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2005年度福祉サービス苦情処理状況報告

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2005年度福祉サービス苦情処理状況報告
2005年度(平成17年度)
福祉サービス苦情申立ての処理状況
報
告
書
2006年6月
中野区福祉サービス苦情調整委員
(福祉オンブズマン)
-1-
目
次
ページ
第1
受付及び審査結果の状況・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
1.実施機関に対し、是正を求める意見表明を行ったもの
2.実施機関に対し、制度の改善を求める意見表明を行ったもの
3.改善等を検討するよう口頭または文書で申し入れたもの
4.苦情の申立て後、直ちに区が改善措置等を行ったり改善方針が確認されたもので、
その旨申立人に伝えたもの
5.区の対応につい現状ではやむを得ないと判断し、その旨申立人に伝えたもの
6.申立て受付後、申立人が申立てを取り下げたもの
第2
苦情及び審査結果の概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
1.実施機関に対し、是正を求める意見表明を行ったもの(3件)
1−(1)資産活用福祉資金貸付事業・・・・・・・・・・・・(生活援護関係)・・・2
1−(2)補装具費用徴収金決定の際の所得税額確認方法・・・(障害福祉関係)・・・5
1−(3)特定学童クラブの継続利用・・・・・・・・・・・・(児童福祉関係)・・・7
2.改善等を検討するよう口頭または文書で申し入れたもの(2件)
2−(1)職員の対応・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(生活援護関係)・・・9
2−(2)職員の対応・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(障害福祉関係)・・12
3.区の対応が現状ではやむを得ないと判断し、その旨申立人に伝えたもの(3件)
3−(1)職員の対応・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(生活援護関係)・・13
3−(2)職員の対応・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(生活援護関係)・・15
3−(3)精神障害者ホームヘルプ等・・・・・・・・・・・・(障害福祉関係)・・16
-2-
第1
受付及び審査結果の状況
2005年度に福祉オンブズマン(正式名称:中野区福祉サービス苦情調整委員)が受け
付けた苦情申立て件数は、8件です。
申立ての分野別内訳は、生活援護関係4件、障害福祉関係3件、児童福祉関係1件でした。
これらについての調査及び審査結果は、次のとおりです。
1.実施機関に対し、是正を求める意見表明を行ったもの・・・・・・・・・・・・・3件
「中野区福祉サービスの適用に係る苦情の処理に関する条例」(以下「条例」という。)
第13条第2項に基づき、実施機関に対し是正を求める意見表明を行うものです。
分野別内訳は、生活援護関係、障害福祉関係、児童福祉関係がそれぞれ1件でした。
2.実施機関に対し、制度の改善を求める意見表明を行ったもの・・・・・・・・・・・なし
条例第14条に基づき、実施機関に対し制度の改善を求める意見表明を行うものですが、
該当するものはありませんでした。
3.改善等を検討するよう口頭または文書で申し入れたもの・・・・・・・・・・・・・2件
口頭または文書で申し入れることについては、福祉オンブズマンの権限として条例等では
規定されていないものです。これは、苦情の内容について、是正を求める意見を表明、また
は、制度改善を求める意見を表明するまでもないが、福祉サービス事業の運営方法を改善す
ること等によって、申立人の苦情に対応できるものについて検討するよう求めるものです。
分野別内訳は、生活援護関係、障害福祉関係がそれぞれ1件でした。
4.苦情の申立て後、直ちに区が改善措置等を行ったり改善方針が確認されたもので、その旨
申立人に伝えたもの・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・なし
5.区の対応について現状ではやむを得ないと判断し、その旨申立人に伝えたもの・・・3件
分野別内訳は、生活援護関係が2件、障害福祉関係が 1 件でした。
6.申立て受付後、申立人が申立てを取り下げたもの・・・・・・・・・・・・・・・・なし
-1-
第2
苦情及び審査結果の概要
1.実施機関に対し、是正を求める意見表明を行ったもの・・・・・・・・・・・・・3件
1−(1)資産活用福祉資金貸付事業(生活援護関係)
【苦情の要旨】
私は、中野区に土地建物を所有し、同建物に居住している。
平成3年、私は「中野区資産活用福祉資金貸付条例」
(以下「条例」という。)に基づく金銭
消費貸借契約を中野区との間で締結した。契約当初、私の土地建物の評価額に基づく貸付極度
額は、6,860万円であった。以来、毎年3月に貸し付け手続きについての書類が送られて
来ているが、その際の貸付極度額は変更がなく安心していた。そこで4年前、契約に基づく改
修資金100万円を借り入れ、自己資金と合わせて自宅のリフォームを行った。
ところが本年3月、区から、土地建物の評価額の見直しを行ったところ、大幅に評価額が下
がったので、貸付極度額を3,038万円に減額変更したという通知が届いた。しかし、これ
までの長い間ずっと極度額6,860万円との通知であったので、それを念頭に人生設計を立
ててきたのである。住宅改修もその一環であり、もっと前に評価額の減少を知らされていれば、
改修に費用を掛けることもしなかったと思う。評価額の減少は、世間全体の現象であるからや
むを得ないとしても、もっと以前から見直しがなされ、貸付極度額の改定が通知されていたな
らば、それに対応した人生設計ができたはずである。長い間見直しをせずにきた上に、今回評
価額が下がったとして貸付極度額が極端に減ってしまったことを、ただ単に契約にあるから仕
方がないというやり方は、福祉という観点と相容れないと思う。今回の区からの貸付極度額変
更通知には、納得がいかない。
【審査の結果】
1
区の事情説明
区からは、平成3年以降これまで評価額の見直しを行わなかった事情については、所管部
署の変更があったこと、専門家に鑑定評価を依頼することは予算の制約上難しかったこと。
また、今般平成17年3月に実施したのは、新規の契約申し込みの審査を行う必要があった
ため、それを機に全件見直しを行うことしたこと、などの説明がありました。
2
本職の見解
本職は、調査結果から、区として改善が必要と思われる点が明らかになりましたので、区
に対して次のとおり是正を求める意見表明をいたしました。
(是正を求める意見)
(1)担保物件の評価額の見直しの実施について
本件条例及び金銭消費貸借契約によれば、区長は必要と認めるときに評価額の見直しを
行うことができるとされているのみで、見直しをすることが義務付けられてはいない。し
かし、貸付極度額が評価額を基準として算出されること、利用者にとって貸付極度額は生
-2-
活設計の重要な指針となることに照らせば、契約上貸付極度額の基準として用いられる評
価額の数値は可能な限り実勢評価額に近いものにしておくことが必要である。
本件ケースにおいては、平成3年の契約締結時に評価額を算出して以来、平成17年に
至るまで一度も見直しが行われていない。このため契約当初の評価額に基づく貸付極度額
の数値が毎年通知されており、申立人はこの金額を前提として生活設計を立てていた。し
かるに、今般の見直しの結果、評価額が下落したため、申立人の生活設計が大きく狂って
しまったのである。
地価の下落は各種公的資料にも表れているところであり、もっと以前に評価額の見直し
が行われていれば、申立人にも貸付極度額の減少が伝えられ、それを基にした生活設計の
見直しもできたと思われる。区の怠慢により、生活設計見直しの機会を奪った区の責任は
重大である。予算上の制約という現実的な問題もあるであろうが、費用をかけなくても実
施できる簡易な方法などもありうると考えられる。
今後は、できる限り実勢地価を反映するように、見直しのサイクルについても長期間あ
けることの無いようにして、評価額の見直しを実施すべきである。
(2)本件制度全般について
本件制度の目的は、条例第1条にうたわれているように、「高齢者及び障害者の生活の
安定を図ること」であり、福祉を実践するための施策の一環であると解される。金銭消費
貸借ではあるが、民間金融機関が営利目的で行うものとは、一線を画する制度であるはず
である。
しかし、そのような制度趣旨を念頭に本件条例及び関係法令ならびに契約書条項等を見
ていくと、例えば償還に関する規定など、場合によっては利用者にいささか厳しい条件と
なるのではないかと危惧されるものも見受けられる。また、更に利用しやすい制度とする
ためには、改善したほうが良いと思われる条項なども見受けられる。
従って、区として制度の内容について再検討を行い、改善できる点についてはぜひとも
実行していただきたい。
【区の対応】
1
担保物件の評価額の見直しの実施について
担保物件の評価額の増減については、今後は、3年ごとの契約更改時に担保物件の評価額
の見直しを必ず行い、各契約者が生活設計を見直す機会を保障できるようにいたします。
また、地価の動向に常に注意を払い、大幅な変動があった場合には、速やかに担保物件
の評価額の見直しを行い、各契約者の生活設計に与える影響を最小限に食い止められるよう
努めてまいります。
今回の反省を踏まえ、今後は、定期的な連絡・相談を行うことで各契約者との意思疎通
を図り、安心して生活ができるよう努めてまいります。
2
本制度全般について
今回、担保物件の評価額の見直しを行った結果、評価額が著しく下落し、申立人のように
貸付可能残高が少なくなった世帯のほかに、これまでの貸付額が新たな貸付極度額を超えた
-3-
ため、契約終了となった世帯も出てきました。
現行の条例及び規則の規定をそのまま適用した場合、申立人については、あと約2年しか
借入れができなくなり、また、契約終了となった世帯については、貸付元利金の早急な返還
を求めなければなりません。こうした事態は、「高齢者及び障害者の生活の安定を図る」と
いう制度の目的からも問題があるため、条例及び規則の改正を検討いたしました。
条例については、貸付期間が満了した場合の貸付元利金の全額償還期限を「30日」から
「180日」に改め、貸付利率については市場金利に近い利率に近づけたいと「年4パーセ
ント」から「3パーセントを限度として区長が別に定める」に改め、平成17年4月1日か
ら適用することとしました。「区長が別に定める」については、利率を決めるにあたり、長
期プライムレートの動向を参考とする旨を含んでいます。この条例一部改正については、平
成17年第二回中野区議会定例会の 6 月 15 日の本会議において可決され、公布日の 6 月
20日より施行となりました。
規則については、貸付極度額の割合を一戸建ての住宅及びその敷地については「70パー
セント」から「80パーセント」に、償還猶予期間を「60日」から「1年」とする改正を
行いました。
条例及び規則の一部改正に伴い、各契約者の貸付利率を含めた貸付総額、貸付極度額など
が変更となります。申立人をはじめ契約者には、担当者が訪問し、今回の条例及び規則の一
部改正の趣旨、並びに契約内容の変更について十分説明し理解を求めていくこととしました。
-4-
1−(2)補装具費用徴収金決定の際の所得税額確認方法
(障害福祉関係)
【苦情の要旨】
障害者が補聴器の交付などの福祉サービスを受けるに際しての自己負担金は、所得税額等に
応じて決定されることになっている。
ところで、中野区では福祉サービス等の申請をした障害者に対して、所得税額推定計算の基
礎資料とするためとして、所得税確定申告書の控えを提出させている。しかし、これには次の
ような問題点がある。
(1)確定申告書は複写式になっており、区への提出用用紙も綴られている。従って、申告書
と同じものは区の税務担当にあるはずである。そこから情報を入手すればすむものを、わ
ざわざ本人から確定申告書控え(写し)を出させる必要はない。確定申告書の記載の内、
推定計算に必要な数字は各種控除など限られたものだけであるのに、申告書提出により不
必要な数字まで見られてしまうことになる。これは納得できない。
(2)厚生労働省「更生医療の給付又は補装具の交付若しくは修理を受ける者の負担すべき額
の認定方法実施要領」(以下「要領」という。)によれば、
「所得税額の確認は、所轄税務
署又は徴収義務者等に照会して行うこと」とされている。従って、本人から申告書控え
を提出させるのは納得できないのみならず、提出させることは法律違反である。
【審査結果】
本職は、区のこれまでの所得税額の確認方法に不適切・不十分な点があると判断しました
ので、区に対して、次のとおり文書による是正を求める意見表明を行いました。
(是正を求める意見)
1
現在の区の運用としては、所得税額の算定のために申請者本人から申告書を提出させてい
る。しかし、所得税算定には、所得税額だけではなく、配当控除、外国税控除、住宅取得控
除の 3 つの控除についての情報も必要ではあるが、申告書には算定には不要な情報も記載
されているため、申告書提出という方法には不要なものまで見られてしまう問題点がある。
2
本件要領は「法律」ではなく、「局長通知」である。従って、法律のような拘束力はない
ものの、対象分野の行政職員の業務執行の際の行動指針となるものであり、原則的にはこれ
に沿って行政を進めるべきである。ただし、絶対的に拘束されるという性質のものではなく、
これと異なる方法を採ることに正当な理由がある場合には許容されると考える。
3
本件要領のとおりに行うとすれば、本人に申告書を提出してもらうことなく、区は、①税
務署に対しては正式の文書による照会手続きを踏むこと、②区の内部においては個人情報保
護審議会の承認等の手続きを踏むこと、これらの法的に認められた手続きによって照会をす
ることとなる。このようにして本件要領に従った方法を採ることは可能である。
4
原則として本件要領を尊重すべきであり、本件要領に従った方法を採れば申告書提出に伴
う「不必要な情報まで見られてしまう」という不利益が回避できることから、本件要領に従
った方法を取り入れるべきであり、現在のように当然のごとく本人に申告書の提出を求める
ことは妥当でないと考える。
-5-
5
ただし、本件要領に従った方法を採った場合には、手続きに時間がかかることが考えられ
る。照会手続きを経ることのために申請者が速やかにサービスを受けられず、結果が出るま
で相当期間待たされるというような事態も想定される。
そこで、本人及び同居の扶養義務者に照会手続きのことを説明し、その手続きによること
ができることを伝えた上で、それにかかる時間的な不利益も説明し、照会手続きを選択する
か、自発的に申告書を提出するか、本人の選択にゆだねるべきであると考える。
6
本人が自らの意思で申告書を提出する方法を選択されるのであれば、本件要領とは異なる
方法ではあるが、許容されるものである。しかし他方、時間はかかったとしても照会手続き
によることを選択する人には、その方法も保証されていなければならない。
【区の対応】
所得税額の確認方法については、申請者から確定申告書控え(写し)または源泉徴収票の提
出を求める方法のみではなく、決定までに時間を要するが、福祉事務所長が本人同意のもとに
税務署等へ文書照会する方法もあることを説明し、申請者が選択できるように改め、各相談窓
口に周知しました。
-6-
1−(3)
特定学童クラブの継続利用
(児童福祉関係)
【苦情の要旨】
私の子は現在、A小学校の障害学級で学んでいる。私の住所地はB小学校の学区内であるが、
B小学校に障害学級がないため越境が認められてA小学校に通学しており、また実際、学校と
の距離もA小学校の方がはるかに近い。私の子はこれまで放課後、A小学校の学童クラブに通
ってきたが、このたび区から、来年度から障害児の定員の関係で受け容れられないこと、B小
学校の学童クラブならば定員が空いており転ずることは可能であることが示された。しかし、
B小学校の学童クラブは遠く、私の子が 1 人で通うことは無理である。受け容れられない理
由は、私は自営業なので利用基準指数が低くなり、定員から外れるためであると説明された。
自営業というだけで、自動的に指数が低くなることには納得がいかない。私の子は自閉症で、
新しい環境には容易に慣れず、また前述のように距離的にも通うのは無理である。
以上のような理由から、定員について弾力的に運用し、これまでどおり受け容れて欲しい。
もし受け容れられないというのであれば、児童館で待機児童として扱って欲しい。また、障害
学級に近接する学童の定員が 6 名では少なすぎるので、拡大して欲しい。
【審査結果】
本職は、調査結果から、区として改善が必要と思われる点が明らかになりましたので、区に
対して次のとおり是正を求める意見表明をいたしました。
(是正を求める意見)
1
学童クラブは各小学校の通学区に対応して設けられているが、障害児学級のある小学校の
数は限られている。そのため、障害のある児童は、住所地に対応する小学校の学区を越えて
障害児学級のある小学校に通わざるを得ず、当該障害児学級が併設された小学校こそが本来
の通学先なのであり、その点、一般の児童と同じ通学区基準を適用すべきではない。そのよ
うな児童の特定学童クラブ(障害児学級がある小学校に対応する学童クラブ)への受け容れ
について、住所が当該小学校の通学区にあるか否かを基準として優先順位を決定するのは不
合理であり、見直しを要請する。
また、中野区の平成 18 年度「学童クラブのしおり」に掲載された「学童クラブ募集要領」
によれば、特定学童クラブについては定員を超える申請があった場合は、学童クラブの当該
小学校通学区域内に住所がある児童を優先するとされている。このような取り扱いは前述の
趣旨にてらして不当であり、改められるべきであると考える。
2
中野区では、保護者の生活状況に応じた指標と指数を設け、指数の高い順に利用者を決定
し、利用希望者が定員を超える場合には、指数が低い児童については利用待機者として扱わ
れている。現実に利用希望者が多く、すべての児童を受け容れることが困難な状況がある以
上、このような取り扱いを不当なものということはできない。また、その基準の設定につい
ても各利用希望者の個別事情を考慮することは不可能であるとともに、判断者の主観が入り
込みやすく、かえって不公平となる可能性があることから、客観的指標を立てて処理せざる
をえず、その設定も行政の合理的裁量の範囲にあるといってよいであろう。しかし、その指
数に関しては、一つの指標を満たすか否かで生ずる指数の差が、他の調整の指標を計算に入
-7-
れても容易に回復しがたい程度に大きくなる場合には、相当性を欠くこととなり問題がある。
今回問題とされている居宅外就労と居宅内就労との指数の差は最大で3ある。また、居
宅内就労の場合には、
「放課後 2 時間 30 分以上適切な保護ができない日が週 3 日以上ある
ことを常態とする」場合でも指数は8であり、居宅外就労の「1 時間 30 分以上適切な保護
ができない場合が週 3 日以上あることを常態とする場合」の指数9と並ぶことはない。た
しかに保護者が在宅しているといないとの差は小さくないとは思うが、居宅外就労か、居宅
内就労かという指標が、多くの場合に機能する基本的指標であることを考えると、この指標
を満たすかどうかだけでほぼ利用の可否が決定してしまうという扱いが相当かどうか、検討
の余地はあるように思う。
もっとも、このような指数設定の当否の問題は障害児だけの問題ではない。他の調整的指
標をどのように立てるかにも関わることであり、さらには学童クラブ以外の区のサービスに
あっても、同様の基準が立てられている場合もあると思う。その意味で、具体的にこのよう
な指標や指数の設定の仕方をどうするかは、今回の申立人のケースだけで判断すべき性質の
問題ではなく、他のサービスの基準までをも含めた総合的な検討のうえに判断されるべきも
のと考える。本職としては、区側に対し、このような指標、指数の設定の仕方をどのように
するか、点検と検討を要請する。
3
現在の特定学童クラブの定員が 6 名であることについては、区に許された合理的裁量の
範囲を超えて不当であるとは認められない。しかし、特定学童クラブの特殊性を考えると十
分であるということではなく、今後必要性に相応した定員の設定にむけた努力を望む。
4
特定学童クラブの定員は、個々の学童クラブに固定的に割り振られたものとして考えるべ
きでなく、学童クラブ全体の枠の中で、職員配置などによって弾力的に運用されるべきであ
る。本件の場合においても、まず、そのような対応の可否を検討するよう要請する。
5
特定学童クラブの定員から外れた障害児童を待機扱いにしたうえ、一般の児童館来館児童
として扱うことには安全への配慮の面から困難がある。その特殊性を考慮し、特定学童クラ
ブ以外の近隣学童クラブへ通うことを選択した場合についても、待機登録の道を開くよう検
討を要請する。
【区の対応】
1
障害児学級についてのみ、住所のある通学区域を基準として優先順位を決定することにつ
いては、障害児学級を有する小学校が限定されているという現状に鑑み、より望ましい基準
について検討していきます。
2
利用基準指数については、区が行う他のサービスの基準も参考にしながら、各保護者の状
況や類型区分、指数の水準など全体を点検し、見直しを進めていきます。
3
学童クラブの障害児の定員については、放課後児童の適切な保護育成の観点から適切な受
け入れ人数及び運用について引き続き検討を進めてまいります。なお、平成18年度当初の
対応については、申立人を含め、既に利用申し込みを行っていた障害児について当初希望し
ている学童クラブへの入会を既に承認しました。
4
上記定員に関する検討の中で、障害児の待機登録のあり方についても検討をしていきます。
-8-
2
改善等を検討するよう口頭または文書で申し入れたもの・・・・・・・・・・・・2 件
2−(1)職員の対応(生活援護関係)
【苦情の要旨】
1
生活保護申請時の職員の対応について
(1)昨年 8 月、私は生活保護受給申請をするために区役所に行き、ある職員と面接した。そ
の職員からは、これまでの転居のことや体調のことなどを聞かれたが、このときの職員の
態度は居丈高であり、威圧的であり、暴言が多数あった。
(2)このとき職員から、子どもに生活保護制度についての説明をするから連れてくるように
言われ、翌日、子どもと一緒に同じ職員に面会した。すると職員は、子どもに対しては説
明するだけだと約束したにもかかわらず、こまかいことまで根掘り葉掘り質問した。そし
て、子どもがいる前で私に対して、前住地での生活保護廃止の事情や就業していないこと
について、暴言で詰問した。このときの発言は、手術直後で安静が必要な子どもに対して
配慮がなさ過ぎる。
(3)8月中旬、別の職員が私宅を訪ねてきた。既にいろいろ話してあるのに、あれこれ質問
を繰り返した。特に子どもがいる前にもかかわらず、私の過去の離婚の際の事情など子ど
もの前では言いたくないプライバシーについてまでお構い無しに質問した。また、そのと
き私は腰痛がひどいにもかかわらず、「仕事はいつから始めるんですか」などと言った。
このときの職員の態度と発言も配慮が無く、暴言であり許せない。
2
労災事故の際の職員の対応について
その後、生活保護は開始され、担当職員は前の二人とは別の人になった。
9月になってパートの仕事中に事故に遭い、左足が不自由になるなどの傷害を負った。
そのとき担当職員は、聞きもしないのに、後遺症、労災、弁護士などについて発言したが、
細かく親切に面倒を見てくれないので、かえって困惑するばかりであった。
3
労災保険の休業補償金の扱いについて
(1)自分で頑張って労災の休業補償金支給の手続きを取り、17 年 11 月に休業補償金とし
て 101,184 円が交付されたが、職員が来て、このうち 101,000 円を預っていった。
その後、18 年 1 月に区から来た書類には形だけ収入認定がされていた。しかし現実には
自分のところには全くそれに相当する金銭は渡されていない。この補償金の扱いがどうな
っているのか、納得のいく説明がされていない。
(2)また、同書面によると、必要経費としては 6,950 円が認められるので 101,184 円か
ら 6,950 円を差し引いた 94,234 円が区に返還を要する金額である。しかし、既に
101,000 円預っており、6,766 円預かり過ぎていることになるため返したいと言って
いるが、これを承諾したほうが良いのか否か判断できない。
(3)タクシー代の経費としての認定について、事故直後で通院に一番頻繁にタクシーを利用
した 17 年 9 月分から経費認定をしてくれるように担当職員に頼んであったのに、手続
にかかってくれたのは 10 月からであった。このことも納得がいかない。
(4)18 年 1 月、担当職員が来訪したので、交通費としての申請をするために手元にとって
-9-
おいたタクシーの領収証を渡そうとした。しかし、職員は上司と相談の結果であると言っ
て、領収証は持っていかなかった。そして交通費申請書という用紙に記入して病院のハン
をもらって送ってくれと言ったので、わざわざこのために通院予定を急遽早めて病院へ行
き、ハンをもらって用紙を区へ送った。ところがその後担当職員から「申請書の分が出る
わけではなく、領収証のある分しか出ないので領収証を送ってくれ」と言ってきた。つま
り、わざわざ病院へ行って申請書にハンをもらってきたことは全く無駄だったということ
であり納得がいかない。
【審査の結果】
1
生活保護申請時の職員の対応について
申立人としては、生活保護申請の件で窓口を訪ねることも不本意だと感じており、抵抗感
を持っていたようです。このような心理状態である申立人には、区の職員の対応はあまりに
配慮を欠いたぶしつけなものに感じられたようです。ただし、申立人の申立ての多くは言葉
のやり取りの問題であるため、今となっては再現することもできず、本職としては職員の発
言内容や言い方が丁寧だったか乱暴だったかといったことについて、確定することができま
せんでした。
しかしながら、申立人のように対応に不満を持つ方もいるという事実は重く受け止める必
要があります。本職としては今後、生活保護申請に関わる職員には、申請者の心情に配慮し
た温かみのある対応を心がけるようにと区に対して口頭で強く申し入れました。
2
労災事故の際の職員の対応について
申立人としては、体、仕事、労災保険など心配事が多い局面で、担当職員にもっと親身な
対応を期待されたのだと思いますし、それは無理からぬところです。
ただ、申立人の求めているところが、職員には明確には伝わっていなかったのではないで
しようか。申立人と職員との間で意思の疎通がもっと出来ていれば、申立人の不満も軽減さ
れたかもしれません。職員としては相手の希望や意向を汲み取るための努力が必要だと感じ
ます。本職としては区にこのような努力をさらに重ねるようにと口頭で申し入れました。
3
休業補償金及び必要経費の扱いとタクシー代について
(1)休業補償金の取り扱いについて
働いて得た収入については、生活保護費の減額に関して基礎控除があります。しかし、
この補償金は基礎控除の対象にはなりません。ということは、補償金を得た分だけ生活
保護費として支給される金額が少なくなってしまうということです。なお、その補償金
請求に関してかかった費用の分は控除できます。
(2)6,766 円返還の申し出でについて。
平成17年11月分については生活保護費の支給の他に休業補償金 101,184 円が申立
人の手元に入ってきたということになります。そこでこの補償金については、このうち
6,950 円が必要経費と認定されたので、その余の分(94,234 円)については区に返還する
ことが必要になります。しかし、既に申立人は区に 101,000 円を預けてあり、6766 円
返し過ぎということになりまので、区は申立人に返すことになります。
- 10 -
申立人は、受け取ることについての判断に迷っていますが、本職が調べたところ、この計
算は適切なものと判断しましたので、申立人には受け取るように回答しました。
4
タクシー代について
申立人が区に提出したタクシーの領収証の写しを見ましたが、休業補償金の経費として
認めた領収証は 9 月のものと 11 月のものがありましたので、9 月のタクシー代について
休業補償金の経費として組み込んだようですので、「手続をしなかった」というのは当らな
いと思います。
9 月は事故直後で通院した回数も多かったようですが、領収証の無いタクシー代を経費と
して認めるというのは、残念ながら難しいと言わざるを得ません。したがって、本職として
は、領収証の残っている分だけしか経費として認定されなかったのはやむを得ないと判断し
ました。
5
医療扶助としてのタクシー代申請手続きについて
医療扶助としてのタクシー代支給の件の事実経過に関しては、申立人と区との間でかなり
食い違いが見られました。申立人からすると、初めは申請書だけでいいと言っていたのに後
で領収証も要ると言われたということですし、区では両方要ることは前から伝えていたと言
っています。また、申立人は申請書に印鑑をもらったことについても不満を示していますが、
区ではきちんと説明はしたと言っています。これらの事実経過についての双方の言い分の食
い違いについては、本職としては判断できませんでした。
【区の対応】
生活保護申請時の面接員及び生活保護受給中の担当ケースワーカーの対応について、次のと
おり職員に周知徹底しました。
1
申請者及び生活保護受給者の状況を察知し、心情に配慮した対応を心がけること。
2
申請者及び生活保護受給者が何を必要としているのか的確に判断し、面接員、ケースワー
カーとして指導・支援できること、できないことを丁寧かつ正確に伝えること。
3
上記の補足として、必要に応じて文書にてさらに詳しく説明するなどの工夫を行うこと。
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2−(2)職員の対応(障害福祉関係)
【苦情の要旨】
地域生活支援センター「せせらぎ」に相談電話をかけたところ、所長が私に「幸せに生きて
いるあなたを想像できない。」と、将来に希望を持てないような発言をした。また、この電話
の件について障害福祉担当課長に電話をしたところ、担当課長は会議中ということで別の職員
が電話に出て、
「あとで、こちらから電話します。
」と言われたが、いまだに連絡が来ていない。
こうしたことには納得がいかない。
【審査の結果】
1
所長の発言について
苦情の対象となった発言の存否を所長に対して確認したところ、そのような発言をした事
実はなく、またこれに類する発言についても行ったことはないとの回答でした。
電話での 1 対 1 の会話の中で、ある発言があったか、なかったかという問題については、
第三者がその真実を確認することはほとんど不可能といわざるを得ません。今回の場合も残
念ながら、本職といたしましても、発言の存否については、いずれとも断定することはでき
ませんでした。
ただし、今回の問題は、区民と区職員の言葉のやり取りの中で生じたものです。本職は区
側に対し、一般論としてではありますが、区民との対応にあっては言動に誤解を生じさせな
いよう留意して欲しい旨、口頭で申し入れました。
2
障害福祉担当課長への電話に対する対応について
今回申立人は、電話対応をした職員が「あとでこちらから連絡します。」と言ったにもか
かわらず、課長から返信がなかったことを問題としています。この点について、区側からは、
電話は課長に申立人の苦情を伝えるようにとの内容で、その返信を求めるものではなかった
ため、課長に伝達をしたが、改めて申立人に連絡をとることはしなかったとのことでした。
ここでも問題は、結局は言った言わないに帰着し、本職としては、そのいずれが真実であ
るのかを断定することはできませんでした。
【区の対応】
区民との対応に当たっては、誤解を受けないよう言動に慎重を期するとともに、相手の身に
なった対応をするよう職員に指示しました。
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3
区の対応が現状ではやむを得ないと判断し、その旨申立人に伝えたもの・・・・・・3件
3−(1)職員の対応(生活援護関係)
【苦情の要旨】
私は、生活保護を受給しており、重大な疾患に付随して骨粗しょう症に罹患している。
本年 7 月、ヘルパー派遣の利用について担当ケースワーカーに相談したところ、利用でき
る旨の回答があった。その際、担当ケースワーカーは、ヘルパー派遣申請に必要な書類を病院
宛に送付することを約束した。しかし、8 月 18 日にその病院を受診した時点においては、書
類がまだ到達しておらず、再度担当ケースワーカーに、その病院の整形外科の先生宛に送って
くれるよう依頼した。
9 月 8 日に病院を受診した際に、書類は8月末に到達していたことが判明したが、当該書
類は病院の整形外科医師宛のみならず、同病院の内科医師宛にも送付されていたことが判明し
た。さらに、別原因でかかり付けの別病院の消化器外科および精神科の医師宛にも同様の書類
が送付されていたこともわかった。担当ケースワーカーは、書類を関係のない病院にまで送付
しただけでなく、書類中に「入院が必要な状況にある」、
「日常生活で箸より重いものを持てな
い状況にある」など、私が告げたこともないことを記載した。このような担当ケースワーカー
の行為は、私の要望に正確に対応していないというだけでなく、名誉や心情を大きく傷つける
ものである。
こうしたことには納得がいかないため、担当ケースワーカーを交代してもらいたい。もし交
代が不可能なら、担当ケースワーカーとの電話あるいは口頭でのやり取りでは、言った言わな
いの問題となるため、今後すべて文書で、係長ないし課長の確認をとった上で行いたい。もち
ろん当方からの連絡も文書で行う。また、今回の書類の件では、上記のように私の名誉や心情
に大きな傷が残ったので、謝ってほしい。
【審査の結果】
1
区側が、病状確認書を 4 箇所宛てに送付した件について
調査の結果、区側は、平成 17 年 8 月 18 日付で、申立人の病状確認書を作成し、2つ
の病院の精神科、外科、内科、整形外科の4箇所に送付していることが分かりました。しか
し、書類の送付先については申立人が希望し、区側はそれぞれの病院のMSW(メディカル・
ソーシャル・ワーカー)と相談して送付先を決定しています。決して区側が勝手な判断で、
一方的に各箇所に送付したものではありません。本来、確認書の送付については区側が判断
できるところ、申立人の意向を尊重して行われたものであり、通常の例にはないことでした。
また、確認書の送付が遅かったとの点についても、例外的取り扱いということで査察指導員
との協議や、通院先 MSW との意見調整に時間を要したためです。
このように、送付先の選定および送付までの時間的経緯について調査した結果、本職とし
ては、区の対応に落ち度はないと判断しました。
2
病状確認書の記載事項について
区側の説明では、申立人が発言されたとおりをそのまま引き写しただけであるということ
- 13 -
でしたが、本当に申立人がそのような発言をされたかどうかということは、本職としては、
残念ながら真実を確認することは出来ない事柄であるといわざるをえません。ただ、もし申
立人が本当に発言されたのだとしても、それをそのまま記載したことには問題があります。
「入院が必要な・・・」は直接ヘルパー派遣を求めた経緯には関係ありませんし、
「日常生活で
箸より重い・・・」というような比喩的な表現があったときには、その状態が具体的にどのよ
うな状態なのかを確認し、それを医師に伝えて初めて的確な意見を得ることができるのでは
ないでしょうか。
本職としては、区側には、「言われたとおりのことを伝えただけ」という、トラブル回避
のための防御的対応ではなく、今一歩事態の正確な把握と伝達に努める姿勢を期待します。
3
ケースワーカーの交代および文書によるやり取りに関する要望について
担当ケースワーカーの交代については、他のケースワーカーの管轄にも影響を及ぼすこと
であり、年度途中において交代することはできません。
区とのやり取りはすべて文書で行いたいということについては、本職から区側に図り、基
本的に希望に沿うようにしたいとの回答を得ました。しかし、究極の目的はトラブルの予防
にあるのではなく、申立人と区側の相互理解を深めることにあります。本職としては、文書
化や居宅訪問をステップとして、申立人と区の間に強い信頼関係に基づいた良好な関係が形
成されるよう望みます。
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3−(2)職員の対応(生活援護関係)
【苦情の要旨】
私は生活保護を受給しているので、医療を受けるためには医療券が必要となっている。
先般、私は通院していた歯科医院へ行ったところ、周りに2組患者がいるのに、これが 8
月分、これが 9 月分、と医療券をかざしてみせた。つまり、他人に私が生活保護受給者であ
ることが知られる可能性のある行動を取ったのである。このような嫌がらせをされたので、こ
の日は診療を受けないで帰ってきた。この件について私は担当ケースワーカーに、この歯科医
院へこのような行為をしないように申し入れをして欲しいと言った。しかし、担当ケースワー
カーも担当係長も、「そんなことはできない。自分でやれ。いやなら他の医院にかかればいい
じゃないか。
」と全く取り合ってくれなかった。
このような職員の対応は、生活保護受給者に対する支援として不適切ではないか。
【審査の結果】
本件の問題は、区の職員が指定医療機関に対して、苦情申し入れをすることが職務上の義務
の範囲に入るのか否かということです。
まず、生活保護法では、都が医療扶助を担当する医療機関を指定し、指定医療機関は医療に
ついて都の指導に従わなければならないと規定されています。つまり、指定医療機関を指導す
る権限は都にあり、区にはありません。
ただし、区に指導権限は無いと言っても、仮に指定医療機関が診療を拒否したということで
あるならば、医療扶助を受ける権利が害されたという重大な問題でありますから、区としては、
都に連絡するなどその権利を回復するための何らかの対策を立てることは必要でしょう。
しかし、本件の場合は、医療扶助を受ける権利の問題ではなく、指定医療機関である歯科医
院側の患者に対する応対の態度の適否の問題です。指導権限の無い区としては、このような問
題に関して指定医療機関に苦情を申し入れる権限は無いと考えられ、苦情を申し入れることは
区の職員の職務上の義務の範囲内ではないと考えます。従って、本職としては、区の職員の対
応は不適切であったとは判断できませんでした。
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3−(3)精神障害者ホームヘルプ等(障害福祉関係)
【苦情の要旨】
現在受けている精神障害者枠のホームヘルプの週の派遣時間を、掃除を内容とする 1 時間
から、調理を含めた 2 時間にして欲しいという申請を北部保健福祉センターへ出したところ、
認められなかった。自分は今後の自立のため、現実に料理をともに行える人を得て学んでいき
たいと考えている。自立支援というのであれば調理を含めた2時間のへるぱー派遣を認めて欲
しい。
また、私の病状や生活状況を最もよく知っているのはこの担当保健師であるにもかかわらず、
判定会議には参加していない。何も知らない人の会議で結論が出されるのはおかしい。
さらに、4 月以降のホームヘルパー派遣スケジュールの件で、ヘルパー派遣元の事業者に連
絡したところ、「区の担当職員を通して打ち合わせて欲しい」、「区の担当職員から申立人は水
曜日でないとだめだといわれているが、水曜日には希望のヘルパーを派遣することはできな
い」と言われた。1 時間のヘルパー派遣は枠が与えられているのに、スケジュールのことさえ
区の担当職員を通して交渉しなければならないのか。また、2 月の段階で、区側には 4 月以
降の予定は未定であると告げてあるのに、なぜヘルパー派遣元には水曜日と固定して伝えてあ
るのか。このような区の担当職員の態度は極めて不誠実である。
【審査の結果】
1
ホームヘルプの時間を、調理を含めた 2 時間に増やすことについて
精神障害者枠のホームヘルプは、単なる生活の援助なのではなく、障害者の自立支援を主
たる目的にしています。したがって、ホームヘルプを認めるに当たっては、課題を設定し、
それを障害者自身が単独ででも実現できるようにするということが目標となり、まずその目
標を達成したうえで、更に必要があれば次の新たな課題を設定してホームヘルプを継続、あ
るいは拡大するということになります。
調査の結果、今回の申立人の時間の拡大の申請についても、区側の判定会議で上記の観点
から審査が行われていましたが、結論として、現在のホームヘルプの課題である室内の整理
整頓ということがまだ達成できておらず、この状態で新たな課題を設定しても実効性がある
かどうか疑問である、という基本的認識のうえに、変更申請は認められなかったということ
が分かりました。
そこで本職は、今回の判定会議の結論が、申立人の現在の生活状況を十分に把握した上で
出されたものであるのか否かを確認しました。とくに、申立人をよく知る立場にある担当保
健師が判定会議に参加していないことを重視して調査しました。その結果、今回の担当保健
師は、新しい仕事の研修のため欠席したこと、担当保健師には事前に意見を求め、会議の席
上それが参考とされていることが判明しました。
本職としては、以上の点からみて、今回の判定は会議の構成員が権限に基づき協議によっ
て判定を行ったものであり、その審査の過程にはその判定を不当とする問題点はなかったと
判断しました。
なお、区側としては、その申請を全く認めないという判断をしたわけではなく、申立人に
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は「出来るかぎりの努力を行ってもなお、ホームヘルプによる援助が必要と思われる場合に
は、ヘルパー派遣の変更を検討する用意があります。」と回答しています。そこで本職とし
ては、是非、現時点での目標課題を達成し、新たな段階に進むことが出来ることを望んでい
る旨を申立人に伝えました。
2
4 月からのヘルパー派遣に対する区職員の対応について
調査の結果、4 月からのヘルパー派遣の事業者との日程調整については、区の担当職員を
通す必要はなく、また、事業者側に区の方からそのような指示をしたことも、水曜日に固定
するよう伝えたこともないことが分かりました。
そこで本職は、すでに決定された 1 時間のヘルパー派遣の枠内であれば、申立人と派遣
事業者との間で自由にヘルパー派遣の曜日を決められること、また、場合によっては他の事
業者を使っても構わないことを申立人に伝えました。
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2005 年度(平成 1 7年度)
福祉サービス苦情申立ての処理状況報告書
中野区福祉サービス苦情調整委員
(福祉オンブズマン)
岩
志
和一郎
大
島
やよい
2006年6月
〒164-8501
東京都中野区中野 4-8-1
中野区福祉オンブズマン室
電話
03−3228−8951
Fax
03−3228−8716
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