げたことは、時宜を得たものであった。
しかし、研究テーマが多岐に亘っている中、テーマ相互の相乗的効果について
の期待度が低く、再委託先の研究の役割も不明確であった。また、競合物質や競
合技術についての情報収集と比較検証が十分でなかった。
<肯定的意見>
○ 研究開発目標は多岐に亘るように見えるが、基本的には化合物を作り出す「糖
鎖やグリコクラスターの合成技術の確立」とその技術に立脚した「機能性グ
リコクラスター複合材料の創製技術の開発」であり、基礎技術と応用技術の
バランスがとれている研究テーマである。
「物づくり」を主要テーマとする場
合、それぞれのテーマが別々に進行するのは当然のことであり、的を絞りす
ぎて合成が困難になった場合、プロジェクト全体の大幅な修正が必要となる。
今回はむしろある程度の数のテーマを推進していたことがプロジェクト全体
の底上げに寄与したと思われる。今回の主要素技術である酵素反応を「自動
合成機の開発」や「機能性材料の開発」にかなりの頻度で使用しており、要
素技術間の有機的つながりはかなり強いと判断でき、研究開発計画は妥当で
あったと判断できる。本プロジェクトでは研究テーマが多岐に渡っているが、
プロジェクトリーダーは各研究テーマを十分に理解し、参加企業や博士研究
員を非常にうまくリードし、チームワークのとれた研究体制・事業体制が敷
かれている。本プロジェクトは糖鎖研究ばかりでなく、関連分野である遺伝
子・タンパク質分野やナノテク分野なども含んでおり、境界領域での研究テ
ーマでもある。
○ 我が国の糖鎖科学の優位性を維持発展するために不可欠なプロジェクトであ
り、世界的な動向を十分に視野に入れて戦略的な目標設定がなされている。
プロジェクトの性格上、定量的な目標設定は難しいが、達成度の指標とする
べく後付で数値を盛り込むことに努力したと思われる。技術開発という意味
では、予算と期間は妥当であったと判断され、実用化の相手となる企業との
連携も十分視野に入れたプロジェクト体制であったと判断される。提案型プ
ロジェクトとして、プロジェクトリーダーが十分にその裁量を発揮できた例
として評価される。糖鎖自動合成装置の開発においては、早期目標を達成し
1-8
○
○
○
○
たために、別途独立した事業として立ち上げ、世界に先駆けた技術の産業化
を目指したことは、時宜を得た判断であり強く支持される。
日本の優位性がある糖関連技術の拡大を目指し、中でもニーズの高い糖自動
合成技術、構造予測技術や応用面を促進させる複合材料創製技術に焦点を当
てており、研究開発目標は適切である。また、プロジェクトリーダーにリー
ダーシップもあり、プロジェクトの周辺には、実用化の受け皿となる企業も
参加しており、実用化が期待できる体制となっている。その企業もそれぞれ
の分野で実績を有しており、今後の期待は大きい。
個々のテーマについては、目標、計画等はおおむね適切であると判断される。
研究開発目標、研究開発計画ともに妥当であると判断できる。共同開発して
いる企業も情勢の変化に応じて適切に選択されていると思われる。
①研究開発目標:多岐にわたっているが、各課題に明確な具体的目標が設定
されている。②研究開発計画:スケジュール、チーム編成(分担)など適切、
妥当である。③事業体制の妥当性:当初目標、情勢変化に伴う環境整備、企
業の選定等は妥当である。④情勢変化への対応:新しい展開も多々認められ
状況に良く対応している。
<問題点・改善すべき点>
● 具体的な目標設定は十分なされているが、プロジェクトの性格上、個々のプ
ロジェクトに数値的な目標設定をすることには難しい面があったと理解され
る。したがって、事業成果報告では成果をできるだけ数値で表そうとする努
力がなされているが、前提が明確ではないので、達成度として数値を判断材
料にするのには多少無理があると思われる。企業ベースで直接的に競合する
物質や技術、そして間接的に競合する可能性のあるプロジェクトや技術につ
いての情報収集と比較検証があまりなされていない。
● 個々のテーマにおける展開とテーマ相互の相乗的効果についての期待度が薄
い点が少々問題であろう。
● 研究代表者である北大西村教授の手腕が存分に発揮されていると思われるが、
再委託先の研究がこのプロジェクトにおいて不可欠である(西村教授の研究
を助けている)のかは不明である。
<その他の意見>
• 状況の変化に伴う環境整備のためにも、途中における企業の追加、変更など
について、さらにスムーズにできるようにすると良いのではないか。
• 機能性糖鎖複合材料創製技術の実用化と事業化は、まだ十分に成熟している
わけではなく、リスクも高いとみなされるので、企業と国が連携して推進・
展開して行くことが期待される。
1-9
(3)研究開発成果
全体的には目標値を達成している。特に酵素合成技術は世界最高水準にあり、
本研究での複合材料創製技術にも効果的に使用されている。本プロジェクトの成
果は、新たな医薬品、化粧品と機能性食品の産業の創生につながり、糖鎖を利用
した新薬開発・医療関連素材開発を目指す企業での研究にも波及効果が期待でき
る。また、論文の数、質ともに満足すべきものであり、開発初期段階での新聞等
での紹介記事も多く、本プロジェクトの社会的認知度は相応であった。
しかし、国際特許出願件数は十分でない。米国とヨーロッパにおける特許をで
きるだけ早く取得することは、機能性糖鎖複合材料創製技術の優位性を獲得して
いくために必須であり、素早い対応が望まれる。さらに、得られた特許、データ
等の管理・実施対策が今後求められる。
<肯定的意見>
○ 全体としては、新規基盤技術の創生という意味において、当初の目標を 80%
以上達成できていると推定される。その成果としての糖鎖自動合成装置プロ
トタイプの完成は、世界に先駆けており、今後の汎用型の開発は、ポストゲ
ノミクスにおけるグライコミクスの世界的競争の中で、我が国の優位性を維
持するのに不可欠である。本プロジェクトの成果は、新たな医薬品、化粧品
と機能性食品の産業の創生につながることが確実視される。成果の論文発表
や特許の申請に関しては、提案者であるプロジェクトリーダーのチームと主
な共同研究先企業による貢献度は十分であり、高い評価が与えられる。論文
の数、質ともに満足すべきものと考えられ、また初期段階での新聞等での紹
介記事も多く、本プロジェクトの社会的認知度は相応であったと推定される。
○ 世界初となる糖鎖自動合成装置の開発にメドがつき、複合材料創製技術も糖
鎖で修飾したインスリンなど多くの製品を開発、複合材料創製のための基盤
となる技術がほぼ目標通り開発できたと考えられる。論文発表が 115 件、特
許出願も 65 件と十分な成果が得られている。新聞発表も 55 件と成果の広報
に務めている。日本が優れた糖研究を実用化につなげるための基盤ができた
と思う。
○ それぞれが目標値を達成しており、特許も取得しているので、市場の創造へ
の道筋には差異があるが、成果の論文等による公表も適切であると判断され
る。
○ 当初の目標を大幅に上回った成果を挙げており、特許や論文の質・数ともに
十分である。世界最高水準の研究もなされている。また、成果の受け取り手
として、北海道大学内に3つの寄付講座を設立させた点も高く評価できよう。
投入された予算に十分に見合った(或いはそれ以上の)研究成果が得られて
いると判断できる。
1-10
○ ①目標の達成度:基盤技術、および市場につながる可能性の高い成果が多く
得られている。②成果の意義:市場の創造につながる新規性が十分に認めら
れる。③特許・論文発表成果の普及:活発に行われており妥当である。
○ 計画と比較して、全体的には目標が達成されている。特に酵素合成技術は世
界最高水準にあり、本研究での複合材料創製技術にも効果的に使用されてお
り、今後、大学の研究ばかりでなく、糖鎖を利用した新薬開発・医療関連素
材開発を目指す企業での研究にも波及効果があると思われる。一般に糖鎖工
学を主体とする市場拡大・創造は、現時点では萌芽的といわれているが、本
プロジェクトの一部はすでに実用化研究に入っており、今後の発展が市場拡
大に影響を与えると思われる。特許取得や論文発表・一般社会向けの活動は
適切に出されており、妥当であると評価できる。
<問題点・改善すべき点>
● 特許出願で海外が 12 件というのは、少ないように思われる。国内だけの特許
では意味がない。研究者の評価は、論文であるのは事実だが、税金でやる以
上、国民への還元は、知的好奇心を満たすだけでは済ませられない。
● 論文発表や特許申請件数においては、プロジェクトリーダーのチームと主な
共同研究先企業が大半を占め、それ以外のチームメンバーからの貢献度が低
い。国際特許出願状況は芳しくない。米国とヨーロッパにおける特許をでき
るだけ早く取得することは、機能性糖鎖複合材料創製技術の優位性を獲得し
ていくために必須であり、事業化のスポンサーからの資金調達を含めて、適
切な支援と素早い対応が望まれる。新聞雑誌等での紹介記事は、当初華々し
く、後半に至って先細りしている。これは特許等の問題による公的発表の手
控えを考慮したとしても、広報活動の戦略的ミスではないか。
<その他の意見>
• 得られた特許、データ等の管理・実施対策が次の課題になるのではないか。
1-11
(4)実用化、事業化の見通し
全体としては、実用化に向けてかなりの技術革新がなされたと評価でき、実用
化に向けての問題点はかなり解決されている。企業との連携が功を奏しており、
人材育成のほか、関連分野への波及効果も十分期待される。
今後、事業化に向けて、コスト、技術移転までの期間、特許の取り扱いも含め
たシナリオづくりが求められる。糖鎖合成装置については、利用する酵素の特許
についての検討とコストの低減をさらに進めることが必要である。なお、非天然
型糖鎖等の合成には化学合成も必要であり、化学自動合成装置を併用することに
よって実用化がより現実的になると思われる。他方、機能性複合糖鎖付加物質の
創製研究については、実用化のハードルが高いものが多く、プロジェクトの計画
段階で十分に検討する必要があった。今後、企業で続行されている開発研究にお
いて、これらの問題点がクリアされることを期待する。
<肯定的意見>
○ 糖鎖合成機は、研究現場のニーズも高く、今後の糖鎖研究や糖鎖修飾バイオ
医薬の開発に大きく貢献することが期待できる。また、技術開発の段階とし
てもかなり進んでおり、実用化はまず、間違いないと認められる。糖鎖修飾
インスリンやプロテアーゼ阻害剤、化粧品素材は、既存の製品と差別化でき
る製品になる可能性があり、経済効果が期待できる。また、有力な企業と連
携しており、実用化の可能性は高いと思われる。また、グリコクラスター複
合材料の様々な応用の可能性を明らかにした点でも評価できる。
○ 全体としては、実用化に向けてかなりの技術革新がなされたと評価できる。
糖鎖の能力が十分に発揮できる分野での基盤技術開発が行われており、実用
化に向けての問題点はかなり解決されている。生理活性糖ペプチド合成分野
など関連分野における技術的および経済的波及効果は計り知れないと判断さ
れる。
○ 実用化の可能性が高いものが多いと考える。遺伝子工学やタンパク工学など
の分野に対する波及効果は十分期待される。
○ 本プロジェクトで示された酵素反応を用いる生体高分子(ペプチド、オリゴ
糖)への糖鎖導入法は、グリコシル化反応を無保護で行えること、また立体
的にかなり込んでいる箇所にも選択的に導入可能など、これまでの化学合成
法に比べ利点が多く、糖分野での技術的波及効果は大きいと思われる。
○ 効率的糖鎖合成技術の開発では、産業技術としての実用化の方策が明確であ
り、事業化の見通しが明るい。特に糖転移酵素を利用する糖鎖自動合成装置
は、汎用型への改良と開発が期待され、新規産業の創出を予感させる。プロ
ジェクト全般にわたり、企業との連携が功を奏しており、人材育成はもちろ
んのこと、関連分野への開発技術の波及が十分期待される。
1-12
<問題点・改善すべき点>
● 個々のテーマについて、幾分の差異はあるものの、事業化の見通しについて
は十分な検討がなされていない。
● 発表時間のこともあると思うが、事業化のためのコスト、技術移転までの期
間、経済効果に関する説明が少なく、特許の取り扱いも含め、これらの点に
特化したまとめがあると、さらに本プロジェクトの妥当性が明確になると考
える。
● 成果の実用化・事業化の見通しについては、本プロジェクトに参加した企業
の進め方次第である。酵素糖鎖自動合成機は限られた天然型糖鎖の合成には
威力を発揮するが、非天然型糖鎖や糖ペプチドの構成ユニットの合成には化
学合成も必要であり、本プロジェクトの糖ペプチドライブラリー構築で、酵
素糖鎖自動合成機と化学合成を主体とするペプチド合成機を併用したように、
酵素糖鎖自動合成機と化学糖鎖自動合成機を併用することによって、実用化
がより現実的になると思われる。医薬品は別として、化粧品や日用雑貨品な
どは市場価格を十分に考慮して開発する必要がある。
● 機能性複合糖鎖付加物質の創製研究においては、実際には実用化のハードル
が高いものが多い。プロジェクト終了時の成果報告書で公表されている内容
を見る限り、これら実用化へのハードルを計画段階で十分に認識していなか
ったのではないかと懸念されるものが多い。プロジェクト終了後には、各物
質の開発研究が企業レベルで続行されているので、最終的にはこれらの問題
点がクリアされることが期待されるが、プロジェクト着手の段階から企業サ
イドのアドバイスをもっと積極的に取り入れておくべきではないか。
● 糖鎖合成機で利用する酵素の特許の問題、さらにはコスト低減化をさらに進
める必要があると思われる。インフルエンザウイルス防除マスク・フィルタ
ーなど実用化には、解決すべき課題が残されているものもある。
<その他の意見>
• 事業化に向けてのコスト的なシナリオが十分ではないので、今後、企業にお
ける専門家との協力が望まれよう。
1-13
2.個別テーマに関する評価結果
2.1 糖鎖及びグリコクラスターの効率的合成技術の開発
研究開発成果、実用化・事業化の見通しについて、今後に対する提言等
世界に先駆けて実用的な糖転移酵素を利用した糖鎖自動合成装置のプロトタイ
プを完成したことは高く評価でき、この装置を利用した糖ペプチドライブラリー
の作成は、医薬品開発をめざした糖鎖研究に大きく貢献するものと期待される。
また、不凍糖タンパク質の構造−機能相関研究は、今後の医学分野、食品分野な
どへの応用を考えた時に、本研究の果たす役割は大きいと考えられる。
固体酸触媒と超臨界二酸化炭素をもちいた合成法は、有機溶媒不要の地球にや
さしい画期的な合成手法として注目されるが、実用化については形成しうるグリ
コシド結合や各種単糖への幅広い適用性などにおいて、今一歩のブレークスルー
が必要である。
今後、自動合成装置が汎用装置として使われるためには、酵素合成装置と化学
合成装置をうまく組み合わせることが必要であろう。また、コストの低減、GMP
(注)への対応を進めることで、国際的にも競争力のある製品としていくことを
期待する。
糖ペプチドの特許取得を進める一方で、糖ペプチドライブラリーのデータベー
スを充実して早期公開することが求められる。
(注)GMP:Good Manufacturing Practice(製造管理及び品質管理規則)
<肯定的意見>
○ AFGP をターゲットとした糖ペプチド型グリコクラスターの合成技術の開発
では、十分な成果があがっていると評価できる。
○ 糖鎖自動合成装置を世界に先駆けて開発したことは高く評価できる。現在見
つかっている酵素を十分に用いて、予想以上の成果を挙げたと判断する。糖
鎖自動合成装置を用いた糖ペプチドライブラリーの構築も現時点では最大限
の成果を産み出している。また、固体酸触媒と超臨界流体を用いた環境調和
型のグリコシド生成反応を新たに開発したことも高く評価できる。さらに、
不凍糖タンパク質の構造−機能相関研究は、正に「糖鎖工学」と言える研究
であり、今後の医学分野、食品分野などへの応用を考えた時に、本研究の果
たす役割は大きいと考えられる。
○ 優れた成果が得られており、本法を応用することによりさらに多種類のオリ
ゴ糖鎖の合成に応用できると考えられ、実用化の見通しは高い。
○ 世界初の固定化酵素を用いる糖鎖自動合成装置を完成したことは大いに評価
できる。またこれら糖鎖合成機とペプチド合成機を組み合わせ、糖ペプチド
ライブラリー構築のための二次元的合成法を確立したことは、今後の糖鎖工
1-14
学の発展に大いに寄与できる。
○ 世界に先駆けて実用的な糖転移酵素を利用した糖鎖自動合成装置のプロトタ
イプを完成したことは、非常に高く評価される。この装置を利用して糖ペプ
チドライブラリーの作成が進行しているが、その成果は医薬品開発をめざし
た糖鎖研究に大きく貢献するものと期待される。固体酸触媒と超臨界二酸化
炭素をもちいた合成法は、大量合成も可能なリサイクル触媒系で、有機溶媒
不要の地球にやさしい画期的な合成手法として注目される。また今まで困難
とされてきた規則配列型糖ペプチドの合成を高機能性縮合反応を用いて確立
したことも賞賛に値する。その実例として合成された不凍糖たんぱく質が凍
結細胞保存剤として実用化の可能性を見せていることも評価される。今後も
これらの技術を発展させて、工業化に向けたシステムが開発されることが期
待される。
○ 目標としていた糖鎖合成装置の技術開発に成功、引き続き糖鎖エンジニアリ
ングプロジェクトで実用化に向けた開発を行っており、実用化が大いに期待
できそうである。リサイクル触媒による超臨界 CO2 中での糖鎖・糖ペプチド
の合成にも成功しており、技術開発は着実に成果を上げたと考えられる。
<問題点・改善すべき点>
● 人工酵素や遺伝子組み替え酵素による方法も考えられるが、開発の道のりは
遠く、そのため糖ペプチドの構成セグメント(O-型糖アミノ酸や N-型アミノ
酸)や非天然型糖鎖の合成には化学合成の併用も考える必要がある。世界的
には化学合成を主体とした合成機も開発中であり、自動合成機が汎用装置と
して使われるためには、酵素合成機と化学合成機をうまく組み合わせること
が実用化・事業化には必要であろう。超臨界液体中での固体酸を用いるグリ
コシル化も新技術として興味深いが、まだ反応性、立体選択性等に改良すべ
き点があると思われる。
● 糖鎖自動合成装置には、産生と精製の容易さから微生物由来の糖転移酵素が
使用されているが、特異性の点からすれば高等動植物の酵素を利用すること
が望ましく、糖鎖遺伝子研究プロジェクトの成果を早期に取り入れてゆくべ
きではないか。糖鎖受託合成が実用化された場合、糖鎖複合体が受容体や酵
素の阻害物質として医薬品に応用されることを考え、非天然糖を付加する手
法も考えておく必要がある。糖鎖自動合成装置により産生される糖ペプチド
の特許取得が着々と進められているが、一方で糖ペプチドライブラリーのデ
ータベースを充実して早期公開することが必要。
● 糖鎖合成装置に利用する酵素の特許に注意していただきたい。また、さらに
多くの酵素を利用した合成装置の開発に期待したい。そして、酵素を利用す
るゆえに問題となるコストの低減化もさらに努力していただきたい。国際的
にも競争力のある製品としていただきたい。
1-15
● 超臨界二酸化炭素および固体酸触媒を用いたグリコシル化は、実用化につい
ては形成しうるグリコシド結合や各種単糖への幅広い適用性などにおいて、
今一歩のブレークスルーが必要である。
<その他の意見>
• 合成できる糖鎖の種類と量を増やすことが、糖鎖工学全体の発展に繋がると
考えられるので、今後は、今回開発した方法以外の合成法との相互乗り入れ
の必要性が感じられる。
• 早期に糖鎖自動合成装置は市販していただきたい。
• 固体酸触媒と超臨界二酸化炭素をもちいた合成法は、大量合成も可能で画期
的な手法であるが、光学異性体を分離可能な装置と直結できないか。将来、
合成糖鎖が医薬品応用されることを考慮すれば、今後、GMP に対応できるよ
うな糖鎖自動合成装置がデザインされることが期待される。
1-16
2.2 機能性グリコクラスター複合材料創製技術の開発
研究開発成果、実用化・事業化の見通しについて、今後に対する提言等
タンパク質への糖鎖の導入と修飾、キトサン−糖複合体の合成、細胞表層の化
学的修飾など、実用化につながる可能性の高い成果を得ている。細胞表層に糖鎖
クラスターを導入する技術は学問的には勿論こと、今後の糖医薬開発研究に大い
に役に立つ技術である。また、赤外領域円二色性分析装置を糖鎖分解反応のリア
ルタイムモニタリングに用いた点は新規性が認められる。
オリゴ糖のコンピューターを用いた分子設計に関しては、手法としての特徴が
明確でなく、目標との関連性をさらに具体化することが求められる。
医薬品や化粧品、機能性食品などへの具体的応用研究が主体であるにもかかわ
らず、開発の初期段階では企業サイドからのアドバイスが十分でなかったと思わ
れ、研究開発成果としてあがりながら、実用化、事業化の見通しがたっていない
項目がある。今後、情報公開・提供を行い、共同研究企業やライセンス先の確保
により実用化を進めることを望む。
<肯定的意見>
○ オリゴ糖鎖の構造予測技術、およびグリコクラスター複合材料創製技術、共
に状況の変化を的確に捉えて目標を設定し直すなどし、実用化につながる可
能性の高い十分な成果を得ている。
○ 化学合成と酵素合成法を巧みに使い分け、インスリンやシクロデキストリン、
バクテリア表層に糖鎖クラスターを導入する技術は、学問的は勿論こと、今
後の糖医薬開発研究に大いに役に立つ技術である。インスリンの薬効持続
化・糖脂質クラスターの化粧品の利用・キトサン−糖複合体繊維によるウイ
ルスや毒素補足の研究ではこれまでの酵素合成技術や化学合成技術を十分に
活用しており、実用化研究の段階にあると思われる。
○ タンパク質分子や脂質分子と環状糖鎖、さらに微生物細胞表層多糖への糖鎖
の特異的付加により、新しい機能を発揮する物質を創出したり、既知の固有
の機能と安定性の向上を図ることを目的とした実用化主体のプロジェクトで、
それぞれユニークな発想とアプローチで進められ、概ね期待された成果が得
られている。VCD 測定による反応のモニターリングと、配座解析、分子軌道
計算、VCD 計算値を利用した糖鎖複合体の構造の最適化や反応産物の構造予
測など、本プロジェクトに必須の技術も導入開発して検証している。バクテ
リア細胞表層の化学的修飾と、目的とする糖の転移前駆体を取り込ませるこ
とにより細胞壁に様々な糖鎖分子を提示させる手法は、多彩な応用が可能で、
革新的経口ワクチンの開発などに大きな期待を抱かせる。人工糖脂質の化粧
品への応用は実用化も近く、有望なプロジェクトである。
○ 糖鎖を導入したインスリン、乾せん治療薬、グリコクラスター利用化粧品素
1-17
材など、実際に機能性グリコクラスター複合材料の開発に成功し、実用化を
目指した企業との共同開発にまで到達しているケースが複数ある。実用化、
事業化の可能性は高いと考えられる。また、機能性グリコクラスター複合材
料の更なる可能性を開いたともいえ、技術開発プロジェクトは有意義なもの
だったと評価できる。
○ タンパク質への糖鎖の導入と修飾、キトサン−糖複合体の合成、細胞表層の
化学的修飾など、複合材料の創製技術の開発としての展開が期待できる。
○ 全ての研究項目において現時点における最高レベルの成果が得られている。
特に、赤外領域円二色性分析装置を糖鎖分解反応のリアルタイムモニタリン
グに用いた点は高く評価される。実際の実用化までには幾つかの問題点が残
されているものが多いが、製品化に向けての重要な基礎工学としては十分で
あると判断できる。
<問題点・改善すべき点>
● 化学合成による不凍糖タンパク質の合成・ライブラリー化・活性評価は学問
的には大いに評価されるが、実用化に関しては今後の課題となるであろう。
糖鎖構造予測技術の開発に関しては、赤外領域円二色性によるα、β比の定
量化法は新規性が認められるが、その他の技術に関しては通常使われている
技術であり、オリジナルテイーが明確でない。
● 医薬品や化粧品、機能性食品などへの具体的応用研究が主体であるにもかか
わらず、初期段階では企業サイドからのアドバイスが十分でなかった可能性
がある。その結果、事業化への見通しの甘いプロジェクトがあり、成果とし
ては面白いが事業化にはハードルが高すぎる物質がつくられている。キトサ
ン糖複合体を用いた感染予防物質の開発は、実用化が期待される成果である
が、量産化とコストリダクションにおける問題が大きく、採算性に疑問があ
る。アザ糖のヒドロキサム酸誘導体を用いたメタロプロテアーゼ阻害化合物
の創製は、興味あるアプローチであり、酵素基質結合部位と阻害物質の 3 次
元ドッキングスタディの研究材料としては価値が認められる。しかしメタロ
プロテアーゼ阻害物質の選択性を高める基本骨格材料としては、アザ糖は必
ずしも適当ではない。事実、阻害活性が極めて高い物質が得られているが、
その選択性は低く、プロフィールは第一世代のマトリックスメタロプロテア
ーゼといわれた化合物に近い。外用薬としての特性に重点が置かれているが、
合成ステップが多く、コストパーフォマンスを考慮すると、微生物由来産物
を出発化合物か中間体として利用しないと、医薬品としての実用化は難しい
であろう。
● インフルエンザウイルス防除マスクなど実用化の可能性に疑問点の残るもの
もある。
● コンピューターによる機能解析や阻害剤の分子設計については、手法として
1-18
の特徴が見えず、新しい創製技術としての評価はむずかしい。
● オリゴ糖のコンピューターを用いた分子設計に関しては、目標との関連性を
さらに具体化することにより、さらに効率の良いシステムが構築できるので
はないか。
<その他の意見>
• 研究開発成果としてあがりながら、実用化、事業化の見通しがたっていない
項目がある。できるだけ、情報公開・提供を行い、共同研究企業やライセン
ス先の確保を行い、実用化を拡大していただきたい。
• 実用化に近いものと更なる技術開発が必要なものがあり、後者に関しては、
新規な NEDO プロジェクトを立ち上げることの必要性が感じられる。
• 米国などの状況を鑑みて、本プロジェクトの成果をふまえて、糖鎖医薬設計、
機能ライブラリーの構築、創製されたグリコクラスターの実用化を念頭に置
いた次のプロジェクトの早急な設置を期待したい。
• 球状糖鎖であるデンドリマー型糖鎖クラスターの合成技術は高く評価される
が、ナノテクノロジーへの応用はできないか、一考に値すると思う。
1-19
3.評点結果
2.8
1.事業の位置付け・必要性
2.7
2.研究開発マネジメント
2.8
3.研究開発成果
2.3
4.実用化、事業化の見通し
0.0
1.0
2.0
3.0
平均値
評価項目
平均値
素点(注)
1.事業の位置付け・必要性について
2.8
A
A
A
A
A
B
2.研究開発マネジメントについて
2.7
A
A
A
A
B
B
3.研究開発成果について
2.8
A
A
A
A
B
A
4.実用化、事業化の見通しについて
2.3
A
B
B
B
A
B
(注)A=3,B=2,C=1,D=0 として事務局が数値に換算し、平均値を算出。
<判定基準>
(1) 事業の位置付け・必要性について
(3)研究開発成果について
・非常に重要
・重要
・概ね妥当
・妥当性がない、又は失われた
・非常によい
・よい
・概ね妥当
・妥当とはいえない
→A
→B
→C
→D
(2)研究開発マネジメントについて
・非常によい
・よい
・概ね適切
・適切とはいえない
→A
→B
→C
→D
(4)実用化、事業化の見通しについて
→A
→B
→C
→D
・明確に実現可能なプランあり →A
・実現可能なプランあり
→B
・概ね実現可能なプランあり
→C
・見通しが不明
→D
1-20
第2章
評価対象プロジェクト
1.事業原簿
次ページに当該事業の推進部及び研究実施者から提出された事業原簿を示す。
2-1
「機能性糖鎖複合材料創製技術開発」
事業原簿
担当部
独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
バイオテクノロジー・医療技術開発部
事業原簿
「機能性糖鎖複合材料創製技術開発」
−目次−
概 要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ⅰ ∼ ⅴ
基本計画
Ⅰ . 事 業 の 位 置 付 け ・ 必 要 性 に つ い て ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1
1 . NEDO の 関 与 の 必 要 性 ・ 制 度 へ の 適 合 性 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1
1.1
NEDO が 関 与 す る こ と の 意 義 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1
1.2
実 施 の 効 果 (費 用 対 効 ) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1
2 . 事 業 の 背 景 ・ 目 的 ・ 位 置 付 け ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3
Ⅱ.研究開発マネジメントについて
1 . 事 業 の 目 標 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5
2 . 事 業 の 計 画 内 容 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6
2.1
研 究 開 発 の 内 容 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6
2.2
研 究 開 発 の 実 施 体 制 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10
2.3
研 究 の 運 営 管 理 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 12
3 . 情 勢 変 化 へ の 対 応 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 17
4 . 中 間 評 価 へ の 対 応 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 17
5 . 評 価 に 対 す る 事 項 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 18
Ⅲ.研究開発成果について
1 . 事 業 全 体 の 成 果 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 19
2 . 研 究 開 発 項 目 毎 の 成 果 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 20
Ⅳ.
実 用 化 、 事 業 化 の 見 通 し に つ い て ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 45
別紙
特許・論文・新聞発表
別紙
用語集
2004.11.22
作成日
制度・プログラム名
事 業 ( プロジェクト名 )
担当推進部室/担当
健 康 維 持・増 進 の た め の バ イ オ テ ク ノ ロ ジ ー 基 盤 研 究 プ ロ グ ラ ム
糖 鎖 エ ン ジ ニ ア リ ン グ /機 能 性 糖 鎖 複 合 材 料
P03031
PJ コ ー ド
創製技術開発
バイオテクノロジー・医療技術開発部
主査
原
謙治
者
高度な機能を持った複雑な糖鎖を効率的に合成する技術を開発
事業の概要
し 、糖 鎖 の 分 子 密 度 、配 向 性 等 を 制 御 し た 新 た な グ リ コ ク ラ ス タ
ー 機 能 性 複 合 材 料 創 製 技 術 の 基 盤 技 術 を 開 発 す る 。そ れ ら を 基 に
新規産業の創出を目指す。
グリコクラスターを制御しながら生体分子を合成する技術開発
は 、基 盤 技 術 開 発 で あ り 、そ の コ ア と な る 技 術 シ ー ズ が 大 学 に 偏
在 す る こ と や 技 術 的 ハ ー ド ル の 高 さ か ら 、多 大 な リ ス ク を 伴 う も
Ⅰ.事業の目的・政
の で あ り 長 期 的 か つ 大 規 模 の 研 究 開 発 投 資 が 必 要 で あ る の で 、国
政策的位置付けにつ
の 主 導 の も と 、国 の 資 金 に よ り 産 学 官 の そ れ ぞ れ の 特 長 を 持 ち 寄
いて
っ て 研 究 開 発 を 進 め る こ と が 有 効 か つ 必 要 で あ る 。ま た 、我 が 国
の糖鎖研究は世界のトップクラスにある数少ない研究領域であ
る 。こ の よ う な 日 本 の 優 位 性 を 維 持 す る た め に も 国 の 積 極 的 な 関
与が必要である。
2.研究開発マネジメントについて
水溶性高分子担体と固定化糖転移酵素を用いた糖鎖自動合成装
置 の 開 発 と 新 触 媒 等 に よ る 新 合 成 技 術 の 開 発 に 基 づ き 、再 利 用 可
能 な 至 適 金 属 酸 化 物・固 体 超 強 酸 に よ る 無 溶 媒 、無 保 護 基 に よ る
糖質及び多糖の合成法を確立する。
事業の目標
複 合 材 料 創 製 技 術 と し て 、機 能 性 糖 鎖 構 造 予 測 技 術 の 開 発 と 糖 鎖
のトポロジーを制御したウィルス感染阻害剤の開発及び糖鎖の
分 子 集 合 状 態 を 高 度 に 制 御 す る 技 術 を 確 立 し て 、バ イ オ セ ン サ ー
やバイオチップ等の新規なナノバイオテクノロジー素材等の実
用化を目標とする。
事業計画の内容
主な実施事項
H 11 f y
H12fy
H13fy
H14fy
H15fy
1. 酵 素 に よ る 糖 鎖
自動合成技術の開
発
2. 新 触 媒 等 に よ る
糖鎖新合成技術の
開発
i
3. 糖 鎖 構 造 予 測 技
術の開発
4. グ リ コ ク ラ ス タ
ー複合材料創製技
術の開発
(単位:百万円)
H 11 f y
H12fy
H13fy
H14fy
H15fy
総額
(当 初 )
130
106
96
−
284
616
(実 績 )
0
93
93
−
284
470
特別会計
(当 初 )
131
139
184
139
−
593
(石油)
(実 績 )
119
126
159
139
−
543
特別会計
(当 初 )
215
217
166
216
−
814
(エネ高)
(実 績 )
194
189
143
216
−
742
総予算額
(当 初 )
476
462
446
355
284
2,023
(実 績 )
313
408
395
355
284
1,755
一般会計
開発予算
経済産業省担当原課
運営機関
運営管理方法
経済産業省製造産業局生物化学産業課
独立行政法人
新エネルギー・産業技術総
合開発機構
集中研・集中管理方式
北海道大学大学院理学研究科教授
プロジェクトリーダー
西村紳一朗
開発体制
委託先
(参 加 企 業 )
再委託先
財団法人バイオインダストリー協会
北 海 道 電 力 ( 株 )、 東 洋 紡 ( 株 )、 カ ネ ボ ウ
(株 )、 日 本 オ ル ガ ノ ン (株 )
埼玉大学、関西大学、帝京科学大学、大阪
大 学( H14 年 度 ま で )、
( 財 )野 口 研 究 所( H14
年 度 ま で )、 明 治 薬 科 大 学 ( H13 年 度 か ら
H14 年 度 ま で )、 国 立 が ん セ ン タ ー ( H12
年 度 ま で )、 創 価 大 学 ( H12 年 度 ま で )
共同研究先
北海道大学大学院理学研究科
ii
欧米において糖鎖研究の重要性が認識され始めるなど、世界
的にも競争が激化しだした。2001年10月、米国立衛生
研 究 所 ( N I H ) は 、「 フ ァ ン ク シ ョ ナ ル ・ グ ラ イ コ ミ ク ス ・
コンソーシアム」という国際的な糖鎖関連研究組織に5年間
で3400万ドルの研究助成金を出すことを決めている。そ
のような中で、糖鎖関連研究における我が国の先行性・優位
情勢変化への対
性をより一層確実なものにする必要が迫られている。本研究
応
開発は平成11年度よりグリコクラスタープロジェクトとし
て始まったが、平成15年度より糖鎖自動合成装置に関して
は NEDO の 糖 鎖 エ ン ジ ニ ア リ ン グ プ ロ ジ ェ ク ト に 組 み 込 ま れ
展開研究に移行した。従って、本プロジェクトは中間評価以
降「糖鎖及びグリコクラスターの効率的合成技術の開発」及
び「機能性グリコクラスター複合材料創製技術の開発」とい
う大きな2つの項目を中心に研究を加速した。
現時点で実用化研究を行っているのは、糖鎖自動合成装置の
開発、ガラクトシルセラミド誘導体の化粧品素材への開発、
今後の事業の
アザ糖誘導体の乾癬治療薬の開発である。キトサン誘導体を
方向性
用いたインフルエンザ予防マスクの開発、不糖糖タンパク質
を用いた臓器保存剤の開発、乳酸菌の経口ワクチンなどにつ
いても実用化の可能性が大いにある
3. 研 究 開 発 成 果
研究開発項目 1
「糖鎖及びグリコクラスターの効率的合成技術の開発」
1. 酵 素 に よ る 自 動 合 成 技 術 の 開 発
本技術開発は平成14年度に終了しているが、平成15年度より開始された
「 糖 鎖 構 造 解 析 技 術 開 発 」 プ ロ ジ ェ ク ト に お い て 、「 糖 鎖 ・ 糖 鎖 複 合 体 合 成 技 術
の 開 発 」と い う 研 究 開 発 項 目 で 、糖 タ ン パ ク 質 ・ 糖 ペ プ チ ド 自 動 合 成 装 置 と し て
さらに展開研究が進行している。
2. 新 触 媒 等 に よ る 新 合 成 技 術 の 開 発
大 き く 以 下 の 2 つ の テ ー マ で 研 究 を す す め た 。超 臨 界 二 酸 化 炭 素 中 で 、再 利 用
が 可 能 な 固 体 超 強 酸 を 用 い る こ と で 有 機 溶 媒 を 使 う こ と の な い 、環 境 適 応 型 の 糖
鎖 合 成 法 を 構 築 し た 。ま た 今 ま で は 困 難 で あ っ た 規 則 配 列 型 糖 ペ プ チ ド の 合 成 法
を 確 立 で き た こ と で 、機 能 性 糖 タ ン パ ク 質( 例 え ば 不 凍 糖 タ ン パ ク 質 )の 新 し い
機能を見出すことに成功した。
A. 固 体 超 強 酸 触 媒 に よ る グ リ コ シ ド 及 び 糖 鎖 の 合 成 技 術 の 開 発
B. 高 機 能 性 縮 合 反 応 を 用 い る 規 則 配 列 型 糖 ペ プ チ ド 合 成 技 術 の 開 発
研究開発項目 2
「機能性グリコクラスター複合材料創製技術の開発」
1.糖鎖構造予測技術の開発
iii
タ ン パ ク 質 と の 糖 鎖 誘 導 体( 阻 害 剤 )と の 結 合 を コ ン ピ ュ ー タ ー で ス ク リ ー ニ
ン グ す る 手 法 を 構 築 し 、新 し い 薬 剤 の 発 見 に つ な げ る こ と を 目 的 と し て い る 。メ
タ ロ プ ロ テ ア ー ゼ 阻 害 剤 を デ ザ イ ン し 、実 際 に そ れ ら の 誘 導 体 を 合 成 、ア ッ セ イ
す る こ と で そ れ ら の 妥 当 性 を 検 討 し た 。そ の 結 果 、非 常 に 選 択 的 に 目 的 の プ ロ テ
ア ー ゼ だ け を 阻 害 で き る 誘 導 体 を 見 出 し た 。 さ ら に VCD に よ る 新 し い 糖 鎖 構 造
決 定 法 の 確 立 、 NMR に よ る 糖 ペ プ チ ド の 構 造 決 定 ま で 行 い 、 ほ ぼ 当 初 の 目 的 を
達成した。
A. バ ー チ ャ ル ス ク リ ー ニ ン グ シ ス テ ム の 構 築 と 糖 転 移 酵 素 の 阻 害 に 関 す る 研 究
B. VCD ス ペ ク ト ル と 分 子 軌 道 法 を 用 い た 糖 鎖 構 造 決 定 技 術 の 開 発
C. ア ザ 糖 を 基 本 骨 格 と し た メ タ ロ プ ロ テ ア ー ゼ 阻 害 剤 の 開 発 研 究
D. 核 磁 気 共 鳴 法 を 用 い た 糖 ペ プ チ ド の 構 造 解 析 の 自 動 化 技 術 開 発
2.グリコクラスター複合材料創製技術の開発
多 様 な グ リ コ ク ラ ス タ ー 複 合 材 料 の 創 製 技 術( 下 記 A∼ H)を 確 立 し た 。特 に イ
ン ス リ ン へ の ク ラ ス タ ー 糖 鎖 導 入 に 成 功 し 、新 た な 汎 用 性 の 高 い 糖 タ ン パ ク 医 薬
の 合 成 法 を 見 出 し た 。ま た バ ク テ リ ア の 表 層 と い う 生 き た 生 物 そ の も の へ の ク ラ
スター糖鎖の提示法を確立し、今後の応用の広い技術を生み出した。
さ ら に 、新 機 能 を 有 す る グ リ コ ク ラ ス タ ー 材 料 ・ 素 材 の 開 発 研 究 、特 に 材 料 と
い う 観 点 か ら 、 実 用 性 の 高 い グ リ コ ク ラ ス タ ー 素 材 の 研 究 開 発 ( 下 記 I∼ L) を
実 施 し た 。例 え ば 本 研 究 成 果 で あ る イ ン フ ル エ ン ザ ウ イ ル ス を 捕 捉 で き る キ ト サ
ン 繊 維 は 、マ ス ク な ど の 日 常 品 に す ぐ に 利 用 で き る 材 料 と し て 現 在 、実 用 化 が 検
討 さ れ て い る 。ま た 化 粧 品 と し て の セ ラ ミ ド の 大 量 合 成 法 な ど に も 成 功 し 、当 初
の目的をクリアーしたと判断できる。
A. 特 異 的 糖 鎖 ク ラ ス タ ー 導 入 技 術 に よ る 糖 タ ン パ ク 医 薬 開 発
B. シ ク ロ デ キ ス ト リ ン を 鍵 化 合 物 と す る 糖 鎖 ク ラ ス タ ー の 構 築
C. バ ク テ リ ア 表 層 に お け る 糖 鎖 ク ラ ス タ ー 化
D. 免 疫 制 御 活 性 物 質 の 評 価 技 術 の 開 発
E. 重 合 性 糖 鎖 脂 質 の 二 次 元 高 分 子 化 技 術 の 開 発
F. デ ン ド リ マ ー 型 糖 鎖 ク ラ ス タ ー 構 築 技 術 の 開 発 (埼 玉 大 学 工 学 部
G. デ ン ド リ マ ー 型 エ イ ズ ワ ク チ ン の 合 成 開 発 (帝 京 科 学 大 学
松岡浩司)
瓜生敏之)
H. 炭 素 源 の 化 学 構 造 に よ る バ ク テ リ ア 多 糖 の 特 性 制 御 (関 西 大 学
戸倉)
I. 皮 膚 糖 タ ン パ ク 質 の 糖 鎖 構 造 解 析
J. グ リ コ ク ラ ス タ ー 利 用 化 粧 品 素 材 の 技 術 開 発
K. 高 機 能 性 糖 鎖 ク ラ ス タ ー 繊 維 の 開 発
L. 機 能 性 分 子 ヒ ア ル ロ ン 酸 の 効 率 的 合 成 方 法 の 確 立
論文発表
115 件
新聞発表
55 件
特許出願
65 件 (海 外 12 件 )
iv
4.実用化、事業化の見通し
a.「 糖 鎖 自 動 合 成 装 置 」
糖 鎖 自 動 合 成 装 置 に つ い て は 、引 き 続 き NEDO の 糖 鎖 エ ン ジ ニ ア リ ン グ プ ロ ジ
ェクトにて現在実用化に向けてさらに開発を続けている。
b.「 グ リ コ ク ラ ス タ ー 利 用 化 粧 品 素 材 」
本 事 業 で 開 発 さ れ た Gal-Ser-diamide は 、現 在 ス キ ン ケ ア 化 粧 品 へ の 開 発 に 向
け ヒ ト で の 評 価 検 討 を 続 け て お り 、今 後 は 、新 規 機 能 性 素 材 と し て の 商 品 化 を 目
指す予定になっている。
c.「 イ ン フ ル エ ン ザ ウ イ ル ス 防 除 マ ス ク ・ フ ィ ル タ ー 開 発 」
現 在 、本 研 究 で 開 発 さ れ た グ リ コ ク ラ ス タ ー 複 合 材 料 の 一 つ で あ る 糖 鎖 キ ト サ
ン コ ン ジ ュ ゲ ー ト は 、イ ン フ ル エ ン ザ ウ イ ル ス 防 除 マ ス ク ・ フ ィ ル タ ー と し て 実
用化研究が進められている。
d.「 ア ザ 糖 を 基 本 骨 格 と し た 乾 癬 の 治 療 薬 」
糖 鎖 誘 導 体 乾 癬 治 療 薬 と し て 開 発 さ れ た ア ザ 糖 誘 導 体 は 、実 用 化 に 向 け た 検 討
が製薬企業において進められている。
e.「 不 凍 糖 タ ン パ ク 質 に よ る 臓 器 保 存 剤 の 開 発 」
本 研 究 の 成 果 を 基 に 、合 成 不 凍 糖 タ ン パ ク 質 の 生 理 機 能 を 活 用 し て 新 規 臓 器 保
存剤及び新規細胞保存剤の実用化研究開発が進められている。
f.「 バ ク テ リ ア 表 層 改 変 技 術 に よ る 乳 酸 菌 ワ ク チ ン の 開 発 」
本 研 究 開 発 の 成 果 は 、(株 )塩 野 義 製 薬 や (株 )ヤ マ サ 醤 油 と い っ た 企 業 か ら の 特
許 出 願 に つ な が り 、実 用 化 に む け て 現 在 、よ り 詳 細 な バ イ オ ア ッ セ イ な ど が 行 わ
れている。
g.「 グ リ コ ク ラ ス タ ー 導 入 イ ン ス リ ン の 開 発 」
(株 )塩 野 義 製 薬 に お い て 大 量 合 成 法 が 検 討 さ れ て お り 、新 し い タ ン パ ク 製 剤 と
して今後様々な臨床試験に進められる予定である。
5.評価に関する事項
6.
評価履歴
中間評価
平成13年度実施
評価予定
事後評価
平成16年度実施予定
基本計画に関する事項
作成時期
平 成 11 年 3 月
制定
変更時期
平 成 11 年 9 月
変 更 、平 成 14 年 3 月 変 更 、平 成 15 年 3 月
変
更
v
平 成 15・01・23産局第4号
平成15年1月27日
健康維持・増進のためのバイオテクノロジー基盤研究プログラム
基本計画
1.目的
今後急速な高齢化を迎える我が国において高齢者が健康で安心して暮らせる社会を実現す
るため、遺伝子やタンパク質などの生体分子の機能・構造解析等を行うとともに、その成果
を高度に活用するための情報基盤の整備を行うことにより、テーラーメイド医療・予防医療
の実現や画期的な新薬の開発を目指し、健康維持・増進に係る新しい産業の創出につなげる。
2.政策的位置付け
科学技術基本計画(2001年3月閣議決定)における国家的・社会的課題に対応した研
究開発の重点化分野であるライフサイエンス分野、分野別推進戦略(2001年9月総合科
学技術会議)における重点分野であるライフサイエンス分野に位置づけられるものである。
また、産業技術戦略(2000年4月工業技術院)における社会ニーズ(高齢社会におけ
る安心・安全で質の高い生活の実現)への対応、革新的、基盤的技術(バイオテクノロ
ジー)の涵養、知的な基盤の整備への対応を図るものである。
さらに、バイオテクノロジー戦略大綱(2002年12月閣議決定)において実現が期待
される健康と長寿の達成(よりよく生きる)に対応 し、
「産業発掘戦略−技術革新」(
「経済
財政運営と構造改革に関する基本方針2002」(2002年6月閣議決定)に基づき20
02年12月取りまとめ)の健康・バイオテクノロジー分野における3つの戦略目標(「研
究開発の圧倒的充実」
、
「産業プロセスの抜本的強化」及び「国民理解の徹底的浸透」
)に対
応するものである。
3.目標
2004年度を目標に、痴呆、ガン、糖尿病、高血圧等の高齢者の主要な疾患の遺伝子解
明に基づくテーラーメイド医療の実現、画期的な新薬開発への着手に寄与するとともに、バ
イオテクノロジーの応用によって幅広い分野における新しい産業の創出につなげる。さらに、
2006年度を目標に、バイオツール、バイオインフォマティクス等の分野において研究成
果の実用化を図り、我が国の医療・健康に係る産業の競争力向上につなげる。
4.研究開発内容
【プロジェクト】
Ⅰ.タンパク質機能・構造解析
(1)タンパク質機能解析
① 概要
テーラーメイド医療の為の画期的な創薬方法となるゲノム創薬に向けて、我が国
が競争優位を持つヒト完全長 cDNA を活用した遺伝子やタンパク質の機能解析を行
う。
②技術目標及び達成時期
2004年度までに我が国が競争優位をもつヒト完全長 cDNA クローン3万個及
び、その獲得のためにこれまで蓄積してきた cDNA クローンから得られるスプライ
シング・バリアント(Splicing Variant)等をリソースとして可能な限りの遺伝子・
タンパク質の機能解析を目指し、タンパク質の発現基盤の整備、網羅的な発現頻度
情報の取得及び、機能解析に係る技術開発や開発技術を用いた生物情報の取得を実
施する。
③ 研究開発期間
2000年度∼2002年度
④ 中間・事後評価の実施時期
ミレニアムプロジェクトの評価・助言会議において毎年度評価を実施。
なお、本事業の成果全般については、
「タンパク質機能解析・活用プロジェクト
(フォーカス21)
」において活用されることとなるため、本事業の事後評価は当該
事業の事後評価において併せて実施。
⑤ 実施形態
民間企業、大学、公的研究機関等から、最適な研究体制を構築し実施。
(2)タンパク質発現・相互作用解析技術開発
① 概要
生体内で実際の生命活動の基本となるタンパク質の発現や相互作用を解析するた
めに、我が国が有する超微細加工技術や光計測技術を活用することにより、タンパ
ク質の発現を一度に迅速に分離し解析できるチップ(タンパク質チップ)や細胞内
のタンパク質の発現等を高感度で検出することが可能な手法等のツール開発を行う。
② 技術目標及び達成時期
2004年度までにタンパク質チップを開発し、それにより、生体内のタンパク
質を分類、同定することを可能とする。
③ 研究開発期間
1999年度∼2002年度
④ 中間・事後評価の実施時期
中間評価を2002年度に実施。
なお、本事業の成果全般については、
「タンパク質相互作用解析ナノバイオチップ
プロジェクト(フォーカス21)
」において活用されることとなるため、本事業の事
後評価は当該事業の事後評価において併せて実施。
⑤ 実施形態
民間企業、大学、公的研究機関等から、最適な研究体制を構築し実施。
(3)生体高分子立体構造情報解析
① 概要
膜タンパク質を主たるターゲットとして、解析すべき膜タンパク質等の試料取得
手法の確立及び電子顕微鏡、X線及びNMR(核磁気共鳴装置)を用いた構造解析
技術を確立する。併せて高精度モデリング技術、シミュレーション技術の開発を進
め、高度情報技術を用いて精緻な構造情報の解析手法を確立する。また、これらの
技術等を用いて、膜タンパク質やその複合体、さらにヒト完全長 cDNA クローンか
ら得られる有用タンパク質の構造解析を実施する。
② 技術目標及び達成時期
2006年度までに、従来構造決定が困難であった膜タンパク質に係る構造解析
手法を確立するとともに、数個の膜タンパク質の構造決定を実施する。また膜タン
パク質及びその複合体、さらにヒト完全長 cDNA クローンから得られる有用タンパ
ク質の構造解析を実施する。
③ 研究開発期間
2002年度∼2006年度
④ 中間・事後評価の実施時期
中間評価を2004年度に、事後評価を2007年度に実施。
⑤ 実施形態
民間企業、大学、公的研究機関等から、最適な研究体制を構築し実施。
(4)細胞内ネットワークのダイナミズム解析技術開発
① 概要
ポストゲノムシーケンス研究の時代を迎え生命活動をより深く知るために、時々
刻々と変化する細胞内での各種生体分子の時間的・空間的な挙動を解析するための
ツールを開発し、情報伝達や代謝、発生過程等のダイナミズムを解析し、細胞内
ネットワークの解明を図る。
② 技術目標及び達成時期
2006年度までに、これまで解析が不可能であった生体分子の時間的・空間的
な動的挙動を同時解析する手法・装置を開発する。
③研究開発期間
2002年度∼2006年度
④ 中間・事後評価の実施時期
中間評価を2004年度に、事後評価を2007年度に実施。
⑤ 実施形態
民間企業、大学、公的研究機関等から、最適な研究体制を構築し実施。
(5)タンパク質機能解析・活用プロジェクト(フォーカス21)
①概要
タンパク質の網羅的発現、発現頻度や相互作用解析等によるタンパク質の機能解
析を行い、機能情報データ等の蓄積による知的基盤を整備する。また、網羅的発現
系から産生するヒトタンパク質の利用、発現頻度・相互作用情報及び細胞レベルで
の機能等の解析システムの開発を行う。
②技術目標及び達成時期
2005年度までに、我が国が競争優位をもつヒト完全長cDNAクローン3万個及
び、その獲得のためにこれまで蓄積してきたcDNAクローンから得られるスプライシ
ング・バリアント(Splicing Variant )1万個等をリソースとして可能な限りの遺伝
子・タンパク質の機能解析を目指し、タンパク質の発現基盤の整備、発現頻度・相
互作用情報の取得及びそれらに係る技術開発を実施する。
③研究開発期間
2003年度∼2005年度
④事後評価の実施時期
事後評価を2006年度に実施。
⑤実施形態
民間企業、大学、公的研究機関等から、最適な研究体制を構築し実施。
Ⅱ.糖鎖機能・構造解析
(1)糖鎖合成関連遺伝子ライブラリー構築
① 概要
生体内で作用しているタンパク質は通常、周りに糖鎖が付着した糖タンパク質で
あり、糖鎖は抗原抗体反応やガン化のメカニズムなどで重要な機能を担っている。
このタンパク質に高度で複雑な機能を付与する糖鎖の合成に必要なヒト糖鎖合成関
連遺伝子を網羅的にクローニングするとともに、機能解析を行うことによって糖鎖
機能利用技術の開発を進める上での基盤となるデータベースを構築する。
②技術目標及び達成時期
2003年度までに約300個の糖鎖合成関連遺伝子をクローニングし、その機
能解析を行うとともに、利用技術開発に資する糖鎖合成関連遺伝子ライブラリーお
よびその機能データベースを完成させる。
③ 研究開発期間
2000年度∼2002年度
④ 事後評価の実施時期
本事業の成果全般については、
「糖鎖エンジニアリングプロジェクト(フォーカス
21)
」において活用されることとなるため、本事業の事後評価は当該事業の事後評
価において併せて実施。
⑤ 実施形態
民間企業、大学、公的研究機関等から、最適な研究体制を構築し実施。
(2)糖鎖エンジニアリングプロジェクト(フォーカス21)
① 概要
糖鎖合成関連遺伝子の取得を着実に進め、糖鎖自動合成装置及び糖鎖構造解析シ
ステムを世界に先駆けて実用化するとともに、糖鎖機能を用いた機能性複合材料の
創成に関する技術開発を行う。
②技術目標及び達成時期
2005年度までに、糖鎖機能の産業応用研究に必要な、糖鎖自動合成装置及び
糖鎖構造解析システムを実用化するとともに、糖鎖合成関連遺伝子を網羅的に取得
する。
③研究開発期間
2002年度∼2005年度
④中間・事後評価の実施時期
事後評価を2006年度に実施。
⑤実施形態
民間企業、大学、公的研究機関等から、最適な研究体制を構築し実施。
Ⅲ.バイオインフォマティクス
(1)バイオインフォマティクス知的基盤整備
① 概要
ヒトゲノム解読の進展など、バイオ関連の情報の著しい増大を背景に、そのデー
タを有効活用して新たな研究フロンティアの開拓や産業化を推進することが重要で
ある。このため、各種データベースやソフトウェア資産を対象に、基礎研究や産業
化に活かすための情報基盤を整備する。具体的には、国内外に分散するデータベー
スや、ミレニアム・プロジェクトの成果、ヒトゲノム情報といった膨大なデータを、
お互いに関連付けるアノテーション(付加情報の追加)をした上で統合的にまとめ、
産業/研究用に効果的かつ効率的に利用することのできるような検索・解析機能等
を備えた統合データベースの構築を行う。
② 技術目標及び達成時期
2004年度までに、ミレニアム・プロジェクトの成果及び国内外の主要データ
ベースを統合的に活用できるネットワークシステムを構築する。さらに、データ
ベース間の相互運用性を確保するとともに、独自の付加価値情報やソフトウェア機
能の充実により、容易にゲノム配列等の基本情報からタンパク質立体構造のデータ
や、遺伝子発現情報、疾患を含む遺伝子機能の情報を一括して検索・解析できるシ
ステムを完成させる。
③ 研究開発期間
2000年度∼2004年度
④ 中間・事後評価の実施時期
ミレニアム・ゲノム・プロジェクトの評価助言会議にて、評価を毎年度実施し、
また、中間評価を2002年度に実施。
⑤ 実施形態
民間企業、大学、公的研究機関等から、最適な研究体制を構築し実施。
(2)遺伝子多様性モデル解析技術開発
① 概要
疾患の原因と思われる関連遺伝子を特定するには、マイクロサテライト(塩基対の
反復配列)やSNPs(1塩基多型)等の遺伝子多型情報等の解析を行うことが有効
であり、このために必要な高度の統計的手法と遺伝学の知識を融合させた分野(遺伝
統計学)の技術開発(プロトコル、アルゴリズム、ソフトウェア等)を行う。
② 技術目標及び達成時期
2005年度までに、モデル疾患関連情報データベースを構築するとともに、各
種遺伝統計学的手法を用い、全ゲノム上から疾患関連遺伝子や薬剤感受性遺伝子を
探索できる解析ソフトウェアの開発を行う。
③ 研究開発期間
2000年度∼2005年度
④ 中間・事後評価の実施時期
中間評価を2003年度に、事後評価を2006年度に実施。
⑤ 実施形態
民間企業、大学、公的研究機関等から、最適な研究体制を構築し実施。
Ⅳ.融合領域(情報技術との融合)
(1)バイオ・IT融合機器開発プロジェクト(フォーカス21)
①概要
DNA、タンパク質等の解析に用いられる超高速DNAシーケンサーやタンパク
質自動解析装置、次世代生体情報計測機器等、超高速・高精度な機器やソフトウエ
アを含んだシステムを構築し、膨大かつ複雑な生命・臨床情報を解析・活用するシ
ステム等を開発する。
②技術目標及び達成時期
2005年度までに、我が国が得意とする情報・機器技術やバイオ技術を結集し
て、従来型の機器のダウンサイジング、PCR(DNA の増幅手法)や電気泳動、 MS
(質量分析器)の連動等による自動化、生体情報計測の無侵襲化等を達成し、画期
的なバイオ研究用機器、試薬、診断機器等を開発する。併せてそれらの機器から得
られるデータの処理のためのソフトウエア等の開発を行う。
③研究開発期間
2002年度∼2005年度
④事後評価の実施時期
事後評価を2006年度に実施。
⑤実施形態
民間企業、大学、公的研究機関等から、最適な研究体制を構築し実施。
Ⅴ.融合領域(ナノテクノロジーとの融合:ナノバイオテクノロジープロジェクト)
(1)先進ナノバイオデバイスプロジェクト(フォーカス21)
①概要
ナノ材料の開発、ナノ微細加工技術及びナノ流動エンジニアリング技術の活用に
より、少量試料・短時間 ・同時多項目の分析を可能にする超小型マルチセンサーや
1分子DNA計測システムなどを可能とするナノバイオデバイスを開発し、分析機
器の革新的な高速化や高感度化、低価格化等を図る。
②技術目標及び達成時期
2005年度までに、超小型マルチセンサーや1分子DNA計測システム等解析
機器の実用化のための、各種構成ユニットを開発する。
③研究開発期間
2003年度∼2005年度
④事後評価の実施時期
事後評価を2006年度に実施。
⑤実施形態
民間企業、大学、公的研究機関等から、最適な研究体制を構築し実施。
(2)ナノ微粒子利用スクリーニングプロジェクト(フォーカス21)
①概要
ナノ微粒子を用いて、莫大なタンパク質や化学物質の中から産業上有用な物質を
高速・高度に選別する技術を開発するとともに、スクリーニング技術のロボット化
や選別物質の情報処理により、画期的な新薬開発や診断・治療等への応用につなが
る基盤を作る。
②技術目標及び達成時期
2005年度までに、磁性等の特性を有する高機能・高性能なナノ微粒子の構築
技術を開発するとともに、本微粒子を活用したスクリーニングシステムを開発する。
③研究開発期間
2003年度∼2005年度
④事後評価の実施時期
事後評価を2006年度に実施。
⑤実施形態
民間企業、大学、公的研究機関等から最適な研究体制を構築し実施。
(3)タンパク質相互作用解析ナノバイオチッププロジェクト(フォーカス21)
①概要
超微細加工技術や光るウイルスの作製技術など、ナノテクノロジーのバイオテク
ノロジーへの活用により、機能を保持した形でタンパク質を発現したウイルスを用
いて、高速・高感度なタンパク質相互作用解析を可能とするタンパク質チップを作
成する。
②技術目標及び達成時期
2005年度までに、高速、高感度なタンパク質相互作用解析を可能とするため、
機能を保持した形で発現したタンパク質を用い、ナノバイオチップを作成する。
③研究開発期間
2003年度∼2005年度
④事後評価の実施時期
事後評価を2006年度に実施。
⑤実施形態
民間企業、大学、公的研究機関等から、最適な研究体制を構築し実施。
(4)ナノカプセル型人工酸素運搬体製造プロジェクト(フォーカス21)
①概要
ナノテクノロジーを用いることにより、鮮度との関係で2割近くが期限切れによ
り処分されている血液の有効成分を活用し、長期間保存可能で、誤った血液型の輸
血や、輸血によるウィルス感染の心配のない人工酸素運搬体(人工赤血球)の製造
技術を開発する。
②技術目標及び達成時期
2005年度までに、人工酸素運搬体の製造技術を確立する。
③研究開発期間
2003年度∼2005年度
④事後評価の実施時期
事後評価を2006年度に実施。
⑤実施形態
民間企業、大学、公的研究機関等から、最適な研究体制を構築し実施。
(5)微細加工技術利用細胞組織製造プロジェクト(フォーカス21)
①概要
近年、重要性の増している再生医療の実用化に向け、移植用細胞・組織を臨床現
場へ安定的に供給するため、ナノテクノロジーを活用し、ヒト幹細胞の増殖・分化
過程を遺伝子レベルで人為的に制御・培養する技術及び装置等の基盤技術を確立す
る。
②技術目標及び達成時期
2005年度までに、心筋細胞及び中枢神経細胞を対象に、再生医療を支援する
ために必要となる技術を確立する。
③研究開発期間
2003年度∼2005年度
④事後評価の実施時期
事後評価を2006年度に実施。
⑤実施形態
民間企業、大学、公的研究機関等から、最適な研究体制を構築し実施。
5.研究開発の実施に当たっての留意事項
【フォーカス21の成果の実用化の推進】
フォーカス21は、研究開発成果を迅速に事業に結び付け、産業競争力強化に直結させ
るため、次の要件の下で実施する。
・ 技術的革新性により競争力を強化できること。
・ 研究開発成果を新たな製品・サービスに結び付ける目途があること。
・ 比較的短期間で新たな市場が想定され、大きな成長と経済波及効果が期待できるこ
と。
・ 産業界も資金等の負担を行うことにより、市場化に向けた産業界の具体的な取組が
示されていること。
具体的には、成果の実用化に向けた、実施者による以下のような取組を求める。
・ タンパク質機能解析・活用プロジェクト
タンパク質の大量発現技術開発、発現頻度解析及び相互作用解析等のツール開
発を同時並行的に実施し、早期実用化を図る。
・ 糖鎖エンジニアリングプロジェクト
糖鎖構造解析システム及び糖鎖合成システムの実用化のため、システム化、
ユーザーインターフェイスの開発及び標準データの蓄積等を同時並行的に実施し、
早期実用化を図る。
・ バイオ・IT融合機器開発プロジェクト
事業費の2分の1負担により、従来型の機器のダウンサイジング、PCR や電気
泳動、MS の連動等による自動化、生体情報計測の無侵襲化等を達成し、画期的な
バイオ研究用機器、試薬、診断機器等の実用化開発を行い、併せてそれらの機器
から得られるデータ処理のためのソフトウエア等の実用化開発を行う。
・ 先進ナノバイオデバイスプロジェクト
超小型マルチセンサーや1分子DNA計測システム等解析機器の開発を同時並
行的に実施し、早期実用化を図る。
・ ナノ微粒子利用スクリーニングプロジェクト
スクリーニング用ロボット等の開発を同時並行的に実施し、早期実用化を図る。
・ タンパク質相互作用解析ナノバイオチッププロジェクト
高速・高感度なタンパク質相互作用解析を可能とするナノバイオチップを同時並行的に
開発し、早期実用化を図る。
・ ナノカプセル型人工酸素運搬体プロジェクト
事業費の2分の1負担により、人工酸素運搬体の製造技術を確立する。また、
事業終了後、早期に人工酸素運搬体の実用レベルでの供給を図る。
・微細加工技術利用細胞組織製造プロジェクト
心筋細胞及び中枢神経細胞を対象に、臨床応用可能なレベルまで大量に目的の
細胞や組織をウイルスフリーで安全に安定供給できる自動培養装置等を同時並行
的に開発し、早期実用化を図る。
なお、適切な時期に、実用化・市場化状況等について検証する。
6.プログラムの期間、評価等
プログラムの期間は2000年度から2006年度までとし、プログラムの中間評
価を2004年度に、事後評価を2007年度に実施するとともに、研究開発以外の
ものについては2010年度に検証する。また、中間評価等を踏まえ、必要に応じ基
本計画の見直しを行う。
7.研究開発成果の政策上の活用
タンパク質機能解析、生体高分子立体構造情報解析を始め、得られたデータ等につい
ては、その成果をバイオインフォマティクス知的基盤整備で構築を実施する統合データ
ベースに納め、我が国の研究開発や産業化に有効に活用していくよう情報等の提供を行
う。
本プログラムにおける研究開発事業においては、事業実施先における特許の積極的な
取得を実施し、研究開発成果の効率的な産業利用に努める。
8.政策目標の実現に向けた環境整備
【他省庁との連携による生命倫理に関する研究推進とルール作り】
(1)バイオインダストリー安全確保対策(2000∼2004 年度)
バイオインダストリーの安全性を確保するため、これまで得られている知見を基に、
安全性関連データの整備、安全性評価手法の高度化に必要な事項の検討及びガイドライ
ンの作成を行う。
(2)バイオ事業化に伴う生命倫理問題等に関する研究(2002∼2006 年度)
バイオテクノロジーの実用化に際して、新たな技術に対する国民の理解と合意を得る
ため、新たな技術の産業化に伴って発生する、我が国の社会における様々な問題(個人
遺伝情報の漏洩による保険加入や雇用における差別の問題等)を、文献の収集、海外調
査等を行うことにより研究する。
また研究成果等を普及啓発するため、研究機関、NGO、民間企業等が行うシンポジ
ウム等、社会的受容(Public Acceptance)を高めるための活動(PA活動)を支援す
る。
【導入・普及促進策】
(1)プロパテントアプローチの導入
一段と激化する特許戦争への対応や成果実用化・効率的な研究開発推進のため、プロ
ジェクト企画段階から、研究テーマ周辺の論文及び特許状況のサーベイ実施やプロジェ
クト実施段階における特許出願後の事業化構想等、特許に関する戦略的取組(プロパテ
ントアプローチの導入)を2001年度から実施している。
(2)企業化の推進・ベンチャー企業への支援
バイオテクノロジー分野においては、ベンチャー企業は研究開発の成果を産業につな
げるプロモーターであり、イノベーションの牽引役として存在意義が特に大きい。
本プログラムにおける研究開発事業においては、可能な限りSBIR制度の導入等を
実施しベンチャー企業の活力を活用する等、企業活動の支援と活性化を図る。
(3)標準化の推進
バイオインフォマティクス分野では様々な情報を自在に組み合わせて利用できる環境
が必須であり、インターネットに公開されている情報資源の相互運用性が求められるこ
とから、バイオインフォマティクスの標準化を推進する。また、DNAやタンパク質等
の解析に係る手法・機器等について、必要に応じて標準化を推進する。
9.改訂履歴
(1)平成14年2月26日付け制定。
(2)平成15年1月27日付け制定。健康維持・増進のためのバイオテクノロジー基盤研
究プログラム基本計画(平成14・02・25産局第4号)は、廃止。
健康維持・増進のためのバイオテクノロジー基盤研究プログラム
糖鎖エンジニアリングプロジェクト
機能性糖鎖複合材料創製技術開発
基本計画
1.研究開発の目的・目標・内容
(1)研究開発の目的
「糖鎖エンジニアリングプロジェクト」は、
「健康維持・増進のためのバイオテクノロジー基盤研究プロ
グラム」の一環として実施するプロジェクトである。当該プログラムは今後急速な高齢化を迎える我が国
において、高齢者が健康でかつ安心して暮らせる社会を実現するため、遺伝子やタンパク質など生体高分
子機能・構造解析等を行い、生命の仕組みを遺伝子レベルから理解することにより、テーラーメイド・予
防医療の実現や画期的な新薬の開発を始めとする幅広い分野での産業応用につなげることを目的としてい
る。
当該研究開発事業は、経済産業省において研究開発の成果が迅速に事業に結び付き、産業競争力強化に
直結する「経済活性化のための研究開発プロジェクト(フォーカス21)」と位置付けられており、次の条
件要件のもとで実施する。
・技術的革新性により競争力を強化できること。
・研究開発成果を新たな製品・サービスに結び付ける目途があること。
・比較的短期間で新たな市場が想定され、大きな成長と経済波及効果が期待できること。
・産業界も資金等の負担を行うことにより、市場化に向けた産業界の具体的な取組が示されていること。
本プロジェクトにおいては、具体的には、成果の実用化に向けた、実施者による以下のような取組を求
める。
・糖鎖構造解析システム及び糖鎖合成システムの実用化のため、システム化、ユーザーインターフェイス
の開発及び標準データの蓄積等を同時並行的に実施し、早期実用化を図る。
なお、適切な時期に、実用化・市場化状況等について検証する。
現在、石油化学技術を基盤として合成・製品化されている多種・多様な高分子化合物及びその複合材料
並びに当該製品は、我が国産業の高度化に寄与し、我々の日常生活を豊かで便利なものにしてきた。しか
しその反面、これら材料及び製品は、生産から利用、廃棄までのサイクルにおいて、地球環境負荷が多く、
それらに代わる非枯渇性である新たな材料の開発が求められている。
地球環境への負荷が少ない新たな材料開発としては、タンパク質や脂質と並んで、生命現象において重
要な役割を果たしている糖鎖(糖と糖が多数結合したグルコース、ガラクトース等の物質)の機能を有効
に活用したものが挙げられる。これらの糖鎖や糖鎖が多数集合したセルロース、でんぷん等の糖鎖集合体
あるいは糖鎖が脂質、タンパク質等と結合した糖鎖複合体(以下、糖鎖集合体及び糖鎖複合体を「グリコ
クラスタ−」という)を用いた材料は、生分解性や生体適合性等に優れ、自然界で分解される環境負荷の
少ない材料である。この材料の特徴を有効に活用することにより、新規な機能性材料の開発が期待できる。
また、糖鎖複合体は、生体内における蛋白質等被修飾分子の安定性、細胞内局在性、分子間・細胞間認
識を介した病原微生物の感染、免疫応答性等、非常に多岐にわたる生理機能に関与している。このため糖
鎖複合体は疾病のリスク評価、治療、予防技術の開発、医薬品開発、テーラーメイド医療等、幅広い分野
での活用が期待されている。
このため本研究開発は、これら材料や生理活性物質の開発のために必要な高度の機能を持った複雑な糖
鎖を効率的に合成する技術、糖鎖等の分子密度、配向性等の制御によるグリコクラスターを材料とする新
たな機能性複合材料創製技術等の開発を行うものである。
これにより、グリコクラスター等を素材とする新しい低公害な生分解性材料、医薬品素材、機能性食品
等の開発が可能となり、新たなバイオテクノロジー関連分野はもとより、医療関連分野、環境関連分野等
での新規産業の創出に資する。
本研究開発は、その中心となる技術シーズが大学に偏在すること、その技術的障壁の高さから、長期の
研究開発期間と多額の研究開発投資要することから、企業が研究開発を担うには高いリスクを伴うため、
国の主導のもと、国の資金により産学官のそれぞれの特長を持ち寄って集中的に研究開発を進めることが
有効かつ必要である。
平成13年9月に取りまとめられた総合科学技術会議の分野別推進戦略においても糖鎖機能の重要性は
強く認識されており「糖鎖付加など修飾を受けたタンパク質の構造と機能を解明し新しいタイプの薬の開
発を可能とする」ことの重要性が指摘されている。
(2)研究開発の目標
①最終目標
・ 糖鎖及びグリコクラスターの効率的合成技術の開発
酵素による自動合成技術の開発では、水溶性高分子プライマー及び固定化糖転移酵素を改良
して、1週間かつ3工程以内で3糖を自動合成できる技術を確立する。
(本項目は、平成14年
度をもって最終目標を達成したので終了)
新触媒等による新合成技術の開発では、再利用可能な至適な金属酸化物・固体超強酸による
無溶媒、無保護基による糖質及び多糖の合成法を確立する。
・ 機能性グリコクラスター複合材料創製技術の開発
糖鎖構造予測技術では、抗ウィルス、抗炎症あるいはがん転移阻害作用を有する糖鎖誘導体を
コンピューター支援により予測する技術を確立する。
グリコクラスター複合材料創製技術の開発では、ウィルス感染の阻害活性等の機能を数十ナノ
グラム/ミリリットルから数マイクログラム/ミリリットルの低濃度でも有する高親和性クラ
スター糖鎖高分子の創製技術、及び糖鎖の分子集合状態を高度に制御する技術を確立して、バ
イオセンサーやバイオチップ等の新規なナノバイオテクノロジー素材を開発する。
②中間目標(マイルストーン)
・ 糖鎖及びグリコクラスターの効率的合成技術の開発
酵素による自動合成技術の開発では、水溶性高分子プライマー及び固定化糖転移酵素を用いて、
連続カラム法での3糖の合成を行う。また、自動合成装置開発のための基本フローを作成する。
(本項目は、平成14年度をもって最終目標を達成したので終了)
新触媒等による新合成技術の開発では、再利用可能な至適な金属酸化物・固体超強酸を選択し、
無溶媒、無保護基による糖質合成法が可能か否かを検討する。また、新縮合剤であるジフェニル
リン酸アジドを用いた合成プロセスを確立する。
・ 機能性グリコクラスター複合材料創製技術の開発
糖鎖構造予測技術では、炎症に関与する E-セレクチンやインフルエンザウィルスのヘマグルチ
ニンと糖鎖クラスターとの複合体の相互作用様式や安定配座の解析をコンピューター支援によ
る分子動力学法で解析する技術を確立する。
グリコクラスター複合材料創製技術の開発では、糖鎖やグリコクラスターの分子上では分布位置
の制御を可能とする技術として、分子鋳型法による糖鎖トポロジー制御の鋳型効果を確認する。
また、自己組織形成型糖鎖クラスター構築技術として、光重合性糖脂質を用いたグリコクラスタ
ー配向制御の可能性を検討する
(3)研究開発内容
上記目標を達成するために、以下の研究開発項目について、別紙の研究開発計画に基づき研究開発を実施
する。
①糖鎖及びグリコクラスターの効率的合成技術の開発
②機能性グリコクラスター複合材料創製技術の開発
2.研究開発の実施方式
(1)研究開発の実施体制
本研究開発は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下「NEDO」という。)が、企業、民間
研究機関、独立行政法人、大学等(委託先から再委託された研究開発実施者を含む。)から公募によっ
て研究開発実施予定者を選定後、共同研究契約等を締結する研究体を構築し、委託して実施する。
ただし、本研究開発は、平成11年度から平成14年度までは「グリコクラスター制御生体分
子合成技術」として実施し、平成15年度より「糖鎖エンジニアリングプロジェクト/機能性糖
鎖複合材料創製技術開発」に移行するが、実質的に継続事業であるため、原則NEDOにおいて公募
による研究開発実施者の選定は行わない。
共同研究開発に参加する各研究開発グループの有する研究開発ポテンシャルの最大限の活用により
効率的な研究開発の推進を図る観点から、研究体はNEDOが指名した北海道大学大学院理学研究科
教授西村紳一郎を研究開発責任者(プロジェクトリーダー)としその下に研究者を結集して大規模・
集中的に研究開発を実施する
(2)研究開発の運営管理
研究開発全体の管理・執行に責任を有するNEDOは、経済産業省及び研究開発責任者と密接な関係を維
持しつつ、プログラムの目的及び目標、並びに本研究開発の目的及び目標に照らして適切な運営管理を実施
する。具体的には、必要に応じて、NEDOに設置する技術審議委員会及び技術検討会等、外部有識者の意
見を運営管理に反映させる他、四半期に一回程度プロジェクトリーダー等を通じてプロジェクトの進捗につ
いて報告を受けること等を行う。
3.研究開発の実施期間
平成11年度から平成14年度の4年間は、
「グリコクラスター制御生体分子合成技術」として
実施し、平成15年度は「糖鎖エンジニアリングプロジェクト/機能性糖鎖複合材料創製技術開
発」として実施する。
4.評価の実施
NEDOは、国の定める技術評価に係る指針及び技術評価要領に基づき、技術的及び産業技術政策的観点
から、研究開発の意義、目標達成度、成果の技術的意義ならびに将来の産業への波及効果等について、NE
DOに設置する技術評価委員会において外部有識者による研究開発の中間評価を平成13年度に、事後評価
を平成16年度に実施する。なお、評価の時期については、当該研究開発に係る技術動向、政策動向や当該
研究開発の進捗状況等に応じて、前倒しする等、適宜見直すものとする。
5.その他の重要事項
(1)研究開発成果の取扱い
①成果の普及
得られた研究成果のうち、下記共通基盤技術に係る研究開発成果については、NEDO、実施者とも普及
に努めるものとする。
a)実現手法の確立、体系的整理
・酵素法を基盤とする糖鎖自動合成技術の開発
・固体超強酸触媒によるグリコシド及び糖鎖合成技術の開発
・タンパク質と糖鎖クラスター複合体モデルの分子動力学法を使った複合体モデルの構築
・糖鎖リガンド構造を含む新規重合性糖鎖化合物のデザイン・合成
b)新たな特性データの取得・整備
・新規固定化糖転移酵素ライブラリーの取得
・汎用性ペプチド自動合成装置に組み込める新しい糖アミノ酸誘導体のライブラリーの構築
②知的基盤整備事業又は標準化等との連携
得られた研究開発成果については、知的基盤整備又は標準化等との連携を図るためデータデースへの
データ提供、標準情報(TR)制度への提案等を積極的に行う。
③知的所有権の帰属
委託研究開発の成果に関わる知的所有権については、
「新エネルギー・産業技術総合開発機構産業技術研
究開発等業務方法書」第 19 条の規定等に基づき、原則として、すべて受託先に帰属させることとする。
(2)基本計画の変更
NEDOは、研究開発内容の妥当性を確保するため、社会・経済的状況、内外の研究開発動向、産業技術
政策動向、プログラム基本計画の変更、第三者の視点からの評価結果、研究開発費の確保状況、当該研究開
発の進捗状況等を総合的に勘案し、達成目標、実施期間、研究開発体制等、基本計画の見直しを弾力的に行
うものとする。
(3)根拠法
本プロジェクトは、エネルギーの使用合理化に関するする法律(昭和54年法律第49号)第21条の2
第1号産業技術に関する研究開発体制の整備等に関する法律(昭和63年法律第33号)第4条1号に基づ
き実施する。
(4)その他
若手研究者の育成を図るため、学生等の研究参加を促進する環境を整備する。
産業界が実施する研究開発との間で共同研究を行う等、密接な連携を図ることにより、円滑な技術
移転を促進する。
6.基本計画の改訂履歴
(1)平成11年3月、制定。
(2)平成11年9月、産業活力再生特別措置法施行に伴い、知的所有権の扱いについての記述を削
除。
(3)平成14年3月、省庁再編に伴う経済産業省とNEDOの役割分担の見直し、プログラム/プロ
ジェクト制度の導入を受けて、研究開発の目的、内容、目標を統一的に明記する等の改訂
(4)平成15年3月、制定。ただし、本事業は、平成11年度に「グリコクラスター制御生体分子合成
技術」として開始され、平成15年度から「糖鎖エンジニアリングプロジェクト/機能性糖鎖複
合材料創製技術開発」として実施。同時に「経済活性化のための研究開発プロジェクト(フォーカス2
1)」へ移行。糖鎖自 動 合 成 装 置 の 開 発 は 平 成 1 5 年 度 よ り 「 糖 鎖 エ ン ジ ニ ア リ ン グ プ ロ ジ
ェ ク ト / 糖鎖構造解析技術開発」に 移 行 す る 。
(別紙)研究開発計画
研究開発項目①「糖鎖及びグリコクラスターの効率的合成技術の開発」
1.研究開発の必要性
医薬品素材、機能性食品等の新たな各種機能性製品等の材料となる糖鎖及びグリコクラスターを合成す
るために、安全性が高く、効率の良い合成が可能な技術の開発が望まれている。
このため、酵素反応による合成技術を基盤とする安全で効率の良い糖鎖自動合成システムの開発、新触
媒などによる反応を基盤とする糖質誘導体等の環境低負荷で効率的合成法の開発が必要である。
2.研究開発の具体的内容
(1)酵素による自動合成技術の開発(本項目は、平成14年度をもって最終目標を達成したので終了)
水溶性の高機能高分子担体の開発、大量の糖転移酵素群を大腸菌などの微生物等により効率的に製造し
固定化する技術の開発、ガラクトース転移酵素等の糖転移酵素群による糖ペプチド、糖脂質、非天然糖鎖
等の合成技術の開発を行い、それらの成果を基に、酵素反応を主体として保護基を用いずに安全かつ短期
間で多品種の糖鎖及びグリコクラスターの自動合成が可能な技術の開発を行う。
(2)新触媒等による新合成技術の開発
再利用が可能な金属酸化物・固体超強酸を基盤とする新触媒の開発やジフェニルリン酸アジド等の新た
な縮合反応剤を用いた新プロセスの確立により、保護−脱保護の煩雑な工程や危険な有機溶媒を必要とし
ない糖質(高分子である多糖類及び低分子のオリゴ糖をいう。)、グリコクラスター等を合成する技術の開
発を行う。
3.達成目標
(1)新規な合成コンセプトに基づく理論を確立し、水溶性高分子プライマー、固定化酵素を用いて、広
い研究分野での利用が期待できる糖鎖の自動合成装置、例えば、1週間かつ3工程以内で3糖の合成が出
来る技術を完成させる。 (本項目は、平成14年度をもって最終目標を達成したので終了)
(2)再利用が可能な高性能触媒による無溶媒系で、保護基を用いない新しい糖鎖及び多糖等の合成法を
確立する。
研究開発項目②「機能性グリコクラスター複合材料創製技術の開発」
1.研究開発の必要性
糖鎖及びグリコクラスターから新たな機能を有する複合材料あるいは生分解性・生体適合性を有する複
合材料を開発するために、糖鎖構造の予測、グリコクラスターの構造と機能の制御等が可能な技術の開発
が望まれている。このため、糖鎖ライブラリーの糖鎖構造情報等から目的とする機能の実現に必要な糖鎖
の構造を予測する技術、グリコクラスターの分子密度、配向性等の制御に必要な酵素を用いた温和な環境
下での複合化技術、分子鋳型構築技術等の開発が必要である。
2.研究開発の具体的内容
(1)糖鎖構造予測技術の開発
酵素による自動合成技術等を用いて糖鎖ライブラリーを構築し、これらの情報をもとに糖鎖とタンパク
質との相互作用をコンピューターを用いて解析する。これら体系化された、あるいは解析された情報を基
に抗ウイルス、免疫強化等の高度の機能を持つ糖鎖ミメテック物質、癌転移等に関与する酵素阻害物質、
ウィルス・細菌除去フィルター等の創製に必要な糖鎖構造予測技術の開発を行う。
(2)グリコクラスター複合材料創製技術の開発
機能性糖鎖あるいはグリコクラスターから新たな機能を有する複合材料及び生分解性・生体適合性を有
する複合材料の開発を行うために、糖鎖やグリコクラスターの分子鎖上での分布位置等の制御を可能とす
る技術として、酵素を用いた温和な環境下での糖鎖と他の高分子等との複合化技術、超薄膜素材としての
利用が可能な形状記憶型グリコクラスターの構築に必要な分子鋳型構築技術等の開発を行う。
3.達成目標
(1)ウィルスタンパク質やレクチン等が認識し特異的かつ高親和性で結合する糖鎖誘導体等の予測技術
を確立する。
(2)ウィルス感染の阻害活性等の機能を数十ナノグラム/ミリリットルから数マイクログラム/ミリリ
ットルの低濃度でも有する高親和性クラスター糖鎖高分子の創製技術、及び糖鎖の分子集合状態を高度に
制御する技術を確立して、バイオセンサーやバイオチップ等の新規なナノバイオテクノロジー素材を開発
する。
Ⅰ.事業の位置付け・必要性について
1.NEDO の関与の必要性・制度への適合性
1.1 NEDO が関与することの意義
現在、石油化学技術を基盤として合成・製品化されている多種・多様な高分子化合物及びその
複合材料は、我が国産業の高度化に寄与し、日常生活を豊かで便利なものにしてきたが、これら
は生産から利用、廃棄までのサイクルにおいて、地球環境に負荷を掛けてきた。その反省から地
球環境に負荷の少ない新たな材料の開発が求められている。そのような新たな材料としては、タ
ンパク質や脂質と並んで、生命現象において重要な役割を果たしている糖鎖(糖と糖が多数結合
したグルコース、ガラクトース等の物質)の機能を有効に活用したものが挙げられる。これらの
糖鎖や糖鎖が多数集合したセルロース、でんぷん等の糖鎖集合体あるいは糖鎖が脂質、タンパク
質等と結合した糖鎖複合体(以下、糖鎖集合体及び糖鎖複合体を「グリコクラスタ−」という。)
を用いた材料は、生分解性や生体適合性等に優れ、自然界で分解される環境負荷の少ない材料で
ある。この材料の特徴を有効に活用することにより、新規な機能性材料の開発が期待できる。
本研究開発の目的は、これら材料の開発のために必要な高度の機能を持った複雑な糖鎖を効率
的に合成する技術、糖鎖等の分子密度、配向性等の制御によるグリコクラスターを材料とする新
たな機能性複合材料創製技術等の開発を行うものである。
これにより、グリコクラスター等を素材とする新しい低公害の生分解性材料、医薬品素材、機
能性食品等の開発が可能となり、新たなバイオテクノロジー関連分野はもとより、医療関連分野、
環境関連分野等での新規産業の創出に資することが期待される。
本研究開発は、その中心となる技術シーズが大学に偏在すること、その技術的障壁の高さから、
長期の研究開発期間と多額の研究開発投資要することから、企業が研究開発を担うには高いリス
クを伴うため、民間企業が研究開発を進めることには費用的にも期間的にも難しい状況にあるこ
とから、NEDO プロジェクトとして産学官のそれぞれの特長を持ち寄って集中的に研究開発を進め
ることが有効かつ必要である。また、我が国は、平成3年から「複合糖質生産利用技術」を始め
とする糖鎖研究に関するプロジェクトを5省庁連携で実施するなど、世界に先駆けて糖鎖関連の
研究開発に取り組んでいたこともあり、我が国の糖鎖研究は世界のトップクラスにある。このよ
うな日本の優位性をさらに確固としたものとするためにも本プロジェクトの推進は意義がある。
1.2 事業の効果(費用対効果)
本研究開発は、生分解性や生体適合性に優れ、自然界で分解される環境負荷の少ない材料であ
る糖鎖化合物から新たな機能性複合材料創製技術等の開発を行うための基盤技術の開発であり、
その研究成果として人体ならびに環境に低負荷型の医薬品・医療素材、化粧品素材、日用品素材
及び食品素材などの創製が可能となり、その波及効果は広汎な範囲に及ぶことが期待される。具
体的な応用技術分野としては以下の如きものが想定できる。
①食品
虫歯にならない甘味料としてソルビトールが、虫歯を予防する甘味料としてはパラチノースが、
ダイエット食品に利用可能な低カロリー甘味料としてラクトオリゴ糖・フルクトオリゴ糖・アス
パルテームが、あるいは乳幼児向けに有用な高カロリー甘味料としてマルトオリゴ糖が、また、
食品の品質保持のためにシクロデキストリンが利用されるなど機能性材料としての糖鎖化合物の
食品への用途は極めて広い。最近の国内食品産業の総売上高は 45 兆円であることから、その 0.1%
1
を新規糖鎖複合材料が占めるとすれば、約 450 億円の市場が新たに生まれることとなる。また、
食品工業の研究環境は、1999 年度において約 2000 社に 12000 人程度の研究者が従事しており、
研究者一人当たりの研究費は約 2000 万円である。すなわち、研究開発費の総額は 2000 億円強で
対売上高比率は約1%と推察されることから、新規糖鎖化合物の食品への応用研究が進められれ
ば、研究開発費の増加をもたらすと考えられる。
②医薬品・医療用具
フレミングによる病原菌の糖鎖を破壊する酵素リゾチームの発見で知られるように、糖鎖研究
はヘルスケア・医薬品開発と深く係わっており、糖鎖複合化合物の医薬品・医療用具分野への利
用は広汎な応用範囲が想定される。糖鎖を含む抗生物質としてアミノグリコシド系が挙げられ、
感染症の治療に用いられている。これらは、もっぱらアミノ酸が主体であり、現在、糖鎖のみか
らなる、あるいは糖鎖の性質を直接生理活性に結びつけるような医薬品の研究開発も検討されて
いる。糖鎖を利用したワクチンの例としては、インフルエンザ菌b(Hib)へのワクチンが挙げら
れる。この糖鎖を利用したワクチンの効果によって、細菌性脳膜炎等の発症例は大きく減少した
とされ、現在、世界保健機構(the World Health Organization; WHO)などが主体となり、世界各
国でのワクチン利用が進められている。また、インフルエンザ用の新しいワクチン開発も進めら
れており、例えば、感染細胞からウイルスがほかへ移るのに必要とされる酵素を攻撃するような
ものが提案されている。ウイルスに対する糖鎖を用いた他の対抗策として、B型およびC型肝炎
ウイルスへの取り組みを挙げることができる。B型肝炎については、ヒトの肝細胞に糖化合物を
付加させることで、ウイルスの糖付加の様式が変化し、ウイルスが外皮たんぱく質の形成を妨げ
るとされる。
硫酸化多糖は細胞の最も外側の膜を形成することが知られている。グリコサミノグリカンと呼
ばれる硫酸化多糖が上皮および内皮細胞や筋肉繊維、抹消神経に存在するとされ、外敵の侵入や
ショックからの保護機能を有していると考えられる。さらに、細胞を維持するために必要な物質
を通過させる機能も有していると考えられており、体液中のシグナル分子を吸着し、細胞膜に存
在するレセプターに渡す役割が指摘されている。ショックからの保護の典型例は関節に見られ、
軟骨組織の重要な構造材となっている。この点に関し、生体適合性人口骨への応用の可能性が検
討されている。
また、情報伝達の仕組みを制御することで、医薬品への応用が考えられる。代表例は、抗炎症
剤である。ヒトの組織に細菌感染などの刺激が起こると、血管壁にセレクチンと呼ばれるタンパ
ク質が発現する。このセレクチンは、白血球表面の糖鎖によって認識され、白血球は障害が起き
た部位へ誘導されることになる。本来、白血球はその障害を取り除くべく機能するが、一方で周
辺に炎症をも引き起こすとされる。よって、抗炎症剤としてこの白血球表面の糖鎖とセレクチン
との結合を妨げるものが提案されている。
これ以外に糖鎖は、癌の診断、癌の免疫療法、遺伝子工学を応用した物質生産、医療用材料、
薬物搬送システム(DDS)などへの応用が検討されており、今後益々用途が広がると考えられる。
本プロジェクトの成果に基づき「アザ糖誘導体の乾癬治療薬開発」が進められているが、当該
医薬品の国内市場は約 1000 億円であることから、5%の市場を獲得すれば 50 億円となる。アザ
糖誘導体は TNF-αの変換酵素(TACE)に対する選択的な阻害剤としての機能に基づく多様な作用
を有することから、乾癬治療薬以外の様々な疾患の予防薬または治療薬として応用できる可能性
がある。
日本における医薬品等の生産額は、1999 年で約8兆 5000 億円であり、その内医薬品が約6兆
2
3000 億円、医療用具が約1兆 5000 億円である。今やバイオテクノロジーを基礎とした製品は、
上市される医薬品の 20%、臨床試験品の 50%に達すると言われており、今後糖鎖医薬品も増加す
ると考えられ、しかも市場は全世界が対象となることから、糖鎖研究成果が応用される医薬品・
医療用具も拡大すると考えられる。国内医薬品・医療用具市場の 0.5%で約 425 億円の市場規模と
なる。
以上のように本プロジェクトの成果に基づき新規糖鎖化合物の食品及び医療分野のおいて年間
800 億円以上の市場拡大が期待できる。
2.事業の背景・目的・位置付け
2.1 事業の背景・目的
本研究開発は、グリコクラスター合成に関する基盤技術の開発を目的とし、共同研究開発に参
加する産・学・官の各研究開発グループの有する研究開発ポテンシャルの最大限の活用により効
率的な研究開発の促進を図るとの観点から、西村紳一郎北海道大学大学院理学研究科教授(以下
「研究開発責任者」 という。)の下に産・学の研究者を結集して大規模・集中的に研究開発を実施
する方式(集中管理型)を採用し、以下の2テーマについて研究開発を実施する。
①糖鎖及びグリコクラスターの効率的合成技術の開発
②機能性グリコクラスター複合材料創製技術の開発
本研究開発は糖鎖・グリコクラスター分子の設計、構築、高次利用に関する新たな基盤技術を
確立することによって真に快適な人間社会の構築に貢献すると同時に地球環境に対して低負荷型
の新しい素材・材料等を開発することを最終目的としている。
本プロジェクトの根幹となる基本理念とこれを実現するための基本原理は北海道大学の西村
紳一郎教授のこれまでの研究成果を基礎としており、プロジェクト発足当時、その研究開発課題
の重要性、緊急性、産業的・社会的波及効果は極めて大きいため世界的にも注目されていた。
本研究開発課題はいくつもの鍵となる要素技術を内包しており、こうした課題への対応には、
様々な生化学分野の研究者からなる強力な研究協力・連携体制が必須であった。鍵となる要素技
術としては、たとえば、糖鎖自動合成システム構築に必要な多様な糖転移酵素遺伝子開発技術や
その発現・高次利用技術、高性能高分子合成技術、生理活性糖鎖・糖ペプチド等の酵素合成化学
的ならびに有機化学的構築技術、複雑な糖鎖化合物等の構造解析技術、薬理活性等の物性評価技
術、繊維素材等の高機能化技術・生産技術、触媒化学的糖鎖製造技術ならびにプロセス化技術等
が挙げられる。これらの糖鎖技術を有する企業が参画し、各要素技術について実用化を視野に入
れた研究を行うこととした。
ポストゲノムシークエンス時代に入り、ゲノム塩基配列の解読から、タンパク質の構造、機能
の解明へ研究の中心がシフトして来ていると同時に、近年、’Science’誌(2001年3月)が
糖鎖研究に関する特集号を刊行するなど、タンパク質の各種生理機能発揮における糖鎖の役割の
重要性に対する認識度・注目度が高まっている。特に米国においてそうした動きが活発化してお
り、2000年5月ワシントンDCで NSF(National Science Foundation)のスポンサーによるワ
ークショップ "Frontiers in Glycoscience"が開催され、次のような結論が出されている。
①化学者と生物学者の共同研究に助成金(grant)を出す。
②Glycoscience のデータベースを充実させる。
③異分野の科学者が参加するワークショップの開催をサポートする。
3
④Glycoscience の重要性に対する認識を高めるため、学生が glycoscience のミーティングに
参加出来るようサポートする。
2.2 事業の位置付け
本研究開発課題はいくつもの鍵となる要素技術を内包しており、こうした課題への対応には、
様々な生化学分野の研究者からなる強力な研究協力・連携体制が必須であった。鍵となる要素技
術としては、たとえば、糖鎖自動合成システム構築に必要な多様な糖転移酵素遺伝子開発技術や
その発現・高次利用技術、高性能高分子合成技術、生理活性糖鎖・糖ペプチド等の酵素合成化学
的ならびに有機化学的構築技術、複雑な糖鎖化合物等の構造解析技術、薬理活性等の物性評価技
術、繊維素材等の高機能化技術・生産技術、触媒化学的糖鎖製造技術ならびにプロセス化技術等
が挙げられる。これらの糖鎖技術を有する企業が参画し、各要素技術について実用化を視野に入
れた研究を行うこととした。ポストゲノムシークエンス時代に入り、ゲノム塩基配列の解読から、
タンパク質の構造、機能の解明へ研究の中心がシフトして来ていると同時に、近年、’Science’
誌(2001年3月)が糖鎖研究に関する特集号を刊行するなど、タンパク質の各種生理機能発
揮における糖鎖の役割の重要性に対する認識度・注目度が高まっている。特に米国においてそう
し た 動 き が 活 発 化 し て お り 、 2 0 0 0 年 5 月 ワ シ ン ト ン D C で NSF(National Science
Foundation)のスポンサーによるワークショップ "Frontiers in Glycoscience"が開催され、次の
ような結論が出されている。
①化学者と生物学者の共同研究に助成金(grant)を出す。
②Glycoscience のデータベースを充実させる。
③異分野の科学者が参加するワークショップの開催をサポートする。
④Glycoscience の重要性に対する認識を高めるため、学生が glycoscience のミーティングに
参加出来るようサポートする。
Ⅱ.研究開発マネジメントについて
1.事業の目標
1)事業全体の目標
高度な機能を有するグリコクラスター制御生体分子を発展的に利用することにより、
人体な
らびに環境に低負荷型の医薬品・医療素材、化粧品素材、食品素材などを創製するための基盤技
術の開発を行う。
(1)糖鎖及びグリコクラスターの効率的合成技術の開発
酵素化学的糖鎖構築技術では、多品種の糖鎖を対象に、水溶性高分子担体を用いて、例えば、
1週間かつ3工程以内で3糖の合成が可能な自動合成技術を確立する。
リサイクル触媒利用型糖鎖合成技術では、保護基及び有機溶媒を用いない糖質及び糖質誘導体の
新しい重合法を確立する。
(2)機能性グリコクラスター複合材料創製技術の開発
機能性糖鎖構造予測技術の開発では、ウィルスタンパク質、癌関連レクチン等が認識して効率
的かつ選択的に結合する糖鎖構造の予測技術を確立する。
糖鎖のクラスター化・複合化技術の開発では、数十 ng/ml∼数μg/ml の低濃度下においてもウ
ィルス感染の阻害活性等の機能を有する高親和性クラスターの創製技術、膜あるいは繊維素材と
4
して糖鎖機能が利用できる超分子素材の創製技術及び糖タンパク質の糖鎖結合位置に対応した糖
鎖のトポロジー制御が実現可能な創製技術を確立する。
2)目標設定の理由
本研究は生物や地球環境に低負荷な機能性材料、医薬品素材、食品素材、化粧品素材等の糖鎖
資源を活用して創製することを目標としており、糖鎖及びグリコクラスターの効率的な合成技術
開発により新機能を有する実用的な生分解性材料あるいは生体環境適合性材料の創製に繋げる。
予定した研究開発期間で最大限の成果を得るために、ターゲットとなる方法論や技術、さらにグ
リコクラスター製品を限定して上記の技術開発目標を設定した。
5
2.事業の計画内容
人体ならびに環境に低負荷型の医薬品・医療素材、化粧品素材、食品素材などを創製するため
の基盤技術の開発として、次の研究開発項目を実施する(事業全体の計画等については別紙1を
参照)。
○糖鎖及びグリコクラスターの効率的合成技術の開発
○機能性グリコクラスター複合材料創製技術の開発
2.1 研究開発の内容
1)糖鎖及びグリコクラスターの効率的合成技術の開発
(1) 酵素による糖鎖自動合成技術の開発
水溶性の高機能高分子担体の開発、大量の糖転移酵素群を大腸菌などの微生物等により効率的
に製造する技術の開発、ガラクトース転移酵素等の糖転移酵素群による糖ペプチド、糖脂質、非
天然糖鎖等の合成技術の開発を行い、それらの成果を基に、酵素反応を主体として保護基を用い
ずに安全かつ短期間で多品種の糖鎖及びグリコクラスターの自動合成が可能な技術の開発を行う。
具体的には次のテーマを実施する。
①新規固定化転移酵素の開発
糖鎖自動合成装置開発に必須な酵素であるネオラクト系糖脂質及びラクトサミノグリカン
合成酵素、ガングリオシド合成酵素、アスパラギン結合型糖鎖合成酵素、ムチン型糖鎖合成酵
素、 ヒアルロン酸合成酵素を開発すると共に特異アフィニティー利用型酵素固定化法を開発
する。
②高性能糖鎖合成用高分子担体の開発
従来のペプチド合成装置により合成したペプチドに糖鎖を伸長する際のプライマーを含む
高性能リンカーを合成し、酵素化学的戦略を円滑に導入できるような基盤技術を開発する。ま
た、固定化糖転移酵素による糖鎖合成を効率良く達成するための糖鎖プライマーを担持する多
価クラスター型の水溶性高分子担体を合成する技術を開発する。
(2)新触媒等による合成技術の開発
再生が可能な硫酸ジルコニアなどの固体超強酸を基盤とする新触媒や効率的な反応が可能なジ
フェニルリン酸アジド等の新たな縮合反応剤等を用いた新プロセスにより、保護基及び有機溶媒
を用いないで糖質(高分子である多糖類及び低分子のオリゴ糖をいう。)、グリコクラスター等を
構成する部品である糖質誘導体の重合が可能な技術の開発を行う。具体的には次のテーマを実施
する。
①固体超強酸触媒によるグリコシド及び糖鎖の合成技術の開発
プロトン酸としてもルイス酸としても機能することが知られる硫酸ジルコニアをはじめと
する固体超強酸触媒を用いた簡易型糖鎖・多糖、グリコクラスター合成技術を開発する。また、
反応形式を粉体によるバッチ法から成型体を固定相とする効率的カラム法へ拡張してグリコ
シドなどの大量生産の可能性を検討するための装置開発等を行う。
②高機能性縮合反応を用いる規則配列型糖ペプチド合成技術の開発
機能性糖鎖による強力なクラスター効果が期待できる繰り返し構造を有する糖ペプチドポ
6
リマーを構築するために必須の合成戦略・技術を確立する。ジフェニルリン酸アジド等の脱水
縮合剤の特性を利用して保護基を利用しない糖ペプチド重合反応を基盤技術とする新しい合
成戦略を確立する。
③生理活性糖ペプチド簡易合成技術の開発
多方面で利用されているペプチド自動合成装置に糖質を含むアミノ酸誘導体が原料として
利用できればこれをプライマーとして連続的に酵素化学的糖鎖伸長反応へ拡張できるので、汎
用型ペプチド自動合成装置に組み込める新しい糖アミノ酸誘導体及びその合成技術を開発す
る。このシステムを用いて生理活性が期待される糖ペプチド製品の合成を目指す。
2)機能性グリコクラスター複合材料創製技術の開発
(1)糖鎖構造予測技術の開発
酵素による自動合成技術を用いて糖鎖ライブラリーを構築し、これを用いて糖鎖構造情報の体
系化及び糖鎖とタンパク質との相互作用メカニズムの解析を行う。これら体系化された、あるい
は解析された情報を基に抗ウイルス、免疫強化等の高度の機能を持つ糖鎖ミメテック物質、癌転
移等に伴う糖鎖発現を指標とする試験検査用物質、ウイルス除去フィルター等の創製に必要な糖
鎖構造予測技術の開発を行う。具体的には次のテーマを実施する。
①糖鎖リガンドとタンパク質レセプターとの複合体モデルの構築
タンパク質と糖鎖クラスターとの初期素反応複合体モデルをできるだけ客観的に作製する
ために必要なアルゴリズムの開発を行う。分子動力学法(Molecular Dynamics :MD 法)による
複合体モデルの相互作用様式及び糖鎖リガンドの安定配座の解析、例えば、必須糖鎖官能基の
解析、必須官能基の3次元空間位置の解析を効果的に行う技術を開発する。
②3次元データベースを用いたコンピュータースクリーニングシステムの構築
分子動力学計算より得られた結合モデルから糖鎖リガンドを取り外し、タンパク質にフィッ
トする化合物を既存の化合物データベースを用いてスクリーニングする。ヒットした化合物に
ついては、再度分子動力学法で安定配座を計算し、糖鎖クラスターの機能部位とタンパク質と
の実際の結合を検証するという新しいスクリーニングシステムを確立する。
③糖鎖リガンドーレセプターの相互作用解析にもとづく生理活性物質の開発
上記のスクリーニングシステムにより、選定された候補化合物及びそのクラスター化モデル
化合物を実際に合成し、インビトロで評価を行って本システムの妥当性を確認する。このよう
な一連の実験をいくつかの糖鎖化合物について行うことで評価し、コンピューター・スクリー
ニングシステムに基づく高機能性糖鎖クラスターリガンド合成の、あるいは糖鎖ミミック合成
の基盤技術を確立する。
(2)グリコクラスター複合材料創製技術の開発
本研究開発においては、機能性糖鎖あるいはグリコクラスターから新たな機能性を有する複
合材料及び生分解性を有する複合材料の開発を行うために、糖鎖やグリコクラスターの分子鎖
上での分布位置等の制御を可能とする技術として、酵素を用いた温和な環境下での糖鎖と他の
高分子との複合化技術、形状記憶型グリコクラスターの構築に必要な分子鋳型構築技術等の開
発を行う。なお、グリコクラスター複合材料の広範な応用分野(医薬品中間体、医療用器材、
7
機能性食品材料、化粧品等)における実用化例として重要なもの、主要なものを特に取り上げ、
以下の各研究テーマを設定している。
①タンパク質への特異的糖鎖クラスター導入技術の開発
トランスグルタミナーゼによる特異的なタンパク質架橋反応を糖鎖によるタンパク質の特
異的修飾反応に応用する基盤技術を確立する。この目的にとって最も好都合のリンカーを開発
してあらゆるターゲットタンパク質分子に特定の糖鎖クラスターを自由自在に導入できる技
術開発を行う。
②分子鋳型法による糖鎖トポロジー制御技術の開発
ゲストとなるタンパク質やウイルスなどの形状とリガンド結合特異性を記憶させたグリコ
クラスター素材の合成技術を開発する。相手分子にフィットした糖鎖構造を含む新規重合性糖
鎖化合物を親水性の架橋剤等の存在下に共重合して特異的な空洞を持つグリコクラスターネ
ットワークを構築する基盤技術を開発する。
③自己組織形成型糖鎖クラスター構築技術の開発
新規な糖脂質及びその関連化合物を系統的に合成し、その疎水的相互作用・水素結合に依存
する自己組織形成能を生かしてグリコクラスターを配向制御させる技術開発を行う。また、同
時に最終的に重合反応により安定な機能性薄膜を作製する技術も開発する。
④デンドリマー型糖鎖クラスター合成技術の開発
A 型インフルエンザウイルスを選択的に捕捉できるフィルター素材の開発を行う。ウイルス
に接着特異性を持つガングリオシド構造へデンドリマーとの結合に適したスペーサーを導入
する。次いで形状の異なるカルボシランデンドリマーの合成法を検討し糖鎖とデンドリマーを
効率よく結合させるための基盤技術を開発する。
⑤バクテリアによるハイブリッド型多糖クラスター合成技術の開発
酢酸菌による特異的な多糖合成機能を高次利用して、これまでに見られないアミノ糖を含む
セルロースを合成する基盤技術を開発する。この全く新しいタイプの生分解性多糖クラスター
から直接繊維素材などを生産するための新規な装置・システムの開発を行う。
⑥抗エイズ活性を有するオリゴ糖クラスター合成技術の開発
カードラン硫酸という多糖の示す極めて強力な抗エイズ活性をさらに効率よく、しかも特異
的に利用するための基盤技術を開発する。ウイルスタンパク質と特異的に結合する硫酸化オリ
ゴ糖鎖(5糖以上)を高度に分子表面に配置させたデンドリマー状あるいは球状のオリゴ糖担
持型グリコクラスターの構築法を確立する。
(3)新機能を有するグリコクラスター材料・素材の開発研究
本プロジェクトはこれらの糖鎖資源を有効に利用するために必須の総合的な技術の確立を通
して創製されるさまざまなグリコクラスターを人間生活に役立てることが最終的な目標である
ため、限られた研究開発期間内で製品化に繋がる可能性の高い新規な機能性グリコクラスター
材料・素材の開発研究を行う。具体的には次のテーマを実施する。
①ウイルス等除去機能を指向した糖鎖クラスター繊維の開発
既存の天然繊維や合成繊維に新たな機能を付加して高度な機能性材料開発を行うための基
盤技術を開発する。具体的には、高反応性のリンカーを含む生理活性糖鎖誘導体を大量に合成
8
する新技術に基づいて、トランスグルタミナーゼ等の酵素により糖鎖を高密度で繊維素材に導
入する技術を開発する。さらに、これらの素材を成型・加工してフィルム・フィルターを製造
する技術の開発を行う。
②グリコクラスター利用型アフィニティ電気泳動法による分離機能材料の開発
高度な重合性を有する糖鎖誘導体の高次利用法開拓の一環として、糖鎖との相互作用が期待
できる特定の生理活性タンパク質の分離・精製に大いに有効なアフィニティークロマトグラフ
ィーやアフィニティー電気泳動法に応用する技術を開発する。
③生理活性ヒアルロン酸クラスターの合成技術開発
糖転移酵素を高次利用して分子量を制御したヒアルロン酸クラスターの効率適合性技術な
らびにそれらの生理活性評価システムを確立する。医薬素材としての可能性等も評価・検討す
る。
④グリコクラスター利用化粧品素材の技術開発
自己組織形成能を有する糖脂質・糖脂質関連化合物は高度な生理機能に加えて、この効果を
クラスターによって高めることができる点で全く新しいタイプの表面コーティング剤と見な
すことができる。グリコクラスター型化粧品開発に適した物性・機能を制御できる新技術の開
発研究を行う。
9
2.2 研究開発の実施体制
1)事業体制について
バイオインダストリー協会及び協会員企業(東洋紡績株式会社、北海道電力株式会社、日本オ
ルガノン株式会社、カネボウ株式会社)の研究者を本研究開発責任者西村
紳一郎教授の所属す
る北海道大学に派遣し、協会及び協会員企業が各担当研究課題の内容を実施する。限られた期間
内で本プロジェクトが最大限の成果を達成するには個々の技術開発グループが技術面・情報面で
の綿密な相互協力をとることは必須であるので北海道大学で集中的な研究開発を行う(集中型研
究)。
また本プロジェクトを効率的に遂行するため、大阪大学医学部、国立がんセンター研究所、創
価大学生命科学研究所、財団法人野口研究所、埼玉大学工学部、関西大学工学部、帝京科学大学
理工学部に再委託研究を委託し、各担当研究課題の内容を実施する。
本研究開発の分担図ならびに各研究グループ間の連携体制は別紙2のとおりである。
2)事業体制の妥当性について
本プロジェクトは、
(1)糖鎖及びグリコクラスターの効率的合成技術の開発、 (2)機能性
グリコクラスター複合材料創製技術の開発
の2つの大きなテーマ
で構成されている。
北海道大学で開発された効率的な合成技術のシーズをさらに深めると共に、得られた糖鎖化合
物を応用し、実用化を目指す企業が研究員を北海道大学に派遣し、集中型研究をすることは、技
術面、情報面において各社で得られたものを秘匿することなく、相互に情報交換しながら効率的
な研究を可能とするために妥当であると考えられる。
10
本
研
究
の
分
担
図
①糖鎖及びグリコクラスターの効率的合成技術の開発
酵素による糖鎖自動
新触媒等による新合成
合成技術の開発
技術の開発
東洋紡、日本オルガノン
北海道電力
再委託:創価大・国立がんセンター研究所(∼H12
再委託:野口研究所(∼H14 年度)
年度)
明治薬科大学(H13∼H14 年度)
大阪大学医学部(∼H14 年度)
糖鎖構造予測技術
の開発
日本オルガノン
新規機能を有するグリコクラスター
材料・素材の開発研究
糖鎖のクラスター化・複合化技術
東洋紡、北海道電力
の開発
北海道電力、カネボウ
日本オルガノン、カネボウ
再委託:埼玉大学、関西大学
帝京科学大学
②機能性グリコクラスター複合材料創製技術の開発
酵素法あるいは新触媒、縮合剤による有機溶媒を用いない糖鎖合成技術を確立する。
これらより得られたグリコクラスターの構造及び機能を解析し、最も簡単な分子集合体・分子複合体の構造
を迅速に予測する技術を確立する。これらの情報を基に糖鎖を自由自在に並べる技術や特定の分子と複
合化させる技術、さらに材料や製品に要求されるグリコクラスターの性能・性質を制御する新技術を開発す
る。
これら一貫した研究の中で生まれた新規機能を有するグリコクラスター材料・素材を各社の得意分野で製
品化していく。
生命研は「高マンノース糖転移酵素の開発」を分担する。
北海道大学は、各要素技術の基礎的研究をすると共に全体をオーガナイズする。
11
2.3 研究の運営管理
1)意志決定、進捗状況、計画の見直し等の検討について
意志決定、進捗状況、計画見直し等のために研究開発委員会を設置し、年2回委員会を開催し、
進捗状況の把握、計画の見直しを行ってきた。また、参加企業4社間同士の意志疎通を図るため
と参加企業責任者の理解を図るため、年2∼4回の分科会を開催してきた。さらにまた、NED
Oにおいて推進委員会を設置し、計画、進捗状況、研究の方向について、その妥当性を検討して
きた。
2)プロジェクトリーダーについて
本プロジェクトは集中型の研究であり、プロジェクトリーダーである西村紳一郎教授の指導の
もとに各企業出向研究員、ポスドク研究員、NEDOフェローが研究開発を行ってきた。
本プロジェクトの中核技術である糖鎖及びグリコクラスターの効率的合成技術は西村教授が総
括代表で実施した提案公募型事業「糖鎖自動合成法の開発と複合糖質構築への応用」
(平成8年―
10年)の成果をさらに深め、実用化も視野にいれた研究開発を実施するものであり、プロジェ
クトリーダーは常に研究の中心となり、本研究開発の推進にあたっている。
3)研究開発実施者間の連携について
集中型研究のより効率的な実施を目指すため、参加企業4社間同士の意志疎通を図ることが重
要であるとの認識に基づき、本事業においては年 2∼4回分科会を開催してきた。その中で例え
ば、糖脂質誘導体の合成を日本オルガノンが担当し、その評価と実用化をカネボウが担当すると
いうような連携があった。
・
4)関連情報の収集、周知について
各種学会、講演会に適宜出席し、関連情報の収集に努めた。学会出席については報告書の提出
鐘紡
を通じて、また海外学会、調査については報告書以外に年度毎に調査報告書により周知させてい
る。
12
機能性糖鎖複合材料創製技術の研究開発計画及び年度予算推移
年度
研究項目
平成 11 年度
平成 12 年度
平成 13 年度
平成 14 年度
平成 15 年度
備考
Ⅰ糖鎖及びグリコクラスター
の効率的合成技術の開
発
固定化糖転移酵素
糖転移酵素の単離・ N-アセチルグルコサミン転移
の種類拡大、糖転移
精製検討、高分子担 酵素の大量調製法確 糖鎖自動合成プロト
酵素の反応効率化
体の設計・合成
検討
率
タイプ作成
自動合成技術
ジルコニア以外の金属の
固体超強酸による糖 固体超強酸触媒の開 固体超強酸の応用検
の 重 縮 合 反 応 の 確 発、新機能触媒によ 討、光重合性糖脂質
立、糖ペプチド縮合触 る不 凍糖 タンパク質合 を用いたレクチンの配向
媒の開発
成
制御技術の検討
中間モニタリング評価
(Ⅰ-1)酵素による
固体超強酸利用人
工デンプンの評価、不
凍 糖 タ ン パ ク 質 の 固体超強酸を用いた
応用研究
機能性
(Ⅰ-2)新触媒等によ
る新合成技術
Ⅱ機能性グリコクラスター複
合材料創製技術の開発
環状糖ペプチドとインフ
Metalloproteinase
E-セレクチン結合複合体モ ルエンザウィルスレセプターと E-セレクチンにフィットする
(MPase)阻害剤の予 MPase 阻害剤の薬理
デル解析開発
測、合成
の結合様式解析
化合物の予測と合成
活性評価
13
(Ⅱ-1)糖鎖構造
予測技術
TG による糖鎖導入法
トランスグルタミナーゼ(TG)
の応用検討、シクロデキス
TG によるタンパク質へ
ト リ ン (CD) 骨 格 利 用 糖
の糖鎖導入法検討、
化合物合成
CD 糖鎖化合物の抗ウ TG による糖鎖導入タン
ガラクトシルセラミド
ィルス活性評価
パク質の薬理評価
による糖鎖導入法の (GalCer)類縁体の薬
GalCer 類縁体の製 GalCer 類縁体の商品
トポロジカル制御による 開発、セラミド産生能保 理活性評価、バクテリア
剤化検討、アミノ糖含 化検討、アミノ糖含有セ
糖鎖導入(分子インプリ 有ガラクトシルセラミド類縁 によるアミノ糖含有セルロ
有セルロースの製造法検 ルロースへの生理活性付
ンティング法)の開発
討
体の合成
ースの検討
与検討
(Ⅱ-2)グリコクラスター複
合材料創製技術
年度別予算(百万円)
総額
一般会計
130
106
96
−
284
616
特別会計(石油)
131
139
184
139
−
593
特別会計(エネ高)
215
217
166
216
−
814
合計
476
462
446
355
284
2023
14
「機能性糖鎖複合材料創製技術開発」体制図
4.計画と比較した達成度、成果
製造産業局
産業技術環境局
生物化学産業課
研究開発課
研究開発責任者(PL)
NEDO
北海道大学大学院理学研究科
西村 紳一郎 教授
委託
集中研究体
〈研究実施場所〉
(財)バイオインダストリー協会
共同研究
研究者出向:東洋紡㈱、北海道電力㈱、日本オルガノン㈱、カネボウ㈱
糖鎖及びグリコクラスターの効率的合成技術の開発
北海道大学大学院理学研究科
機能性グリコクラスター複合材料創製技術の開発
・酵素法を基盤とする糖鎖自動合成技術の開発
・機能性糖鎖構造予測技術の開発
・新触媒及び縮合剤による簡易糖鎖合成技術の開発
・糖鎖のクラスター化・複合化技術の開発
東洋紡㈱,日本オルガノン㈱,北海道電力㈱
再委託
大阪大学医学部(∼H14 年度)、 国立がんセンター(∼H12 年度)
創価大学生命科学研究所(∼H12 年度)、明治薬科大学(H13∼14 年度)
(財)野口研究所(∼H14 年度)
総合調査研究
JBA
・新規機能を有するグリコクラスター材料・素材の開発研究
東洋紡㈱,日本オルガノン㈱,北海道電力㈱,カネボウ㈱
再委託
埼玉大学工学部,関西大学工学部,帝京科学大学理工学部
総合調査研究
JBA
15
3.情勢変化への対応
糖転移酵素を利用した糖鎖自動合成装置の開発において、本プロジェクト開始当初、競合する
懸念のあったスクリップス研究所の C.H.Wong の研究は、その後の調査の結果、オリゴ糖鎖のワン
ポット反応を有効に行うためのコンピュータープログラムの開発に向かっていることが明らかに
なり、現時点において本プロジェクトと競合する基盤研究はないものと認識している。
また、前述したように特に米国において糖鎖研究の重要性が認識され始めるなど、世界的にも
競争が激化しだした今日、糖鎖関連研究における我が国の先行性・優位性をより一層確実なもの
とするため、既に終了した「複合糖質生産利用技術」プロジェクト(平成3∼12年度)や並行
して実施中してきた「糖鎖合成関連遺伝子ライブラリー構築」プロジェクト(平成12∼15年
度)とも連携を図りつつ、本研究開発の目標を着実に達成することが重要である。なお、本研究
開発は基本計画に沿って順調に進展し、研究開発目標にほぼ到達したと考えている。
4.中間評価への対応
プロジェクトの中間評価であるが、中間段階としては評価すべき程度に当初の目標を達成して
いると判断されている。さらに、成果についても目標を十分にクリアし、要素技術によっては目
標以上のものが得られているとともに、全体として十分な達成度であると高く評価されていた。
従って中間評価以降も概ね当初の予定に沿って進めてきた。ただしいくつかの要素技術の中には
実用性のための展望が見えてこないものもあるという指摘があった。我々の研究組織は、多くの
企業の研究員からの意見を反映しやすい研究体制がとられており、目標を達成するに従い実用化
に向けて有望な要素がいくつか生まれた。特に実用性を意識し、特許申請などを確実に行いなが
ら研究を進めるように心がけた。
糖鎖構造予測技術の開発に関しても目標が明確でないとの指摘があったため、研究対象を糖質
化合物に絞って、コンピューターを用いて緻密な分子設計を行った。その結果うまれたのが、イ
ンフルエンザウイルスの感染を阻害する環状糖ペプチドと乾癬治療薬となりうるアザ糖である。
糖鎖自動合成装置の開発は、さらに発展が望まれるため、中間評価の指摘 (例えば酵素として
酵母表層を使うべきである等)をふまえ、NEDOの糖鎖エンジニアリングプロジェクトとして展開研
究を進めることになった。
16
5.評価に対する事項
本プロジェクトは、平成13年度に中間評価が実施された。
以下は、「グリコクラスター制御生体分子合成技術の研究開発
プロジェクト評価(中
間)報告書」より抜粋したものであり、詳細については、同報告書を参照のこと。
【評価項目・評価基準】
「経済産業省技術評価指針」(平成13年5月28日経済産業省告示第428号)に
基づき、以下の評価項目を設定し評価が実施された。
(1) 事業の目的・政策的位置づけ
(2) 研究開発目標、計画の妥当性
(3) 研究開発実施者の事業体制・運営の妥当性
(4) 計画と比較した達成度、成果の意義
(5) 成果の実用化可能性、波及効果
【評価手法】
評価は、産業構造審議会産業技術分科会評価小委員会「グリコクラスター制御分
子合成技術の研究開発評価ワーキンググループ」(座長:楠本
正一
大阪大学大
学院理学研究科化学専攻教授)において実施した。
なお、評価の透明性確保の観点から、知的財産保護の上で支障が生じると認めら
れる場合を除き、原則として、評価委員会は公開とし、研究実施者と意見を交換
する形で審議を行うこととした。
【実施時期】
評価検討会(平成14年1月31日)
・ 評価制度、評価の在り方、評価項目、評価の手順等について
・ 評価の分担、評価コメント、評点法等について
・ プロジェクトの概要説明について
・ プロジェクトの詳細説明について
・ 質疑応答
・ メンバーによる意見交換
産業構造審議会評価ワーキンググループ(平成14年3月19日)
評価報告書(案)審議
・ 評価報告書(案)審議及び確定
・ 評価全般に対する提言等
【評価事務局】
経済産業省産業技術環境局技術評価調査課
【評価委員】
名称;産業構造審議会
産業技術分科会
評価小委員会
グリコクラスター制御生体分子合成技術の研究開発
評価ワーキンググループ
17
委員名簿は、以下のとおりである。
座
長
楠本
正一
大阪大学大学院理学研究科化学専攻
教授
メンバー
青山
安宏
京都大学大学院工学研究科合成・生物専攻
教授
〃
榎
〃
銅金
史朗
巌
生化学工業株式会社
代表取締役社長
株式会社住化技術情報センター
代表取締役社長
〃
橋本
弘信
東京工業大学大学院生命理工学研究所
〃
畑中
研一
東京大学生産技術研究所
〃
宮田
満
日経BP社医療局
教授
教授
バイオセンター長
(敬称略、50音順)
Ⅲ.研究開発成果について
1.事業全体の成果
本研究開発は、高度な機能を有するグリコクラスター制御生体分子を発展的に利用することによ
り、人体ならびに環境に低負荷型の医薬品・医療素材、化粧品素材、食品素材などを創製するた
めの基盤技術の開発を目的に、
Ⅰ.糖鎖及びグリコクラスターの効率的合成技術の開発
Ⅱ.機能性グリコクラスター複合材料創製技術の開発
の2つをテーマとして研究を実施している。
それぞれの最終目標を次のように設定している。
Ⅰ.糖鎖及びグリコクラスターの効率的合成技術の開発
酵素化学的糖鎖構築技術では、多品種の糖鎖を対象に、水溶性高分子担体を用いて、例えば、
1週間かつ3工程以内で3糖の合成が可能な自動合成技術を確立する。リサイクル触媒利用型糖
鎖合成技術では、保護基及び有機溶媒を用いない糖質及び糖質誘導体の新しい重合法を確立する。
18
Ⅱ.機能性グリコクラスター複合材料創製技術の開発
機能性糖鎖構造予測技術の開発では、ウィルスタンパク質、癌関連レクチン等が認識して効率
的かつ選択的に結合する糖鎖構造の予測技術を確立する。糖鎖のクラスター化・複合化技術の開
発では、ウィルス感染の阻害活性等の機能を数十ナノグラム/ミリリットルから数マイクログラ
ム/ミリリットルの低濃度でも有する高親和性クラスターの創製技術、膜あるいは繊維素材とし
て糖鎖機能が利用できる超分子素材の創製技術及び糖タンパク質の糖鎖結合位置に対応した糖鎖
のトポロジー制御が実現可能な創製技術を確立する。
これらの目標に対しての達成度及び今後の展開・事業化については次のとおりである。
Ⅰ.糖鎖及びグリコクラスターの効率的合成技術の開発
酵素化学的糖鎖構築技術では、糖鎖自動合成装置の原型(プロトタイプ)を計画より早く完成
することができた。現在実用化と、さらなる展開研究は NEDO の「糖鎖構造解析技術開発プロジ
ェクト」において進められている。リサイクル触媒利用型糖鎖合成技術では、固体超強酸触媒を
用い、有機溶媒を用いないで糖鎖クラスター合成に成功した。また、ジフェニルリン酸アジド等
の新たな縮合反応剤を用いた不凍糖タンパク質の重合法を確立すると共に、水中での特異な構造
を初めて NMR により解明し、その機能を明確なものにした。合成不凍糖タンパク質の生理機能を
活用して新規臓器保存剤および細胞保存剤の実用化が視野に入る段階まで達成できた。さらに今
までは困難であった機能性分子ヒアルロン酸の効率的合成方法も確立した。
Ⅱ.機能性グリコクラスター複合材料創製技術の開発
機能性糖鎖構造予測技術の開発では、環状糖ペプチドとインフルエンザウィルスヘマグルチニ
ンを材料に糖ペプチドとタンパク質レセプターとの相互作用の様式及び安定配座解析を系統的に
行うことが出来るようになり、予測した化合物を実際に合成し、その抗インフルエンザ活性を測
定した結果、強い活性のあることが確認できた。乾癬への治療薬として期待されるアザ糖の分子
設計にもコンピューター解析を駆使し、目的の活性を有する糖鎖誘導体を合成でき、目標に達成
できた。現在、製薬としての実用化に向けた最終検討を企業にて進めている。グリコクラスター
利用化粧品素材として、糖脂質のスキンケア化粧品への応用についてもほぼ基礎段階を終了した。
現在、工業化レベルに対応するための規格作成を目的とする純度など各種試験段階をクリアーし、
スキンケア化粧品への開発に向けヒトでの評価検討の段階に進んでいる。
さらに繊維状クラスター化技術を確立し、インフルエンザウイルス防除マスク・フィルターと
しての実用化研究に進んだ。光重合性官能基を有する糖脂質を合成し、薄膜形成後、光重合させ
ることが出来た。これらの糖鎖クラスターにタンパク質を特異的に結合させることでタンパク質
のネットワークを作る基礎的手法は確立した。細胞表層の特異分子による化学修飾法の開発では、
バクテリアの表層修飾という新しい方法を確立し、現在、乳酸菌ワクチンの開発が企業において
進められている。
2.研究開発項目毎の成果
19
研究開発項目1
「糖鎖及びグリコクラスターの効率的合成技術の開発」
(1) 酵素による自動合成技術の開発
本技術開発は中間評価時に終了しているが、平成15年度より開始された「糖鎖構造解析技術
開発」プロジェクトにおいて、
「糖鎖・糖鎖複合体合成技術の開発」という研究開発項目で、糖タ
ンパク質・糖ペプチド自動合成装置としてさらに展開研究が進行している。
1-1 新規固定化糖転移酵素の開発
産総研・糖鎖工学センターの地神グループは GPI アンカーとは結合様式は異なるが、酵母細胞
表層に結合する蛋白質である Pir 1 との融合蛋白質として糖転移酵素を、例えばα1,3-FucT VI、
発現提示することに成功した(図1)。この酵母の培養菌体を物理的に破砕し、得られた細胞壁画
分をそのまま固定化酵素として用いることができることが判明した。これまで用いていた活性化
Sepharose を担体とする固定化酵素とともにその使用条件について適正化を行っている。また、
α1,3-FucT VI 以外にも、糖鎖自動合成装置開発の上で重要と思われる数十種類の糖転移酵素に
ついて、その発現を検討している。
1-2 高性能糖鎖合成用高分子担体の開発
従来の糖鎖モノマー−アクリルアミド共重合体プライマーに比べて、これまで問題視されてい
た固定化α2,3-SiaT に対する反応性が2∼4倍優れている糖鎖モノマー−アクリルアミド−ア
クリル酸共重合体プライマー(アクリル酸含有率が 20 - 80 モル%)の開発に成功した。
1-3.糖鎖自動合成装置の開発
これまでの自動合成装置は固定化酵素を酵素源とし、各糖転移反応はワンパスで行う装置であ
ったが、流路設定を種々変更することにより、同じ反応を何回も反応できるリサイクル型、遊離
酵素も利用できるプライマー固定型、遊離プライマー型にも対応できる高汎用性装置への改良を
施し(図2)、1−1、1−2で新たに開発された固定化酵素あるいはプライマーを用いて糖鎖合
成条件の適正化検討を行っている。
20
GPI-CWP System
Agα1
Target Protein (C-terminus
)
Secretion Signal Sequence
Aga2 Target Pr.
Aga2
Target Protein
SS
SS
Aga1
Cell wall
PIR1
Glycosyltransferase
糖転移酵素
Sugar Chain
図1
細胞表層に発現提示された糖転移酵素
リサイクル型
プライマー固定型
図2
遊離プライマー型
高汎用性糖鎖自動合成装置
21
(2) 新触媒等による新合成技術の開発
A. 固体超強酸触媒によるグリコシド及び糖鎖の合成技術の開発
糖鎖合成の根幹を成すグリコシル化反応において、除去及びリサイクルが容易な触媒として固
体超強酸・活性珪藻土触媒を用いる合成技術を開発する。またこれら固体触媒と環境負荷の低い
溶媒である超臨界二酸化炭素を組み合わせた合成技術の開発も行う。これらの合成技術により、
安全かつグリーンな工業的糖鎖製造プロセスを構築することを目標に研究を開始した。
(研究成果)グリコシル化反応において、従来の方法では触媒として有毒な重金属塩あるいは危
険な Lewis 酸を用いることが多く、またほとんどの触媒は反応終了後、失活し、廃棄しており、
リサイクルされていない。これらの問題点を解決するために、濾過によって容易に反応系から除
去・回収でき、リサイクル可能な固体触媒を用いた反応系について研究開発を行った。まず酸化
タングステン担持型固体超強酸(WO3/ZrO2、WO3/SnO2、WO3/TiO2、WO3/Fe2O3)を触媒としたグルコ
ースの重合反応を行い、人工デンプンの合成に用いた。また、珪藻土に固体超強酸の製法に類似
した硫酸・焼成処理を施すことで、ろ過性に優れた新規固体触媒(酸化金属担持活性珪藻土触媒・
ZrO2/Activated Diatomite、TiO2/Activated Diatomite(図 1))を開発した。
また、グリコシル化反応では一般的に反応溶媒として有害な有機溶媒が用いられており、人体
や環境に与える影響が大きい。そこで溶媒として環境負荷の低い溶媒である超臨界二酸化炭素を
用い、上記固体触媒と組み合わせる反応プロセスの研究開発を行った(図 2)。固体触媒としては
硫酸化ジルコニア、ZrO2/Activated Diatomite、TiO2/Activated Diatomite を用い、それぞれ超
臨界二酸化炭素中で反応を行うことで高効率でグリコシル化を行う反応プロセスを構築した。ま
た上記プロセスにより糖アミノ酸の合成にも成功した(図 3)。
以上のように固体触媒−超臨界二酸化炭素 反応系によって、安全かつグリーンな糖鎖製造プロ
セスを構築した。
図1 TiO2/Activated Diatomiteの操作型電子顕微鏡(SEM)画像
22
図2. 超臨界CO2反応装置(MO-1000)の概略図
図3. TiO2/Activated Diatomiteを触媒とした超臨界CO2中における糖ペプチドの合成
23
B. 高機能性縮合反応を用いる規則配列型糖ペプチド合成技術の開発
南極などの極寒の海に生息する魚類の一部は、その体液中に不凍糖タンパク質(AFGP-antifreeze
glycoprotein)と呼ばれる特殊な糖タンパク質を有し、その働きによって、普通の生物では生息
できないような極低温化においても生息する事ができる。AFGP は氷の結晶表面に付着し、その成
長を阻害することにより抗凍結活性を発現することが知られている。この性質を利用すると、凍
結-解凍時に起こる細胞組織の破壊を最小限に食い止めることができ、人体組織の保存剤などへの
応用が期待できる。我々はすでに AFGP の最初の全合成に成功しており、様々な AFGP 類縁体の合
成、活性評価、構造解析を行うことで、AFGP の活性メカニズムに関する基礎的な知見を得ている。
本研究では、これまで得られた知見をもとに、高活性且つ細胞毒性が低く、合成が容易である不
凍糖タンパク質類似分子を設計し、その大量調製技術を開発することを目的とする。
適切に保護された糖鎖部分 42 とペプチド部分 47 を別々に用意し、それらをカップリングした。
次に温和な条件で保護基の脱保護を行い、繰り返し単位となる糖ペプチドユニット 50 を得た。最
後に、得られた糖ペプチドを Diphenylphosphoryl azide (DPPA)を用いた連続縮重合反応により
重合し、目的とする規則配列性の糖タンパク質である AFGP 17 の全合成を達成した。DPPA は Ser、
Thr 等の側鎖水酸基が無保護の状態でもペプチドのカップリングを行う事が出来る試薬である。
DPPA は酸アジドを経由して反応が起こる活性化剤であるが、この時経由する酸アジドは水酸基と
反応するほどの反応性は無いといわれており、AFGP の合成に関しても糖鎖水酸基は反応に関与せ
ず、ペプチド鎖のみで重合反応が起こる事を NMR スペクトル等によって確認した。この確立され
た手法を用いて様々な AFGP アナログ分子が合成され、それらの氷晶成長阻害活性が評価された。
【今後の予定】
これまでに得られた知見を基に、移植臓器保存剤を指向した、新規凍結保護剤への応用を目指す。
24
BnO
BnO
BnO
OBn BnO
O
O
BnO
OBn
O
a
F
N3
Cbz
42
H
N
BnO
HO
O H
H H
N
H
CH3
H
N
OBn BnO
O
O
BnO
OBn
O
R
O CH3
O H
O
H
H
N
N
Cbz
N
OBn
H H H
O H CH3
O
OBn
O H CH3
48. R = N3
47
b
49. R = NHAc
c
HO
OH
O
HO
HO
HO
O
HO
OH
O
d, e
O CH3
O H
O
H
H
N
N
N
H H H
O H CH3
AFGP の合成スキーム
17
OH
O
O
AcHN
O
O H
HO
AcHN
H
HO
HO
OH
O
H2N
OH
H H
N
H
CH3
H
N
O
O
OH
H CH3
n
50
25
研究開発項目2
「機能性グリコクラスター複合材料創製技術の開発」
(1) 糖鎖構造予測技術の開発
A. バーチャルスクリーニングシステムの構築と糖転移酵素の阻害に関する研究
バーチャルスクリーニングを行うシステム構築と糖転移酵素阻害剤探索の準備のために妥当な
活性中心モデルの構築技術の確立のために・-14GalT1 の結晶構造データ(1JNC, コンフォメー
ション II)に対して in silico でスクリーニングを行うために、UDP-ガラクトースを FlexX プロ
グラムを用いて再度結合させるドッキング計算を行った。スクリーニングシステムは市販のパッ
ケージソフトウエア SYBYL を中心に構築され、データベースについては、世界的に標準的なフォ
ーマットである sdf 形式の 3 次元分子構造データを SYBYL を用いる際に便利な mol2 形式および
hitlist 形式に変換するための手順を構築した。ドッキング計算による UDP-ガラクトースの
・-14GalT1 への結合様式は結晶構造のそれと良く一致し、大規模な in silico スクリーニングの
実行に対して基準となる結合様式をドッキング計算によって再現することに成功した。
Gly315
O
Glu317
Asp318
O
O
Asp318
O
H
H
H O
H
H
H O
O
O
HO
O
H
H
O
H
H
O
O
H
N H
H
H
N
O
O
N
H
O
O
HO
O
H
H
H
O
H
O
Gly292
O
O
O
Asp252
O
Gly292
Asp252
図 b-14GalT(1JNC)に結合していた UDP-glucose を取り外し、FlexX による
ドッキング計算で結合させた UDP-galactose との結合様式(右)と、
UDP-galactose 結合して結晶化された 1KYC との結合様式(左)の比較。
B. VCD スペクトルと分子軌道法を用いた糖鎖構造決定技術の開発
IR,VCD スペクトルと分子軌道法を組み合わせることによる新規の糖鎖構造決定技術を開発す
るために、様々な単糖に対して VCD スペクトルの測定と、その分子軌道法による計算を行い、構
造、コンフォメーションに対する VCD スペクトルの特徴的なシグナルの存在に対する検討を行っ
た。グルコース、ガラクトース、マンノースなどの典型的な単糖、および 2 位がアミノ化された
アミノ糖、また N アセチル化されたアミノ糖に対して IR、VCD スペクトルの計算を行った。配座
探索はまず CONFLEX プログラムを用い、様々な配座を発生させこれを MM2+力場を用いて最適化し
た。これらの配座のうちエネルギーの低いものに対して分子軌道法によって再び構造を最適化し
た後調和振動解析によって IR スペクトルおよび VCD スペクトルを得た。N−アセチルグルコサミ
ン(ガラクトサミンおよびマンノサミン)に対してはアミドについての C=O 伸縮および N-H 変核
振動に対してこれらを識別可能な特徴的なピークが計算から予測された。
26
C. アザ糖を基本骨格としたメタロプロテアーゼ阻害剤の開発研究
我々は、アザ糖を基本骨格としたメタロプロテアーゼ阻害剤の開発研究を行っており、これま
でに乾癬という皮膚疾患に着目し、本疾患の有効な治療薬の開発を目指して探索研究を進めてき
た。これまでに種々検討を行い
CB-12181:(2R,3R,4R,5R)-3,4,5-Trihydroxy-1-(4’-phenoxy-benzenesulfonyl)-piperidine-2
-carboxylic acid hydroxyamide (Figure 1) が乾癬モデルであるマウス TPA 誘発皮膚肥厚モデル
において有効であり、乾癬治療薬の候補になりうることが明らかとなった (Figure 2)。乾癬治療
薬の特許に関しては、PCT 出願を行っており、2004年1月8日に公開されている
(WO2004/002959)。現在、高次評価のための検討については、カルナバイオサイエンス㈱にて行っ
ている。
OH
HO
OH
N
CONHOH
O
O
S
O
CB-12181
Figure 1.
乾癬治療薬開発候補化合物
一方、メタロプロテアーゼの一種である TACE (TNF-・ converting enzyme)に着目し、本酵素に
選択的な阻害剤を目指して探索研究についても進めてきた。TACE は腫瘍壊死因子(TNF-・)を膜か
ら切り出しを行う酵素であり、これを阻害することで慢性関節リウマチ、変形性関節症の疾患の
有用な治療剤になると考えられている。これまでにコンピューターを用いたドッキングシュミレ
ーション、ECD (Electronic Circular Dichroism)、および VCD (Vibrational Circular Dichroism)
を駆使し、幾つかの満足のできる TACE 選択性を有するアザ糖誘導体を見出すことに成功し、20
02年12月26日に「アルキニル基置換アザ糖誘導体およびそれを有効成分とする薬剤」とい
う名称で特許を出願した。またアザ糖を基本骨格としたメタロプロテアーゼ阻害剤に関して、こ
れまで 4 報欧米の学術雑誌に投稿し掲載された。
27
Histopathology
60
TPA+vehicle
50
Epidermal Thickness (µm)
Vehicle only
**
40
**
30
**
20
10
0
TPA+CB-12181
control
TPA
1
3
10
TPA + CB-12181
30
100
(µg/site)
Data represent the mean ± standard error of five animals.
Significant difference from TPA treated group. ** p < 0.01 (student’s t-test)
a
Figure 2. Effect on Mice TPA-induce Epidermal Hyperplasia of Azasugar-Based Derivative
28
D. 核磁気共鳴法を用いた糖ペプチドの構造解析の自動化技術開発
糖鎖ペプチドのコンフォメーション NMR データ情報を満たす立体構造として算出することを可能
にするために既存のプログラムの改良を行った。これを用いて当プロジェクトにおいて開発され
た A 型インフルエンザウィルス表層に存在するタンパク質であるヘマグルチニンに結合する環状
糖ペプチドを核磁気共鳴(NMR)法によって解析し、分子動力学計算によってその立体構造の決定に
成功した。この構造はコンピュータモデリングのものと一致し、ヘマグルチニンに結合しうるコ
ンフォメーションを形成していることが明らかにされた。本研究成果は糖ペプチドからなる阻害
剤の設計の基本的な指針を示し、理論的な構造と実験的に決められた構造が一致した最良のモデ
ルを提供できたと言える。また、本研究を通して、NMR によって得られた距離情報を用いた分子
動力学計算を、汎用ソフトウェアを改良することでアミノ酸のみならずあらゆる糖にも対応させ、
糖鎖含有生体分子の構造計算を行うことが可能であることを示した。デザイン、合成、構造活性
相関解明と一連の創薬プロセスを、本プロジェクトを通して示すことができ、迅速に遂行するこ
とができた。さらに、天然物由来のムチン型糖タンパク質である不凍糖タンパク質(AFGP)の立体
構造を NMR 法で決定することに成功した。立体構造から AFGP は明瞭な両親媒性構造を形成してい
ることがわかり、不凍活性メカニズムに大きな知見を与えた。さらに糖鎖がタンパク質の立体構
造をコントロールしている可能性も示唆され、このような糖鎖の役割を積極的に利用した新物質
開発に繋がるものと考える。
29
A
N
C
B
N
C
NMR により明らかになった不凍糖タンパク質(AFGP)の立体構造
30
(2) グリコクラスター複合材料創製技術の開発
A. 特異的糖鎖クラスター導入技術による糖タンパク医薬開発
タンパク医薬の最大の欠点として、生体内での薬効時間が短いということが挙げられる。本プ
ロジェクトで取り組んだインスリンもその一つで、体内に投与後、数分で分解が始まり、その効
果持続時間は約2,3時間である。このことから、糖鎖を付与することによって、インスリンの
薬効時間を延長させることを目的とし、またそれに成功した。
本方法は、あらかじめ化学合成によって作製した糖鎖アルキルアミノ誘導体をトランスグルタ
ミナーゼ(TGase)によってインスリンのグルタミン残基へ導入するというものであり、導入後ガ
ラクトース転移酵素(GalT)、シアル酸転移酵素(SiaT)などのさまざまな糖転移酵素によって糖
鎖伸長を行うこともできる。最近では、下図(左)に示すような3分岐型糖鎖を付与したインス
リンを合成することにも成功し、またその薬効は下図(右)に示すように、コントロールの野生
型インスリンに比べ、明らかな薬効持続作用を示す結果となった。
本方法の最大の特徴は、均一な構造をとった糖鎖を目的タンパクの狙った部位に付加すること
ができることである。従来の方法では、構造の不均一な糖鎖だったり、目的タンパクの限られた
部位にしか糖鎖を付加することができなかったりといった問題点があったが、それらを大きく改
善することができた。本プロジェクトによって開発された糖鎖付加型インスリンは、現在、塩野
義製薬によって薬効評価試験等が進められている。
31
B. シクロデキストリンを鍵化合物とする糖鎖クラスターの構築
新規な低分子量糖鎖クラスター化合物の効率的合成法の開発のため、環状オリゴ糖シクロデ
キストリン(CD)をコア構造とし、各種糖鎖部分が分岐したタイプの高機能性糖鎖分岐型 CD
リガンド(GlycoCD)の合成を目的とした。
まず化学合成法のみにより Gal、GlcNAc、Lac、LacNAc 等のオリゴ糖をスペーサーを介して CD
コア上に有する GlycoCD を高収率で調製した。この GlycoCD を用いた初歩的な生物学的実験とし
て、小麦胚芽レクチン(WGA)、および Erythrina Corallodendron レクチン(ECorL)に対する赤血
球凝集阻害試験について検討した。これらのレクチンは各々、GlcNAc あるいは LacNAc 残基を特
異的に認識するレクチンとして知られている。その結果、WGA については GlcNAc-CD が GlcNAc よ
りも、約 280 倍高い阻害活性を示した。一方で ECorL についても LacNAc-CD が最も高い阻害活性
を示し、その値は LacNAc の約 32 倍であった。
以上のように、4 種類の GlycoCD を化学的手法により効率的に合成したものの、さらに複雑な
糖鎖構造を有する GlycoCD を化学的に合成する場合、糖自身の立体障害が最大の問題になると考
えられる。そこで、本研究では最小限な糖鎖構造を化学的に CD 上に導入した後、さらなる糖鎖伸
長を酵素的に行なう化学−酵素合成法の検討を行った。つまり上記において、化学的に合成した
GlcNAc-CD 上で、各々の糖ヌクレオチド(UDP-Gal、CMP-NANA、GDP-Fuc)および糖転移酵素(β
1,4-ガラクトシルトランスフェラーゼ、α2,3-シアリルトランスフェラーゼ、α1,3-フコシルト
ランスフェラーゼ)を用いて、ガラクトシル化、α2,3-シアリル化、そしてα1,3-フコシル化と
いう3段階の糖鎖伸長反応を、酵素合成法により行い、7本のシアリルルイス X(SLeX)残基を
有する GlycoCD の合成に成功した。
また、さらに高度な糖鎖分岐構造を有する GlycoCD 合成のために、3本鎖型の糖鎖部分の調製
を行い、それを CD コア上に化学合成により付与し、上記と同様にガラクトシル化、α2,3-シアリ
ル化という2段階の糖鎖伸長反応を行うことにより、21本のシアリルラクトサミン残基を有す
る分子量 17,000 の巨大 GlycoCD の合成に成功した。これらの反応に関しては、1H-と 13C-NMR スペ
クトル、および MALDI-TOF-Mass スペクトルにより、反応の進行を確認した。
以上のように、本研究により化学合成と酵素合成の組み合わせが、低分子糖鎖クラスター化合
物を合成する際、非常に有効な手段であるということが示唆された。
C. バクテリア表層における糖鎖クラスター化
本研究は生きているバクテリアの表層に目的物質を提示する技術を構築し、ワクチンなど幅広
い応用を目指している。最近、哺乳類の腸内に存在する共生細菌は生きたまま樹状細胞に保持さ
れることで、特に腸管免疫に働く IgA を誘導することが明らかとなってきている。従って乳酸菌
などのバクテリア表層を生きたまま修飾することが可能である本手法は、乳酸菌をドラッグデリ
バリーのキャリアーとして利用でき、それらは有効な経口ワクチンとしての応用が期待できる。
化学修飾をほどこした細胞壁前駆体(UDP-MurNAc-pentapeptide)誘導体を合成し、生合成経路
を利用してバクテリアの細胞壁に取り込ませ、細胞表層を化学的に修飾することに成功した(細胞
壁化学修飾法と命名した)。バクテリアの細胞壁の化学構造はバクテリアの種類にかかわらずほぼ
同じである。従って、細胞壁を足場としたこの手法は、ほとんどすべてのバクテリアに対し適応
可能であるといえる。例えば、ケトン基を持たせた細胞壁前駆体を合成し、これを添加した培地
32
で乳酸菌 (L. plantarum JCM1149) を一晩培養することで細胞表層にケトン基を提示させた。ケ
トン基を基点として糖鎖を提示させた乳酸菌は、天然と乳酸菌とは異なる接着挙動を示し、糖鎖
が目的通り提示されていることがわかった。乳酸菌の種類によって提示される効率が異なるが、
細胞壁表層提示量をコントロールするため、抗生物質の併用などが有効であることもわかった。
さらに、合成に時間を有する細胞壁前駆体(UDP-MurNAc pentapeptide)の改良を目的に、よりシ
ンプルな細胞壁前駆体による細胞壁への取り込みについても検討を行った。その結果、より効率
的に細胞表層を修飾することが可能であることがわかった(特許申請済み)。この新しい細胞壁前
駆体に関しては合成ステップ数、コスト面から考えて UDP-MurNAc pentapeptide よりも格段に有
利であるため実用化に大きく近づいた。現在、塩野義製薬からの特許申請を終え、ワクチンとし
ての機能を試験する段階に入っている。
本研究(細胞壁化学修飾法)のねらい
33
細胞壁化学修飾法の原理
34
D. 免疫制御活性物質の評価技術の開発
免疫制御活性を有する糖鎖関連化合物のスクリーニングに有用である、免疫疾患モデルを作
成し、その発症機構を解明し治療モデルを作成する。また、免疫応答の際の細胞間相互作用に
おける細胞表面分子の糖鎖修飾の意義を明らかにし、細胞表面分子の糖鎖修飾を制御すること
による免疫応答の制御が可能であるか検討する。
(研究成果)
Th1/Th2 細胞移入による免疫疾患モデルの作成
従来の免疫疾患モデルは、主にマウスなどの動物に抗原タンパク質を過免疫した後に抗原をチ
ャレンジすることにより作成されてきた。このモデルは、作成に多大な時間を要し、多くの免
疫制御活性物質を評価することは非常に困難であった。そこで、生体外で大量に培養した
Th1/Th2 ヘルパーT 細胞をマウスに移入し抗原とチャレンジするという新規動物疾患モデルを
作成した。免疫疾患モデルとして、気道アレルギーモデルと肝障害モデルを作成することに成
功した。従来気道アレルギーは、抗原特異的 Th2 細胞依存的に発症すると言われてきたが、Th1
細胞依存的気道アレルギーが存在することを初めて明らかとした。また Th2 細胞依存的気道ア
レルギーは、Th1 免疫の活性化剤である非メチル化 CpG オリゴデオキシヌクレオチドの気管内
投与によりほぼ完全に抑制されることが分かった。従って Th1/Th2 細胞の投与により作成した
気道アレルギーモデルは、Th1/Th2 バランス制御によるアレルギー治療薬の評価系として有用
であることが示された。肝障害モデルの解析では、ホストマウスとして BALB/c マウスを用い
た場合 Th1 細胞を投与した場合のみで肝障害が発症する一方、B10.D2 マウスを用いた場合では
Th1,Th2 どちらを投与した場合でも発症した、肝障害の発症に系統差が存在することを明らか
にした。さらに Th1 細胞依存的肝障害において IFN-γを中和した際、BALB/c マウスでは完全
に肝障害の発症が抑制されるが B10.D2 マウスではかえって増悪した。したがって、肝障害の
発症メカニズムにおける IFN-γの役割には系統差が存在することが明かとなった。
マウス胎児性繊維芽細胞(MEF)からのエオタキシン産生モデルの作成と産生機構の解析
Th2 細胞依存的気道アレルギーモデルでは、肺で好酸球の遊走因子であるエオタキシンが産生
され、好酸球が浸潤する。好酸球は各種炎症物質の産生により、気道での炎症に関わっている
と考えられている。そこで、MEF からのエオタキシン産生を評価する系を作成し、エオタキシ
ンの産生とその抑制メカニズムを調べた。様々なサイトカイン刺激を検討した結果、MEF を TNFαと IL-4 で刺激することによりエオタキシン産生を誘導する系を確立できた。このエオタキ
シン産生は STAT-6 を介していることが明かとなった。また IFN-γを加えることにより
STAT-1,SOCS-1 のシグナル伝達経路を介してエオタキシン産生が抑制されることを明らかとし
た。
1. 樹状細胞による抗原提示における糖鎖分子の役割の解析
樹状細胞による T 細胞への抗原提示反応では MHC 上に提示された抗原ペプチドと TCR との相互作
用に加え様々な表面分子間の相互作用が必要である。これらの細胞表面分子の修飾糖鎖の存在が
抗原提示反応にどのように影響しているかを調べる目的で樹状細胞を Tunicamycin で処理し、抗
原提示能力の変化を調べた。その結果 Tunicamycin 処理した樹状細胞では、T 細胞への抗原提示
35
能力がほぼ完全に消失していることが明かとなった。さらに、Tunicamycin 処理した樹状細胞に
よる抗原提示は T 細胞に抗原に対する非応答性を誘導することが示唆された。
36
E. 重合性糖鎖脂質の二次元高分子化技術の開発
1. 糖転移酵素アレイの基板となる二次元光重合単分子膜の合成
糖とタンパク質の相互作用を利用してタンパク質を固定するための材料として、光重合性の糖脂
質を含んだ単分子膜についての研究を行った。糖鎖合成の効率化を目指し、表面プラズモン共鳴
法を用いた糖転移酵素反応のモニタリング技術の開発を行った。糖転移酵素はマルトース結合タ
ンパク質(MBP) の融合タンパクとして発現、その MBP をタグとして、基板に固定化させた。LB 膜
上に固定化したガラクトース転移酵素(GalT) の転移反応は、表面プラズモン共鳴法によって感度
良くモニタリングできることがわかった。本技術は酵素阻害剤など薬剤候補の高速スクリーニン
グに非常に有用な手法になることが期待される。
2. センシング材料としての光重合性微粒子の合成
光重合性脂質は重合によって蛍光性となるという特性を利用し、糖鎖認識分子のセンシング材料
への応用へ展開した。糖とタンパク質の相互作用を検知する蛍光性のセンシング材料として、糖
脂質を含んだナノパーティクルを利用した。ナノパーティクルはリポソームの光重合によって作
製した。タンパク質のリポソーム表面への非特異的な結合を避けるために、ジアセチレンを含ん
でいるホスファチジルコリンをパーティクルのマトリックス脂質として使用した。蛍光性の検知
は比色定量の検知より一般的に数百倍感度が高いので、本技術のセンシングシステムは、巨大分
子だけではなく低分子量のターゲットの結合検出が可能であり、あらゆるサイズのリガンドに適
用可能であろうことが期待される。本システムによってレクチンや抗体の蛍光検出、糖鎖切断酵
素の反応モニタリングが可能であることがわかった。
37
F. デンドリマー型糖鎖クラスター構築技術の開発
A 型インフルエンザウィルスによる感染予防と治療を目指し、ウィルスが認識する細胞表層を
模倣したデンドリマー型糖鎖クラスターの構築を行った。ウィルス表面には、糖鎖を認識する 2
種類のタンパク質が存在し、何れも細胞表層に存在するシアル酸を認識している。中間評価の際
は、シアリルラクトースを担持したカルボシランデンドリマー化合物群を合成し、ウィルスとの
相互作用について検討した。その結果、糖鎖の個数が増えるとともに、活性の向上が認められた
ことについて報告した。その後、還元末端側二糖を、ラクトースよりも、より高い活性を発現す
る可能性がある N-アセチルラクトサミンに変更し、ウィルスヘマグルチニンの接着を阻害するシ
アリルラクトサミンクラスターの合成を開始した。一方、インフルエンザウィルスのシアリダー
ゼが認識するシアル酸誘導体の検討も行った。さらに、シアリルラクトサミン構築のための基盤
となる N-アセチルラクトサミンクラスターの構築、デンドリマー上での酵素による糖鎖伸長反応
を検討し、ラクトサミン構造に誘導できることを見出した。この手法は、ゴルジによる糖鎖伸長
反応に展開できる。
接着
シアリルラクトース
より活性が高い
シアリルラクトサミン
インフルエンザ
ウィルス
離脱
シアル酸誘導体
ラクトサミンクラスター
・化学合成
・酵素合成
38
G. デンドリマー型エイズワクチンの合成開発
デンドリマー型エイズワクチンを合成するために、毒性のない糖鎖リジンデンドリマーを作っ
た。単一分子量の球状リジンデンドリマーを初めて作ることに成功した。キーになったのは、リ
ジンの2種類のアミノ基の反応性を均一化するためにベーターアラニンを結合させたことである。
分子量13472.50を持つ32個のマルトースが結合したデンドリマーが得られた。
本研究成果は2003 年にMacromolecules 誌に発表済み。
D i-B oc-lys ine
-Cl+ H
3
N
NH 3
+ C l-
D i-B oc -lys ine
D i-B o c-ly sin e
Lysine dendrimer
generation 1
ポリ リ ジン
デン ド リ マ ー
第3 世代( G3 )
1 ,4-D ia min obuta ne
( 1 ,4 -ジ メ チ ル ブ タ ン )
β -Ala nine
NH CH CH COOH
2
2
M alto se
2
ア ラ ニ ン 結合リ ジ ン デ ン ド リ マ ー G 3
( ア ラ ニ ン は 1 6 ア ミ ノ 基 の 反応 性 を 均 等化 )
マ ル ト ー ス 被 覆 ア ラ ニ ン 結 合リ ジ ン デ ン ド リ マ ー G 3
( 3 2 個 の マ ル ト ー ス が 結 合 − 各 ア ミ ノ 基 当 り 2 個)
M A L D I -TO F M S
M W = 1 3 47 2.5 0
Scheme 1 . 単一分子量を 持つ球状グリ コ −ポリ リ ジ ン デン ド リ マ ーの合成
39
H. 炭素源の化学構造によるバクテリア多糖の特性制御
新しくデザインした連続巻き上げ装置付き朝皿培養器で培地表面から薄膜や繊維を直接収穫す
ることでセルロース成型品を製造するコストを大きく削減することが出来た。
この際連続巻き上げ装置のレベルを培養皿の表面と同じに調節することで無延伸型薄膜や繊維を
収穫することが出来た(現在紙パック容器の内張膜としての可能性検討中)。
グルコースを炭素源とする酢酸菌をグルコースと他の化合物との混合培地中で繰り返し継代培養
をすることで,通常のバクテリアセルロースに異種糖残基が導入された多糖が生産されるように
なった。グリセリンの場合はグルコース残基に転換され、ガラクトサミン、グルコサミン、N―ア
セチルグルコサミン、硝酸ナトリウムの場合はいずれもグルコース残基と N―アセチルグルコサミ
ン残基を含む多糖が生産されるようになった。アミノ糖導入多糖の生分解性試験からこれらの多
糖はセルラーゼに加えてキチナーゼでも加水分解されるようになり生分解パターンの広い多糖が
生産されたことになる。グリセリンを炭素源とした場合は,受容酵素はセルラーゼのみであった
が、加水分解速度がバクテリアセルロースのそれより高かったことから結晶構造の違いが示唆さ
れて、将来セルロースの分子配列研究に有用な多糖になる可能性がある。13C を含む2種類のグリ
セリン(13C2 グリセリンと 13C1,3 グリセリン)をそれぞれ加えた培養から得られたセルロースの固
体 NMR 測定からグリセリン分子の末端が結合してグルコースを生成しこれを炭素源としてバクテ
リアセルロースを生合成する経路が示された。
「薄膜沈降法」の開発で混合炭素源系で生産される
多糖の残基構成が時間とともに変化するので、一定時間毎に薄膜状態で培地中に沈降させると残
基構成が比較的均一な画分をそれぞれ取り出すことが出来ることを見つけた。またこの際,薄膜に
取り付いている酢酸菌はその多糖画分を生産する特異的なバクテリアということになり、バクテ
リアの機能別文画法として新しい技術になる可能性がある。
40
(3) 新機能を有するグリコクラスター材料・素材の開発研究
A. 皮膚糖タンパク質の糖鎖構造解析
糖鎖は構造的多様性に富み、多くの生命現象に関わっている。特に糖タンパク質の糖鎖は、タ
ンパク質の活性・安定性の維持や多くの分子認識に関わっている。さらに、細胞の分化、受精、
発生、免疫、ガンなどの疾患において、構造や量比に変化が生じることが明らかになってきた。
一方、皮膚は弾力や可塑性、強度を有し、物理的に生体内を保護するとともに、水分代謝や調
節、体外からの異物の侵入に対する防御の役割を果たす。皮膚下層に位置する真皮は、繊維芽細
胞と細胞外マトリクスから成り、皮膚の弾力や可塑性、強度に寄与する。皮膚の糖鎖構造を解析
することは、皮膚形成や生体防御機構の理解に非常に重要であると考えられ、レクチンや抗糖鎖
抗体を用いた組織化学的解析の報告は多数存在するが、皮膚糖鎖の詳細構造や量比を検討した報
告はほとんどない。また皮膚は加齢に伴い、シワやたるみ乾燥といった様々な特徴を示し、生化
学的には真皮のコラーゲンやエラスチンの質的変化、グリコサミノグリカンの減少が知られてい
るが、糖タンパク質の糖鎖変化については知られていない。
我々はマウス真皮 N−結合型糖鎖の構造と量比およびその加齢に伴う変化を明らかにした。さ
らに、北大皮膚科より供与して頂いた正常ヒト真皮の糖鎖構造解析を行った。
酵素により遊離した糖鎖を蛍光標識し、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)による分離分析と
酵素による部分消化を行い、2 次元糖鎖マップ法により構造を決定した。その結果、
正常マウス真皮主要糖鎖は、コンプレックス型の
Gal・1-4GlcNAc・1-2Man・1-3(Gal・1-4GlcNAc・1-2Man・1-6)Man・1-4GlcNAc・1-4(±
Fuc・1-6)GlcNAc であることが判った。
加齢に伴い、コンプレックス型の 2 本鎖で末端に Gal を有する糖鎖と、3 本鎖糖鎖の割合が減
少した。また、コンプレックス型の 2 本鎖で、バイセクティング GlcNAc およびα1-6Fuc を有す
る糖鎖が増加した。さらに、ハイブリッド型およびコンプレックス型糖鎖比率が減少し、ハイマ
ンノース型糖鎖が増加する傾向があった。
正常ヒト真皮主要糖鎖はマウス同様、2 本鎖コンプレックス型であることが判った。
これらの糖鎖が結合しているタンパク質や、皮膚においてどのような役割を担っているかは現
時点では不明である。結合タンパク質の解明や各種皮膚疾患における糖鎖構造変化を調べること
で、皮膚における糖鎖の役割を解明し、新たな医薬品、化粧品の開発が可能になると考えている。
41
B. グリコクラスター利用化粧品素材の技術開発
β-ガラクトシルセラミド(GalCer)は、表皮のセラミド生成酵素であるβ―グルコセレブロシ
ダーゼ活性を増強し、角層セラミド量を増加させる。その結果、外界からの異物侵入や体内から
の水分蒸散を防ぐ角層バリア機能を高め、アトピー性皮膚や乾皮症に有効である。しかし、GalCer
の合成には多段階の反応を必要とし、非常に高コストとなるため、工業レベルで化粧品等の素材
へ応用することは困難であると予想される。本プロジェクトでは、GalCer 類縁体である
Gal-Ser-diamide を新たに見出し、これが表皮細胞のβ−グルコセレブロシダーゼ活性を上昇さ
せ、マウスでの紫外線誘導荒れ肌モデルでも有効であることを確認した。
そこで Gal-Ser-diamide をスキンケア化粧品へ応用することを視野に入れ、100 グラムオーダ
ーでの試作を行い、(1)工業化レベルに対応するための規格作成を目的とする純度試験、(2)
化粧品素材としての安全性、および(3)分子特性について検討を行った。その結果、LC-MS 分
析により純度は約 95%で、合成時に生じる不純物についても構造を同定し安全であることがわか
り、また化粧品基準でも安全性が確認された。さらに角層脂質成分(セラミド、コレステロール、
コレステロール硫酸、パルミチン酸)より構成されるモデル膜を用いて、Gal-Ser-diamide の分
子特性を調べた結果、本化合物にラメラ膜形成能および水分蒸散に対するバリア補強効果が確認
され、セラミド生成促進剤としてだけでなく、製剤的にも応用できる可能性が見出された。
Gal-Ser-diamide
脂肪酸
ガラクトース
OH
OH
O
HO
O
HN
H
N
O
OH
O
L-セリン
アルキルアミン
角層ラメラとの相互作用
合成時に生じる不純物
人工ラメラに添加して膜物性解析
LC-MSによる不純物の同定
①水分蒸散抑制能
②ラメラ膜形成可能
20 nm
Control
mAbs
Gal− Ser-diamide
溶媒ピーク
不純物
0
2
4
6
8
10
12
min
Control+10wt%Gal-Ser-diamide
SEMによる脂質含有メンブレンフィルター 表面形態観察
ラメラ膜を補強する効果
メンブレンフィルター内部
に形成したラメラ構造
(TEM観察)
化粧品基準での安全性をクリア
すべて安全であることを確認
42
C. 高機能性糖鎖クラスター繊維の開発
ウイルスや細菌など病原性微生物は、宿主の細胞表面にある糖鎖を認識して感染するため、糖
鎖構造の種差がウイルスなどの宿主特異性になる。感染の足場となる糖鎖を高分子材料に結合さ
せることにより、糖鎖のクラスター効果を介して宿主選択的に感染性微生物を除去する素材の開
発が期待できる。一方、バイオマス資源であるキトサンは、抗菌効果、創傷治癒促進効果など様々
な生物活性と生体親和性を有している。そこで、本研究開発では、安全性や経済性の視点から糖
鎖の高分子担体としてキトサンに着目し、インフルエンザウイルス(ヒト A 型)認識性の GM3 糖
鎖 ( Neu5Acα2→3Galβ1→4Glcβ1→ )、 大 腸 菌 O157 や ベ ロ 毒 素 認 識 性 の Gb3 糖 鎖
(Galα1→4Galβ1→4Glcβ1→)をそれぞれ、キトサンに導入した糖鎖‐キトサンコンジュゲート
(水溶性高分子または繊維)を合成し、それらのインフルエンザウイルス吸着効果やベロ毒素中
和効果について調べた(図 1)。
合成したアルデヒド基を還元末端に有する糖鎖誘導体を、キトサン(粉末状または繊維状)のア
ミノ基と反応させることにより、糖鎖を側鎖としてキトサンのグルコサミン主鎖に導入した。続
いて糖転移酵素を用いて糖側鎖を伸長させることにより目的の糖鎖‐キトサンコンジュゲートを
合成した。
OH
O
HO
OH
O
O
OH
O
O
HO
HO
NH2
NHAc
0.2
0.21
OH O
O
NH
0.59
O
OH
O HO
HO
HO
HO
O
O
OH
O
OH
HO
20
HO
糖鎖-キトサンコンジュゲートの構造式
水溶性の GM3-キトサンコンジュゲートが天然タンパク質であるフェツインよりも強いインフ
ルエンザウイルス結合性を有することは、赤血球凝集阻止活性法により認められた。また、繊維
状の GM3-キトサンコンジュゲートで作成したフィルターを用いて、インフルエンザウイルスけん
43
濁液をろ過し、ろ液にはほとんどインフルエンザウイルス活性(赤血球凝集活性)が見られなか
ったため、GM3-キトサン繊維が効率的にインフルエンザウイルスを吸着したことはわかった(図
2)。さらに、Gb3-キトサンコンジュゲートにはベロ毒素に対して高い中和活性を有することが WST
アッセイによりわかったので、ベロ毒素が Gb3-キトサンコンジュゲートを認識し、それと結合す
ることが示唆された。これらの結果から、生理活性糖鎖を導入したキトサン誘導体は病原性微生
物除去作用を持つ医療素材などへの利用が期待できる。
44
D. 機能性分子ヒアルロン酸の効率的合成方法の確立
ヒアルロン酸(HA)は、グルクロン酸(GlcUA)と N-アセチルグルコサミン(GlcNAc)の二糖が
繰り返し結合するグリコサミノグリカン(GAG)である。HA は生物界に広く存在する生命
の維持に必須の分子であり、鎖長の違いによって異なる機能を示すことが近年報告されている。
本研究では HA 効率的合成方法の確立のため、特定分子量の HA 産生が可能な改変酵素を大
量発現させることを最終目標とし、ヒト由来ヒアルロン酸合成酵素 2(hHAS2)を用いた大腸菌
での発現を試みた。研究の結果、糖転移部位を含む細胞質領域のみより構成される改変タンパ
ク質で平均分子量 14 糖の HA の合成が可能な、改変 HAS2 (rhHAS2)をマルトース結合タン
パク質(MBP)との融合タンパク質として発現させ、大腸菌内で活性を有した状態で得ることに
成功した。また、酵素反応時のアクセプターに 4 糖 HA を用いた際には、14 糖 HA、グルク
ロン酸単糖を用いた際には 5 糖 HA を産生することを確認し、アクセプターの種類によって
HA の鎖長制御が可能であることを示唆した。
図A
Kyte and Dolittle 法による hHAS2 のトポロジーと作成した rhHAS2 の領域
図B
MALDI-TOF MSによるrhHAS2の反応産物HAオリゴマーの分子量測定
Ⅳ.実用化、事業化の見通しについて
本プロジェクトの成果として以下のいくつかの開発内容が、現在実用化に向けて検討されている。
「糖鎖自動合成装置」
45
糖鎖自動合成装置については、引き続き NEDO の糖鎖エンジニアリングプロジェクトにて現在実
用化に向けてさらに開発を続けている。
「機能性分子ヒアルロン酸の効率的合成方法の確立」に関
しても東洋紡績が特許2件を申請し、酵素を利用して産生されたオリゴマーヒアルロン産を利用
した医療への応用を検討している。
「グリコクラスター利用化粧品素材」
Gal-Ser-diamide をスキンケア化粧品へ応用することを視野に入れ、100 グラムオーダーでの試作
を行い、(1)工業化レベルに対応するための規格作成を目的とする純度試験、(2)化粧品素材
としての安全性、および(3)分子特性について検討を行った。その結果、LC-MS 分析により純
度は約 95%で、合成時に生じる不純物についても構造を同定し安全であることがわかり、また化
粧品基準でも安全性が確認された。さらに角層脂質成分(セラミド、コレステロール、コレステ
ロール硫酸、パルミチン酸)より構成されるモデル膜を用いて、Gal-Ser-diamide の分子特性を
調べた結果、本化合物にラメラ膜形成能および水分蒸散に対するバリア補強効果が確認され、セ
ラミド生成促進剤としてだけでなく、製剤的にも応用できる可能性が見出された。現在スキンケ
ア化粧品への開発に向けヒトでの評価検討を続けており、今後は、新規機能性素材としての商品
化を目指す予定である。
「インフルエンザウイルス防除マスク・フィルター開発」
現在、本研究(特願 2004-056626 号)に基づき、
(財)北海道科学技術総合振興センター、(株)
生物有機化学研究所と連携して「インフルエンザウイルス防除マスク・フィルター開発」との実
用化研究を進めている。
「アザ糖を基本骨格とした乾癬の治療薬」
糖鎖誘導体乾癬治療薬の特許に関しては、PCT 出願を行っており、2004年1月8日に公開さ
れている (WO 2004/002959)。現在、実用化に向けた検討を (株)カルナバイオサイエンスにて進
めている。
「不凍糖タンパク質による臓器保存剤の開発」
本研究の成果を基に、合成不凍糖タンパク質の生理機能を活用して(1)新規臓器保存剤:臓器移植
時に摘出臓器を長時間安定に保存する臓器保存液、(2) 新規細胞保存剤:細胞移植に用いる細胞
の機能を損なわずに凍結保存するための凍結保存剤、以上 2 点の実用化研究開発を行っている。
本研究開発は経済産業省の平成16年度地域新生コンソーシアム研究開発事業「不凍糖タンパク
質の生理機能を活用する臓器・細胞保存剤の開発」として、北海道大学大学院理学研究科、北海
道大学医学部、塩野義製薬株式会社、生物有機科学研究所でコンソーシアムを組んで実施してい
る。
「バクテリア表層改変技術による乳酸菌ワクチンの開発」
本研究開発の成果は、(株)塩野義製薬や(株)ヤマサ醤油といった企業からの特許出願につながり、
実用化にむけて現在、より詳細なバイオアッセイなどが行われている。
46
(別紙)
発表論文リスト (北海道大学 理学研究科
西村紳一郎)
A. 原著論文
1.
Furuike T., Sadamoto R., Niikura K., Monde K., Sakairi N., and Nishimura S.-I., “Chemical
and Enzymatic Synthesis of Glycocluster Having Seven Sialyl Lewis X Arrays Using
beta-Cyclodextrin as a Key Scaffold Material”, Tetrahedron, in press
2.
Abe S., Moriyama H., Niikura K., Feng F., Monde K., and Nishimura S.-I. ,“Versatile
Synthesis of Oligosaccharide-Containing Fullerenes”, Tetrahedron: Asymmetry., in press
3.
Nishimura S.-I., Nakahori N., Takaya K., Tachibana Y., Miura N., and Monde K., “Direct
Observation of Sugar-Protein, Sugar-Sugar, Sugar-Water Complexes by Using Cold-Spray
lonization Time-of-Flight Mass Spectrometry”, Angew. Chem. Int. Ed., in press
4.
Takegawa Y., Deguchi K., Ito S., Yoshioka S., Sano A., Yoshinari K., Kobayashi K.,
Nakagawa H., Monde K., and Nishimura S.-I., “Assignment and quantification of
2-aminopyridine derivatized oligosaccharide isomers coeluted on reverse-phase HPLC/MS by
MSn spectral library”, Anal. Chem. Int. Ed., in press
5.
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8. Sasaki K, Tsuji T, Jinushi T, Matsuzaki J, Sato T, Chamoto K, Togashi Y, Koda T, Nishimura
T. Differential regulation of VLA-2 expression on Th1 and Th2 cells: a novel marker for the
classification of Th subsets. Int Immunol., 15, 701-10 (2003).
9. Sato, M., Chamoto, K., Tsuji, T., Iwakura, Y., Togashi, Y., Koda, T., and Nishimura, T.,
“Th1 cytokine-conditioned bone marrow-derived dendritic cells can bypass the
requirement for Th functions during the generation of CD8+ CTL.” J. Immunol. 167,
3687-3691,(2001).
10. Takaoka, A., Tanaka, Y., Tsuji, T., Jinushi, T., Hoshino, A., Asakura, Y., Mita, Y.,
Watanabe, K., Nakaike, S., Togashi, Y., Koda, T., Matsushima, K., and Nishimura, T., “A
critical role for mouse CXC chemokine(s) in pulmonary neutrophilia during Th
type1-dependent airway inflammation.” J. Immunol., 167, 2349-2353,(2001).
発表論文リスト (再委託先
帝京科学大学
瓜生敏之)
A. 原著論文
1. Synthesis of Oligosaccharide-Poly(lysine) Dendrimer Having Reducing Sugar Terminals
Leading to AIDS Vaccine Preparation
H. Baigude, K. Katsuraya, S. Tokunaga, N. Fujiwara, M. Satoyama, M. Magome, K. Okuyama,
G. Borjihan, and T. Uryu, J. Polym. Sci. A, accepted (Dec. 7, 2004).
2. Synthesis of Structurally-Controlled HIV Vaccine Model Having Glyco-Peptide Dendrimer
Scaffold
H. Baigude, K. Katsuraya, K. Okuyama, and T. Uryu
Macromolecular Chem. Phys., 205, 684-691 (2004).
3. Synthesis of HIV Vaccine Model Based on Lactose-Functionalized Poly(lysine) Dendrimer
Scaffold
H. Baigude, K. Katsuraya, K. Okuyama, N. Kariya, and T. Uryu
Sen-i Gakkaishi, 60, 118-124 (2004).
13
4. Synthesis of Spherical and Hemispherical Sugar-Containing Poly(ornithine) Dendrimers
H. Baigude, K. Katsuraya, K. Okuyama, K. Hatanaka, E. Ikeda, N. Shibata, and T. Uryu
J. Polym. Sci., 42, 1400-1414 (2004).
5. Synthesis of Sphere-Type Monodispersed Oligosaccharide-Polypeptide Dendrimers
H. Baigude, K. Katsuraya, K. Okuyama, S. Tokunaga, and T. Uryu
Macromolecules, 36, 7100-7106 (2003).
6. Synthesis and Anti-HIV Activity of 6-Amino-6-deoxy-(1 3)- - curdlan Sulfate
G. Borjihan, B. Zhong, H. baigude, H. Nakashima, and T. Uryu
Polym. Adv. Technol., 14, 326-329 (2003).
7. Synthesis of Dicarboxylate Oligosaccharide Multilayer Terminal Functionality upon
Poly(lysine) Dendrimer Scaffolding
H. Baigude, K. Katsuraya, K. Okuyama, Y. Yachi, S. Sato, and T. Uryu
J. Polym. Sci. A Polym. Chem., 40, 3622-3633 (2002).
8. Photochromic Chiral Liquid Crystalline Systems Containing Spiro-oxazine with a Chiral
Substituent. I. Synthesis and Characterization of Compounds
H. Hattori and T. Uryu, Liquid Crystals, 28, 25-34 (2001).
9. NMR Spectroscopic Detection of Interactions between a HIV Protein Sequence and a Highly
Anti-HIV Active Curdlan Sulfate
K.-J. Jeon, K. Katsuraya, T. Inazu, Y. Kaneko, T. Mimura, and T. Uryu
J. Am. Chem. Soc., 122, 12536-12541 (2000).
10.
Synthesis of Lysine-Core Dendrimer Containing Long Pyrrole-Terminated Alkylene
Derivative
S. Kim, K. Katsuraya, Y. Yachi, K. Hatanaka, and T. Uryu
Sen-i Gakkaishi, 56, 584-591 (2000).
14
発表論文リスト (再委託先
関西大学
戸倉清一)
A. 原著論文
1.
Preparation of Chitosan Filament applying New Coagulation System, H. Tamura, Y. Tsuruta,
K. Itoyama, Wannasiri Worakitkanchanakul, Ratana Rujiravanit, S. Tokura, Carbohydrate
Polymer, 56(2), 205-211 (2004).
2.
Chitosan-alginate Multilayer Beads for Gastric Passage and Controlled Intestinal Release of
Protein , Anil. K. Anal, Deepak Bhopatkar, S. Tokura, H. Tamura, Willem F., Drug
Development and Industrial Pharmacy, 29(6), 2003, 713-724.
3.
A Mismatch Hybridization of a-chitin Gel with -chitin Gel on the Preparation of
Non-woven Fabrics, H. Tamura, Serika Koiwa, Shinobu Okazaki, S. Tokura, J. Chitin
Chitosan, 8(4), 2003, 220-221.
4.
How to Estimate the Distribution of N-acetyl Groups in Chitosan through the Conversion of
Crystalline Structure Following to Treatment by Specific Solvent, H. Tamura, Makoto
Sawada, S. Tokura, J. Chitin Chitosan, 8(4), 2003, 226-228.
5.
Anti-inflammatory effect of chemically modified chitin, K. Miyatake, Y. Okamoto, Y.
Shigemasa, S. Tokura, S. Minami, Carbohydrate Polymers, 53, 417-423 (2003).
6.
Functional Telechelic Polymer Synthesis via ADMET Polymerization, H. Tamura, A.
Nakayama, J. Macromol. Sci., Pure & Appl. Chem., A39, 747-760 (2002).
7.
Preparation of Chitosan-coated Alginate Filament, H. Tamura, Y. Tsuruta, S. Tokura, Mat.
Sci. and Eng. C, 20, 143-147 (2002).
8.
Surface modification of nonporous glass beads with chitosan and their adsorption property
for transition metal ions, Xiang Dong Liu, Tokura, Seiichi; Masahiro Haruki, Norio Nishi,
Nobuo Sakairi, Carbohydrate Polymers, 49(2), 103-108 (2002).
9.
S. Tokura, H. Tamura: Preparation and Properties of Phosphoryl Chitin, Macromol. Chem.
Symp., 14(2), 189-200 (2001).8
S. Tokura, H. Tamura: O-Carboxymethyl-chitin
Concentration in Granulocytes During Bone Repair, Biomacromolecules, 2(2), 417-421
(2001).
15
10. Chitosan coated cotton fiber: preparation and physical properties, X. D. Liu, N. Nishi, S.
Tokura, N. Sakairi, Carbohyd. Polym., 44, 233-238 (2001).
11. Protective Effects of Phosphated (P-chitin) in a Mice Model of Acutr Respiratory Distress
Syndrome (ARDS), D. R. Khanal, Y. Okamoto, K. Miyatake, T. Shinobu, Y. Shigemasa, S.
Tokura, S. Minami, Carbohydrate Polymers, 44, 99-106 (2001).
12. Preparation of Hybrid Filament from Alginate and Phosphoryl Chitin, S. Tokura, H. Tamura,
Y. Tsuruta, C. Nagayama, K. Itoyama, Chitin and Chitosan Research, 7(1), 21-27 (2001).
13.
Polysaccharide Applications-Cosmetics and Pharmaceuticals, N. Sakairi, N. Nishi, S.
Tokura,: Cyclodextrin-Linked Chitosan: Synthesis and Inclusion Complexation Abilities,
ACS Symposium Series 737, Eds. by M. A. E-Nokaly and H. A. Soini, 68-84, 1999.12
14. A sulfated chitin inhibits hemagglutination by Theileria sergenti merozoites, K.Hagiwara, Y.
Kuribayashi, H. Iwai, I. Azuma, S. Tokura, K. Ikuta, C. Ishihara, Carbohydrate Polymers,
39, 245-248 (1999).
15.
Preparation of Drug included Foams from Chitin and PEG-Chitin for the Drug Delivery
System, S. Tokura, H. Tamura, T. Dohba, K. Takahashi, N. Sakairi, N. Nishi, ACS
Symposium Series 737, Polysaccharide Applications-Cosmetics and Pharmaceuticals, Eds.
by M. A. E-Nokaly and H. A. Soini, 85-97, 1999
16.
Syntheses and Properties of -Conjugated Polymers Containing Tetrathiafulvalen in the
Polymer Backbone, H. Tamura, T. Watanabe, K. Imanishi, M. Sawada, Synthetic Metals,
107(1), 19-25, (1999).
17. Synthesis of Ester Terminated Telechelic Polymer via ADMET Copolymerization, H.Tamura,
N. Maeda, R. Matsumoto, A. Nakayama, H. Hayashi, K. Ikushima, M. Kuraya, J. Macromol.
Sci., Pure & Appl. Chem., 36, 1153-1170 (1999).
18.
Chemical synthesis of an amylose-like polysaccharide by polymerization of partially
benzylated phenyl 1-thio- -maltooctaoside derived from cyclodextrin, M. Nishiki, Y.
Ousaka, S. Tokura, N. Sakairi, Carbohydrate Polymers, 39, 1-6 (1999).
16
発表論文リスト (再委託先
埼玉大学
松岡浩司)
A. 原著論文
1. Oral Therapeutic Agents with Highly Clustered Globotriose for Treatment of Shiga Toxigenic
Escherichia coli Infections, M. Watanabe, K. Matsuoka, E. Kita, K. Igai, N. Higashi, A.
Miyagawa, T. Watanabe, R. Yanoshita, Y. Samejima, D. Terunuma, Y. Natori, and K.
Nishikawa, J. Infect. Dis. 189, pp. 360-368, 2004.
2. Synthesis of Glycoconjugate Polymer Carrying Globotriaose as Artificial Multivalent Ligand
for Shiga Toxin-producing Escherichia coli O157: H7, A. Miyagawa, H. Kurosawa, T.
Watanabe, T. Koyama, D. Terunuma, and K. Matsuoka, Carbohydr. Polym., 51, 441-450,
2004.
3. Chemical Modification of Cyclodextrins (Mini Review), K. Matsuoka, Nippon Nogeikagaku
Kaishi, 78, 863-865, 2004.
4. Synthesis of a Useful Lauryl Thioglycoside of Sialic Acid and its Application, K. Matsuoka, T.
Onaga, T. Mori, J.-I. Sakamoto, T. Koyama, N. Sakairi, K. Hatano, and Daiyo Terunuma,
Tetrahedron Lett. 45, pp. 9383-9386, 2004.
5.
Synthesis of a Useful Anomeric Thioacetate of an N-Acetyllactosamine Derivative and its
Application, K. Matsuoka, T. Ohtawa, H. Hinou, T. Koyama, Y. Esumi, S.-I. Nishimura, K.
Hatano, and D. Terunuma, Tetrahedron Lett. 44, pp. 3617-3620, 2003.
6.
新規カルボシランデンドリマーの合成とその構造が液晶性に与える効果, 土田隆樹,
島崎智恵美, 幡野健, 松岡浩司, 青木良夫, 野平博之, 江角保明, 照沼大陽, 高分子論
文集 60, pp. 561-568, 2003.
7. Improved Solubility of -Cyclodextrin Inclusion Complexes by Using Liquid Ammonia as a
Solvent and the Possibility of Asymmetric Reduction, K. Matsuoka, H. Takahashi, Y. Saito, D.
Terunuma, and H. Kuzuhara, Carbohydr. Polym. 47, pp. 373-376, 2002.
8.
A Therapeutic Agent with Oriented Carbohydrates for Treatment of Infections by Shiga
Toxin-producing Escherichia Coli. O157:H7, K. Nishikawa, K. Matsuoka, E. Kita, N. Okabe,
M. Mizuguchi, K. Hino, S. Miyazawa, C. Yamasaki, J. Aoki, S. Takashima, Y. Yamakawa, M.
17
Nishijima, D. Terunuma, H. Kuzuhara, and Y. Natori, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 99, pp.
7669-7674, 2002.
9.
E3 Ubiquitin Ligase that Recognizes Sugar Chains, Y. Yoshida, T. Chiba, F. Tokunaga, H.
Kawasaki, K. Iwai, T. Suzuki, Y. Ito, K. Matsuoka, M. Yoshida, K. Tanaka, and T. Tai,
Nature 418, pp. 438-442, 2002.
10. Bi-Fluorescence-Labeled Maltoheptaoside: Convenient Substrate for Continual Assay of
-Amylase, S.-I. Nishimura, N. Kimura, K. Matsuoka, and Y. C. Lee, Carbohydr. Lett. 4,
77-84, 2001.
11. Synthesis and Reactivity of a 5-Azido Analogue of Neuraminic Acid, K. Matsuoka, H. Oka,
D. Terunuma, and H. Kuzuhara, Carbohydr. Lett. 4, 123-130, 2001.
12.
Regioselective Synthesis of Methylated -Cyclodextrins Leaving Hydroxyl Groups, K.
Matsuoka, Y. Shiraishi, D. Terunuma, and H. Kuzuhara, Tetrahedron Lett. 42, 1531-1533,
2001.
13.
An Alternative Route for Construction of Carbosilane Dendrimers Uniformly
Functionalized with Lactose or Sialyllactose Moieties, K. Matsuoka, H. Oka, T. Koyama, Y.
Esumi, and D. Terunuma, Tetrahedron Lett. 42, 3327-3330, 2001.
14.
Synthesis of Amphiphilic Chitopentaose and Chitoheptaose Derivatives Using a Common
Disaccharidic Synthon as the Chain Elongation Unit, H. Hinou, A. Umino, K. Matsuoka, D.
Terunuma, S. Takahashi, Y. Esumi, and H. Kuzuhara, Bull. Chem. Soc. Jpn. 73, 163-171,
2000.
15.
Preparation and Characterization of Water-Soluble Polysilanes Bearing Chiral Pendant
Ammonium Moieties, D. Terunuma, K. Nagumo, N. Kamata, K. Matsuoka, and H. Kuzuhara,
Polymer J. 32, 113-117, 2000.
16. カルボシランデンドリマーをコア骨格として用いた -CD 残基の合成的アッセンブ
リー, 松岡浩司, 齋藤洋祐, 照沼大陽, 葛原弘美, 高分子論文集 57, 691-695, 2000.
17. Introduction of Monosaccharides Having Functional Groups onto a Carbosilane Dendrimer:
18
A Broadly Applicable One-pot Reaction in Liquid Ammonia Involving Birch Reduction and
Subsequent SN2 Reaction”, K. Matsuoka, H. Kurosawa, Y. Esumi, D. Terunuma, and H.
Kuzuhara, Carbohydr. Res. 329, 765-772, 2000.
発表論文リスト (再委託先
明治薬科大学
斉藤政樹)
A. 原著論文
1.Tagami,S., Inokuchi,J., Kabayama,K., Yoshimura,H., Kitamura,F., Uemura,S.,Ogawa,C.,
Ishii,A., Saito, M., Ohtsuka,Y., Sakaue,S. and Igarashi,Y.: Ganglioside GM3 participates in the
pathological conditions of insulin resistance. J. Biol.Chem., 277: 3085-3092, 2002 .
2. Mita,M., Yanagihara,H., Hishinuma,S., Saito,M.,and Walsh,M.P.: Membrane depolarizationinduced contraction of rat caudal arterial smooth muscle involves Rho-associated kinase.
Biochem.J., 364: 431-440, 2002
3. Huang,J., Hamasaki,H., Nakamoto,T., Honda,H., Hirai,H., Saito,M., Takato,T. and Sakai, R.:
Differential regulation of cell migration, actin stress fiber organization and cell transformation by
functional domains of Crk-associated substrate (Cas). J. Biol. Chem., 277: 27265-27272, 2002.
4. Miyake,I., Hakomori,Y., Shinohara,A., Gamou,T., Saito,M., Iwamatsu,A. and Sakai R.:
Activation ofanaplastic lymphoma kinase is responsible for hyperphosphorylation of ShcC in
neuroblastoma celllines. Oncogene, 21: 5823-5834, 2002 .
5. Watanabe,R., Ohyama,C., Aoki,H., Takahashi,T., Saitoh,M., Saito,S., Hoshi,S., Ishii,A.,
Saito,M., and Arai,Y.: Ganglioside GM3 overexpression Induces Apoptosis and Reduces
Malignant Potential in Murine Bladder Cancer. Cancer Res., 62, 3850-3854, 2002.
6.Hiroo Ueno, Mao Sakita-Ishikawa, Yoshihiro Morikawa, Toru Nakano, Toshio Kitamura,
Masaki Saito: A stromal cell-derived membrane protein that supports hematopoietic stem cells.
Nature Immunology in press, May, 2003.
19
発表論文リスト (再委託先
野口研究所
稲津俊行)
A. 原著論文
1. T. Miura, K. Goto, D. Hosaka, and T. Inazu, Fluorous Oligosaccharide Synthesis Using a Novel
Fluorous Support,”Angew. Chem., Int. Ed., in press
2. T. Miura and T. Inazu, “Rapid Synthesis of Oligosaccharide Moieties of
Globotriaosylceramide Using Fluorous Protective Group,”Tetrahedron Lett., 44,
1819-1821(2003).
3. T. Tanaka, M. Ozawa, T. Miura, T. Inazu, S. Tsuji, and T. Kajimoto,
“Synthesis of Novel Mimetics of CMP-Sialic Acid as the Inhibitor of Sialyltransferases,”
Synlett, 2002, 1487-1490.
4. K. Haneda, T. Inazu, M. Mizuno, and K. Yamamoto, “Chemo-enzymatic Synthesis of
Neo-glycopeptides Using Endo-M,” Method in Enzymology, in press.
5. I. Saskiawan, M. Mizuno, T. Inazu, K. Haneda, S. Harashima, H. Kumagai, and K. Yamamoto,
“Chemo-enzymatic Synthesis of Glycosylated α-Mating Factor of Saccharomyces cerevisiae
and Analysis of Its Biological Activity, ” Arch. Biochem. Biophys., 406, 127-134(2002).
6. M. Mizuno, I. Muramoto, K. Kobayashi, H. Yaginuma, and T. Inazu,
“The New Amide Bond Formation Using Trialkylphosphine,”Phosphorous Sulfur and Silicon,
177, 1945(2002).
7. M. Mizuno, K. Kobayashi, H. Nakajima, M. Koya, and T. Inazu,
“Unexpected Reaction Using Methanol Dried Over Molecular Sieves”, Synth. Commun., 32,
1665-1670(2002).
8. S. Takashima, H.-K. Ishida, T. Inazu, T. Ando, H. Ishida, M. Kiso, S. Tsuji, and M. Tsujimoto,
“Molecular Cloning and Expression of a Sixth Type of α2,8-Sialyltransferase (ST8Sia VI) That
Sialylates O-Glycans,” J. Biol. Chem., 277, 24030-24038(2002).
9. 羽田勝二、稲津敏行、山本憲二, “生理活性複合糖ペプチドの化学− 酵素合成,”
20
バイオサイエンスとインダストリー, 60, 23-26(2002).
10. M. Mizuno, H-K. Ishida, F. Ito, T. Endo, and T. Inazu, “Synthesis of a Mannosyl Peptide as
an Acceptor Substrate for a New N- Actyl glucosaminyl- transferase,”“Peptide Science 2001:
Proceedings of the 38th Symposium on Peptide Science,” ed by H. Aoyagi, The Japanese Peptide
Society, Osaka (2002), pp.85-88.
11. K. Haneda, M. Takeuchi, T. Inazu, K. Toma, M. Tagashira, K. Kobayashi, K. Yamamoto, and
K. Takegawa, “Synthesis of Bioactive Peptide Glycosylated at Two Sites,”“Peptide Science
2001: Proceedings of the 38th Symposium on Peptide Science,” ed by H. Aoyagi, The Japanese
Peptide Society, Osaka(2002), pp.89-92.
21
国内特許
公開番号
出願日
出願番号
発明の名称
発明者
出願人
1
1999/11/25
ネオ糖ペプチド合成用高分子プライマーおよびその用
西口 進、柴谷 滋郎、西村 紳一郎、山田 久里子
特願平11-334852 途
東洋紡績
2
1999/11/25
糖ペプチド合成用高分子プライマーおよびその用途
特願平11-334853
西口 進、柴谷 滋郎、西村 紳一郎、山田 久里子
東洋紡績
3
新規な重合性フェニルアラニン誘導体、該誘導体をN
1999/12/1
末端に有する糖ペプチド類似体とその共重合体および 西口 進、柴谷 滋郎、西村 紳一郎、山田 久里子
特願平11-342214
その用途
東洋紡績
4 特開2001-40046
2000/5/24
マルトオリゴ糖鎖を側鎖に有するアクリルアミド誘導 西口 進、柴谷 滋郎、戸田 篤志、西村 紳一郎、中
東洋紡績
特願2000-153460 体およびそれを利用した固定化酵素
尾 綾子、山田 久里子
5
2000/7/17
N−アセチルグルコサミニル転移酵素の製造方法
特願2000-215954
戸田 篤志、柴谷 滋郎、西口 進、西村 紳一郎、
山田 久里子、飯島 信司、三宅 克英
東洋紡績
6 特開2001-220399
2000/11/20
糖ペプチドあるいはネオ糖ペプチド合成用高分子プラ 西口 進、柴谷 滋郎、西村 紳一郎、 山田 久里
特願2000-353275 イマーおよびその用途
子、戸田 篤志
東洋紡績
7 特開2002-306184
特願2001-187010 N−アセチルグルコサミニル転移酵素の製造方法
戸田 篤志、柴谷 滋郎、西口 進、西村 紳一郎、山
東洋紡績
田 久里子、飯島 信司、三宅 克英
8 特開2003-12684
2001/6/28
新規ガラクトシルセラミド類縁体及び用途
特願2001-196016
植松 季栄、中島 史雄、吉田 雅弘、福永 恭子、原
カネボウ
真理子、井上 紳太郎、西村 紳一郎
9 特開2003-26725
2001/7/13
新規なマルトース結合蛋白質リガンドとその利用
特願2001-213760
西口 進、柴谷 滋郎、戸田 篤志、西村 紳一郎、
東洋紡績
黒河内 政樹、山田 久里子、ユアン チュアン リー
10
2001/7/1
糖鎖合成装置
特願2001-200290
出口 喜三郎、平田 源蔵、三浦 順吉、伊藤 正人、
西村 紳一郎、西口 進、中川 裕章、山田 久里子、 日立製作所、東洋紡績
戸田 篤志、藤山 和仁、関 達治
11
2002/5/9
オリゴ糖合成用水溶性高分子プライマー
特願2002-134512
西口 進、戸田 篤志、西村 紳一郎、山田 久里子、
東洋紡績
中川 裕章
12
2003/11/20
糖鎖合成装置
特願2003-368259
出口 喜三郎、平田 源蔵、伊藤 正人、 西村 紳
日立ハイテクノロジーズ
一郎、中川 裕章、
13
ヒアルロン酸合成酵素活性を有するポリペプチド、該
2002/5/30
ポリペプチドの製造方法および該ポリペプチドを利用 西口 進、西村 紳一郎、星 淡子
特願2002-157278
したヒアルロン酸の製造方法
14
2002/6/26
新規アザ糖誘導体およびそれを有効成分とする薬剤
特願2002-186479
月田 孝博、森山 英樹、横田 耕一、畠山 真理子、
日本オルガノン
西村 紳一郎
2002/8/12
機能性物質を表面に有する細菌及びその製造法
特願2002-234756
貞許 礼子、新倉 謙一、西村 紳一郎
バイオインダストリー協会
月田 孝博、森山 英樹、西村 紳一郎
日本オルガノン
15
特開2003-125758
16
特願2002-375800
アルキニ ル基置換アザ糖誘導体およびそれを有効成
分とする薬剤
17
2003/2/4
特願2003-27700
酸触媒として機能するゼオライト類似体の簡易な製造
西村 紳一郎、塩野 正道、三浦 信明
法
18
2003/2/24
β1,3-N-アセチルグルコサミン転移酵素
特願2003-036827
柴谷滋郎、戸田篤志、西村紳一郎
東洋紡績
西村 紳一郎、北海道電力
東洋紡績
19
2003/5/8
オリゴ糖合成用水溶性高分子プライマー
特願2003-129737
西口 進、戸田篤志、西村紳一郎、山田久里子、中川裕
東洋紡績
章
20
2003/5/8
糖鎖合成用水溶性高分子プライマー
特願2003-129738
西口 進、戸田篤志、西村紳一郎、山田久里子
東洋紡績
21
2003/8/27
VCDを利用した糖の分析方法
特願2003-303740
門出 健次、谷口 透、三浦 信明、西村 紳一郎
塩野義製薬
2003/10/15
フッ素化アミノ糖ヌクレオチド及びその製造法
特願2003-354433
西村 紳一郎、馮 飛、奥山 潔、野口 利忠、
ヤマサ醤油
22
2004/6/17
特開2004-168751
23
2004/1/9
パラジウム担持ゼオライト類似体
特願2004-004864
西村 紳一郎、塩野 正道、
塩野義製薬
24
2004/1/26
機能的糖ペプチドの合理的設計および合成
特願2004-017732
西村 紳一郎、佐藤 公昭、古池 哲也
塩野義製薬
25
2004/3/30
バクテリアの効率的表面修飾方法
特願2004-101518
西村 紳一郎、貞許 礼子、上田 太一、新倉 謙一
塩野義製薬
26
貞許 礼子、馮 飛、上田 太一、新倉 謙一、西村
2004/8/10
フッ素化パークヌクレオチド化合物およびその製造法
紳一郎
特願2004-233897
27
2004/9/29
不凍糖タンパク質誘導体を含有する細胞凍結保存用組成物
特願2004-283680
西村 紳一郎
ヤマサ醤油、西村 紳一郎
塩野義製薬株式会社
北電関係
公開番号
1 特開2000-300287
出願日
出願番号
1999/3/15
平11-068493
発明の名称
発明者
出願人
トランスグルタミナーゼを用いた糖鎖導入方法
西村 紳一郎・北海道電力(株)
西村 紳一郎・北海道電力(株)
2000/10/30
ハイブリッド繊維及び膜並びにそれらの製造方法
特願2000-330673
西村 紳一郎・北海道電力(株)・(株)生物有機化学 西村 紳一郎・北海道電力(株)、
研究所
(株)生物有機化学研究所
2 特許第3455510号
特開2002-291461
特許第3616344号
3 (16.11.12)
2001/3/29
軟骨細胞培養方法および軟骨組織再生基材
特願2001-096445
2002/7/12
糖質高分子又は配糖体の合成方法
特願2002-204005
西村 紳一郎・貞許 礼子・新倉 謙一・北海道電力(株)
西村 紳一郎・北海道電力(株)
4
2004/3/1
キトサン誘導体及びその製造方法
特願2004-056626
西村 紳一郎・李 学兵
5
西村 紳一郎・北海道電力(株)・
(株)生物有機化学研究所
発明の名称
発明者
出願人
規則性糖ペプチド類の製造法(米国)
西村 紳一郎・北海道電力(株)
西村 紳一郎・北海道電力(株)
固体超強酸を用いる糖類の製造法(米国)
西村 紳一郎・北海道電力(株)
西村 紳一郎・北海道電力(株)
西村 紳一郎・北海道電力(株)・(株)生物有機化学 西村 紳一郎・北海道電力(株)、
研究所
(株)生物有機化学研究所
海外出願
出願国
1
US
2
US
出願日
出願番号
1999/8/6
09/744802
1999/8/6
09/744803
3
EU
4
EU
5
6
US
7
US
8
US
9
1999/8/6
99935089.5
1999/8/6
99935088.7
規則性糖ペプチド類の製造法(英・独・仏)
西村 紳一郎・北海道電力(株)
西村 紳一郎・北海道電力(株)
固体超強酸を用いる糖類の製造法(英・独・仏) 西村 紳一郎・北海道電力(株)
西村 紳一郎・北海道電力(株)
β1,2−N−アセチルグルコサミニルトランス
西口 進、中川 裕章、西村 紳一郎、藤山 和
2002/2/26
フェラーゼII活性を有する融合タンパク質及びそ
PCT/JP02/01695
仁、関 達治
の製造方法
西村 紳一郎・真島 任史・岩崎 倫政・船越
キトサンと酸性生体高分子とのハイブリッド繊維
2003/6/3
忠直・三浪 明男・戸倉 清一・原田 和夫・野
および動物細胞培養基材
中 佐智子・前川 宣彦・
2003/7/11
酸触媒として機能するゼオライト類似体の簡易な 西村 紳一郎・塩野 正道・三浦 信明・ 北
PCT/JP03/08876 製造法
海道電力(株)
新規アザ糖誘導体およびそれを有効成分とする薬
2003/6/26
月田 孝博、森山 英樹、横田 耕一、畠山 眞
剤 (NOVEL AZASUGAR DERIVATIVE AND DRUG
PCT/JP2003/0081
理子、西村 紳一郎
CONTAINING THE SAME AS THE ACTIVE
12
INGREDIENT)
2003/8/1
アルキニル基置換アザ糖誘導体およびそれを有効
PCT/JP2003/0098
月田 孝博、森山 英樹、西村 紳一郎
成分とする薬剤
45
生物有機化学研究所
西村 紳一郎
財)バイオインダストリー協会
財)バイオインダストリー協会
掲載物リスト
1999.10.23
2000.2.24
2000.2.8
2000.3.27
2000.3.13
2000.4.14
2001.3.20
2001.3.28
2001.7.14
2001.7.16
2001.8.5
2001.9.24
2001.9.25
2001.11.7
2001.11.8
2001.11.15
2001.12.25
2001.12.28
2002.1.1
2002.1.15
2002.1.16
2002.1.16
2002.1.17
2002.5.17
2002.6.7
2002.6.9
2002.6.30
2002.7.6
2002.9.2
2002.10.16
2002.10.16
2002.10.30
2002.11.4
2002.11.6
2002.11.15
2002.11.15
2002.12.25
2003.1.1
2003.1.4
2003.1.17
2003.2.27
2003.3.1
2003.4.2
2003.5.23
2003.6.10
2003.6.13
2003.6.30
2003.7.3
2003.8.29
2003.8.29
2003.10.1
2003.10.23
2003.11.14
2004.1.8
2004.3.26
北海道新聞
日本工業新聞
朝日新聞
朝日新聞
日経バイオテク
十勝毎日新聞
北海道新聞
北海道新聞
日本経済新聞
日経バイオテク
2004.4月号Vol.59
化学
2004.4月号Vol.2
2004.10.4
2004.11.11
日本経済新聞
北海道新聞
北海道新聞
日本経済新聞
北海道新聞
朝日新聞
日本経済新聞
北海道新聞
日経産業新聞
北海道新聞
日経産業新聞
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北海道新聞
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日本経済新聞
北海道新聞
毎日新聞
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日本経済新聞
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科学新聞
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朝日新聞
北海道新聞
科学新聞
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財界さっぽろ3月号
日本経済新聞
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朝日新聞
朝日新聞(九州版)
日本工業新聞
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科学新聞
日経産業新聞
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科学新聞
北海道新聞
北海道新聞
月刊オープン・エンター
プライズマガジン
薬事日報
日本経済新聞
2000年度道開発予算のソフト事業
糖鎖合成装置の開発着手
バイオで作る夢の糸
「糖鎖工学」研究道内でも本格化
組み替え融合酵素の組み合わせで糖鎖の効率合成に成功
糖鎖から医薬や化粧品など
道内に拠点 産業の核に
バイオ産業の呼び水
道内バイオ産業 育成策など協議
糖転移酵素を利用した糖鎖自動合成装置を開発
旬の人
北海道 バイオ先端拠点へ
宮部金吾没後50年 札幌を学問の都に
道開発8億2千万円
国の補正予算案
糖鎖を自動合成
糖鎖の自動合成装置開発
ポストゲノム、糖鎖に脚光
糖鎖工学 新薬、素材の応用に期待
たんぱく解明、カギ握る「鎖」
次世代ポストゲノム研究所北大に今春建設
開発レース「最後の直線」
自動合成・分析装置に注力
がん細胞の増殖防ぐ技術
起業の種育てる「農場」
「糖鎖」は生命現象の鍵
可能性秘める糖鎖
北の植物で新薬開発を
機能検査用チップ 京産大・英大チームが開発
「生物有機化学研究所」新薬開発へ糖鎖研究
産学協調の秘訣
道内研究者の実力は67点
分野越えて「最先端」集約
グランドデザイン提示を
北大 保湿物質を大量合成
「遺伝子工学」寄付講座 東大医学部に開設
「糖鎖」分析に29億円
無視された分野選択 糖鎖研究医学進歩に直結
起死回生北海道 未来を探す
「糖鎖」研究分析機器が支える
北大に民間研究期間
糖鎖工学
先端医療技術に特許
北大 がん治療法共同研究
次世代ポストゲノム研究棟 先端バイオ北大に拠点
産学官連携へ加速 学問の府 脱皮へ壁壊す
生体高分子設計学 研究最前線
ニーズに合わせ自在合成
北キャンパス発 研究者達
クリック 日本の糖鎖研究に暗雲
地方が創る新しい価値 バイオの北海道
新薬開発へ共同研究 寄附講座で5年間糖鎖の機能解析
「未踏の領域」糖鎖研究に挑む
北大を糖鎖情報中枢に
西村さん高分子学会賞
特集 新大学院時代の成功プログラム① 与えられたチャンスを
活かせ!
センター・オブ・エクセレンス(COE)の拡充に向けて
糖鎖医薬の開発に挑む
北の先駆者たち 「たんぱく創薬」で最先端
【用語集】
グリコクラスター
糖鎖が多数集合したデンプン等の糖鎖集合体及び糖鎖が脂質、タンパク質と結合した糖鎖複合
体を「グリコクラスター」という。生体内では一般に糖鎖はある程度の密度で集合した状態で存
在している。糖鎖のもつ生理機能は主として、糖鎖と蛋白質あるいは糖鎖どうしの示す相互作用
をもとに発揮される。一般に糖鎖一つ一つの持つ相互作用は弱いが、集合して存在するためそれ
らがまとまり、強い相互作用を生み出し、種々の生理機能を発揮する。この効果をクラスター効
果と呼ぶ。
糖
元々はグルコース(C6H12O6)をはじめ、一般に Cn(H2O)n、つまり見かけ上炭素と水から成るよう
な化学式を与える天然物の一群を指す用語であったが、今日ではこの定義は拡大され、ポリアル
コールのアルデヒド、ケトンあるいは酸誘導体、さらにそれらの近縁誘導体、縮合体なども含め
て総称している。糖質には単体である単糖(類)、これらが数個脱水縮合したオリゴ糖(類)、多
数縮合した多糖((類)がある。糖質は蛋白質や脂質などと共有結合した複合糖質としても存在す
る。糖鎖とは糖同士が結合し連なったものを指すが、蛋白質や脂質に結合した糖質部分を指すこ
とが多い。単糖には、グルコース、ガラクトースなど様々な種類の単糖が存在する。β-D-グルコ
ースとβ-D-ガラクトースの構造を以下に示すが、両者の違いは4位の OH 基が結合の仕方が異な
るだけである。しかしながら、この少しの違いが性質の違いとなって表れる。複合糖質を構成す
る単糖は、天然に存在する単糖類の一部であり、主なものとして、グルコース、ガラクトース、
マンノース、フコース、シアル酸、N−アセチルグルコサミン、N−アセチルガラクトサミン、
キシロース、グルクロン酸が挙げられる。
OH OH
OH
HO
HO
O
HO
O
HO
OH
β-D-グルコース
HO
OH
β-D-ガラクトース
また、2つの単糖が結合した例として、グルコースが2つ結合した二糖について、考えられる
構造の数は2(α、β結合の別)×4(結合できる OH 基の数)=8通りあり、下にその一部を示
す。
これらは全て性質が異なり、糖鎖は構成される糖の種類の他、結合順序、結合の様式により、驚
くべき多様性を示すことが理解できる。この多様性は、従来から知られているエネルギー貯蔵・
運搬体あるいは構造支持体としての機能以外に、細胞認識などの機能発現に大きく寄与している。
1
OH
O
HO
HO
HO
OH
O HO
OH
OH
HO
OH
O
HO
HO
O
O HO
HO
マルトースあるいは麦芽糖
O
HO
OH
OH
セロビオース
O
HO
HO
HO
HO
HO
(4-α-D-グルコピラノシル-D-グルコピラノシド)
(4-β-D-グルコピラノシル-D-グルコピラノシド)
O
O
HO
OH
イソマルトース
(4-α-D-グルコピラノシル-D-グルコピラノシド)
糖転移酵素
グリコシル基(G)を含む供与体(G−R)から受容体(A)にグリコシル基を転移してG−
Aをつくる反応を触媒する酵素の総称。単糖の転移を行うものがほとんどであるが、オリゴ糖の
転移を行うものもある。生体内でオリゴ糖、多糖、糖蛋白質や糖脂質など複合糖質の糖鎖の合成
に関与する。供与体は糖ヌクレオチドが大部分である。個々の糖転移酵素の基質特異性は厳密で
あり、このような酵素群が逐次働くことにより一定の配列をもった糖鎖の合成が可能になる。
固体超強酸触媒
100%硫酸よりも強い酸性度を持つ固体酸。金属酸化物上に硫酸イオンや酸化タングステン等が
担持した構造をしている。重合、縮合、クラッキング、異性化、アルキル化、エステル化等、数
多くの化学反応において有効な触媒として、知られている。
プロトン酸
別名、ブレンステッド酸のことをさす。1923 年に J.N.Bronsted により提唱された酸塩基の概
念で、プロトンを供与できる酸のこと。
ルイス酸
1923 年に G.N.Lewis が非共有電子対の授受に着目して提唱した酸塩基の概念。電子対を受け取
ることのできる空軌道を持った物質(電子対受容体)をルイス酸と定義した。
デンドリマー
星状構造をした多分岐高分子の一種。樹木(デンドロン)状に核から枝が伸びた構造をしてい
ることからいう。通常の線状高分子と異なり単分散な分子量の構造が構築できる。
アフィニティクロマトグラフィー(アフィニティ電気泳動)
2
生体物質の示す特異的な相互作用(親和性)を利用したクロマトグラフィー。酵素や抗体ある
いはレクチンは特定の基質や抗原あるいは糖とのみ可逆的に結合体をつくる。この組み合わせを
仮にAとBとすると、Aを不溶性担体に結合(固定化)させたものをカラムに充填し、そこにB
を含む試料を注入すると、Bは固定化されたAと結合する。他の物質はAと結合できないため、
十分洗浄することによりカラム内にはBのみが残り、その後特定の方法(pH変化など)でAと
Bの結合力を弱めてやれば、純粋なBが溶出される。クロマト担体の代わりに電気泳動ゲルを用
い、電気泳動を行うと同様に、Bを分離することができる。
シアリルルイスX
4糖から成る糖鎖であり、その構造は Neu5Ac-α-(1-3)-Gal-β-(1-4)-[Fuc-α-(1-3)]-GlcNAc
である。この構造を含む糖脂質および糖タンパク質はセレクチンのリガンドであり炎症の初期の
段階やガンの転移に関与している。
セラミド
N−アシルスフィンゴシンの別名。スフィンゴシン塩基{(2S,3R,4E)−2−アミノ−4−オクタ
デセン−1,3−ジオール}のアミノ基に脂肪酸が酸アミド結合したもの。
糖ペプチド(不凍糖ペプチド)
糖類及びアミノ酸類によって形成される生体分子。一般的には糖タンパク質を分解することに
よって得られる。糖ペプチドの中でも凝固点降下(不凍)活性を持つ物を不凍糖ペプチドと言う。
不凍糖ペプチドは繰り返し構造を持つ規則配列型糖ペプチドの一種。
トポロジー(トポロジー制御)
分子が機能を発揮するための集合構造。例えば細胞膜に存在する糖脂質は膜中で無秩序に分散
している訳ではなく、糖脂質が数百分子集まった集合体(ドメイン) として存在している。この集
合体の状態や構造が、細胞機能と密接に関連していることが明らかになりつつある。
糖鎖プライマー
糖鎖自動合成装置において、糖鎖合成を開始する物質であり、糖鎖伸長の開始点となる糖残基
が適当な長さのリンカーを介して水溶性高分子(例えば、ポリアクリルアミドなど)の側鎖に結
合している。リンカー部分には糖鎖伸長反応終了後、プライマーから糖鎖を遊離させるために、
特定の条件で選択的に開裂できるような結合を含んでいる。
表面プラズモン共鳴法
分子間相互作用の強さを測定するための手法。通常、分子間の相互作用は微少な屈折率の変化
を伴う。この手法はその屈折率の微少な変化を光の強度変化としてとらえることができる。結合
の様子を時間とともに追跡するのにためによく用いられる。
配糖体
グリコシドともいう。糖のヘミアセタールまたはヘミケタール性ヒドロキシル基と各種アルコ
3
ール、フェノールカルボン酸などの反応基とから水がとれてできたグリコシド結合をもつ物質の
総称。グリコシル基が直接結合している原子により、O-グリコシド、N-グリコシド、S-グリコシ
ド、C-グリコシド、に分類される。またアノマー炭素原子をもっているので、α-グリコシドおよ
びβ-グリコシドの 2 種類の立体異性体が存在する。狭義には糖と糖以外の成分(アグリコン)と
から成るものをいう。生物界に広く存在するが、植物界では O-グリコシドが多数を占める。動物
界では種々の O-グリコシドのほかに、核酸・補酵素・糖とタンパク質との結合部分などに N-グリ
コシドとして存在する。配糖体は、酸またはグリコシダーゼにより加水分解を受けるほかホスホ
リラーゼ、グリコシルトランスフェラーゼの基質や生産物でもある。
レクチン
レクチンの発見は、1888 年 H. Stillmark がヒマの身の抽出液が種々の動物血球を凝集するこ
とを見いだしたことに始まる。その後多数の植物種子中から血球凝集素が見いだされ、植物性血
球凝集素(plant hemagglutinin, PHA)とよばれた。その後これらの凝集素はそれぞれ明確な結
合特異性をもち、一般に単糖やオリゴ糖で血球凝集活性が阻止され、それらのうちには ABO 式血
液型に特異的な凝集素も見いだされ、ボストン大学の W. Boyd はラテン語の"legere(選び出す)
"になぞらえて lectin と呼ぶことを提唱した。近年種子植物ばかりでなく、細菌や、動物の体液、
組織中にも糖結合性タンパク質が多数見いだされるようになり、レクチンは次のように定義する
ことになった。すなわちレクチンとは、”動植物あるいは細菌で見いだされる免疫学的産物にあら
ざる糖結合性タンパク質で、結合価が 2 価以上で動植物細胞を凝集し、多糖類や複合糖質を沈降
させ、その結合特異性は単糖やオリゴ糖を用いた阻止試験で規定することができるものでなくて
はならない”
。レクチンの中にはコンカナバリン A や、イ
ンゲンマメレクチン(PHA)のように、末梢血リンパ球に働いて芽球化を誘起するものもあり、ま
た糖結合特異性の明確なレクチンを用いて細胞表面糖鎖の検索を行ったり、不溶化レクチンを用
いて複合糖質の特異的精製を行うなど、免疫学的、細胞生物学的応用が広がっている。一般に結
合特異性に基づいて以下のように分類される。1)L-フコース結合性レクチン、2)D-ガラクトー
ス、N-アセチル-D-ガラクトサミン結合レクチン、3)D-マンノース結合レクチン、4)ジ-N-アセ
チルキトビオース結合レクチン、5)シアル酸結合レクチン
アグリコン
一般には狭義の配糖体つまりヘテロシドの糖にグリコシド結合でつながれた部分をいう。脂肪
族化合物のアグリコンにはメチルやエチル基などのアルコール類があり、芳香族化合物の場合に
はサリシンにおけるサリゲニンのように、1 個のフェノール核をもつ化合物もあるが、フラボン
やアントシアニン系配糖体に見られるような複雑な化合物であることもある。またアルカロイド
のような場合もあり、ステロイドの場合もある。後者の場合には特にゲニンと呼ぶこともある。
配糖体が 2 糖類、たとえばセロ
ビオースのような場合には。還元末端のグルコース残基がアグリコンとなる。
分子動力学法(MD法)
分子を構成する原子の間に働く力を近似的な表式であらわし、その運動を古典力学に基づいて
シミュレートする方法。分子の運動や化学反応の解析、特に短時間の現象の解析に用いられる。
4
分子が引き起こす様々な反応は、本来量子力学に基づいて運動する電子が本質的な役割を担っ
ているが、数十原子程度の分子になると、コンピュータの能力の限界から量子力学に基づいた解
析は不可能となる。よって、近似的ではあるが、現象を低コストで追いかけることができる分子
動力学法はタンパク質などの巨大な分子が起こす反応を解析するのに広く用いられている。
アザ糖
アザ糖は、単糖の環内酸素原子をイミノ基で置換したイミノシクリトールの総称である。最近で
は、さらに 1 位のアノマー水酸基が水素になったデオキシイミノシクリトールやその他の誘導体
(五員環イミノシクリトールなど)も広くアザ糖と呼ぶことが多い。代表的なアザ糖としては、
ノジリマイシン、マンノジリマイシン、ガラクトスタチンやそれらのデオキシ体が知られている。
MMP(マトリックスメタロプロテアーゼ)
マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)は細胞外マトリックスの構成タンパク質を分解する酵
素であり、結合組織性細胞、上皮細胞、食細胞、がん細胞から産生される。MMP は生理的条件下
で生物の発生、分化、組織形成、修復に関与する一方、関節炎などの組織破壊を伴う疾患や、が
ん転移の要因となる。
ADAM
ADAM は膜結合型メタロプロテアーゼであり、細胞膜上に発現している生体にとって重要なサイト
カインや、成長因子を切り出す酵素。例えば ADAM17(TACE: TNF-・ converting enzyme とも呼ば
れる)は、膜表面に発現している腫瘍壊死因子(TNF-・)の遊離を担う酵素であることが知られてい
る。
糖タンパク質
糖とタンパク質から成る一群の物質の総称。プロテオグリカン以外の、糖部分が2∼6種類の
単糖から構成され、一定の繰返し構造をもたず、タンパク質と共有結合した複合タンパク質。
N−結合型糖鎖
ポリペプチド中のアスパラギンの酸アミド基に糖鎖の還元末端がグリコシド結合した糖鎖群。
構造的特徴からハイマンノース型・ハイブリッド型・コンプレックス型に三分類される。
ガラクトシルセラミド
セラミドの第一級アルコール性ヒドロキシル基にガラクトースがβ−グリコシド結合したスフ
ィンゴ糖脂質。
ラメラ
角層細胞間を充填している、脂質二重層が多重に重なってできた多層構造
キトサン
D-グルコサミンがベータ 1, 4 で結合した直鎖状多糖。キチンを熱濃アルカリ中で N-脱アセチ
5
ル化することにより調製される。無定型白色粉末、水、アルカリ、有機溶媒に不溶。ギ酸、酢酸
などの希有機酸に可溶。反応性に富んだ水酸基とアミノ基を有するので、各種の誘導体が合成さ
れ、キチンと並んで食品、医用材料など各分野に応用されている。
GM3 糖鎖
GM3 は、シアル酸を含む糖脂質の一種である。GM3 糖鎖はその糖鎖部分で、構造は、シアル酸が
ラクトース残基とα2, 3 で結合している(Neu5Acα2,3Galβ1,4Glcβ1-)。GM3 は動物赤血球表面や
脳組織などに存在する。
Gb3 糖鎖
Gb3 は、ガラクトースがラクトシルセラミドの末端ガラクトース残基の 4 位水酸基に結合して
いる糖脂質であり(Galα1,4Galβ1,4Glcβ1-Cer)、ヒト赤血球や腎をはじめ種々の部位に見出され
る。Gb3 糖鎖はその糖鎖部分である。
ヒアルロン酸 HA(Hyaluronan hyaluronate or hyaluronic acid)
グルクロン酸とN-アセチルグルコサミンが繰り返し結合してできる直鎖高分子。結合組織に存
在し、形態形成、保持の他に、増殖、分化に関わる重要な分子。
ヒアルロン酸合成酵素
HAS(Hyaluronan synthase )
ヒアルロン酸を合成する糖転移酵素。一般に糖転移酵素は「1-link, 1-enzyme」と呼ばれ、厳密
な基質特異性を示すことが知られているが、この酵素は1つの酵素で2種類の糖を付加することの
出来る稀有な酵素である。
マルトース結合タンパク質
MBP(Maltose binding protein)
大腸菌に目的のタンパク質を発現させる場合、また、精製する際に使用する代表的な融合タン
パク質の一つ。マルトースに結合することから、一般に、アミロース樹脂に結合させた後にマル
トースで溶出することで、目的分子の単離が可能である。
超臨界
臨界温度および臨界圧力を超えた温度および圧力下の状態を超臨界状態という。超臨界状態で
はガスの密度が急激に上昇し、気体とも液体ともつかぬ流体の状態となっている。
超強酸:強酸よりもはるかに強い酸。普通は純硫酸より強い酸性を持つ酸をいう。
触媒:化学反応を行う際に、比較的少量を添加して反応を促進させる物質
6
2.分科会における説明資料
本資料は、分科会において、プロジェクト実施者がプロジェクトを説明する際に
使用したものである。
2-2
健康維持・増進のためのバイオテクノロジー
基盤研究プログラム
糖鎖エンジニアリングプロジェクト
「機能性糖鎖複合材料創製技術開発」
概要説明
研究実施期間:平成11年~平成15年度(5年間)
事業の位置付け・
必要性について
政策的位置付け
● 総合科学技術会議の分野別推進戦略のひとつ
(平成13年9月)
● 8分野のうち、ライフサイエンス分野の下記重点領域に対応
「健康寿命の延伸のための研究開発を強力に推進するためには、
近年急速に発展している研究の成果や新しい技術を総合的に活
用することが必要である。その基盤技術として、糖鎖付加など修飾
を受けたタンパク質の構造と機能を解明し、新しいタイプの薬の開
発を可能にする。」
事業の位置付け・
必要性について
政策的位置付け
健康維持・増進のためのバイオテクノロジー基盤研究プログラム
遺伝子やタンパク質等の生体分子の機能・構造解析等の実施
政策目的
・糖鎖エンジニアリングプロジェクト
・タンパク質機能解析・活用
・細胞内ネットワークのダイナミズム解析、等
健康寿命の
延伸
バイオツールやバイオインフォマティックスの開発
・先進ナノバイオデバイス
・遺伝子多様性モデル解析、等
先端技術を応用した高度医療機器開発
・医療機器等の実用化開発、等 実施の効果
本事業
高度な機能を持った糖鎖
の合成技術の確立と、機
能複合材料の基盤技術の
開発。
研究開発項目
糖鎖及びグリコクラ
スターの効率的合成
技術の開発
成 果
実用化像
効率的グリコクラスター
合成技術の確立
画期的な新薬
環境適応型グリコクラスター
合成技術の確立
医療関連素材
糖鎖構造予測技術の提供
新機能を有するグリコ
クラスター複合材料
創製技術の確立
機能性グリコクラス
ター複合材料創製技
術の開発
事業の位置付け・
必要性について
機能性食品
化粧品等
事業の位置付け・
必要性について
計画内容
(1)計画内容
主な実施事項
H11fy
H12fy
H13fy
H14fy
H15fy
H11fy
H12fy
H13fy
H14fy
H15fy
事業の計画内容・開発予算(実績)
Ⅰ 糖鎖及びグリコクラスターの効率的合成技術の開発
(Ⅰ-1)酵素による糖鎖自動合成技術
(Ⅰ-2)新触媒等による新合成技術
事業計画の内容
Ⅱ 機能性グリコクラスター複合材料創製技術の開発
(Ⅱ-1)糖鎖構造予測技術
(Ⅱ-2)グリコクラスター複合材料創製技術
(2)開発予算(実績)
(単位: 百万円)
(当初)
(実績)
(当初)
(実績)
(当初)
(実績)
(当初)
(実績)
一般会計
開発予算
特会(石油)
特会(エネ高)
予算総額(計)
130
0
131
119
215
194
476
313
106
93
139
126
217
189
462
408
96
93
184
159
166
143
446
395
139
139
216
216
355
355
284
284
284
284
実施体制
経済産業省
出資
北海道大学 大学院理学研究科
プロジェクトリーダー 西村 紳一郎 教授
NEDO
委託
北海道大学
西村 紳一郎 教授
坂入 信夫 教授
西村 孝司 教授
門出 健次 助教授 協力研究
産業技術総合研究所
地神 芳文 分子細胞工学研究部門長
共同研究
バイオインダストリー協会
生物資源総合研究所
東洋紡績株式会社 北海道電力株式会社
カネボウ株式会社
日本オルガノン株式会社
再委託
大阪大学医学部 埼玉大学工学部
明治薬科大学 関西大学工学部
国立がんセンター 帝京科学大学理工学部
創価大学 (財)野口研究所 「機能性糖鎖複合材料創製技術開発」
1.糖鎖及びグリコクラスター
の効率的合成技術の開発
【
① 酵素による自動合成技術の開発
】
② 新触媒等による新合成技術の開発
2.機能性グリコクラスター
複合材料創製技術の開発
① 糖鎖構造予測技術の開発
② グリコクラスター複合材料創製技術の開発
研究実施場所:北海道大学(集中管理型)
研究開発項目 1
I. 糖鎖及びグリコクラスターの効率的合成技術の開発(基盤要素技術)
Iー1. 酵素による自動合成技術の開発
I.ー1ー1 新規固定化糖転移酵素の開発
I.ー1ー2 高性能糖鎖合成用高分子担体の開発 平成15年度より糖鎖構造解析技術開発プロジェクト
「糖鎖・糖鎖複合体合成技術の開発」として産総研(北海道)にて継続
「糖鎖・糖鎖複合体合成技術の開発」として産総研 北海道)にて継続
Iー2. 新触媒等による新合成技術の開発
I.ー2ー1 固体超強酸触媒によるグリコシド及び糖鎖の合成
技術の開発
I.ー2ー2 高機能性縮合反応を用いる規則配列型糖ペプチド合 成技術の開発
研究開発項目 2
II. 機能性グリコクラスター複合材料創製技術の開発
IIー1. 糖鎖構造予測技術の開発(効果的合成指針の設計)
標的糖鎖化合物の合理的かつ効率的分子設計を支援するための技術
A.
B.
C.
D.
バーチャルスクリーニングシステムの構築と糖転移酵素の阻害に関する研究
VCDスペクトルと分子軌道法を用いた糖鎖構造決定技術の開発
アザ糖を基本骨格としたメタロプロテアーゼ阻害剤の開発研究
核磁気共鳴法を用いた糖ペプチドの構造解析の自動化技術開発
IIー2. グリコクラスター複合材料創製技術の開発(基盤技術の高付加価値化)
1.高分子・超分子形成等による高機能性糖鎖誘導体設計への展開に必要な技術
2.糖鎖資源の有効利用と、実用化を目指した材料・素材の開発
A. 特異的糖鎖クラスター導入技術の開発 (高分子化・複合化技術)
B. 分子鋳型法による糖鎖トポロジー制御技術の開発 (特異性の付与・差別化)
C. 自己組織形成型糖鎖クラスター構築技術の開発 (分子集合体としての機能発現)
D. 生合成経路を用いる細胞壁エンジニアリング(糖鎖誘導体の細胞表層提示技術)
E. 皮膚糖タンパク質の糖鎖構造解析
F. グリコクラスター利用化粧品素材の技術開発 G. 高機能性糖鎖クラスター繊維の開発
H. 機能性分子ヒアルロン酸の効率的合成方法の確立
本研究期間における特筆すべき主な成果
z糖鎖自動合成装置は第
糖鎖自動合成装置は第3
糖鎖自動合成装置は第3号機に進化し、産総研(
号機に進化し、産総研(北海道センター)にて開発研究を継続
zリサイクル触媒による超臨界
リサイクル触媒による超臨界CO
リサイクル触媒による超臨界CO2中での糖鎖・糖ペプチド合成に成功
z不凍糖タンパク質は、地域コンソーシアムプロジェクトで実用化段階
不凍糖タンパク質は、地域コンソーシアムプロジェクトで実用化段階
zコンピュター支援による特異的乾癬治療薬の開発に成功
コンピュター支援による特異的乾癬治療薬の開発に成功
zVCD
VCD 法による糖鎖構造解析法の発見(グリコシドバンド)
z光重合性糖脂質上でのタンパクアレイによる糖転移センシング法の確立
光重合性糖脂質上でのタンパクアレイによる糖転移センシング法の確立
z糖鎖修飾によるインシュリンの薬効持続化に成功
z細菌表層エンジニアリングを用いて乳酸菌の接着挙動コントロールに成功
細菌表層エンジニアリングを用いて乳酸菌の接着挙動コントロールに成功
糖鎖工学研究センター 糖鎖自動合成チーム
世界初 - 糖鎖自動合成装置を開発
◎世界初の糖鎖自動合成装置の開発
・北海道大学の西村紳一郎教授と(財)バイオインダストリー協会(参加企業4社)は、
共同研究で世界標準を指向した「糖鎖自動合成装置」を開発。(国内、海外特許取得済)
・大学にて生まれた基本原理をもとに企業グループが装置化(事業化)を実現。
・同装置は、2∼3週間で糖鎖合成が可能。(従来の10倍の速さ)
・糖鎖合成の迅速化により、ガンの早期発見やインフルエンザ予防の研究が可能に。
・世界の新薬開発研究のフロントラインで利用される技術として製薬企業から高い評価を受け
ており、次世代糖タンパク質製剤市場(数千億円/年)創出へ。
※「糖鎖」:細胞の表面にあって、アンテナの役割をする物質で、ガン等の病因や老化に関与する。
生合成の仕組みを模倣した糖鎖合成法を考案
細菌
ウィルス
ホルモン 毒素
糖鎖
糖鎖
糖鎖
細胞
糖鎖
糖鎖
糖鎖自動合成装置
“Golgi”
Golgi”を開発
糖脂質
糖蛋白質
超臨界流体中でのナノ微粒子型
固体超強酸触媒反応
物質の相
液体
固体
反応媒体としての超臨界流体
„
超臨界流体
P
„
„
臨界点
三重点
„
気体
T
固体超強酸触媒
z
z
z
z
高拡散性
高溶解性
制御できる物性(密度、粘度、極性)
無溶媒プロセス
強酸性
安全性
取り扱い簡便さ
安価、リサイクル可能
0.5 µm
SO4/ZrO2
(Carried by diatomite)
O
O
S
O
O
+
Zr
+
O
Zr
効率的、グリーンな糖鎖合成プロセス
糖鎖合成の基幹となるグリコシル化反応:
PO
O
L
+ ROH
Donor
Acceptor
<従来法>
Solvent
O
PO
OR
Catalyst
+
LH
超臨界クロマトグラフィー
L = Leaving group; P = Protective group
効率的、かつ環境適合性を有
するグリコシル化反応の開発
有機溶媒:
CHCl3, CH2Cl2, etc
ルイス酸触媒:
AgOTf, HgCl2, TMSOTf, etc
<本法>
超臨界CO2
精製
SO4 / ZrO2 ,
珪藻土担持SO4/ZrO2
超臨界クロマトグラフィー
有機溶媒による精製:
カラムクロマトグラフィー
広範な糖鎖・多糖合成に
応用が可能
反応
超臨界CO2反応装置
反応容器
Specific Structure and Function
of Antifreeze Glycoproteins (AFGP)
Ice crystal growth inhibition
induces thermal hysteresis
bipyramidal ice crystal
a axis
c axis
a axis
a axis
a axis
P. L. Davies and C. Y. Hew,
FASEB J., 4, 2460-2468 (1990)
NMR structure of syAFGP3 (average structure)
Hydrophilic face
Hydrophilic face
N
N
C
Hydrophobic face
Carbon in carbohydrate : white
C
Hydrophobic face
Poly L-proline type II helix structure
Methyl Carbon : yellow
red : oxygen
Specific Amphiphile
blue : nitrogen
may be useful for the interaction of sugar
arrays with ice lattice.
01001010110…
01001010110
コンピュータ支援による糖鎖構造予測
環状ペプチドのコンフォメーション
リガンドの解析と複合体
モデルの構築
分子動力学法 分子運動の解析
ドッキングシミュレーション
LigandのE-セレクチンに対する接触面積
接触面積/ リ
リ ガン
ガン ド
ドの全表面
の全表面
接触面積/
積 (%)
(%)
積
26.0
24.0
22.0
20.0
18.0
16.0
14.0
12.0
10.0
0.0
100.0
200.0
Time (ps)
300.0
400.0
500.0
アザ糖化合物と標的酵素とのバーチャルスクリーニング
OH
HO
3
O
2
4
HO
5
N
O S
O
N
H
OH
OMe
上記アザ糖化合物とTACEと
と
上記アザ糖化合物と
を検討した
のDocking Studyを検討した
結果、阻害剤として機能しうる
と予想された。
Zn
S1’pocket
実証するためにアザ糖化合物
を合成し、阻害作用を検討した。
PDB; 1bkc
赤外領域円二色性
(Vibrational Circular Dichroism;VCD)
光学活性な分子の分子振動遷移における左円偏光と右円偏光の吸収の差を観測
∆A=AL–AR
g1
g0
L
R
AL
波数 (cm-1)
∆A
∆ε=εL–εR = –––
cl
∆A
g = –––
A
AR
5×104
104
紫外
電磁波の種類
可視
波長
有機化合物
Dissymmetry factor
103
分子振動遷移
Chiralir (Bomem/BioTools, Inc.)
ECD (UV-CD) ECD (VIS-CD)
200 nm
モル円二色性
赤外
引き起こされる
電子励起遷移
遷移
対応するCD
円二色性(CD)
400
芳香環を持つもの
など一部が吸収
VCD (IR-CD)
800 1 µm
10
全ての有機化
合物が吸収
Taniguchi, T.; Miura, N.; Nishimura, S.-I.; Monde, K.;
Mol. Nutr. Food Res. 2004, 48, 246-254.
JV-2001
(JASCO, Co.)
VCDスペクトルにおけるα-Glycoside bandの発見
応用例 1.Maltose-Cellobiose混合溶液
0.5
Glycoside band
0
∆A
(×104)
M:C=0:100 (Cellobiose 0.25M)
HOH C
M:C=10:90 HO CH OHO
O
HO
M:C=20:80 HO HO O HO OH
M:C=30:70
β1→4
M:C=40:60
CH OH
O
M:C=50:50 HOHO
α1→4
HO
O
M:C=60:40
CH OH
HO
O
M:C=70:30
HO
M:C=80:20
OH
M:C=90:10
M:C=100:0 (Maltose 0.25M)
2
-0.5
2
2
2
-1.0
1500
1400
pathlength 72µm
collection time 1hr
resolution 8cm-1
DMSO-d6 solution
1300
1200
1100
Wavenumber (cm-1)
Monde, K.; Taniguchi, T.; Miura, N.; Nishimura, S.-I.;
J. Am. Chem. Soc. 2004, 126, 9496-9497.
ヘマグルチニンブロッカー環状糖ペプチドの分子設計
三角形の頂点に糖鎖を配置
GM3糖鎖
単一分子量
たんぱく質との相互作
用が解析しやすい
スペーサー
糖鎖の動きに自由
度を持たせる
環状ペプチドにより糖鎖を束ねる
ヘマグルチニンをブロックするた
めに必須の構造。ヘマグルチニ
ンの三箇所のシアル酸結合部位
に対応して糖鎖が配置してある
ためヘマグルチニンに対しての
特異性が高い。
糖鎖の距離、配置の制御が容易に行える
糖鎖を特異な環状ペプチドで束ねる
Cyclo(SGGQSHD)3
活性あり
(糖鎖が同じ方向)
Cyclo(GSSQSSG)3
Cyclo(SGGQSSD)3
活性なし
活性なし
(糖鎖が異なる方向)
(糖鎖が異なる方向)
環状糖ペプチドの配列が糖鎖の方向を制御している。あるいは活性
に影響を与えている事が示唆される。
Site specific glycosylation provides long-acting glycoinsulins
Angew. Chem. Int. Ed. 2004, 43, 1516-1520
Point mutation
Basal blood glucose (%)
120
100
80
60
40
20
0
Sugar introduction
& modification
0
1
2
3
4
5
6
Time (hr)
Ins(WT)
Lac-Ins(B-F1Q)
Sia2,6-Lac-Ins(B-F1Q)
MALDI-TOF Mass
光重合性糖脂質を用いるタンパク質ナノ組織化
糖転移酵素アレイによる糖転移センシング
バクテリア細胞表層の化学的修飾
Artificial cell-wall
precursor
Cell wall
Native
乳酸菌は腸管に一定期間とどまった後に排出される。
粘膜上でのワクチンとして有効。
有害物質を結合して体外に排出するのに有効。
提示する分子 考えられる応用
抗原- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -経口粘膜ワクチン
キレート剤などのリガンド- - - - - - - - - - - 有害物質の除去
病原菌の認識分子- - - - - - - - - - - - - - - -感染の防御
Modified
細胞壁の生合成経路を利用する
バクテリア表層の化学修飾手法の開発
目的の分子を自由にバクテリア表層に提示させる。
エ ピ ト ープ 、 薬剤
バク テ リ ア マ ーカ ー
細胞壁
生合成経路
に 取り 込ま れる 。
バク テ リ ア
分子を 提示し た
バク テ リ ア
細胞壁
O
O
OH
OH
O
NH
NH
OH
HO
HO
O
O
O
OH
O
O
HO
NHAc
NH Ac
OH
O
O
O
O
O
NH Ac
OH
OH
O
O
HO
O
NHAc
OH
O
O
HO
O
O
O
NH Ac
NHAc
NH Ac
NHAc
O
O
分子を提示した
バクテリア
HN
HN
Cro ss
Lin k age
O
NH
O
NH Ac
O
O
OH
OH
OH
OH
HO
HO
O
O
O
HO
OH
OH
O
O
O
HO
O
NH Ac
NHAc
NHAc
O
O
O
O
NHAc
NH Ac
O
O
O
O
HN
HN
O
P
O
O Na
P
O
ON a
OH
O
HO
O
NHAc
O
HN
O
NH
O
O
O P O P O
ONa
N
HO
O
O
Lipid II バクテリア細胞表層の新し
O
ONa
OH
いエンジニアリングによりワ
クチンや薬物担体としての
高次利用へ展開
NH
H
N
HO2 C
O
NH
O
Lipid I
NH
H
N
CO2H
O
UDP-MurNAc
ペンタペプチド
展開・応用研究
アザ糖を用いたキラル合成
コンピューター化学との融合
新規乾癬治療薬
インフルエンザ感染阻害薬
基礎・基盤研究
自動合成法
糖鎖化合物ライブラリ
糖鎖修飾による
自動分析法
テーラーメイド
医薬と治療法の提供
糖鎖パターン分析による
癌・糖尿病などの
早期発見技術
不凍糖ペプチドによる
東洋紡
インシュリンの薬効
持続化
移植臓器保存薬
疾患と糖鎖
データベース
塩野義製薬寄附講座
ヤマサ
サン・マイクロシステムズ寄附講座
生命分子機能学研究室
日立ハイテクノロジー寄附講座
住友ベークライト
糖鎖精密化学研究室
計算分子生命科学研究室
STS
CBI
産総研北海道・北大西村糖鎖プロジェクト
学生34名、研究者35名、研究支援者12名
糖鎖を用いた予防診断技術と医薬品開発
新分野で高い国際競争力。疾患の早期発見、テーラーメイドによる医療の効率化
・医療関連新産業の育成 ・医療の質の向上と経費削減 ・国民の健康と福祉の向上
研究開発委員会委員
•西村 紳一郎
•西村 孝司
•北海道大学大学院理学研究科 教授
•北海道大学遺伝子病制御研究所 教授
•戸倉 清一
•瓜生 敏之
•関西大学工学部 教授
•帝京科学大学理工学部 教授
•松岡 浩司
•門出 健次
•埼玉大学 助教授
•北海道大学大学院理学研究科 助教授
•吉野 公一郎
•宮城 守雄
•日本オルガノン(株) 医薬研究所 所長
•東洋紡(株) 参与 バイオ事業部 部長
•北海道電力(株)総合研究所 有機材料研究プロジェクトG
北海道電力(株)総合研究所 有機材料研究プロジェクトGリーダー
•渡辺 恭吾
•近藤 裕郷
•井上 紳太郎
•中川 裕章
•塩野義製薬(株) 創薬研究所 所長
•カネボウ(株) 基礎科学研究所 副所長
•北海道大学大学院理学研究科 助教授
•古池 哲也
•新倉 謙一
•北海道大学大学院地球環境科学科 助手
•北海道大学大学院理学研究科 助手
研究員数
但し学部学生・ 大学院生を含まず
研究支援員を含む
糖鎖の及びグリコクラスターの効率的合成技術の開発
平成11
年度
平成11年度
12
名
12名
平成12
年度
平成12年度
13
名
13名
平成13
年度
平成13年度
16
名
16名
平成14
年度
平成14年度
11
名
11名
平成15
年度
平成15年度
11
名
11名
機能性グリコクラスター複合材料創薬技術の開発
平成11
年度
平成11年度
10
名
10名
平成12
年度
平成12年度
15
名
15名
平成13
年度
平成13年度
19
名
19名
平成14
年度
平成14年度
18
名
18名
平成15
年度
平成15年度
18
名
18名
研究開発成果 1
I .糖鎖及びグリコクラスターの
.糖鎖及びグリコクラスターの 効率的合成技術の開発
( I - 1)酵素による自動合成技術の開発
酵素による自動合成技術の開発
・ 合成に有効な糖転移酵素の効率的発現法と固定化酵素としての利用法開発
・ 汎用性に富む高分子プライマーの開発
・ 糖鎖自動合成装置の開発
( I - 2)新触媒等による新合成
技術の開発
新触媒等による新合成技術の開発
・ 固体超強酸触媒による糖鎖合成法の開発
・ 規則配列型糖ペプチド合成法の開発
研究開発成果 2
II .機能性グリコクラスター複合材料創製技術の開発
.機能性グリコクラスター複合材料創製技術の開発
(IIII-1)糖鎖構造予測技術の開発
・ コンピューター支援に基づいて生理活性糖鎖リガンド設計法の開発
・ 新規糖質・素材を鍵物質とした創薬デザイン法の開発
・ 不凍糖タンパク質の構造解明
(IIII-2)グリコクラスター複合材料創製技術の開発
・ 多価型グリコクラスターの分子設計法の開発
・ シクロデキストリンを基盤とする糖鎖クラスター分子の合成法開発
・ 細胞壁表層への特異的分子修飾法の開発
・ ・ 糖鎖修飾によるインシュリンの薬効持続化
・ 糖脂質クラスターの化粧品分野への利用法開発
・ キトサンー糖複合体繊維による効率的ウイルス・毒素捕捉
・ 低分子量ヒアルロン酸の効率的合成方法の開発
研究開発成果
平成11年9月~平成15年10月現在
原著論文
口頭発表
特許出願
新聞発表
115
112
65(海外12)
55
北海道大学研究グループ関係分のみ集計
目標、達成度及び今後の展開
目標
達成度
今後の主な展開
I .糖鎖及びグリコクラスターの
.糖鎖及びグリコクラスターの 効率的合成技術の開発
( I - 1)酵素による自動合成技術の開発
酵素による自動合成技術の開発
( I - 2)新触媒等による新合成
新触媒等による新合成
技術の開発
技術
の開発
糖鎖自動合成法の新概念基盤技術
を構築(試作機の完成)
低環境負荷型合成法を確立
低環境負荷型合成法を確立
不凍糖タンパク質の合成法の確立
産総研(
産総研(北海道センター)
にて展開研究が継続
にて
展開研究が継続
臓器保存剤実用化を目指し地域
コンソーシアムとして展開
II .機能性グリコクラスター複合材料創製技術の開発
.機能性グリコクラスター複合材料創製技術の開発
(IIII-1)糖鎖構造予測技術の開発
(IIII-2)グリコクラスター複合材料創製技
術の開発
コンピューター支援による機能糖
鎖デザイン法の確立
高分子・超分子形成等による高
機能性糖鎖誘導体の創製
実用性を指向した多様な
糖鎖クラスター分子を創製
新しい糖鎖医薬、機能性ライブ
ラリの構築
タンパク製剤・新しい乳酸菌ワク
チンの実用化
インフルエンザ予防マスク・
糖脂質化粧品の実用化段階
事業終了後の展開
1.「糖鎖自動合成装置」
糖鎖自動合成装置については、引き続き NEDO の糖鎖エンジニアリングプロジェクトにて実用化
に向けて継続開発(産総研北海道センター)。
に向けて継続開発(産総研北海道センター)。
2. 「不凍糖タンパク質による臓器保存剤の開発」
新規臓器保存剤及び新規細胞保存剤の実用化研究開発(地域コンソーシアム)
(地域コンソーシアム)。
新規臓器保存剤及び新規細胞保存剤の実用化研究開発
(地域コンソーシアム)。
3.「インフルエンザウイルス防除マスク・フィルター開発」
糖鎖キトサンコンジュゲートは、インフルエンザウイルス防除マスク・フィルターとして実用化研究
(生物有機化学研究所)。
(生物有機化学研究所)。
4.「アザ糖を基本骨格とした乾癬の治療薬」
実用化に向けた検討が製薬企業において進行(カルナバイオサイエンス)
進行(カルナバイオサイエンス)。
実用化に向けた検討が製薬企業において
進行(カルナバイオサイエンス)。
5. 「グリコクラスター利用化粧品素材」
Gal-SerGal
Ser-diamideは、
diamideは、現在スキンケア化粧品の
は、現在スキンケア化粧品の商品化に向けヒトでの評価検討段階(カネボウ)
現在スキンケア化粧品の商品化に向けヒトでの評価検討段階(カネボウ)。
商品化に向けヒトでの評価検討段階(カネボウ)。
6.「バクテリア表層改変技術による乳酸菌ワクチンの開発」
塩野義寄附講座(北大)にて実用化にむけて現在、より詳細なバイオアッセイなどが
実用化にむけて現在、より詳細なバイオアッセイなどが進行中
塩野義寄附講座(北大)にて
実用化にむけて現在、より詳細なバイオアッセイなどが進行中。
進行中。
7.「グリコクラスター導入インスリンの開発」
(株)塩野義製薬において新しいタンパク製剤として様々な臨床試験に進む予定
塩野義製薬において新しいタンパク製剤として様々な臨床試験に進む予定。
む予定。
2004年12月9日
糖鎖及びグリコクラスターの
効率的合成技術の開発
糖鎖工学研究センター 糖鎖自動合成チーム
世界初 − 糖鎖自動合成装置を開発
◎世界初の糖鎖自動合成装置の開発
・北海道大学の西村紳一郎教授と(財)バイオインダストリー協会(参加企業4社)は、
共同研究で世界標準を指向した「糖鎖自動合成装置」を開発。(国内、海外特許取得済)
・大学にて生まれた基本原理をもとに企業グループが装置化(事業化)を実現。
・同装置は、2∼3週間で糖鎖合成が可能。(従来の10倍の速さ)
・糖鎖合成の迅速化により、ガンの早期発見やインフルエンザ予防の研究が可能に。
・世界の新薬開発研究のフロントラインで利用される技術として製薬企業から高い評価を受け
ており、次世代糖タンパク質製剤市場(数千億円/年)創出へ。
※「糖鎖」:細胞の表面にあって、アンテナの役割をする物質で、ガン等の病因や老化に関与する。
生合成の仕組みを模倣した糖鎖合成法を考案
細菌
ホルモン 毒素
糖鎖
糖鎖
細胞
ウィルス
糖鎖
糖鎖
糖鎖
糖脂質
糖蛋白質
糖鎖自動合成装置
“Golgi”
Golgi”を開発
Direct Immobilization of Recombinant
Glycosyltransferases by Magnetic Beads (MagExtractor®)
Crude
Glycosyl-Tases
Purification
&
Immobilization
cell extract
Enzymes displayed on
MagExtractor® were used in the
automated synthesizer GolgiTM
Golgi™IIIによる完全自動合成(3糖伸長プログラム)
1.
HO ME
2.
WAS H
3.
DO
4.
HIGH T
5.
ASP
6.
WAIT
1.0
7.
TUBE
1
8.
1
1
0.0
1
ASP
1.0
2
5.0
1
1.0
HIGH T
11.
ASP
12.
TUBE
13.
DISP
1
14.
WAIT
1.0
15.
HIGH T
16.
ASP
17.
WAIT
1.0
18.
TUBE
1
19.
DO
20.
ASP
21.
WAIT
1.0
22.
DISP
1
23.
WAIT
90 0
1
3
2
5.0
1
3
0.0
2
30 .0
4
3
5
2
1
3
1.0
20 0
24.
LOO P
25.
TIM ER
36 00
26.
HIGH T
0.0
1.0
34.
TU BE
53.
1
5
AS P
1 ***
WAIT
1.0
HIGH T
AS P
39.
TU BE
反応後のプライマーを
3 O-SiaT反応容器へ
1.0
36.
38.
2
5.0
3
0.0
1
2
5.0
1
3
6
40.
DISP
1
41.
WAIT
1.0
42.
WAS H
***+1 0
43.
DO
4
2
44.
AS P
1
20 0
45.
WAIT
1.0
3 反応時間が経過する 46.
のを待つ
47.
DISP
1
WAIT
30 0
3
3
0.0
1
35.
H IGH T
56.
AS P
57.
WAIT
1.0
58.
TUBE
1
59.
AS P
60.
WAIT
61.
H IGH T
62.
AS P
63.
TUBE
64.
D ISP 1
65.
WAIT
1
5.0
1 ***
1
1
***+ 10
WASH
H IGH T
AS P
69.
WAIT
1.0
経過するのを待つ70.
TUBE
1
0.0
1
5.0
71.
DO
4
2
72.
AS P
1
20 0
73.
WAIT
1.0
D ISP
1
75.
WAIT
1.0
AS P
0.0
1
30 .0
2
3
1.0
限外濾過フィルター
による精製
3
76.
LOO P
77.
TIM ER
78.
H IGH T
2
ASP
80.
WAIT
81.
WAS H
30 .0
WAITTIM E R
83.
LOO P
84.
SVALVE
85.
SR YNG E
86.
HIGH T
87.
ASP
88.
WAIT
89.
TUBE
90.
ASP
91.
WAIT
92.
HIGH T
1
1
1
1
1
20 0
0.0
1.0
少し混合して
反応時間が経過する
のを待つ
95.
TUBE
0
0
96.
TUBE
0
1
3
97.
VALVE
1.0
1
102. WAS H
103. HO ME
UVにより生成物を検出・
自動バルブ切り替え
により分取
2
3
バルブ切り替え
1
WAIT
DISP
2
3
30 .0
99.
101. VALVE
21 600
1
98.
100. WAIT
3
1.0
WAIT
1.0
2
30 .0
1.0
ASP
3
インジェクターに
0 サンプル液をロード
0 3.0
0.0
1
94.
1.0
3
1.0
93.
***+1 0
0.0
1
3
1
74.
HIGH T
3
1.0
LOO P
WAIT
2
5.0
WAS H
52.
3
0.0
79.
82.
1.0
1
49.
51.
3
6
68.
3
反応後のプライマーを
2 N-SiaT反応容器へ
0.0
67.
1.0 反応時間が
3
WAITTIM E R
55.
66.
少し混合して
1.0
20 0
3
WASH
54.
48.
50.
2
5.0
1.0
WAITTIM E R
WAIT
少し混合して
20 0
1
HIGH T
AS P
33.
37.
5
***+1 0
1
WAS H
31.
1.0
0.0
WAIT
29.
プライマーをGalT 32.
反応容器へ
***
WAIT
10.
AS P
28.
30.
3
4
9.
27.
20 0
1.0
0
3
UFモジュールに
インジェクト
糖ペプチドライブラリの構築
Two Dimensional Synthesis of Glycopeptides
一段階目のライブラリ構築点
Ser/Thr or Asn derivative
Glycopeptide
二段階目のライブラリ構築点
Two Dimensional Glycopeptide Synthesis
OAc
Preparation of FmocAA(sugar)s
and Molecular Shuttle
OAc
O
AcO
AcO
OAc
OAc
AcO
AcO
O
NHAc
OH
O
O
O
AcO
OAc
O
O
NHAc
OAc
H3C O
O
CH
H
N CH COOH
O
AcO
NHAc
NHAc
NHAc
O
OAc
OAc
O
AcO
H3C
O
H3C O
CH
H
N CH COOH
O
CH
H
N CH COOH
O
O
O
Solid-Phase Synthesis of
Shuttle Glycopeptides
Multiple peptide synthesizer
Blotting to Water-Soluble Polymer
Sugar Elongation by GolgiTM
GolgiTM
Photolysis
Molecular Shuttle between Polymer Platforms
O
Fmoc Arg(Pbf)
m
1) Piperidine, DMF
2) Fmoc-AA or Fmoc-Ser(Ac3GlcNAcβ)-OH or 1,
HBTU, HOBt, DIEA, NMP / DMF
3) Ac2O, HOBt, DIEA, DMF
NO2
O
OR
O
OMe
RO
RO
O
NO2
N
O
NH2
O
H
N
water-soluble polymer
Pro-Ser-Val-Pro-Val-Ser-Gly-Ser-Ala-Pro-Gly-Arg
OH
O
O
O
O
O
NO2
O
O N
H
90%TFA aq.
OMe
HO
HO
Molecular shuttle
O
NHAc
5
glycopeptide
Pro-Ser-Val-Pro-Val-Ser-Gly-Ser-Ala-Pro-Gly-Arg
OR
O
O
O
3
O
NHAc
n
H
N
+
AcOH / Na buffer (pH5.0-5.5)
m
O
NH2
4
Pro-Ser(tBu)-Val-Pro-Val-Ser-Gly-Ser(tBu)-Ala-Pro-Gly-Arg(Pbf)
O
O
NH2
O
O
H
N
O
O N
H
n
OMe
RO
RO
O
1) UDP-Gal, β1,4-GalT
2) CMP-NANA, α2,3-SiaT
3) GDP-Fuc, α1,3-FucT
2 : R = Ac
10mM NaOH, MeOH
NHAc
3 : R= H
R2 O
NO2
N
O
O
H
N
O
O
OMe
OH HO2C
HO
O
HO
AcHN HO
Pro-Ser-Val-Pro-Val-Ser-Gly-Ser-Ala-Pro-Gly-Arg
6
OH
O
O
OH O
NHAc
O
O
O
OH
OH
O
OH
H3C
R2 = (CH2)6-Polyacrylamide
OH
OH
UV irradiation (365nm)
Pro-Ser-Val-Pro-Val-Ser-Gly-Ser-Ala-Pro-Gly-Arg
OH HO2C
HO
Blotting of molecular shuttle by oxylamino polymer
O
HO
AcHN HO
7
OH
O
O
OH O
NHAc
O
O
O
OH
OH
O
OH
H3C
OH
OH
Structural Characterization of Synthetic Glycopeptide by MALDI-TOF/TOF MS
Pro-Ser-Val-Pro-Val-Ser-Gly-Ser-Ala-Pro-Gly-Arg
OH
O
OH
OH HO2C
HO
O
HO
AcHN HO
O
O
OH
O
OH
H3C
O
NHAc
O
OH
O
OH
OH
TOF/TOF
MDSF method
TOF/TOF
Strategy of Glycopeptide Library Synthesis
β1,4-GalT
Primer
α2,3-(N)-SiaT and α2,3-(O)-SiaT
Core6
GalNAc
N
O
Core2
N
O
Core6
Core6
N
O
Core2
N
O
Direct Monitoring of Glycosylation on Polymer by MALDI-TOF MS
polymer
FEAHGVT(3Ac-GalNAc)S(7Ac-core2)APDT(3Ac-GalNAc)R-CONH2
OH
OH
COOH OH
HO
O
O
NHAc
O
HO
O
HO
OH
OH
O
O
HO
AcHN
OH
OH
HO
AcHN
OH
OH
OH
O
OH
α-2,3-(O)-siaT
O
O
HO
AcHN
OH
O
O
OH
HO
GalT
COOH OH
HO
O
HO
OH
HO
AcHN
O
O
NHAc
O
HO
COOH OH
HO
OH
O
O
O
O
OH
HO
O
AcHN
O
O
α-2,3-(N)-siaT
OH
O
OH
OH
OH
α-2,3-(O)-siaT
O
O
HO
COOH OH
HO
O
OH
OH
O
O
OH
AcHN
α-2,3-(N)-sialT
O
O
OH
O
O
HO
OH
O
HO
OH
HO
AcHN
O
NHAc
COOH OH
HO
O
HO
AcHN
OH
OH
HO
HO
OH
HO
AcHN
O
O
NHAc
O
HO
COOH OH
HO
OH
O
O
O
O
HO
OH
AcHN
O
O
Synthetic Glycopeptide Library (Core2,6 hybrid type)
新しい市場を開拓するためのシナリオ(例)
用途
製造対象
利用分野
市場(国内)
糖鎖製造
基礎研究
糖鎖受託合成
糖ペプチド製造
糖ペプチド
医薬品開発
蛋白糖鎖改変
糖タンパク質
医薬品開発
糖鎖修飾
抗生物質等
医薬品開発
推定数100億円/年
装置市場
(装置メーカー)
推定50億円
試薬市場
(化学)
推定50億円/年
医薬品市場
(製薬関連メーカー)
バイオ医薬5000億円/年
特願2002-204005号
環境調和型糖鎖合成プロセスの開発
物質と生物の共生の科学:グリーンケミストリー
グリーンケミストリー
“害をなさぬことを第一に”
z 原料・試薬は、再生可能な資源
再生可能な資源に由来
z 補助物質(溶媒など)は、不使用
不使用あるいは無害なもの
無害なものを
新規糖鎖合成法を開発
触媒
溶媒
z 北海道産の生物資源:珪藻土
珪藻土、ウバ貝
ウバ貝
z 無溶媒反応
無溶媒反応 z 超臨界流体
液液 体体
固固 体体
圧
力
超臨界流体
臨界点
三重点
北方圏に無限に埋蔵
気体
温度
グリーンな溶媒として注目される超臨界CO2
廃棄物再利用
環境調和型糖鎖合成プロセスの開発
環境負荷低減技術の必要性
“ グリーンケミストリー ( GC ) ”
・原料・試薬には、非枯渇性資源をなるべく用いる
・原料・試薬には、非枯渇性資源をなるべく用いる
・危険な試薬、廃棄物を出さない合成プロセスを構築する
・危険な試薬、廃棄物を出さない合成プロセスを構築する
・最終生成物(製品)もまた、環境負荷の低いものとなるよう分子設計する
・最終生成物(製品)もまた、環境負荷の低いものとなるよう分子設計する
糖鎖工学分野への応用
糖鎖工学
有害な有機溶媒
環境負荷の大きいルイス酸触媒
ベンゼン、含ハロゲン溶媒 etc…
AgOTf, BF3・(OEt2) etc…
超臨界流体を溶媒、固体酸を触媒とした
グリコシル化反応
古生物資源を活用した新規固体酸触媒
粘土質珪藻土(北海道留辺蘂・幾千歳産)
シリカ成分
アルミナ成分
珪藻細胞壁
層状粘土鉱物
Hydrate amorphous silica
in diatom cell wall
Opal SiO2·nH2O
Muscovite K2Al4(Si6Al2)O20(OH)4
精製/金属塩化物添加
/硫酸処理/焼成
精製/硫酸処理/焼成
ゼオライト類似固体酸触媒
活性化珪藻土
金属酸化物担持活性化珪藻土
1 µm
活性化珪藻土の構造解析及び考察
XRDによる結晶構造分析
ルイス酸活性の計算化学的検証
電子
EA ∼ 5.6eV(128Kcal/mol)
∼3.4eV(128Kcal/mol)
電子対
酸化ジルコニウム担持活性化珪藻土の
透過型電子顕微鏡(TEM)分析・エネルギー分散法分析(EDX)分析
HD-2000超薄膜評価装置により詳細に分析した
酸化チタン担持活性化珪藻土合成プロセス
及び構造変化の考察
反応(1)
反応(2)
Ti + 2Cl2 → TiCl4
TiCl4 + 4H2O → Ti(OH)4 + 4HCl
鋭錐石型
酸化チタン
TiO2
Ti(OH)4 → TiO2 + 2H2O
反応(3)
+
+ Ti(OH)4 →
オパール
雲母類粘土鉱物
チタン導入型沸石類似体
超臨界反応装置
3CCDカメラによる反応モニタリング
反応
精製
MOMO-I(大スケールでの反応) MOMO-1000 (攪拌・圧力自動制御)
超臨界クロマトグラフィー
北海道大学理学部研究科 機械工作室製造
超臨界二酸化炭素及び固体酸触媒を用いた
グリコシル化反応
AcO
AcO
OAc
O
Solid acid
+
NH
AcO
AcO
O
R-OH
SCCO2
OR
AcO
CCl3
R1OH=
OH
OAc
O
AcO
R2OH=
OH
Entry
Accepter
Catalyst (100wt%)
Yield (%)
1
R1
ZrO2/SO4
42
2
R2
ZrO2/SO4
41
3
R1
Activated Diatomite
45
4
R2
Activated Diatomite
41
Acceptor=5eq.
5
R1
TiO2-Activated Diatomite
92
○In
6
R2
TiO2-Activated Diatomite
89
7
R1
ZrO2-Activated Diatomite
64
8
R2
ZrO2-Activated Diatomite
40
9
R1
HfO2-Activated Diatomite
36
10
R2
HfO2-Activated Diatomite
59
○Donar=1eq.
SCCO2
(35℃, 7.7∼8MPa, 5h)
超臨界二酸化炭素及び固体酸触媒を用いた
グリコシル化反応2
スフィンゴ糖脂質の合成
AcO
AcO
OAc
O
NH
AcO
AcO
O
OAc
O
CCl3
AcO
HO
+
(2)
Solid acid
C13H27
O
AcO
SCCO2
OMPM
NH
AcO
C13H27
OMPM
N3
OAc
O
O
AcO
AcO
N3
O
AcO
(1)
AcO
OAc
O
AcO
OAc
O
O
AcO
AcO
AcO
Accepter
OAc
O
N3
O
C13H27
AcO
CCl3
OMPM
Donar
Entry
Donar
Catalyst (100wt%)
Yield (%)
1
2
(1)
ZrO2/SO4
54
(1)
TiO2-Activated Diatomite
83
3
(2)
ZrO2/SO4
34
4
(2)
TiO2-Activated Diatomite
39
○
Acceptor=1eq. Donar=2eq.
○
In SCCO2 (35℃, 7.7∼8MPa, 12h)
効率的、グリーンな糖鎖合成
広範な糖鎖・多糖・複合糖質
合成に応用が可能
糖鎖合成の基幹となるグリコシル化反応:
O
PO
L
S o lv e n t
+ ROH
D onor
O
PO
OR
C a ta ly st
A c c e p to r
+
LH
L = L e a v in g g ro u p ; P = P ro te c tiv e g ro u p
超臨界CO
CO22中でのグリコシル化反応:
超臨界
超臨界CO
中でのグリコシル化反応:
PO
Me
Me
Me
珪藻土固体
酸触媒
F
O
PO
O
CCl3
O
PO
PO
O
PO
ROH
O
O
O
C13H27
N3
NH
Gal
OMPM
O
PO
O
PO
O
O
H
O
Me
H
H
O
Me
H
PO
PO
O
O
O
O
NHZ
P = Bn or Ac
O
PO
O
O
PO
O
糖鎖合成に必要な水酸基の保護:
O
Protective reagent
ROH
Solvent, C atalyst
ROP
P = Protective group
無溶媒アシル化反応(貝殻由来CaCO3+アシル化剤のみ)
HO
HO
OH
O
OH
OH
AcO
AcO
OAc
O
OAc
OAc
H3C
OH
15
H3C
OBz
15
HO
BnO
OH
O
OBn
NHAc
PivO
BnO
OPiv
O
OBn
NHAc
超臨界クロマトグラフィによるアノマー異性体の分離
OBn
OBn
OBn
O
O
CCl3
NH
O
BnO
scCO2 (38℃, 8 MPa)
O
OBn
5 hours
α体
β体
2.5
210 nm
intensity
OBn
α β mixture
OBn
1- Octanol, ZrO2-Activated Diatomite
BnO
1.5
0.5
-0.5
0
5
time
Specific Structure and Function
of Antifreeze Glycoproteins (AFGP)
Ice crystal growth inhibition
induces thermal hysteresis
bipyramidal ice crystal
a axis
c axis
a axis
a axis
a axis
P. L. Davies and C. Y. Hew,
FASEB J., 4, 2460-2468 (1990)
Synthesis of antifreeze glycoproteins (AFGPs)
HO
Synthetic or Natural AFGP ?
OH
O
HO
HO
HO
OH
O
1) deprotection
O
AcNH
O
O
H
N
N
H
CH3
H
H
BnO
OBn
O BnO
BnO
OH
H CH3
O
O
N3 P O
O
2) polymerization (DPPA)
CH3
O
H
N
n
BnO
Antifreeze Glycoproteins
(AFGPs)
AcO
OAc
O
AcO
DPPA
(diphenylphosphoryl azide)
OBn
O
O
AcNH
O CH
3
H
Cbz N
Ph
O
O
H
O
O
AcO
F
O
H
N
H
CH3
O
H
N
O
OBn
H CH3
glycosylation
N3
Sugar unit
H3C
glycosylation
Cbz
N
H
CH3
H
AcO
AcO
OAc
O
Ph
O
O
O
NH
+
O
H
N
O
OBn
H CH3
peptide unit
O
HO
AcO
OH
H
O
H
N
F
N3
CCl3
Ice crystal morphology of AFGP solutions
HO
HO
OH
O
HO
OH
O
HO
HO
AcHN
H
N
H
Tetrahedron 2002
Angew. Chem. Int. Ed. 2004
Macromolecules 2004
HO
O
O
O
H
N
H CH3H
HO
OH
O
AcHN
O
O H
HO
CH3
H
N
O
O
H CH3
OH
n
OH
O
O
H2N
N
H CH3H
AFGP
Mw = 6,600
O
O
H
N
OH
H CH3
H
AFGP monomer
mol.wt = 626
H ←
Synthetic AFGP
Mw = 6,600
(10 mg/mL)
CH3
H
N
0.0 ºC
- 0.1 ºC
HO
H
N
H CH3H
CH3
H
N
O
O
H CH3
poly-ATA
Mw = 2,400
temperature → L
- 0.2 ºC - 0.3 ºC - 0.4 ºC - 0.5 ºC
0.0 oC
AFGP monomer
m.w. = 626
(40 mg/mL)
O
0.0 oC
Poly- ATA
Mw = 2,400
(10 mg/mL)
OH
n
Ice crystal morphology of syAFGPs
calculated mass observed Ice Crystal
Concentration
mass
Morphology
( [M + Na]+ )
Structure
codename
OH
HO
OH
O
HO
OH
O
OH
O
AcNH
O
O
H
N
H 2N
N
H
O
syAFGP 1
(n = 1)
OH
HO
HO
OH
O
HO
HO
OH
O
OH
O
AcNH
O
O
H
N
H 2N
N
H
O
syAFGP 2
(n = 2)
OH
HO
HO
HO
OH
HO
OH
O
OH
O
OH
O
AcNH
O
O
H
N
H 2N
N
H O
OH
HO
OH
O
OH
O
OH
O
AcNH
O
O
H
N
H2N
N
H O
OH
HO
HO
HO
HO
OH
O
AcNH
O
O
N
H
HO
OH
O
OH
O
OH
O
AcNH
O
O
H
N
H2 N
N
H O
HO
H
N
O
HO
O
HO
HO
O
HO
O
HO
OH
AcNH
O
H O
N
N
H
O
O
O
HO
HO
O
HO
O
H
N
O
O
N
H
AcNH
O
H O
N
N
H
O
OH
1257.29
40 mg/mL
1865.76
1865.20
10 mg/mL
2474.02
2473.82
10 mg/mL
3082.27
3081.99
10 mg/mL
3690.53
3690.06
10 mg/mL
4298.78
4298.00
10 mg/mL
OH
O
N
H
H
N
OH
O
O
OH
OH
O
OH
OH
HO
HO
OH
AcNH
O
O H O
N
N
H
OH
O
O
OH
O
OH
O
OH
O
AcNH
O
H
H O
N
N
N
H O
HO
OH
O
O
1257.51
OH
OH
HO
OH
O
O
H
N
40 mg/mL
O
OH
O
AcNH
O
H
N
O
H
N
OH
HO
OH
627.27
OH
O
HO
OH
OH
O
O
HO
OH
OH
O
O
OH
OH
O
O
AcNH
AcNH
O
O
H O H O
H
H O
N
N
N
N
N
N
H O
H O
OH
O
OH
OH
O
OH
O
OH
O
AcNH
O
H O
H
N
N
N
H O
HO
HO
OH
O
OH
O
OH
O
OH
O
AcNH
O
H O
H
N
N
N
H O
O
O
OH
OH
O
H
N
O
OH
O
OH
O
OH
O
AcNH
O
H O
H
N
N
N
H O
HO
OH
O
HO
OH
OH
O
OH
O
OH
O
AcNH
O
H O
H
N
N
N
H O
HO
OH
HO
OH
AcNH
O
H O
N
N
H
O
OH
HO
OH
O
OH
O
OH
O
AcNH
O
H O
H
N
N
N
H
O
HO
OH
OH
O
OH
O
OH
O
AcNH
O
H O
H
N
N
N
H
O
HO
OH
OH
O
H2 N
syAFGP 7
(n = 7)
O
OH
O
OH
O
OH
HO
OH
HO
OH
O
O
syAFGP 6
(n = 6)
O
OH
O
OH
O
OH
O
AcNH
O
H O
H
N
N
N
H O
OH
HO
syAFGP 5
(n = 5)
HO
HO
OH
HO
627.26
([M + H + ])
OH
O
OH
O
OH
HO
HO
syAFGP 4
(n = 4)
O
AcNH
H O
N
O
OH
OH
OH
O
HO
OH
O
OH
O
AcNH
O
O
H
N
H 2N
N
H O
syAFGP 3
(n = 3)
O
OH
OH
O
O
OH
H
N
O
O
OH
O
OH
O
OH
O
AcNH
O
H O
H
N
N
N
H O
O
OH
OH
HO
HO
HO
OH
OH
OH
OH
O
O
O
O
HO
HO
HO
OH
OH
OH
OH
O
O
O
O
OH
OH
OH
OH
O
O
O
O
AcNH
AcNH
AcNH
AcNH
O
O
O
O
H
H O H O
H O H O
H O H O
H O
N
N
N
N
N
N
N
N
N
N
N
N
H O
H
H O
H O
O
O
OH
* Photos were taken at -0.0oC (syAFGP1) or -0.1˚C (syAFGP2-syAFGP7).
Molecular weight dependency of the TH activity in syAFGPs
*Thermal hysteresis:difference between melting point and freezing point
syAFGP2
Thermal Hysteresis (ºC)
0.6
syAFGP6
syAFGP7
syAFGP5
syAFGP3
0.5
syAFGP4
0.4
syAFGP5
0.3
syAFGP6
syAFGP4
syAFGP3
syAFGP2
syAFGP7
0.2
0.1
0
0
5
10
15
20
25
30
35
40
45
Concentration (mg/mL)
Thermal hysteresis activities were measured by means of a Clifton nanolitre osmometer
(Clifton Technical Physics, Hartford, NY)
Finger print region of NOESY spectrum for syAFGP3 at 5 ºC
apparatus:
BRUKER Avance600 (600 MHz)
solvent:
90% H2O/D2O (pH: 5.4)
temperature:
5ºC
mixing time:
300 msec
data points:
2048 × 512
NMR assignments of syAFGP3 at 5˚C
Assignments by COSY (D2O)、 TOCSY、NOESY (90% H2O/D2O or D2O)
Gal (5)
GalNAc (5)
A9
A1
A7
T2 A3
A1
T2
A3
A4
T5
A6
A7
T8
A9
n.d.
9.08
8.61
8.57
8.88
8.52
8.59
8.84
8.07
α
4.29
4.58
4.40
4.42
4.50
4.41
4.44
4.45
4.15
β
1.59
4.37
1.40
1.46
4.36
1.39
1.50
4.48
1.32
γ
1.32
1.33
1.33
T8
A6
A4
NH
T5
H-1
4.94
4.91
4.95
H-2
4.27
4.27
4.30
H-3
4.04
4.06
4.08
H-4
4.21
4.24
4.25
H-5
4.07
4.10
4.12
H-6
3.75
3.77
3.77
NH
7.76
7.88
8.27
CH3
2.06
2.07
2.05
GalNAc (8)
GalNAc (2)
Gal (8)
Gal (2)
H-1'
4.45
4.49
4.49
H-2'
3.53
3.52
3.52
H-3'
3.63
3.65
3.65
H-4'
3.92
3.93
3.93
H-5'
H-6'
3.65
3.76
3.70
3.77
3.70
3.77
Observed NOEs between sugar and peptide
medium NOE
weak NOE
Ala
Ala
Thr
Ala
Ala
repeating unit
Many NOEs between sugar and peptide were useful for further
conformational analysis of AFGP.
NMR structure of syAFGP3 (average structure)
Hydrophilic face
Hydrophilic face
N
N
C
Hydrophobic face
Carbon in carbohydrate : white
C
Hydrophobic face
Poly L-proline type II helix structure
Methyl Carbon : yellow
oxygen:red :
nitrogen:blue
Specific Amphiphile
may be useful for the interaction of sugar
arrays with ice lattice.
Important structures for antifreeze activity by AFGP
Chirality assembly is essential for the secondary structure !!
HO
HO
OH
HO
OH
HO
O
HO
HO
O
O
OH
HO
HO
AcHN
O
H
N
O
H
N
H CH3H
O
α
α
AcHN
CH3
H
N
O
OH
O
O
H3C
O
H CH3
H
N
H
O
H3C H
O
H
N
H
O
N
H
CH3
O
O H
H
N
O
N
H CH3H
CH3
H
N
O
O
H CH3
α
AcHN
O
O
HO
O
HO
OH
HO OH
Antifreeze glycoprotein (AFGP)
H-[Ala-(Galβ
β1-3GalNAcα
α)Thr-Ala]n-OH (n = 4 - 50)
HO
Sugar moiety
Peptide backbone
Carbohydrate arrays on the poly-L-proline II helix
Viability of Islet of Langerhans Cells in the Presence of AFGP
Cells were stored for a week at -80C, after melting, viability and capacity to
produce insulin were tested.
1M DMSO
1M DMSO with AFGP(1μg/ml)
1M DMSO with AFGP(1mg/ml)
2004年12月9日
機能性グリコクラスター
複合材料創製技術の開発
Site Specific Glycosylation of Insulin (Synthesis of GlycoInsulins)
From the mutational studies, it was suggested that three positions of insulin
are feasible for the introduction of the carbohydrates
N-term inus of
A chain
1
3
N-term inus of
B chain
2
N-Terminus region of B chain was
selected as a tentative candidate for
the modification study.
Site specific glycosylation provides long-acting glycoinsulins
Angew. Chem. Int. Ed. 2004, 43, 1516-1520
Point mutation
Basal blood glucose (%)
120
100
80
60
40
20
0
Sugar introduction
& modification
0
1
2
3
4
5
6
Time (hr)
Ins(WT)
Lac-Ins(B-F1Q)
Sia2,6-Lac-Ins(B-F1Q)
MALDI-TOF MS
Introduction of dendritic sugars to insulin
Controlled Blood Glucose Lowering Effect by Glycosylations
J. Am. Chem. Soc. 2004, 126, 14013-14022.
Blood Glucose Lowering Activity
Affinity with Insulin Receptor
インフルエンザウイルスとヘマグルチニン
ノイラミニダーゼ
RNA
100nm
M2タンパク
ヘマグルチニン
感染はヘマグルチニンが細胞表面の糖鎖(シアル酸)を認識することにより引き起こされる。
A complex model of HA and cyclic glycopeptide
SGI
Origin300
Sybyl6.7
1HGG.pdb
Construction of the cyclic glycopeptide
using the coordination of the substrate
in the PDB file (1HGG).
1.Minimization of the geometry of only the cyclyc
gylcopeptide.
2. Minimization of the whole protein and cyclic
glycopeptide was performed on SYBYL 6.7,
force field: tripos, and charge: Gastiger-Huckel
糖鎖工学による抗インフルエンザ医薬の開発
環状糖ペプチドをコンピュータでデザイン
インフルエンザタンパク質に強く結合
糖鎖を特異な環状ペプチドで束ねる
Cyclo(SGGQSSD)3
Cyclo(GSSQSSG)3
Cyclo(SGGQSHD)3
ヒトA型インフルエンザウイルス; A/PR/8/34(H1N1) の赤血球凝集阻止活性)
活性なし
活性なし
(糖鎖が異なる方向)
(糖鎖が異なる方向)
活性あり(IC50=40 µM)
(糖鎖が同じ方向)
環状糖ペプチドの配列が糖鎖の方向を制御している。あるいは活性
に影響を与えている事が示唆された(発見)。
Nishimura et al. Angew. Chem. Int. Ed. 42, 5186-5189 (2003)
赤外領域円二色性
(Vibrational Circular Dichroism;VCD)
光学活性な分子の分子振動遷移における左円偏光と右円偏光の吸収の差を観測
∆A=AL–AR
g1
g0
L
AR
AL
波数 (cm-1)
∆A
∆ε=εL–εR = –––
cl
∆A
g = –––
A
R
5×104
104
紫外
電磁波の種類
可視
波長
有機化合物
Dissymmetry factor
103
分子振動遷移
Chiralir (Bomem/BioTools, Inc.)
ECD (UV-CD) ECD (VIS-CD)
200 nm
モル円二色性
赤外
引き起こされる
電子励起遷移
遷移
対応するCD
円二色性(CD)
400
芳香環を持つもの
など一部が吸収
VCD (IR-CD)
800 1 µm
10
全ての有機化
合物が吸収
Taniguchi, T.; Miura, N.; Nishimura, S.-I.; Monde, K.;
Mol. Nutr. Food Res. 2004, 48, 246-254.
JV-2001
(JASCO, Co.)
Glycoside bandによるα:β比の定量
Maltose-Cellobiose混合溶液
0.5
Glycoside band
∆A
(×104)
0
M:C=0:100 (Cellobiose 0.25M)
M:C=10:90 HO CH OHO HO HOH C O
M:C=20:80 HO HO O HO OH
β1→4
M:C=30:70
M:C=40:60
M:C=50:50
CH OH
O
M:C=60:40 HOHO
α1→4
HO
M:C=70:30
O
CH OH
HO
M:C=80:20
O
HO
M:C=90:10
OH
M:C=100:0 (Maltose 0.25M)
2
-0.5
2
2
2
-1.0
1500
1400
pathlength 72µm
collection time 1hr
resolution 8cm-1
DMSO-d6 solution
1300
1200
1100
(cm-1)
Wavenumber
Glycoside bandを用いた酵素反応の
リアルタイムモニタリング
OH
Amyloglucosidase
HO
HO
HO
O
OH
α
HO
O
HO
OH
O
HO
OH
α
O
HO
Maltohexaose
O
OH
HO
O
HO
α
O
OH
HO
O
HO
α
HO
O
α
(×10-5)
O
HO
HO
OH
O
HO
OH
OH
O
HO
OH
HO
AcONa buffer (pH 4.5)
55℃
O
HO
HO
OH
HO
OH
HO
HO
O
HO
OH
5
6
Glucose
0
2.0
∆A
HO
HO
OH
HO
OH
OH
OH
O
OH
HO
O
HO
HO
O
HO
HO
∆A
1.0
(×10-5)
0
-1
-2
-3
-1.0
0.5h
1h
1.5h
2h
3h
4h
5h
6h
-2.0
-3.0
-4.0
-4
-5
-6
0
1500
1400
1300
1200
Wavenumber (cm-1)
1
2
3
4
1100
Reaction time (hours)
Monde, K.; Taniguchi, T.; Miura, N.; Nishimura, S.-I.;
J. Am. Chem. Soc. 2004, 126, 9496-9497.
OH
理論計算によるアプローチ
α-D-Glucose
(e)
配座解析
~130配座
(CONFLEX ; MM2+)
conformer (e)
Boltzmann
重み (95%)
(d)
conformer (d)
分子軌道計算
5配座
(Gaussian03 ;
B3PW91/6-31G(d,p)) 最安定から
conformer (c)
~1kcal/mol
(c)
conformer (b)
VCD計算
振動解析
conformer (a)
averaged (free energy)
(b)
averaged (total energy)
(a)
expt
(c)
(a)
C-1
C-1
1600 1550 1500 1450 1400 1350 1300 1250 1200 1150 1100
Wavenumber (cm-1)
(具体例)糖質のキラリティは強力な乾癬治療薬の創製に有効
Azasugar based scaffold
HO
O
OH
O
HO
HO
コンピュータ支援
により構造を
L-Glucono-1,5-lactone 最適化
HO
OH
OH
OH
OH
OH
O
O
N
CONHOH
S
O
O
OH
O
テンプレートを利用した
高速化学合成
L-Gulono-1,4-lactone
立体異性体約20化合物を系統的に 化学合成して効果を評価
R1
In Vitro評価
HB-EGF の切り出しを阻害、
in vivoでも高活性、臨床試験へ進展 (カルナバイオサイエンス)
J. Med. Chem. 2004, 47, 1930-1938
メタロプロテアーゼとは
メタロプロテアーゼ (Metalloproteinase) :蛋白質分解酵素であり、活性発現に
金属イオン (Zn2+)を必要とする。
メタロプロテアーゼ産生の異常は種々の疾患に関与する。
MMP (マトリックスメタロプロテアーゼ): 約20種類存在
コラーゲンやプロテオグリカンなど細胞外マトリックス成分を分解する酵素。
MMP-2, 9 : 細胞外基底膜の分解→ 癌の浸潤転移
MMP-3 : 関節・軟骨の破壊 → 慢性関節リウマチ・変形性関節症
ADAM (膜結合型メタロプロテアーゼ): 約30種類存在
細胞膜上に発現している生体にとって重要な因子の切り出しを行う酵素。
ADAM17 (TACE: TNF-α converting enzyme)
: TNF-α の切り出しを行う酵素→ 慢性関節リウマチ・糖尿病
ADAM 12 :膜型ヘパリン結合性上皮増殖因子 (pro HB-EGF)
の切り出しを行う酵素→ 乾癬・心肥大
コンフォメーション解析 (>SO2 Æ >C=O)
E
1 5.7731
2 7.7034
3 8.1192
4 8.2168
5 8.5046
1
1e TYPE
∆E
存在率 %
0.0000 90.5071
1.9302
3.4743
2.3461
1.7212
2.4437
1.4596
2.7315
0.8978
E
8.5788
8.5908
8.7813
8.9062
10.2502
1c TYPE
∆E
存在率 %
0.0000 27.7437 Åaxial
0.0120 27.1853 Åequatorial
0.2025 19.7069
0.3274 15.9592
1.6714
1.6490 Åtwisted boat
OH
OH
1
HO
HO
OH
OH
N
N
O
O
1c TYPE (活性弱い)
1e TYPE (活性強い)
2
(CONFLEXでの配座探索)
コンフォメーション1つ
リジッド
2
5
CONFLEXを用いたコンフォメーション解析の結果と
阻害活性の結果は良く一致することが分かった!
コンフォメーション2つ
フレキシブル
コンピューター支援による
構造最適化につながる
ヘパリン結合型上皮増殖因子(HB-EGF)と乾癬
乾癬:原因不明の皮膚疾患
全世界の成人約2%が罹患
自己免疫系疾患?
特徴:皮膚細胞の異常増殖
表皮の顕著な肥厚 → HB-EGFが関与
膜結合型増殖因子
可溶型増殖因子
MetalloMetalloproteinase
ケラチノサイトの異常増殖
皮膚の肥厚 (乾癬)
Higashiyama S. et al. J. Cell, Biol. 2000, 151, 209;
Nature Med. 2002, 8, 35.
アザ糖化合物のメタロプロテアーゼ阻害活性
HO
5
O
O
OH
4 OH
3
N 2 CONHOH
S
OH
HO
N
HO
OH
O
O
N
CONHOH
S
N
O
1c
(2R,3R,4R,5S)
(2R,3S,4S,5S)
rMMP-1 rMMP-3 rMMP-9
Ki (nM) Ki (nM) Ki (nM)
HO
CONHOH
O
CONHOH
S
O
1d
1e
(2R,3S,4S,5R)
HB-EGF
IC 50 (µM)
(2R,3R,4R,5R)
TACE
Ki (nM)
84
17
157
1.6
71
1b
1c
1d
25
>850
450
7.7
490
85
4.8
780
82
0.61
26
15
12
510
340
1e
26
2.0
2.0
0.45
15
3S, 4S
4S
N
O
1a
3R, 4R
4R
OH
O
S
O
1b
1a
OH
OH
O
O
O
(2R,3S,4R,5S)
HO
CONHOH
O
S
O
OH
OH
OH
阻害活性強い
中程度∼弱い阻害活性
この実験結果を説明するために、1c, 1eのコンフォメーション解析を行った。
Docking Study of Azasugar derivatives with MMP-3
1
2
5
3
Zn
S1’ pocket
4
Chirality of sugar seems to be essential for specific binding with proteins !
乾癬治療薬として有望な糖質医薬を創出
マウス乾癬モデル(TPA誘発皮膚肥厚モデル)に対するアザ糖化合物の効果
B: TPA
A: Vehicle (acetone)
OH
C: TPA + アザ糖化合物
HO
皮膚の肥厚
OH
O
O
N
C O N H O H S
O
R1
J. Med. Chem. 2004, 47, 1930-1938
分子軌道法による糖鎖の配座解析
cost
accuracy
•分子軌道法は計算コストが高い
•理論計算の癖に熟練が必要
系統的な解析による
カノニカルな方法が必要
糖について
分子軌道法で扱う分子としては巨大 Æ
計算時間
やわらかい分子
Æ
コンフォマーの混合比
糖に関する系統的な計算例がない.
Æ
指針の決定が必要
•計算量を抑えられる単糖(a-D-glucose).
•密度汎関数法(DFT)法を用いてその方法論の中で糖の計算
に対する最適化(基底関数の大きさ).
•計算の検証にはVCDスペクトルを用いる.
妥当な計算レベル
コンフォマーの混合比
の検討
グルコースの配座解析
∼130配座(再安定配座異性体
CONFLEX (MM2+)
による配座解析
から7kcal/molの範囲を探索)
Boltzmann
weight (95%)
H OH
H
16配座
分子軌道計算1
O
HO
H
HO
H
Gaussian03
(B3PW91/6-31G(d,p))
再安定配座異性体か
ら∼1kcal/mol
分子軌道計算2
5配座
Gaussian03 (B3PW91/
様々な基底)
OH
H
OH
振動解析・VCD計算
測定されたスペクトルと
の比較
基底関数の相対エネルギーへの
影響を検討
a-D-glucoseの安定配座(B3PW91/6-31G(d,p))
counterclockwise
trans (Tg)
00(a) (0.00)
gauche
(Gg)
gauche
(Gt)
03(b) (0.55)
06(c) (0.39)
clockwise
07(d) (0.69)
13 (2.21/2.72)
Conf no. (relative E (Total)) in kcal/mol
08(e) (1.14)
Relative energies of five lower conformers for various basis sets.
1.4
1.2
1
0.8
0.6
0.4
0.2
0
-0.2
-0.4
6-311++G(2d,2p)
6-311++G(d,p)
6-311G(2df,2pd)
6-311G(2d,2p)
6-311G(d,p)
BASIS SETS
poor basis
20
Tg
Gt
Gg
6-311++G(2df,2pd)
Most widely
used basis sets
6-31++G(2df,2pd)
6-31++G(2d,2p)
6-31++G(d,p)
6-31G(2df,2pd)
6-31G(2d,2p)
(a)
(b)
(c)
(d)
(e)
6-31G(d,p)
RELATIVE ENERGY (kcal/mol)
The crosses, the open squares, the open circles, the closed circles, the triangles, are indicate the conformer (a), (b), (c), (d) and (e),
respectively.
(おおむね)
good basis
B3PW91/6-311++G(2d,2p)
expt.
10
0
∆ε (x10-3)
-10
計算
-20
10
0
-10
測定
-20
1500
1450
1400
1350
1300
1250
Wavenumber (cm-1)
1200
1150
1100
コンフォマーの混合比
(a)
(c)
(b)
Tg
Gg
Gt
(a) < (b) ~ (c) (17:38:32) present clac.
(a) < (b) ~ (c) ( 0:44:56) Nishida et al.a)
(29:43:28) Kirschner et a.b) a)Tetrahetron Lett., 1984, 25, 1575.
b) Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,2001,98 ,10541
計算化学・VCDスペクトルで糖分子のコ
ンフォメーション解析を行う有用性が示さ
れた。
課題
溶媒和の効果、電子相関効果の検討
オリゴマーへの展開
キトサンー糖複合体素材の開発
• Sugar-chitosan
Conjugate
キトサン骨格の活性:
キトサン骨格の活性:
Chitosan backbone
OH
OH
O
HO
O
NH 2 HO
O
O
NH
Sugar side chain
HO
O
O
z
z 生体適合性
生体適合性
z
z 抗菌性、etc.
抗菌性、etc.
オリゴ糖側鎖の活性
オリゴ糖側鎖の活性
‹
‹微生物親和性
微生物親和性
‹
‹分子認識性、etc
分子認識性、etc.
.
„
„ 機能性素材
機能性素材
繊維、フィルム、ビーズ
繊維、フィルム、ビーズ
特願2004-056626号
キトサンー糖複合体の合成
HO
OH
O
Chitosan
OH
O
HO
O
NH2
NH2
H
O
N-Alkylation
O
HO
NH
NH2
OH
O
O
HO
NH
NH2
O
HO
OH
O
NH
NH2
Aldehyde
糖転移酵素
HO
O
HO
O
HO
Sugar nucleotide
O
O
HO
HO
OH
HO
HO
OH
O O
HO
HOOC
HO
OH
O
OH
HO NHAc
O
O
O
OH
HO
HO
GM3 Oligosaccharide
Receptor of influenza virus
OH
HO
OH
NHAc
OH O O
OH
O
HOOC
OH
O
O
O
O
O
O
OH
O
OHO
OH
O
NH
NH2
O
O
O
OH
O
O
HO
O
O
O
O
O
HO
O
OH
O
O
HO
OH
HO
HO
OH
O
HO
O
O
OH
Me HO
OH
HO NHAc
HO
Gb3 Oligosaccharide
Receptor of E.Coli O157/Shiga toxin
SLeX
Receptor of E-selectin
インフルエンザフィルターの作製
Adsorption of influenza virus A/PR/8/34 (H1N1)
to GM3-chitosan fiber
HA activity (HAU)
Filter
Before
After
filtratio
filtration
n
None
64
64
Chitosan fiber
64
32
Lac-chitosan
Fiber
64
32
GM3-chitosan
Fiber
64
<2
GM3-chitosan繊維
で作成したフィルターは、効率的にイン
イン
chitosan繊維で作成したフィルターは、効率的に
フルエンザウイルスをキャッチした!
フルエンザウイルスをキャッチした!
大腸菌O157感染マウスを用いた in vivo アッセイ
マウスを大腸菌
大腸菌
O157で感染
O157
E. Coli O157:H7
(N-9, 2×106 cfu)
キトサン誘導体を経口投入
キトサン誘導体 経口投入
(25µg/g of body weight; twice /day).
22日までモニタリング
Survival days
Inhibitory Effect on the Lethality of Infection with E. Coli O157
22
20
18
16
14
12
10
8
6
4
C
(n=10)
G1
(n=10)
G2
(n=10)
G3
(n=10)
G4
(n=10)
C: Untreatment; G1:
G1: Gb3-chitosan;
chitosan G2: Lac-chitosan; G3: Gb3 Oligomer; G4: Chitosan.
Gb3-chitosan複合体は、
大腸菌O157
O157感染マウスに対して、十分
感染マウスに対して、十分
chitosan複合体は、大腸菌
な防御効果を発揮!
防御効果を発揮!
Anti-inflammatory Drug
High Affinity with EE-Selectin (SPR Observation)
SLeX(Ka=10
EKa=102∼3M-1)に比べ、 SLeX-chitosan複合体の
chitosan複合体のE
Selectinに対する親和性は、
Selectinに対する親和性は、 100∼1000倍!
100∼1000倍!
細胞外マトリクスにおける
ヒアルロン酸の働き
Mw:1X105-106
HOOC
O
HOH2C
HO
O
O
骨格形成、形態維持、
O
HO
O
シグナル伝達による増殖、
OH
NHCOCH3
n
分化等の様々な生命現象に関与
[GlcUA-GlcNAc]n
形態形成、維持の必須分子の他、
腫瘍形成、損傷治癒、胚発育等の動的過程における
細胞の移動、増殖の調節等の重要な働きを担う分子
バクテリア細胞表層の化学的修飾
Artificial cell-wall
precursor
Cell wall
Native
乳酸菌は腸管に一定期間とどまった後に排出される。
粘膜上でのワクチンとして有効。
有害物質を結合して体外に排出するのに有効。
提示する分子 考えられる応用
抗原- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -経口粘膜ワクチン
キレート剤などのリガンド- - - - - - - - - - - 有害物質の除去
病原菌の認識分子- - - - - - - - - - - - - - - -感染の防御
Modified
細胞壁生合成経路の利用
Cell Wall
Pentapeptide
Bacteria
=
Lipid II
Lipid I
UDP-MurNAc pentapeptide
ケトン基を利用してバクテリア表層に蛍光剤を提示
Without Ketone
Ketone Displayed
バクテリアに自由に分子を提示できる技術!
R. Sadamoto, K. Niikura, P. S. Sears, H. Liu, C.-H. Wong, A. Suksomcheep, F. Tomita, K. Monde, S.-I. Nishimura
J. Am. Chem. Soc. 2002, 124, 9018-9019.
生きたバクテリア表層への化学的糖鎖提示
SPR (Biacore)
Sensor Chip HPA
Glycolipid
Monolayer
Lectin (ConA)
マンノオリゴ糖を提示した乳酸菌
バクテリアに自由な分子(例えば糖鎖)を提示させて、
接着挙動をコントロールできた。
R. Sadamoto, K. Niikura, T. Ueda, K. Monde, S.-I. Nishimura, J. Am. Chem. Soc., 2004, 126, 3755-3761
細胞壁への取り込み量(蛍光)
より効率的な細胞壁前駆体の探索
P-AcGlcLev
UDP-MurNAc pentapeptide
Negative control
Wavelength/nm
新しい前駆体
バクテリアの効率的表面修飾方法 平成16年3月30日(特願 2004-101518)
・高い取り込み能
・グラムオーダーでの合成が可能
・安価
実用化 (経口ワクチン)
糖転移酵素のSPR センサー基板への固定化方法
β1-4 Galactosyltransferase
糖転移酵素
酵素反応
GalT
GalT
酵素
レクチン
MBP
Maltose binding protein
(MBP)
MBP
基板に固定化
センサー
結合部位
*MBP-GalT fusion
融合タンパク質
大腸菌で発現
表面プラズモンセンサー
反応センシング
Nagahori N., Niikura K., Sadamoto R., Taniguchi M., Yamagishi A., Monde K., Nishimura S.-I. Adv. Synth. Catal. 345, 729-734 (2003)
皮膚表面の乾燥防御技術の開発
保湿特性(水分保持能、
水分蒸散抑制能)にすぐ
れた基剤の選択( in vivo
およびin vitro評価)
基剤特性
・水溶性基剤
・両親媒性基剤
・油溶性基剤
長期にわたり無理なく
使える剤型と好感触製
剤の選択
②
①
低刺激性
荒れた皮膚にも使用でき
低刺激性で安全性の高
基剤の評価と選択
・in vitro 法
・ヒトでの評価
目標
荒れ肌に対し、適切な
作用メカニズムをもつ
有効成分の評価と選択
官能特性
④
バリア強化
③
・セラミド合成促進剤
など
①∼④をすべて満足する、乾燥肌に
適した乾燥防御製剤の開発
2
グリコクラスター型化粧品素材の開発
天然のβ
天然のβ− ガラクトシルセラミド: セラミド生成促進(遊離酵素の活性増強)
バリア機能強化(アトピー性皮膚にも有効)
牛脳由来
O
OH
OH
HN
O
O
HO
OH
OH
全24種の合成化合物の中から、表皮細胞およびモデル動物を用いた
評価により、最も有効性の高い、β
評価により、最も有効性の高い、β-GalGal-SerSer-diamide diamide を選択
ガラクトース
OH
HN
O
O
HO
脂肪酸
O
OH
H
N
OH
L-セリン O
アルキルアミン
*国内特許出願済:出願番号2001-190616
外国特許出願済:PCT/JP02/06532(米国・EPC・韓国・中国・香港)
論文発表:Fukunaga et al., Bioorg. Med. Chem. Lett., 13: 813-815 (2003)
モデル動物を用いた試験
モデル動物を用いた
試料塗布
UVB照射
UVB照射
皮膚ダメージの程度
モデル動物に、 GalGal-SerSer-diamideを塗布し、
UV照射により受ける皮膚のダメージの程度を調べた。
UV照射により受ける皮膚のダメージの程度を調べた。
7
6
5
4
3
2
1
0
*
**
基剤
天然GalCer
Gal-Ser diamide
天然GalCer Gal-
GalGalCerよりも高い有用性を示した。
よりも高い有用性を示した。
Gal-SerSer-diamideは天然
diamideは天然GalCer
生理活性成分としての視点
刺激
表皮バリア機能
角 層
角質細胞間脂質
水分
水分
ラメラ構造
顆粒層
合成促進
有棘層
セラミド
∼
基底層
Gal-Ser-diamide
脂肪酸
コレステロール
*電子顕微鏡で見たラメラ構造
角層ラメラとの相互作用
人工ラメラに添加して膜物性解析
① 水分 蒸散 抑制 能
② ラメラ膜 形成可能
20 nm
Control
Control+10wt%Gal-Ser-diamide
-SerSEM による脂質含有メンブレンフィルター 表面形態観察
メンブレンフィルター内部
に形成したラメラ構造
( TEM 観察)
ラメラ膜を補強する効果
GalGal-SerSer-diamideは
diamideは
角質細胞間脂質との共存により、安定なラメラ構造を構築し、
表皮バリア機能を高める化粧品素材として期待できる。
試作合成および安全性試験
試作合成
OAc OAc
O
AcO
安全性試験
OAc
急性毒性試験、
OAc
β-D-Galactose pentaacetate
HN
HO
O
O
O
n-C 6H 13 NH 2
WSC, HOBt
O
COOH
DMF
HN
HO
OAc OAc
HN
O
AcO
O
O
H
N
BF 3OEt 2 / CHCl 3
OAc
O
Z-L-Serine
感作性試験、
O
H
N
変異原性試験、
O
O
5% Pd-C
H 2 gas
OAc OAc
C 17H 35 C(O)Cl
O
AcO
dioxane-MeOH
toluene
HN
OAc
累積刺激性試験、
H
N
O
皮膚一次刺激性試験、
O
眼刺激性試験
O
28% NaOMe
dioxane-MeOH
OH OH
O
HO
OH
HN
O
H
N
ヒトパッチ試験
O
Gal-Ser-diamide
221g、収率39%
純度95%
すべて安全であることを確認
現在スキンケア化粧品への開発に向けて
ヒトでの評価検討を続けており、
今後は、新規機能性素材としての商品化を目指す予定である。
Human Hyaluronan Synthase2 (hHAS2)
Transmembrane region
GlcNAc 212, 314, 350, 353, 354
GlcUA 280-285
122-414
Y Yamaguchi et. al., JBC 271 22945-8, (1996)
最近のHA
研究において
最近のHA研究において
分子量により、機能が異なる
高分子(20万以上) −活免疫化、形態形成、組織維持、がん浸潤
中分子(約1万から20万)−炎症誘導因子
低分子(
低分子(1万以下)−
1万以下)− 血管新生、抗血栓作用、細胞増殖能上昇、
扁平上皮細胞の損傷治癒能の向上、
メラノーマ (B16)におけるがん成長阻害
16)におけるがん成長阻害
大腸菌発現系による低分子HA能を有する改変hHAS2の作成に成功
Hoshi H., Nakagawa H., Nishiguchi S., Iwata K., Niikura K., Monde K., and Nishimura S.-I.
J. Biol. Chem., 279, 2341-2349 (2004)
rhHAS2
122122-414のMALDIMALDI-MSによる反応産物の確認
MSによる反応産物の確認
a.i
rhHAS2
O
O
OH
NHCOCH 3
OH
NHCOCH3
O
O
O
O
O
OH
OH
O
HO
HO
O
CH 2 OH
COOH
TetramerHA
CH2OH
COOH
122-414
Membrane
CH2OH
COOH
O
O
HO
O
O
Mixture
NHCOCH3
OH
OH
Fractionation
O
O
HO
O
NHCOCH3
OH
OH
活性型ヒト由来改変ヒアルロン酸合成酵素(rhHAS2)を
E.coliで発現
↓
低分子HA (<14mer) 産生に成功
O
O
HO
O
OH
NHCOCH3
OH
O
O
HO
O
OH
OH
NHCOCH3
rhHAS2の医療への応用
Chemoenzymatic Large-Scale Synthesis of Glycodendrimer Having
Seven Sialyl Lewis X Arrays Using β-Cyclodextrin as a Scaffold
OH
AcHNHO
HO
OH
O
OH
OH
MeHO O
HO
O O
OH
OH
OH
O
OH
OH
O O
OH
O
O
O
O OH
Me
NHAc
HO OH
OH
O
O
O
OH HO
O
O S
O
HO
O
O
O
OH
HO
O HO
O
OH
HO
HO
HO
AcNH
OH
HO
HO
O O
Me
O OH
HO
HO
O
HOOC
O
OH
NHAc
OH
HO
HO
HOOC
OH
NHAc
OH HO
Me
O HO HO
O
O
O
HN
HO
HO O OH Me
O
O
HO
O
NHAc
O
O
HO
O
O
HO
O
N
H
AcNH
S
HO
HOO
HN O
HO
OH
S
OH
S
O
HO
O
HO
O
NHAc
HO O O OH
O
O
OH
O
HO
OH
Me HO
O
HO O
HO
OH
O
OH
OH
OOH
O
O
O NH
S O
HN
O
NH
NH
O
O HO
S
O
OH
HOOC
HO
AcHN
OH O
AcNH
O
O
HO
O
S
OH
Me
HO O COOH
HO
HO
OH
O
O
OH
NHAc
COOH
O
OH
O
OH
OH
OH
NHAc
OH OH
COOH
O
HO
OH
O
HO
COOH
NHAc
OH
OH
7
CH2OH
COOH
O
The symmetric and
mono-dispersed polymer
with M.W=7946
6
CH2OH
COOH
O
↓
5
CH2OH
COOH
O
HO
AcHN
4
n
8
Inhibitory Effect of SLeX7CD on the Interaction
of E-selectin with Immobilised SLeX-BSA Lattice
SLN7CD
SLeX-OH
E-selectin
SLeX7CD
Glycodendrimer
@@@@@@@@@@@
wwwwwwwwww
wwwwwwwwww
Normalized conc. (mM)
HO
S-Lex
OH
HO
AcHN
COOH
O
OH
O
OH
O
OH
O
HO
O
OH
HO
Den
NHAc
SLN7CD
HO
OH
HO
AcHN
COOH
OH
OH
O
O
O
O
AcHN
HO OH
Me
O
OH
HO OH
O
OH
SPR sensor chip
SLeX-OH
抗エ イ ズ活性を 持つグ リ コ ク ラ スタ ーおよ びデン ド リ マー型エ イ ズ ワク チン の合成
帝京科学大学 瓜生敏之
NH
H2 N
O
H2N
球状リ ジ ン デン ド リ マ ー第3 世代
NH 2
H 2N
β -Ala nin e
NH 2 CH 2 CH 2 COOH
H2 N
O
H2 N
O
O
O
O O
O
H
N
O
N
NH
NH
HO
HO
N
NH
O O
H
N
O
HN
O
NH
N
O
O
O
HN
OH
OH
O HN
OH N
O
O
O
O
O
HN
HN
O
OH
HO
OH
O
O
N
OH OH
O
O
O
O
O
HO
O
HO
O
N
O
N
NH
NH
O
O
O
O
NH
2
N H2
H2 N
O
O
エ イ ズウイ ルス抗原
の結合
ORCONH
O
O
O
O
HO
O O
O O
エ イ ズウイ ルス抗原
O O
O
O
NH2
2
NH
O
NH
HN
O
NH
O
HO
N
HO
N
HO
OH OH
NH2
NH
O
O
NH
O
O
O
O
N
NH
NH
O
NH
N
OH
O
O
NH
O
N
O
NH N H
O
O
O
NH
2
O O
O
O
HO
O
NH
OH
HN H N
O
O
NH
O
N
O
NH
NH O
O
O
NH
H
N
O
O
HO
O
HN
O
O
O
HO
O
O
O
O
O
O
N
NH
H
N
HN
O
HN
N
O
O
HO HO
H
O
OH
N
N
O
NH
Ma lto seの結合
O O
HO
OH H O
OH
OH
OH
O
O
O
O
O
HN
HN
NH2
O
O
HN
O
O
O
NH
NH
O
N
N H2
O
NH
NH
O
O
O
O
HN
NH
HN
NH
OH N
H2 N
H2 N
HN
NH
O
O
HN
2
NH
O
H
N
HN
O
HN
O
H
N
O
H
Di-Boc-lysine Di-Boc-lysine
OH
O
O
O
球状糖鎖−ペプ チド デ ン ド リ マー
( 初の完全3 2 本糖鎖置換デン ド リ マー)
デン ド リ マ ー型エ イ ズ ワク チン
( 合成に成功する も 生成物は溶媒に不溶)
他に、 オリ ゴ ペプ チド を デン ド リ マーに結合さ せたエ イ ズワク チン モ デル 高い抗エ イ ズウ イ ルス活性を 示す硫酸化オリ ゴ 糖鎖被覆デン ド リ マー
の合成に成功
Critical Role of Glycomolecules in Immunological Responses
北海道大学遺伝子病制御研究所
1. Activation of NKT cells by α-GalCer
Prevention of lung metastasis by α-GalCer
IFN-γ
H
HO
OH
CD1d
O
(CH2) 23CH3
O
HN
HO
IL-4
OH
OH O
(CH2)13CH3
NKT cell
Dendritic cell
TCR
None
α-GalCer
OH
α-GalCer
CD1d
Dendritic Cell
α-GalCer
a-GalCerはガンの転移を抑制した!
IL-12
α-GalCer+IL-12
2. Importance of Glycomolecules in Antigen Presentation
Cytotoxicity against P815 tumor
Activation
35
DC
TM-DC
% Specific lysis
30
T Cell
TCR
MHC
Tunicamycin
Dendritic Cell (DC)
樹状細胞の糖鎖は免疫活性に必須!
10
20
10
E/T ratio
5
戸倉 清一 関西大学
加水分解
糖 質
抽出
グリセリン−Glc
バクテリアセルロース
成 果
15
0
酸又は微生物
生活廃棄物
20
5
Tunicamycin-treated
Dendritic Cell (TM-DC)
目的:多糖類廃棄物の機能化
多糖類廃棄物
25
GlcNAc
GlcN
GalN
NH4Cl-Glc
NaNO3
バクテリアアミノ多糖
浅皿培養器
機能性多糖膜・繊維
Glc:グルコース
GlcN:グルコサミン
Gal:ガラクトサミン
NH4Cl:塩化アンモン
NaNO3:硝酸ナトリウム
GlcNAc:N−アセチルグ
ルコサミン
デンドリマー型糖鎖クラスター合成技術開発
目的:インフルエンザウィルスの予防と治療を目指したシアル酸含有糖鎖クラスターの構築
埼玉大学 松岡 浩司
シアル酸誘導体の合成と評価
OAc
AcO
N3
OAc
COOMe
SPh
O
OAc
AcO
OAc
OAc
AcO
AcHN
O
COOMe
SC 12H 25
AcO
Carbohydr. Lett. 2001; 4: 123-130.
AcO
N3
OAc
COOMe
SC 12H 25
O
AcO
Tetrahedron Lett. 2004; 45: 9383-9386.
ラクトサミン誘導体の合成法の確立
シアリルラクトースの合成法の確立
OH
AcO
OAc
O
AcO
O
AcO
OAc
NHAc
OH
HO
AcHN
SAc
O
OAc
O
COOH
HO
OH
OR
O
OH
Tetrahedron Lett. 2003; 44: 3617-3620.
OH
HO
O
O
HO
O
OH
Tetrahedron Lett. 2001; 42: 3327-3330.
糖鎖クラスターの構築
N-Acetyllactosamine Cluster
Tetrahedron Lett. 2003; 44: 3617-3620.
Sialyllactose Cluster
Tetrahedron Lett. 2001; 42: 3327-3330.
展開・応用研究
アザ糖を用いたキラル合成
コンピューター化学との融合
新規乾癬治療薬
インフルエンザ感染阻害薬
基礎・基盤研究
自動合成法
糖鎖化合物ライブラリ
糖鎖修飾による
インシュリンの薬効
持続化
自動分析法
テーラーメイド
医薬と治療法の提供
東洋紡
糖鎖パターン分析による
癌・糖尿病などの
早期発見技術
不凍糖ペプチドによる
移植臓器保存薬
カルナバイオ
塩野義製薬寄附講座
疾患と糖鎖
データベース
ヤマサ
サン・マイクロシステムズ寄附講座
生命分子機能学研究室
日立ハイテクノロジー寄附講座
住友ベークライト
糖鎖精密化学研究室
計算分子生命科学研究室
STS
カネボウ化粧品 CBI
産総研北海道・北大西村糖鎖プロジェクト
学生34名、研究者35名、研究支援者12名
糖鎖を用いた予防診断技術と医薬品開発
新分野で高い国際競争力。疾患の早期発見、テーラーメイドによる医療の効率化
・医療関連新産業の育成 ・医療の質の向上と経費削減 ・国民の健康と福祉の向上
参考資料1
評価の実施方法
本評価は、「技術評価実施規程」
(平成 15 年 10 月制定)に基づいて研究評価を実
施する。
独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)における研究評価の
手順は、以下のように被評価プロジェクト毎に分科会を設置し、同分科会にて研究評
価を行い、評価報告書(案)を策定の上、研究評価委員会において確定している。
「NEDO 技術委員・技術委員会等規程」に基づき研究評価委員会を設置
研究評価委員会はその下に分科会を設置
国 民
評価結果公開
NEDO
理事長
評価結果の事業等への反映
推進部署
評価書報告
研究評価委員会
評価報告書(案)審議・確定
事務局
分科会A
研究評価部
分科会C
分科会B
分科会D
評価報告書(案)作成
プロジェクトの説明
図1
評価手順
参考資料 1-1
推進部署
実施者
1.評価の目的
評価の目的は「技術評価実施規程」において、
業務の高度化等の自己改革を促進する。
社会に対する説明責任を履行するとともに、経済・社会ニーズを取り込
む。
評価結果を資源配分に反映させ、資源の重点化及び業務の効率化を促進
する。
としている。
本評価においては、この趣旨を踏まえ、本事業の意義、研究開発目標・計画の妥当
性、計画と比較した達成度、成果の意義、成果の実用化の可能性等について検討・評
価した。
2.評価者
技術評価実施規程に基づき、事業の目的や態様に即した外部の専門家、有識者から
なる委員会方式により評価を行う。分科会委員選定に当たっては以下の事項に配慮し
て行う。
科学技術全般に知見のある専門家、有識者
当該研究開発の分野の知見を有する専門家
研究開発マネジメントの専門家、経済学、環境問題その他社会的ニーズ
関連の専門家、有識者
産業界の専門家、有識者
また、評価に対する中立性確保の観点から事業の推進側関係者を選任対象から除外
し、また、事前評価の妥当性を判断するとの側面にかんがみ、事前評価に関与してい
ない者を主体とする。
これらに基づき、分科会委員名簿にある6名を選任した。
なお、本分科会の事務局については、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開
発機構研究評価部が担当した。
3.評価対象
平成11年度に開始された「機能性糖鎖複合材料創製技術開発」プロジェクトを評
価対象とした。
なお、分科会においては、当該事業の推進部署から提出された事業原簿、プロジェ
クトの内容、成果に関する資料をもって評価した。
参考資料 1-2
4.評価方法
分科会においては、当該事業の推進部室及び研究実施者からのヒアリングと、それ
を踏まえた分科会委員による評価コメント作成、評点法による評価及び実施者側等と
の議論等により評価作業を進めた。
なお、評価の透明性確保の観点から、知的財産保護の上で支障が生じると認められ
る場合等を除き、原則として分科会は公開とし、研究実施者と意見を交換する形で審
議を行うこととした。
5.評価項目・評価基準
分科会においては、次に掲げる「評価項目・評価基準」で評価を行った。これは、
研究評価委員会による『各分科会における評価項目・評価基準は、被評価プロジェク
トの性格、中間・事後評価の別等に応じて、各分科会において判断すべきものである。』
との考え方に従い、第1回分科会において、事務局が、研究評価委員会により示され
た「標準的評価項目・評価基準」
(参考資料1−7頁参照)をもとに改訂案を提示し、
承認されたものである。
プロジェクト全体に係わる評価においては、主に事業の目的、計画、運営、達成度、
成果の意義や実用化への見通し等について評価した。各個別テーマに係る評価につい
ては、主にその目標に対する達成度等について評価した。
参考資料 1-3
評価項目・評価基準
1.事業の位置付け・必要性について
(1)NEDOの事業としての妥当性
・特定の施策(プログラム)、制度の下で実施する事業の場合、当該施策・制度の
選定基準等に適合しているか。
・民間活動のみでは改善できないものであること、又は公共性が高いことにより、
NEDOの関与が必要とされる事業か。
・当該事業を実施することによりもたらされる効果が、投じた予算との比較にお
いて十分であるか。
(2)事業目的の妥当性
・内外の技術開発動向、国際競争力の状況、エネルギー需給動向、市場動向、政
策動向、国際貢献の可能性等から見て、事業の目的は妥当か。
2.研究開発マネジメントについて
(1)研究開発目標の妥当性
・内外の技術動向調査、市場動向調査等に基づき、戦略的な目標が設定されてい
るか。
・具体的かつ明確な開発目標を可能な限り定量的に設定しているか。
・目標達成度を測定・判断するための適切な指標が設定されているか。
(2)研究開発計画の妥当性
・目標達成のために妥当なスケジュール、予算(各個別研究テーマ毎の配分を含
む)となっているか。
・目標達成に必要な要素技術を取り上げているか。
・研究開発フローにおける要素技術間の関係、順序は適切か。
・継続プロジェクトや長期プロジェクトの場合、技術蓄積を、実用化の観点から
絞り込んだうえで活用が図られているか。
(3)研究開発実施者の事業体制の妥当性
・適切な研究開発チーム構成での実施体制になっているか。
・安易な業界横並び体制に陥ることなく、真に技術力と事業化能力を有する企業
を実施者として選定しているか。
・研究管理法人を経由する場合、研究管理法人が真に必要な役割を担っているか。
・全体を統括するプロジェクトリーダー等が選任され、十分に活躍できる環境が
整備されているか。
・目標達成及び効率的実施のために必要な、実施者間の連携 and/or 競争が十分
参考資料 1-4
に行われる体制となっているか。
・実用化シナリオに基づき、成果の受け取り手(活用・実用化の想定者)に対し
て、成果を普及し関与を求める体制を整えているか。
(4)情勢変化への対応等
・進捗状況を常に把握し、計画見直しを適切に実施しているか。
・社会・経済の情勢の変化及び政策・技術動向に機敏かつ適切に対応しているか。
・計画見直しの方針は一貫しているか(中途半端な計画見直しが研究方針の揺ら
ぎとなっていないか)。
3.研究開発成果について
(1)目標の達成度
・成果は目標値をクリアしているか。
・全体としての目標達成はどの程度か。
・目標未達成の場合、目標達成までの課題を把握し、課題解決の方針が明確にな
っているか。
(2)成果の意義
・成果は市場の拡大或いは市場の創造につながることが期待できるか。
・成果は、世界初あるいは世界最高水準か。
・成果は、新たな技術領域を開拓することが期待できるか。
・成果は汎用性があるか。
・投入された予算に見合った成果が得られているか。
(3)特許の取得
・特許等(特許、著作権等)は事業戦略に沿って適切に出願されているか。
・外国での積極的活用が想定される場合、外国の特許を取得するための国際出願
が適切にされているか。
(4)論文発表・成果の普及
・論文の発表は、質・量ともに十分か。
・成果の受け取り手(活用・実用化の想定者)に対して、適切に成果を普及して
いるか。
・一般に向けて広く情報発信をしているか。
4.実用化、事業化の見通しについて
(1)成果の実用化可能性
・産業技術としての見極め(適用可能性の明確化)ができているか。
参考資料 1-5
・実用化に向けて課題が明確になっているか。課題解決の方針が明確になってい
るか。
(2)波及効果
・成果は関連分野への技術的波及効果及び経済的波及効果を期待できるものか。
・プロジェクトの実施自体が当該分野の研究開発や人材育成等を促進するなどの
波及効果を生じているか。
(3)事業化までのシナリオ
・コストダウン、導入普及、事業化までの期間、事業化とそれに伴う経済効果等
の見通しは立っているか。
参考資料 1-6
標準的評価項目・評価基準
【本標準的項目・基準の位置付け(基本的考え方)】
本項目・基準は、研究開発プロジェクト及び課題設定型助成事業の中間・事
後評価における標準的な評価の視点の例であり、各分科会における評価項目・
評価基準は、被評価プロジェクトの性格、中間・事後評価の別等に応じて、各
分科会において判断すべきものである。
なお、短期間(3年以下)又は少額(予算総額 10 億円未満)のプロジェクト
及び課題設定型助成事業に係る事後評価については、以下の「3.
」及び「4.」
を主たる視点として、より簡素な評価項目・評価基準を別途設定して評価をす
ることができるものとする。
1.事業の位置付け・必要性について
(1)NEDOの事業としての妥当性
・特定の施策(プログラム)、制度の下で実施する事業の場合、当該施策・制度の
選定基準等に適合しているか。
・民間活動のみでは改善できないものであること、又は公共性が高いことにより、
NEDOの関与が必要とされる事業か。
・当該事業を実施することによりもたらされる効果が、投じた予算との比較にお
いて十分であるか(知的基盤・標準整備等のための研究開発の場合を除く)
。
(2)事業目的の妥当性
・内外の技術開発動向、国際競争力の状況、エネルギー需給動向、市場動向、政
策動向、国際貢献の可能性等から見て、事業の目的は妥当か。
2.研究開発マネジメントについて
(1)研究開発目標の妥当性
・内外の技術動向調査、市場動向調査等に基づき、戦略的な目標が設定されてい
るか。
・具体的かつ明確な開発目標を可能な限り定量的に設定しているか。
・目標達成度を測定・判断するための適切な指標が設定されているか。
(2)研究開発計画の妥当性
・目標達成のために妥当なスケジュール、予算(各個別研究テーマ毎の配分を含
む)となっているか。
・目標達成に必要な要素技術を取り上げているか。
・研究開発フローにおける要素技術間の関係、順序は適切か。
・継続プロジェクトや長期プロジェクトの場合、技術蓄積を、実用化の観点から
参考資料 1-7
絞り込んだうえで活用が図られているか。
(3)研究開発実施者の事業体制の妥当性
・適切な研究開発チーム構成での実施体制になっているか。
・安易な業界横並び体制に陥ることなく、真に技術力と事業化能力を有する企業
を実施者として選定しているか。
・研究管理法人を経由する場合、研究管理法人が真に必要な役割を担っているか。
・全体を統括するプロジェクトリーダー等が選任され、十分に活躍できる環境が
整備されているか。
・目標達成及び効率的実施のために必要な、実施者間の連携 and/or 競争が十分
に行われる体制となっているか。
・実用化シナリオに基づき、成果の受け取り手(活用・実用化の想定者)に対し
て、成果を普及し関与を求める体制を整えているか。
(4)情勢変化への対応等
・進捗状況を常に把握し、計画見直しを適切に実施しているか。
・社会・経済の情勢の変化及び政策・技術動向に機敏かつ適切に対応しているか。
・計画見直しの方針は一貫しているか(中途半端な計画見直しが研究方針の揺ら
ぎとなっていないか)。
3.研究開発成果について
(1)目標の達成度
・成果は目標値をクリアしているか。
・全体としての目標達成はどの程度か。
・目標未達成の場合、目標達成までの課題を把握し、課題解決の方針が明確にな
っているか。
(2)成果の意義
・成果は市場の拡大或いは市場の創造につながることが期待できるか。
・成果は、世界初あるいは世界最高水準か。
・成果は、新たな技術領域を開拓することが期待できるか。
・成果は汎用性があるか。
・投入された予算に見合った成果が得られているか。
(3)特許の取得
・特許等(特許、著作権等)は事業戦略に沿って適切に出願されているか。
・外国での積極的活用が想定される場合、外国の特許を取得するための国際出願
が適切にされているか。
参考資料 1-8
(4)論文発表・成果の普及
・論文の発表は、質・量ともに十分か。
・成果の受け取り手(活用・実用化の想定者)に対して、適切に成果を普及して
いるか。
・一般に向けて広く情報発信をしているか。
4.実用化、事業化の見通しについて
(1)成果の実用化可能性
・産業技術としての見極め(適用可能性の明確化)ができているか。
・実用化に向けて課題が明確になっているか。課題解決の方針が明確になってい
るか。
(2)波及効果
・成果は関連分野への技術的波及効果及び経済的波及効果を期待できるものか。
・プロジェクトの実施自体が当該分野の研究開発や人材育成等を促進するなどの
波及効果を生じているか。
(3)事業化までのシナリオ
・コストダウン、導入普及、事業化までの期間、事業化とそれに伴う経済効果等
の見通しは立っているか。
※ 基礎的・基盤的研究及び知的基盤・標準整備等の研究開発の場合は、適宜5.
を参照するものとする。
5.その他
(1)基礎的・基盤的研究開発
・実用化イメージ・出口イメージが明確になっているか。
・実用化イメージ・出口イメージに基づき、開発の各段階でマイルストーンを明
確にしているか。
(2)知的基盤・標準整備等の研究開発
・成果の公共性を担保するための措置、或いは普及方策を講じているのか(JI
S化、国際規格化等に向けた対応は図られているか、一般向け広報は積極的に
為されているか等)。
参考資料 1-9
・公共財としての需要が実際にあるか。見込みはあるか。
・公共性は実際にあるか。見込みはあるか。
参考資料 1-10
本研究評価委員会報告は、独立行政法人新エネルギー・産業技
術総合開発機構(NEDO技術開発機構)研究評価部が委員会
の事務局として編集しています。
平成17年3月
NEDO技術開発機構
研究評価部
部長
奥田
昌宏
主幹
高松
秀章
担当
池尾
陽作
*研究評価委員会に関する情報はNEDO技術開発機構のホームページ
に掲載しています。
(http://www.nedo.go.jp/iinkai/kenkyuu/index.html)
〒212-8554 神奈川県川崎市幸区大宮町1310番地
ミューザ川崎セントラルタワー(19F)
TEL 044-520-5160
FAX 044-520-5162
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