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Title
北海道大学法学部法学会記事
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Issue Date
北大法学論集 = THE HOKKAIDO LAW REVIEW, 26(3):
309-312
1976-01
DOI
Doc URL
http://hdl.handle.net/2115/27947
Right
Type
bulletin
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Information
File
Information
26(3)_P309-312.pdf
Instructions for use
Hokkaido University Collection of Scholarly and Academic Papers : HUSCAP
北海道大学法学部法学会記事
陪審制・参審制・その他をめぐって l
﹁国民の司法参加﹂
O昭和五O年八月一一六日(火)午後二時1 五時
i
ヨアヒム・へルマン
講演アウグスブルク大学教授
通訳小暮得雄
出席者二二名
素人の司法参与には、代表的な形態として、いわゆる陪審制と
参審制とがある。そのいずれも現在の我国では採られていない
が、これらの制度をもっ諸外国において、素人の裁判関与者が果
している役割を尋ねることは興味深い之とであろう。ドイツ参審
制はもとより、ひろく英米陪審制にも造詣の深いへルマ γ教授を
迎え、講演と討議の機会を得たことは幸いであった。以下、その
要約である。
一、アメリカ合衆国における陪審制
る。他方、裁判官は比較的弱い立場にあり、証拠調べにはほとん
告人の罪責問題に決定的役割を担っていることを示すものであ
ど干渉しない。裁判官はごく僅かな州を除いて、証拠調べ後の陪
a
審への説示に際し当該法律問題を説明することが許されているに
を疑問視する向きも多いが、シカゴ大学における実-託的研究によ
過ぎない。このような陪審制に対し、一方では陪審員の評定能力
れば、この穫の疑問は当を得たものではなく、むしろ刑法の柔軟
二、イギリスの陪審制
性を保持するために重要な役割を演じていることがわかる。
英陪審制は、米陪審制とかなり異なっている。陪審員の無党派
い。さらに、裁判官の立場は陪審に対し比較的強い。彼は公判終
性もほとんど吟味されず、公判中外部から遮断されることもな
結時における陪審員への説示に際し、法律問題に限らず証拠結果
を要約し、さらにその評価をも行なう。英陪審も米国におけると
同様にかつては全員一致評決であったが、高い無罪率などのため
一致)が導入されるにいたった。しかし、シカゴ大学の研究によ
批判を招き、最近の改正で一種の多数決制(例えば口人中日人の
の数が実際にどれ程あるのかは定かでない。
れば、一致評決を妨げるべき、頑固なあるいは買収された陪審員
三、ドイツ参審制
である英国の例とは趣きを異にしている。陪審員は一定の事実の
プ ラ γス大革命の理念に支えられたトイツ陪審制は、その雛型
その確保のため陪審の構成には甚だ複雑な手続きを要し、選任さ
存否を具体的に決するに過ぎず、罪責問題に対する評定能力は疑
米陪審制において最も重要視されるものは陪審の公平である。
,
れた陪審員も厳重なコントロールを受ける。このことは陪審が被
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報
雑
に不信の念を抱き、この相互不信が陪審による無罪を増大させた
﹁民事法の立法に関する二、三の問題﹂
O昭和五O年九月二六日ハ金)午後二時│五時半
高桑昭
報告者 法務省民事局参事官
│民事政策のすすめ│
問視されてきた。一方、陪審員も彼らの権限縮小に対して裁判官
結果、軽罪事件の分野では夙に採用されていた参審制にこれを代
えるべきであるとする要求が強まり、一九二四年、陪審制はその
出席者一八名
てわが国の法律学では、これまで公法と私法、実体伝と手続
一般に参審員の罪責問題に対する影響は弱い。公判開始まで事
名称を残すのみとなった。
件を知らされない参審員は、公判段階で職業裁判官が構築する犯
過程については、﹁解釈学﹂を中心とした伝統的な法律学ではほ
てきた。しかし、解釈し、運用する対象となる法律の立案、成立
とんど扱われていなかったし、また明確に意識してとり上げたこ
法を問わず、﹁解釈﹂と運用に関する研究や議論は盛んに行われ
らドイツ刑法の発展に対する参審制の意義は否定されるものでは
ともほとんどなかったと思われる。また、わが国の法社会学でも
罪行為像を受容せざるを得ないからである。換言すれば、﹁裁判
ない。法律的素養のない素人によっても刑事裁判は理解され得る
とり上げたことはなかった。むしろ、しばらく前から民法典の系
官の眼鏡を通して事件を見﹂ざるを得ないのである。しかしなが
という視点は、決して軽視されるべきではなかろう。さらに、世
譜を明らかにする作業と関連して、いわゆる立法学に関する意識
国際連合国際商取引法委員会、ハ lグ国際私法会議等の私訟に関
論を背景に判決へ参与する参審員は、刑事裁判の道徳的意義を、
する国際的立法に参加した経験をもとにして、民事法の立法に関
があらわれてきたように思われる。報告者は、このような法律学
引続き行なわれた討論では、米・独における素人参与の意義の
する政策的な側面と立法過程の面とを柱として、法律が成立する
より広い基盤の上に打ち立てるのである。として、刑法の発展に
相違に関し論議が交わされた。特にドイツ参審制の実態に質疑が
界の傾向とは別に、職務として国内の民事法の立案に携り、また
寄せられ、素人の司法参与に対する関心が窺われた。教授の機知
いうことから出発する。このような考え方を、刑事政策とのアナ
までの種々の事項に光を当て、整理して把握すべきではないかと
とって、素人参与の重要性を看過してはならないことを強調され
に富む解答は、個々の質疑に即して詳細な資料を提供され、本テ
た
17を考察する上で非常に参考となった。
ロジーから、一応﹁民事政策﹂とレうことにする。﹁民事政策﹂
の内容は、立法過程、立法技術に関する事柄にとどまらず、立案
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象や知識の集成であっても差支えない。報告者は、今回は時間の
体系的な﹁学問﹂の形式に合っている必要はなく、さまざまな現
て、若干開発されてはいるが、それらは所詮職人的技術にとどま
制局及び各省庁の立法関係者の経験並びにそれに基く著作によっ
法を選択するかということである。(三)の段階については、法
ば具体的な条文の表現にとらわれがちであるが、大切なことは基
本的構想を十分に練ることであり、それにもとづいていかなる方
に際しての政策形成等をも含む広いものである。しかし、これは
技術的立法過程を中心に説明した。
とは単に紙と鉛筆の作業ではなく、人と金とをかけなければなら
うな組織ないし機能を強化する必要がある。法律を作るというこ
て、社会的需要を吸収し、検討し、事態に応じた態度をとれるよ
成の一二段階に大別される。実際にはこの三つが相互に絡み合って
ないものである。そこでは政策形成が行われるから、価値判断が
るものである。むしろ、これからは、基本的構想を練るに際し
いる。しかし、この区別は単に論理的であるにとどまらず、問遁
あって、単なる法律的知識と論理だけでは十分ではない。また、方
二、民事法の立案の過程を整理すると、(一)基本的権想の形
の整理と検討に当って有効な方法である。(一)の段階は、要す
法選択についても新たな観点から検討を加える必要がある。この
成、(二﹀構想を実現する方法の選択、(三)具体的な条文の作
しいか(例えば、高利貸の弊害の除去)、またそれが適当か、法
るに、法律的な見地からどのようなことがしたいかまたは望ま
である。なお、立法の当否の検証の仕方としては、伝統的な解釈
ように、立法作業は、いわば一種の社会工学 (82と2 5
ユロ巴
問 2
論的アプローチでも相当に有効である。その意味で、今までの法
律的手段に親しむかなど、目的と政策的判断を練る段階である。
(二)は、その目的なり政策なりをいかなる方法で行うことが相
当であるか、例えば直接的な規制をする、間接的な規制で止め
学教育や法律家養成の訓練は決して無視さるべきではない。
実体法、手続法における実質的な問題について各分野で大いに論
一ニ、そのほかに、報告者は、民事政策ないし立法学としては、
る、とくに方策を講じないなど、また、これらの方法を選択した
(例えば、金融業者の取締、利息の制限等)を行う段階である。
ずべきであり、これがもう一つの大きな柱となるべきであると述
場合における、目的達成の難易、他への波及、弊宝同等の比較較量
さ己は、具体的な条文の作成を中心とする。一般的な立法論
社法の改正、法人制度、仮登記担保制度など)を検
(例えば、 Ah
討することによって、現在行われている立法的議論も、立法作業
べた。すなわち、二で述べたような方法を用いて具体的な問題
も、整理され、無駄な時間と労力が省かれるとともに、もっとみ
は、おおむね(一)の段階であって、極めて断片的でしかない。
る。もちろんこれらは相互に関連し、実際の立案ではフィード・
官庁等の作業はつ一)の段階からはじまることが多いようであ
パックの過程を経ながら進んでゆく。そして、実際にはともすれ
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制約のため、﹁民事政策﹂全体についての詳しい構想は省略し、
法学会記事
ことにより、解釈論にも影響を与え、解釈(判例、通達、学説な
のりあるものとなるであろう。また、立法理由等をも探究する
ど)という手段を用いることによって法律の改正が遅れるという
た法律の制定、改正が出来、小まわりの利く立法が出来ることに
弊害を少くすることもできる。そして、現実の事態の推移に応じ
なろう。(これまでのわが国の立法は、少くとも私法の分野で
は、欧米諸国に比して遅れており、不十分であるし Lの印象を免れ
の意味、学者と立法担当者の関係、わが国の私法の分野における
ない。﹀さらに、社会学的立法過程、立法と慣習、外国法の調査
号(綿一此ハ時)予
アメリカに於ける法人税の発達
山路愛山研究序説
hH
﹁
道
林
也
立法論及び立法態度の特殊性等にも関連してくるが、今回は割愛
せざるをえなかった。
手形法十六条二項にいわゆる﹁義暑と
に つ い て 同25
武
日
日
立
身
同
不当労働行為制度によって保護され
平
日
幸
哲
次
る﹁権利﹂の性質け
阿
鋭
F
司
料
告
道
品
論
資
報
雑
北
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